【IADL評価方法】FAIとは?15種の手段的日常生活動作で構成

評価法
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リハビリくん
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いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!

   

この記事は「Frenchay Activities Index(FAI)」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。

   

Frenchay Activities Index(FAI)について、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか?

私見にはなりますが、FAIはIADL評価法の中でも、対象者のIADL能力をうまく点数化することができる評価だと考えております。

   

例えば、老研式活動能力指標やLawtonの尺度は「はい」「いいえ」の2択で点数をつけていきますが、FAIについては「はい」と回答した人に更に「頻度」まで確認することによって0点から3点まで幅を持たせて採点することができます。

   

一方、評価項目では「庭仕事」や「家や車の手入れ」が加わっていますが、これに至っては個人因子や環境因子に左右する項目だと思いますので、他の質問と同様の重み付け少し疑問を感じる部分ではあります。今回はそんなFrenchay Activities Index(FAI)についてまとめさせて頂きます!

リハビリくん
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【簡単に自己紹介】

30代の現役理学療法士になります。

理学療法士として、医療保険分野と介護保険分野の両方で経験を積んできました。

現在は医療機関で入院している患者様を中心に診療させていただいております。

臨床では、様々な悩みや課題に直面することがあります。

そんな悩みや課題をテーマとし、それらを解決するための記事を書かせて頂いております。

  

現在、理学療法士として得意としている分野は「脳卒中」「褥瘡」「栄養」「呼吸」「摂食・嚥下」「フレイル・サルコペニア」についてです。そのため、これらのジャンルの記事が中心となっております。

  

主な取得資格は以下の通りです

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

こちらの記事は検索ワードのランキング 2 位を獲得しております。"理学療法士は生活できない?PTが転職を考えるべき7つのタイミング"興味がある方は、こちらの記事も目を通してくれると幸いです☺

IADLとは

IADLは「Instrumental Activities of Daily Living」の略で、日本語では「手段的ADL」もしくは「手段的日常生活動作」と呼ばれています。

ADLは日常生活の「基本的な動作」であるのに対し、IADLはADLよりも複雑な動作と判断が求められる「応用的な動作」のことです。

例えば「買い物」や「乗り物(公共交通機関等)の使用」など、単純に動作が行えるかだけでなく、判断や意思決定が可能かどうかもチェック内容に含まれます。IADLは生活の質(QOL)にも直結するため、IADLをできる限り維持していく事が、人生100年時代を生き抜くためにとても大切です。

ADLとIADLの違い

ADLとIADLは、介護やリハビリテーションの世界では一般的に使われている言葉です。

ADLの項目は、移動(歩く、車椅子を操作する)、食事や着替えなどの運動項目、コミュニケーションにおける理解(言葉や意味が分かること)、や表出(自分の意思や意図を伝えること)などの認知項目など、最低限の日常生活を行うための動作を指します。

これに対してIADLは、前述の通りADLよりも複雑な動作と判断が求められる動作のことを指します。IADLの項目に含まれている「洗濯」を例にとって、説明します。

洗濯には「洗濯カゴから洗濯機に洗濯物を移す作業」「洗剤や柔軟剤を入れる作業」「洗濯を干す作業」「洗濯物を畳む作業」「洗濯物を家族ごとに分けて収納する作業」と様々な工程に分かれます。単純な作業で完結するわけではなく、洗濯した服が誰のものなのか、どの服なのかによって、畳み方も収納場所も異なり、臨機応変な行動が求められます。

このように、IADLは身体を動かす機能だけでなく、判断力や理解力などの機能も関わってきます。

IADLについては、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【IADLの充実を目指したリハビリについての記事はこちらから

IADL評価方法、評価尺度

  • Lawton(ロートン)の尺度
  • 老研式活動能力指標
  • DASC-21
  • Frenchay Activities Index(FAI)

この4種類の評価を抑えておけば間違いないと思います。

FAI(Frenchay Activities Index)とは

こちらの記事をよむことで明日からの臨床で IADL 評価尺度の 1 つである FAI(Frenchay Activities Index)を使用できるようすることを目標にします。

