褥瘡対策に関する診療計画書

(厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別紙3 参考様式)
氏名 様 ( 男 ・ 女 )
生年月日・年齢 令和   年   月   日生 (   歳) 計画作成日 令和   年   月   日
入院病棟 病棟( )室( )号 診療科
褥瘡の有無 1.現在 □ なし  □ あり(仙骨部・坐骨部・尾骨部・腸骨部・大転子部・踵部・その他(           ))
2.過去 □ なし  □ あり(仙骨部・坐骨部・尾骨部・腸骨部・大転子部・踵部・その他(           ))
発生日など 褥瘡発生日 令和   年   月   日 既往歴・危険因子 例)糖尿病・脳卒中後片麻痺・長期臥床 など

1.日常生活自立度・褥瘡危険因子の評価(入院患者 全体のリスク確認)

日常生活自立度 J( 1・2 ) A( 1・2 ) B( 1・2 ) C( 1・2 ) ※寝たきり度分類に基づき該当箇所を○囲み
基本的動作能力 ベッド上自力体位変換 □ できる □ できない /  イス上坐位保持・除圧 □ できる □ できない
病的骨突出 □ なし □ あり(                     ) 関節拘縮 □ なし □ あり(                     )
栄養状態 □ 良好 □ 低栄養が疑われる □ 低栄養と判断
(体重変化・BMI・Alb・摂取量などを総合的に評価)
皮膚の状態 皮膚湿潤 □ なし □ あり(多汗・尿失禁・便失禁 等)
皮膚脆弱性 □ なし □ あり(浮腫・スキンテア既往 等)
その他の危険因子 例)長時間座位・鎮静薬使用・認知症による体動低下 など
(                                              )

2.褥瘡の状態評価(DESIGN-R 等に基づく評価)

評価日 令和   年   月   日
部位 例)仙骨部・右踵部 など 体位・荷重条件 例)長時間仰臥位・車椅子座位 3~4 時間/日 など
深さ □ 発赤のみ □ 真皮まで □ 皮下組織まで □ それ以上 □ DTI 疑い 大きさ (  )cm × (  )cm  ポケット(  )cm
局所所見 滲出液:□ なし □ 少量 □ 中等量 □ 多量
壊死組織:□ なし □ 薄い痂皮 □ 厚い痂皮 □ 壊死組織が主体
肉芽:□ 良好 □ 不良
周囲皮膚:□ 正常 □ 発赤 □ 浮腫 □ びらん □ 硬結
疼痛:□ なし □ 軽度 □ 中等度 □ 高度
備考 (写真番号・測定方法・体位条件など)

3.褥瘡対策計画(多職種による計画)

区分 具体的内容 担当職種 開始日・評価予定日
体圧分散・体位変換 例)エアマットレス(機種:      )導入/2時間毎の 30°側臥位ローテーション など 看護・PT・OT など 開始日:令和   年   月   日
再評価:令和   年   月   日
シーティング・ポジショニング 例)車椅子クッション(フォーム/エア/ジェル)選定、骨盤後傾是正、フットサポート高さ調整 など PT・OT 開始日:令和   年   月   日
再評価:令和   年   月   日
スキンケア・創部管理 例)洗浄方法・保湿剤・被膜剤・ドレッシング材の選択、感染兆候の観察項目 など 看護・医師 開始日:令和   年   月   日
再評価:令和   年   月   日
活動量・リハビリ 例)離床時間の目標・歩行訓練の段階・端座位練習と除圧指導・家族へのポジショニング指導 など PT・OT・ST 開始日:令和   年   月   日
再評価:令和   年   月   日
その他 例)家族指導・環境調整(マットレス交換・ベッド高さ調整・トイレ動線 等)

4.薬学的管理に関する事項

□ 対応の必要なし
□ 対応が必要(褥瘡に影響する可能性のある薬剤)
・催眠鎮静剤:              
・抗不安薬:               
・麻薬・鎮痛薬:             
・ステロイド・免疫抑制剤:        
・その他:                
薬学的管理計画(例:副作用モニタリング、投与量・投与経路の調整 など)

5.栄養管理に関する事項

□ 対応の必要なし
□ 栄養管理計画書で対応
□ 本計画書で対応
栄養評価:体重(  )kg/BMI(  )/Alb(  )g/dL(測定日: / )
摂取状況:□ 経口のみ □ 経口+経管 □ 経管のみ □ 静脈栄養あり
栄養管理計画(エネルギー・たんぱく必要量、補助栄養、NST 介入内容 など)
計画作成者 医師(署名):                            
看護職(署名):                           
リハビリテーション専門職(PT/OT/ST)(署名):            
管理栄養士(署名):                         
薬剤師(署名):                          

褥瘡対策に関する診療計画書(記載例)

