ボディメカニクス:介助6場面チェックリスト

「近づく・水平移動・体重移動」を合言葉に。各場面の手順と NG を A4 一枚で確認できます。

1) 寝返り(仰臥位→側臥位)

コツ
  • 膝を立て、遠位上肢を対側へクロス。
  • 肩と骨盤を「回す」。持ち上げない。
  • ベッド高さは大腿骨頭の高さに。
NG
  • 上体だけをねじる(腰痛リスク)。
  • 遠い位置から腕力で引く。

2) 起き上がり(側臥位→端座位)

コツ
  • 下側の上肢で押し、上側下肢をベッド外へ。
  • 体幹は中立、肩を支点に回旋して座位へ。
  • 頭頸部は「うなずき」で前方重心へ。
NG
  • 上肢を引っ張るだけの介助。
  • 一気に起こして血圧低下を招く。

3) 立ち上がり(端座位→立位)

コツ
  • 足は後方へしっかり引く(膝 90°以上)。
  • 前傾を促し、介助者は前後開脚で体重移動。
  • 腰を持ち上げず「膝伸展+重心前上方」。
NG
  • 腋窩を持つ/引き上げる。
  • 介助者が背中を丸める。

4) 前方リーチ(立位保持)

コツ
  • 片足前方の開脚で支持基底面を拡大。
  • 骨盤前傾で体幹は中立のままリーチ。
  • 必要に応じ骨盤ベルト等で安全確保。
NG
  • 腰から曲げる前屈。
  • 介助者が真横から引く。

5) ベッド⇄車いす移乗

コツ
  • 座面高さをそろえ、間をできるだけ短く。
  • 回転盤・スライディングボードで水平移動。
  • 「1・2・3」の合図で同時に体重移動。
NG
  • 脇を持って引き上げる。
  • 車いすのフットサポート未収納。

6) 車いす操作・姿勢調整

コツ
  • 骨盤を起こし、座面奥深くへ。
  • 滑走補助シートで「後方へ滑らせる」。
  • フットレスト高・バックサポート角度を調整。
NG
  • 上肢だけで持ち上げて座位調整。
  • ベルト未装着・ブレーキ未固定。