身体拘束の院内掲示・Web掲載|実施率の推移と掲載例【2026】

制度・実務
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  1. 身体拘束の院内掲示・Web掲載では「方針・取組・実施率の推移」を示します
  2. 院内掲示・Web掲載で必要な3つの内容
  3. 原則として身体的拘束を行わない方針をどう書くか
  4. 身体的拘束最小化の「取組」には何を掲載するか
  5. 身体的拘束実施率は「推移」が分かるように掲載します
  6. Web掲載する実施率と40点加算の判定値を混同しない
  7. Webサイトは毎月更新しなければならないのか
  8. 複数病棟がある場合は「何を対象にした実施率か」を明示します
  9. 病院ホームページにそのまま応用できる掲載構成例
  10. 院内掲示・Web掲載の完成イメージ
  11. 院内では「見やすい場所」に掲示します
  12. Webサイトがない場合はどうするか
  13. 様式36の4では院内掲示とWeb掲載をどう確認するか
  14. 院内掲示・Web掲載は更新する仕組みまで決めておきます
  15. 院内掲示・Web掲載で間違いやすいポイント
  16. 身体拘束の院内掲示・Web掲載でよくある質問
    1. 身体的拘束実施率をWebサイトへ掲載する必要がありますか?
    2. 身体拘束率は最新の1つの数値だけ載せればよいですか?
    3. 実施率は毎月更新しなければなりませんか?
    4. Webサイトがない場合も新しく作る必要がありますか?
    5. 院内掲示は職員休憩室だけでもよいですか?
    6. 実施率の推移はグラフでなければいけませんか?
    7. 身体的拘束実施率はどう計算しますか?
  17. まとめ|方針・取組・実施率の推移を院内とWebでそろえて公開します
  18. 参考資料

身体拘束の院内掲示・Web掲載では「方針・取組・実施率の推移」を示します

2026年度に新設された身体的拘束最小化推進体制加算では、身体的拘束を原則として行わない方針、そのための取組、身体的拘束の実施率の推移を、医療機関内の見やすい場所に掲示することが施設基準に含まれています。

さらに、Webサイトを有する医療機関では、院内に掲示した事項をWebサイトにも掲載します。様式36の4にはWebサイトのURLを記入する欄もあり、届出準備では「何を掲示するか」だけでなく「どこに公開し、どの数値をどう更新するか」まで決めておくことが重要です。

この記事では、院内掲示・Web掲載に必要な3項目、身体的拘束実施率の見せ方、病院ホームページで使える掲載文例、更新時の注意点を整理します。

先に結論

院内掲示・Web掲載の中心は、①原則として身体的拘束を行わない方針、②身体的拘束最小化の取組、③身体的拘束実施率の推移です。
医療機関内の見やすい場所へ掲示し、Webサイトを有する場合は同じ掲示事項をWebにも掲載します。
様式36の4では、これらの実施状況とWebサイトURLを確認します。

身体拘束の院内掲示とWeb掲載で必要な方針・取組・実施率の推移の3項目
図:身体拘束の院内掲示・Web掲載|掲載すべき3項目

40点加算の施設基準全体を先に確認したい方へ

身体的拘束最小化推進体制加算40点の施設基準を見る

院内掲示・Web掲載で必要な3つの内容

身体的拘束最小化推進体制加算の施設基準では、院内の見やすい場所へ掲示する内容として、方針・取組・実施率の推移が示されています。

身体的拘束最小化で掲示・掲載する3項目
掲載項目 記載する内容 実務上のポイント
方針 原則として身体的拘束を行わない方針 患者・家族にも理解できる言葉で示す
取組 身体的拘束を最小化するために実施している取組 自院で実際に行っている内容を掲載する
実施状況 身体的拘束実施率の推移 単一時点の数値だけでなく変化が分かる形にする

特に見落としやすいのが「実施率の推移」です。「現在の身体的拘束率は○%」と1つの数値を載せるだけではなく、複数期間の数値を並べるなど、推移を確認できる表示にします。

原則として身体的拘束を行わない方針をどう書くか

方針では、病院として患者の尊厳を守り、身体的拘束の最小化へ取り組む姿勢を明確にします。

施設基準では「原則として身体的拘束を行わない方針」であることが求められているため、「身体的拘束を一切行いません」と断定する必要はありません。

掲載文例|基本方針

当院では、患者さんの尊厳を守り、その人らしい療養生活を支えるため、身体的拘束を原則として行わない方針としています。やむを得ず身体的拘束を検討する場合にも、その必要性を多職種で検討し、身体的拘束を行わない方法や解除に向けた対応を継続的に見直します。