※典型例:脳卒中後片麻痺・C ランク相当の寝たきり患者、仙骨部の深い褥瘡を有するケースのイメージです。

氏名 山田 太郎 様 ( 男 ・ 女 )
生年月日・年齢 昭和 15 年 5 月 10 日生 ( 84 歳) 計画作成日 令和 7 年 4 月 15 日
入院病棟 回復期リハビリテーション病棟( 3 )室( 12 )号 診療科 脳神経内科
褥瘡の有無 1.現在 □ なし  ■ あり(仙骨部)  褥瘡発生日:令和 7 年 3 月 20 日
2.過去 □ なし  ■ あり(右踵部:令和 6 年 10 月に治癒)
危険因子 既往歴 脳梗塞後右片麻痺・糖尿病・高血圧。発症後 3 か月、長期臥床中心。

1.日常生活自立度・褥瘡危険因子の評価(記載例)

日常生活自立度 C( 2 ):ベッド上での生活で、排泄・食事も全面介助。
基本的動作能力 ベッド上自力体位変換:できない(体位変換 2 時間毎介助)。
イス上坐位・除圧:背もたれ付きイスで 30 分程度、除圧は自力困難。
病的骨突出 ■ あり(仙骨部・両大転子・踵部の骨突出が顕著) 関節拘縮 ■ あり(股関節・膝関節軽度屈曲拘縮、足関節尖足傾向)
栄養状態 体重 45kg(入院時 50kg)・BMI 18・Alb 2.8 g/dL。食事摂取量 6 割程度で低栄養と判断。 皮膚の状態 尿失禁ありで殿部皮膚湿潤。下腿浮腫あり。スキンテア既往(前腕)。
その他の危険因子 夜間の鎮静薬使用により体動減少。認知症により除圧指示の理解困難。

2.褥瘡の状態評価(記載例)

評価日 令和 7 年 4 月 15 日
部位・荷重条件 仙骨部。仰臥位時間が 1 日 16 時間程度と長く、体位変換が不十分な時間帯あり。
深さ・大きさ 深さ:皮下組織までの損傷(Stage 3 相当)。
大きさ:縦 3.0 cm × 横 4.0 cm。右側に 1.5 cm のポケット形成あり。
局所所見 滲出液:中等量、やや黄白色。
壊死組織:一部に厚い痂皮、その他は肉芽露出。
周囲皮膚:発赤と軽度浮腫あり。
疼痛:体位変換時に中等度の疼痛を訴える。

3.褥瘡対策計画(記載例)

区分 具体的内容(記載例) 担当 評価予定
体圧分散・体位変換 ・エアマットレス(中圧タイプ)に変更し、仙骨部の圧負荷軽減を図る。
・2 時間毎の 30°側臥位ローテーションを標準とし、夜勤帯も含めて実施状況をチェックリストで管理。
・排泄ケアと体位変換をセットで実施し、皮膚湿潤時間を短縮。
看護師 1 週間後に再評価
シーティング・ポジショニング ・車椅子クッションを低反発フォーム+ジェルのハイブリッドタイプに変更。
・骨盤をニュートラルに保つようバックサポート調整とタオルロール使用。
・30 分ごとに前傾・側屈を用いた除圧動作を、介助付きで実施。
PT・OT 1 週間後に座位耐久と皮膚状態を再評価
スキンケア・創部管理 ・洗浄は生理食塩水を用い、創周囲皮膚の保護に皮膚被膜剤を使用。
・ドレッシング材(ハイドロファイバー+フォーム)を選択し、滲出液量に応じて交換頻度を調整。
・感染徴候(発赤拡大・悪臭・発熱)を毎日チェック。
医師・看護師 3~4 日ごとに創部評価
活動量・リハビリ ・ベッドアップ角度 30° から開始し、座位耐久を 10 分→20 分→30 分と段階的に延長。
・起立訓練・平行棒内歩行を週 5 日実施し、下肢筋力と循環を改善。
・家族へ、ポジショニングのポイントと除圧のタイミングを指導。
PT・OT 2 週間後に歩行レベルと褥瘡の変化を総合的に再評価
その他 ・家族カンファレンスにて、褥瘡対策の目的と必要性を説明。
・退院後も体圧分散マットレス・車椅子クッションが継続利用できるよう、地域連携室と情報共有。
褥瘡対策チーム 退院調整カンファ時に再確認

4.薬学的管理(記載例)

・鎮静薬・睡眠薬の使用状況を確認し、可能な範囲で用量を調整して夜間の過鎮静を回避。
・NSAIDs の長期使用による創傷治癒への影響を考慮し、疼痛管理を再検討。
・必要に応じて局所麻酔薬や鎮痛薬のタイミングを体位変換前に調整。

5.栄養管理(記載例)

・エネルギー 30 kcal/kg/日、たんぱく質 1.5 g/kg/日 を目標に設定。
・間食や高たんぱく補助食品を追加し、経口摂取量の確保を図る。
・NST 介入により、摂食嚥下機能と食形態を再評価。