PT/OT/STの転職ガイド|失敗しない進め方・職場選び・面接対策
PT/OT/ST の転職を「いつ・何を・どう進めるか」に分解して整理した実践ガイドです。求人選定のコツ、見学・面接での確認観点、内定後手続きまでをチェックリスト化しました。最短 6 週間での移行設計に対応します。
ゴールは「ミスマッチを避け、生活と臨床の質を上げる」こと。全体像は こちらのフロー を参考に、以下の手順と表を現場でそのまま使ってください。
転職の流れ(最短 6 週間)
| 週 | 目的 | やること | 指標(合格ライン) | 
|---|---|---|---|
| 1 週目 | 軸を決める | 希望条件の棚卸し:職場種別・勤務時間・給与・症例・教育体制・通勤・休暇 | 譲れない条件を 3 つに絞る | 
| 2–3 週目 | 求人の仮押さえ | 情報収集(採用ページ・口コミ・現場ヒア)。見学予約+面接日仮確保 | 候補 3–5 件を比較表に格納 | 
| 3–4 週目 | 見学・面接 | 業務フロー・人員配置・教育・残業・評価制度を現場確認 | 見学メモ(OK/注意/NG を各 3 点) | 
| 5 週目 | 条件交渉 | 雇用条件通知の文面確認、入職日・配属・試用期間・給与レンジの最終調整 | 内定書面の 不明点ゼロ | 
| 6 週目 | 退職・引継ぎ | 上長に口頭→書面。引継ぎチェックリスト作成、休暇・社保の確認 | 最終出勤日・有休消化計画の確定 | 
求人チャネルの使い分け(直応募/紹介/知人づて)
| チャネル | 強み | 注意点 | 向いている人 | 
|---|---|---|---|
| 直応募(病院・施設の採用ページ) | 情報が一次ソース/選考が速い | 裏事情が見えにくい、比較が難しい | 志望先が明確・自分で交渉できる | 
| 人材紹介(医療福祉特化) | 非公開求人・条件交渉代行・日程調整 | 担当者品質に差、スピード依存 | 忙しい/交渉が苦手/比較検討したい | 
| 知人づて(紹介・リファラル) | 内部情報が得やすい/配属希望を通しやすい | 辞退・退職時に角が立ちやすい | 人間関係重視・文化適合を確かめたい | 
職場選びの軸と確認方法
| 軸 | OK(例) | NG(例) | 確認方法 | 
|---|---|---|---|
| 人員配置・負担 | 患者属性に対し PT/OT/ST の配置が妥当 | 過密スケジュール、常時人手不足 | 1 日担当件数・リハ単位・休憩取得率 | 
| 教育・評価 | OJT・研修・ケース振り返りの仕組み | 新人任せ・評価基準が不明確 | 新人研修の回数、症例検討会の頻度、評価票の開示 | 
| 労務・制度 | 残業計測・割増支給・有休ルールが明文化 | サービス残業・振替の不透明さ | 36 協定・シフト決定プロセス・勤怠打刻方法 | 
| 症例・キャリア | 希望領域の症例が一定数ある | 軽症偏重/学べない症例構成 | 疾患割合・平均在院/通所日数・重症度指標 | 
見学・面接で必ず聞く 10 問
- 1 日の担当件数と 1 件あたりの単位/分数、残業の発生タイミングは?
 - 配属はどの病棟・ユニットを想定?ローテーションは?
 - 教育体制:OJT の内容、症例検討・フィードバックの頻度は?
 - 評価制度の指標(等級・昇給ルール)は開示可能?
 - 急変・処置同席・吸引などのルールと体制は?
 - カルテ種別、記録 1 件あたりの標準所要時間は?
 - 休日体制・当直/オンコールの有無と手当は?
 - 試用期間の待遇(給与・手当・評価方法)は?
 - 設備・物品・学会参加の補助は?
 - 直近 1 年の退職理由の傾向は?
 
書類の作り方(骨子テンプレ)
| 段 | 内容 | ワンポイント | 
|---|---|---|
| ① 実績 | 担当領域/症例ボリューム/チーム貢献(例:回復期で 1 日 18 単位/抑制削減の取り組み 等) | 数値と名詞で具体化 | 
| ② 強み | 評価・介入の得意領域/連携スキル/教育・後輩指導経験 | 求人票の要件語と一致させる | 
| ③ 志望・貢献 | 入職後に達成したいこと・部署への貢献像 | 病院の方針・患者層と結びつける | 
条件交渉のポイント(提示前~書面確定)
- 実績→市場レンジ→希望レンジの順に提示(固定額よりもレンジ合意が通りやすい)。
 - 配属・勤務形態(常勤/非常勤)・試用期間中の待遇を書面で確認。
 - 入職時期は現職の引継ぎと有休消化を根拠に調整、最終出勤日も同時確定。
 
レッドフラッグ(注意信号)
- 「残業はあるが皆頑張っている」など時間と支給が具体化されない
 - 多職種カンファの運用が希薄で情報共有の場が見えない
 - 配属・教育・評価のいずれかが書面で提示されない
 - 退職手続・有休消化に不明点が残る(口頭約束のみ)
 
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
在職中に動く場合のコツは?
平日夕方の見学枠確保を優先し、候補 3–5 件の同時進行で比較。面接日は同週に固めて判断のブレを最小化します。
年収交渉はいつ・どう伝える?
内定連絡~書面提示の間に、職務経歴と地域の相場を根拠にレンジで提示。手当(当直/オンコール/通勤)を含めて総額で比較します。
ブランク明けで不安です
見学時に教育計画の初月スケジュールを確認。OJT・記録・カンファ参加の段階表があれば適応しやすい職場です。
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著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床とキャリアの実務情報を発信。
- 脳卒中 認定理学療法士
 - 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
 - 登録理学療法士
 - 3 学会合同呼吸療法認定士
 - 福祉住環境コーディネーター 2 級
 
専門領域:キャリア設計、病院運営の現場実務、脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ

  
  
  
  