実際に掲載する際は、自院の身体的拘束最小化指針や院内方針と表現をそろえてください。

身体的拘束最小化の「取組」には何を掲載するか

取組欄には、身体的拘束を最小化するために医療機関で実際に行っている内容を記載します。

身体的拘束最小化推進体制加算の施設基準を踏まえると、次のような内容が候補になります。

  • 病院長・看護部長等による身体的拘束最小化方針の周知
  • 身体的拘束最小化に関する院内講習の実施
  • 身体的拘束最小化委員会による取組の検討
  • 身体的拘束最小化チームによる病棟巡回
  • 身体的拘束を実施している患者の解除・代替策の検討
  • 身体的拘束に使用する用具の一元管理
  • 身体的拘束を行わずにケアするための用具や方法の提案
  • 患者・家族への説明と意向の確認
  • 身体的拘束の誘因の検討・除去
  • 生活リズムを整えるなど患者主体のケア

ただし、この一覧をそのまま自院のWebページへ転載するのではなく、実際に自院で運用している内容だけを掲載します。

実務ポイント:患者・家族向けの公開ページでは、施設基準の専門用語をそのまま並べるより、「職員研修」「多職種での解除検討」「患者・家族への説明」など、内容が伝わる表現へ置き換えると読みやすくなります。

身体的拘束実施率は「推移」が分かるように掲載します

身体的拘束の実施状況については、実施率の推移を掲載します。

施設基準では、必ず棒グラフにする、必ず月単位にする、といった表示形式までは定められていません。重要なのは、身体的拘束の実施率が時間とともにどのように変化しているかを確認できることです。

たとえば、次のように表で表示できます。

身体的拘束実施率の掲載例(架空データ)
集計期間 身体的拘束実施率
2026年4月 4.6%
2026年5月 4.1%
2026年6月 3.8%
2026年7月 3.2%

※上表は掲載形式を示すための架空データです。実際の院内掲示・Web掲載では、自院で集計した実施率を使用してください。

数値を掲載する際は、何を対象にした実施率なのかが分かるよう、対象期間や対象となる入院料などを必要に応じて併記すると誤解を防ぎやすくなります。

Web掲載する実施率と40点加算の判定値を混同しない

身体的拘束最小化推進体制加算では、身体的拘束実施率について原則3%以下、届出から1年間は5%以下という基準があります。

この実施率は、対象となる入院料の延べ算定日数と、身体的拘束を実施した日数を用いて確認します。

院内改善のために病棟別の身体拘束率や月別の参考値を別途集計することは有用ですが、40点加算の施設基準として判定している実施率と、院内改善用の指標を同じ数字として扱わないよう注意します。

3%・5%の計算方法、15%基準との違い、実施日数に含めないケースについては、身体的拘束の実施割合|3%・5%・15%の違いと計算方法で詳しく解説しています。

Webサイトは毎月更新しなければならないのか

施設基準では、身体的拘束実施率の推移を掲示・掲載することは示されていますが、Webサイトを「毎月○日までに更新する」といった具体的な更新頻度までは示されていません。

そのため、院内で集計・確認・公開のサイクルを決め、実施率の推移を継続して確認できる状態を維持することが重要です。

たとえば毎月更新する方法のほか、身体的拘束最小化委員会で数値を確認した後に更新する方法なども考えられます。

ただし、Webサイトの数値が長期間更新されず、院内掲示や実際の集計値と大きく異なる状態にならないよう、更新担当者と確認手順を決めておきます。

複数病棟がある場合は「何を対象にした実施率か」を明示します

複数病棟を有する医療機関では、身体的拘束実施率を公開する際に、どの病棟・入院料を対象にした数値なのかを整理します。

身体的拘束最小化推進体制加算では、算定している入院料ごとに延べ算定日数、身体的拘束実施日数、実施割合を確認します。

そのため、院内掲示やWeb掲載でも、たとえば「身体的拘束最小化推進体制加算対象病棟の実施率」など、数値の対象範囲が分かる表現にすると理解しやすくなります。

病棟別の数値も院内改善のために公開する場合は、施設基準上の実施率とは別の参考指標であることが分かるように区別します。

病院ホームページにそのまま応用できる掲載構成例

病院ホームページでは、制度用語を細かく説明するより、患者・家族が方針と取組を理解できる構成にすることが重要です。

たとえば、次のようにまとめられます。

身体的拘束の最小化に向けた当院の取組

当院では、患者さんの尊厳を守り、その人らしい療養生活を支えるため、身体的拘束を原則として行わない方針としています。やむを得ず身体的拘束を検討する場合にも、その必要性を確認し、解除・代替策を継続的に検討します。