評価法の歴史

Frenchay Activities Index(FAI)とは、IADL評価法の一つであり、1983年にHolbrookらによって考案されたものとなっています。

評価法の目的について

IADLを評価するFAIは、日常生活の中でも応用動作や社会生活における活動の全15項目を評価します。面接調査で、最近の3か月間または6か月間の行動を評価するものです。住み慣れた地域で生活できているご高齢者のIADLを評価するために用いられます。

評価項目について

日常生活における応用的な活動や社会生活における活動の中から15項目(食事の用意・食事の後片付け・洗濯・掃除や整頓・力仕事・買い物・外出・屋外歩行・趣味・交通手段の利用・旅行・庭仕事・家や車の手入れ・読書・勤労)が評価対象となっています。

評価方法について

15項目について、活動頻度に応じて得点化(0~45点)します。FAI(Frenchay Activities Index)は、比較的心身機能が保たれた方が適応となります。評価方法としては聴取または自己評価によって行われ、1項目ごとに4段階評価(0~3点)となっています。

Frenchay Activities Index(FAI)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

結果の解釈

この検査では合計点0点(非活動)~45点(活動的)となっています。
FAI(Frenchay Activities Index)の利用のメリットとしては下記の通りとなっています。

  • 社会参加の活動状況が視覚的に見やすい
  • 社会参加状況の現状、効果の評価に利用しやすい
  • 一度の評価で、複数の活動傾向がつかみ易い
  • 健常生活と疾病後を比較しアセスメント材料に利用できる
  • 一定量の情報収集を職員間で均一化できる

IADL評価方法の 1 つ、Lawton(ロートン)の尺度とは

FAI(Frenchay Activities Index)と並んで IADL 評価方法として注目度が高いLawton(ロートン)の尺度についても簡単にご紹介します。

Lawton(ロートン)の尺度は 1969 年に IADL の発案に携わったといわれるアメリカの心理学者 M・Lawton(ロートン)らが考案した評価尺度になります。

Lawton(ロートン)の尺度の評価項目は、以下の8つの項目から構成されています。

  1. 買い物
  2. 電話対応
  3. 家事
  4. 食事の準備
  5. 洗濯
  6. 移動
  7. 服薬の管理
  8. 金銭の管理

Lawton の尺度では 8 項目の項目ごとに、生活行為能力を 0 点もしくは 1 点で採点していきます。そのため、最高得点は 8 点、最低得点は 0 点となります。得点が高いほど IADL 能力が高いことを示し、得点が低いほど IADL 能力が低いことを意味します。カットオフ値は特別定められておりません。

性別差があることが特徴となっており、最高得点は 8 点と説明しましたが、これは女性の場合であり、男性の場合は最高得点が 5 点となります。

Lawton(ロートン)の尺度については、他の記事で詳しくまとめています!《Lawton(ロートン)の尺度|IADL評価:手段的日常生活動作》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️

まとめ

最後までお読み頂きありがとうございます!

こちらの記事では、Frenchay Activities Index(FAI)についてまとめさせて頂きました!

入院している患者層にもよると思いますが、医療機関で従事していると、IADLに着目してリハビリテーションを行う機会が不足することがあると思います。以前の話ですが、私が勤める病院は、入院患者の重症度が極めて高いため、IADL評価を行う機会がありませんでした(評価してもほとんど「できない」になる)

しかし、訪問リハビリテーションに関わるようになったことで、IADL評価の重要性に再度気づくことができました。地域で生活する方に対してIADL評価法を活用して採点することは重要ですし、何より評価中の会話から、その人にとって重要なことを聞き出すチャンスに繋がるかもしれません!

ADLについては、他の記事でまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【ADL評価法はどれを使えばいい?についての記事はこちらから

参考文献

  1. 蜂須賀研二,千坂洋巳,河津隆三,佐伯覚,根ヶ山俊介.応用的日常生活動作と無作為抽出法 を用いて定めた在宅中高年齢者のFrenchay Activities Index標準値.リハビリテーション医学.2001,38,p287-295.
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