FES-Iとは?(目的と使いどころ)
FES-I(Falls Efficacy Scale–International)は、16項目の活動に対する転倒への不安を1〜4点で評価し、合計16–64点で示す尺度です。BBS×TUG や Mini-BESTest、FGA と併用し、身体能力と心理面のギャップを可視化します。
実施と採点(固定条件)
- 設問:16項目。各項目を1(全く不安はない)〜4(非常に不安がある)で回答。
- 合計:最小16(不安なし)〜最大64(強い不安)。
- Short FES-I:7項目版(最小7〜最大28)。時間が限られる場面で代替可。
- 運用:先に身体機能評価を行い、FES-I は活動設計・転倒予防教育の材料として活用。
カットオフと解釈(地域在住高齢者の目安)
- 16–19:不安は低い
- 20–27:中等度の不安
- 28–64:高い不安(活動制限のリスクが高い)
※研究・文化差でカットオフは変動します。施設で対象・前提を明記して運用してください。
併用と目標設定(実装テンプレ)
- 身体機能(BBS/TUG、Mini-BESTest)を評価。
- FES-I の高得点項目を抽出し、場面(家庭内/外・段差・買い物等)と要因(痛み・視覚・自信)を特定。
- 安全教育+段階的課題設計(例:手すり設置→明るさ確保→同行練習→単独移動)。
- 必要に応じ ABC や mCTSIB で補完。
よくあるミス
- 「不安=危険」の短絡(→ 身体機能・環境・経験の総合で判断)。
- 合計点のみの解釈(→ 高得点の項目と場面を具体化して介入)。
- Short FES-I のみで経時比較(→ できれば同一版でフォロー)。