身体的拘束最小化のための主な取組

  • 身体的拘束最小化に関する職員研修
  • 身体的拘束最小化委員会による検討
  • 身体的拘束最小化チームによる病棟巡回
  • 身体的拘束を実施している患者さんの解除・代替策の検討
  • 患者さん・ご家族への説明と意向の確認
  • 身体的拘束を行わないケア方法や環境調整の検討

身体的拘束実施率の推移

当院では身体的拘束の実施状況を継続的に確認し、実施率の推移を公表しています。

これはあくまで文章構成の例です。実際の掲載時には、自院の方針・取組・対象病棟・実施率に合わせて修正してください。

院内掲示・Web掲載の完成イメージ

実際の公開ページでは、方針・取組・実施率を1ページ内で確認できるようにすると分かりやすくなります。

身体的拘束の最小化に向けた取組について

1.基本方針

当院では、患者さんの尊厳を守るため、身体的拘束を原則として行わない方針とし、身体的拘束の最小化に取り組んでいます。

2.主な取組

  • 職員を対象とした身体的拘束最小化研修
  • 委員会による実施状況と改善策の検討
  • 多職種による身体的拘束の解除・代替策の検討
  • 患者さん・ご家族への説明
  • 患者さんの状態や生活リズムに応じたケアの見直し

3.身体的拘束実施率の推移

期間 実施率
○年○月 ○.○%
○年○月 ○.○%
○年○月 ○.○%

院内掲示の場合も、同じ3項目をA4や院内掲示スペースに収まる形で整理すれば、Web掲載との内容をそろえやすくなります。

院内では「見やすい場所」に掲示します

様式36の4では、医療機関内の見やすい場所への掲示が確認項目になっています。

具体的な場所までは一律に指定されていませんが、患者・家族が確認できる場所に掲示することを前提に考えます。

たとえば、病院入口や総合案内周辺、入院患者・家族が利用する掲示スペースなど、自院の掲示物管理に合わせて場所を決めます。

職員しか入れない休憩室やバックヤードだけに掲示するのではなく、患者・家族から確認できる場所を選ぶのが制度の趣旨に沿った運用です。

Webサイトがない場合はどうするか

様式36の4では、院内に掲示した事項について、Webサイトに掲載している、またはWebサイトを有しないことを確認する形式になっています。

したがって、Webサイトを有しない医療機関では、その事実を様式上で確認します。

一方、Webサイトを有している場合は、院内掲示の内容をWebにも掲載し、様式36の4にURLを記載できる状態にしておきます。

「Webサイトはあるが更新が難しい」という事情は、Webサイトを有しない場合とは異なるため、院内で更新担当や手順をあらかじめ決めておくことが重要です。

様式36の4では院内掲示とWeb掲載をどう確認するか

様式36の4では、身体的拘束の原則廃止を目指す医療機関全体の体制として、院内掲示とWeb掲載を確認します。

様式36の4と院内掲示・Web掲載の対応
確認項目 届出前の確認
院内掲示 見やすい場所に方針・取組・実施率の推移を掲示している
Web掲載 院内掲示事項をWebサイトに掲載している、またはWebサイトを有しない
URL Webサイトを有する場合、掲載ページのURLを確認する

つまり、届出時に「これからWebページを作る予定」とするより、院内掲示・Web掲載を実際に確認できる状態にしてから様式36の4を確認する方が、施設基準との対応を整理しやすくなります。

