GLIM 判定アルゴリズム(A4)

スクリーニング陽性を起点に、GLIM に沿って「フェノタイプ × エティオロジー」で低栄養を診断し、重症度と介入方針まで一枚で整理するためのフローです。

STEP 1 スクリーニング

  1. MUST/NRS-2002/MNA-SF など施設標準のツールでスクリーニング。
  2. 「低栄養リスクあり/境界」と判定された症例を GLIM 評価の対象とする。
※ スクリーニング陰性でも、明らかな体重減少や食思不振があれば再評価を検討。

STEP 2 フェノタイプ

  1. 過去の体重・身長から体重減少率と BMI を算出。
  2. 可能であれば筋量(FFMI/四肢筋量等)を評価。
  3. いずれか 1 つ以上が基準を満たせば「フェノタイプ陽性」とする。
※ 具体的なカットオフ値は地域・年齢・施設の基準(学会・ガイドライン)を使用。

STEP 3 エティオロジー

  1. 摂取不足/吸収不良の有無を問診・記録・検査値から確認。
  2. 急性炎症(感染・手術など)または慢性炎症(慢性心不全・がん等)の有無を評価。
  3. いずれか 1 つ以上が認められれば「エティオロジー陽性」とする。
※ エティオロジーの整理には「エティオロジーマトリクス(A4)」を併用。

STEP 4 診断と重症度

  1. フェノタイプ陽性(≧ 1 項目)かつエティオロジー陽性(≧ 1 項目)で GLIM による低栄養診断。
  2. 体重減少率・BMI・筋量などから軽度/中等度/重度を判定。
  3. 重症度に応じてエネルギー・蛋白量・経路を調整し、リハ栄養計画に落とし込む。
※ 重症度判定の基準値も施設標準または最新ガイドラインに従う。
GLIM 判定サマリー(チェックリスト)
項目 内容
メモ
スクリーニング陽性 MUST/NRS-2002/MNA-SF などで低栄養リスクあり。
フェノタイプ □ 体重減少(一定期間での減少率)
□ 低 BMI(年齢別カットオフ)
□ 筋量低下(FFMI 等)
エティオロジー □ 摂取不足/吸収不良(摂取量低下、消化吸収障害など)
□ 炎症(急性/慢性炎症や疾患負荷)
GLIM 診断 フェノタイプ ≧ 1 + エティオロジー ≧ 1 で「GLIM 低栄養あり」。
重症度 □ 軽度 □ 中等度 □ 重度
(体重減少率・BMI・筋量などから総合判定)
介入方針 エネルギー・蛋白量、経口/経腸/静脈の組み合わせ、リハ栄養、炎症コントロールなど。

※ 本シートは GLIM の構造を整理するための補助ツールです。実際の診断・治療は必ず各種ガイドラインと自施設の運用に従ってください。