院内掲示・Web掲載は更新する仕組みまで決めておきます

初回掲載だけで終わらないよう、実施率を誰が集計し、誰が確認し、誰が掲示・Webサイトを更新するかを決めておきます。

  1. 実施率の対象となる入院料・病床を確認する
  2. 身体的拘束実施率を院内ルールに沿って集計する
  3. 身体的拘束最小化委員会等で数値と取組内容を確認する
  4. 院内掲示の実施率・取組内容を更新する
  5. Webサイトも同じ内容へ更新する
  6. 更新後に院内掲示とWeb掲載の数値が一致しているか確認する

院内掲示では新しい実施率に更新されているのに、Webサイトには数か月前の数値が残っていると、患者・家族だけでなく職員にとっても分かりにくくなります。

実施率を確定したタイミングで院内掲示とWeb掲載をセットで更新する運用にすると、管理しやすくなります。

院内掲示・Web掲載で間違いやすいポイント

身体拘束の掲示・掲載で注意したい点
よくある状態 確認したいこと
「身体拘束をしません」とだけ掲示 方針・取組・実施率の推移の3項目を確認する
最新の実施率1つだけ掲載 実施率の「推移」が分かる表示にする
院内掲示のみ実施 Webサイトを有する場合はWebにも掲載する
Webサイトだけに掲載 院内の見やすい場所への掲示も確認する
他院の取組文をそのまま使用 自院で実施している取組だけを記載する
実施率だけ載せて対象が不明 対象期間や対象範囲が分かる表示にする
院内掲示とWebで数値が異なる 同じ更新タイミングで両方を確認する

身体拘束の院内掲示・Web掲載でよくある質問

身体的拘束実施率をWebサイトへ掲載する必要がありますか?

Webサイトを有する医療機関では、院内に掲示する「原則として身体的拘束を行わない方針」「そのための取組」「実施率の推移」をWebサイトにも掲載します。様式36の4にはWebサイトURLの記入欄があります。

身体拘束率は最新の1つの数値だけ載せればよいですか?

施設基準では、実施率の「推移」を掲示することが確認項目になっています。そのため、複数期間の値を並べるなど、変化を確認できる表示にします。

実施率は毎月更新しなければなりませんか?

施設基準では具体的なWeb更新頻度までは示されていません。自院で集計・確認・更新のルールを決め、実施率の推移を継続して確認できる状態を維持します。

Webサイトがない場合も新しく作る必要がありますか?

様式36の4では、掲示事項をWebサイトへ掲載していること、またはWebサイトを有しないことを確認します。Webサイトを有しない医療機関に対して、この項目だけを理由に新たなWebサイトの開設を求める形式ではありません。

院内掲示は職員休憩室だけでもよいですか?

様式36の4では「医療機関内の見やすい場所」への掲示が求められています。患者・家族への情報公開という趣旨を踏まえ、患者・家族が確認できる場所を選ぶのが適切です。

実施率の推移はグラフでなければいけませんか?

グラフでなければならないという指定は示されていません。表でも、複数期間の数値を並べて実施率の変化が分かる形であれば整理できます。

身体的拘束実施率はどう計算しますか?

40点加算の実施率は、対象となる入院料の延べ算定日数と身体的拘束実施日数を使って算出します。3%・5%・15%の違い、患者日の数え方、実施日数に含めないケースは、身体的拘束の実施割合|3%・5%・15%の違いと計算方法で整理しています。

まとめ|方針・取組・実施率の推移を院内とWebでそろえて公開します

身体的拘束最小化推進体制加算では、身体的拘束に関する情報を院内だけで管理するのではなく、患者・家族にも確認できる形で示すことが施設基準に組み込まれています。

  • 原則として身体的拘束を行わない方針を掲示する
  • 身体的拘束最小化のために行っている取組を掲示する
  • 身体的拘束実施率の推移を掲示する
  • 医療機関内の見やすい場所に掲示する
  • Webサイトを有する場合は掲示事項をWebにも掲載する
  • 様式36の4にはWebサイトURLを記載する欄がある
  • 実施率の集計・確認・院内掲示・Web更新の担当を決めておく
  • 院内掲示とWeb掲載で数値や内容がずれないよう同時に確認する

公開すること自体が目的ではありません。身体的拘束の実施状況と取組を可視化し、職員、患者、家族で共有しながら、解除・代替策やケアの見直しにつなげることが重要です。

参考資料

※診療報酬・施設基準は、通知、疑義解釈、事務連絡等により取扱いが追加・修正される場合があります。実際の届出・算定では、厚生労働省および管轄する地方厚生(支)局の最新資料をご確認ください。