作業療法士の転職ガイド|まず何をすればいい?
転職の全体像を 3 分で確認して、ムダ打ちを減らす。 PT / OT / ST 転職ガイド|最短フローを見る
作業療法士( OT )の転職は、求人の「良し悪し」よりも先に、面接・見学で赤旗を潰し、比較軸をそろえて、条件を文章で確定させるだけで失敗率が大きく下がります。特に OT は、通所の送迎と兼務、上肢・高次脳の評価環境、配属(領域)の確度でミスマッチが起きやすいので、確認の順番が重要です。
このページは、① 赤旗チェック → ② サービスの使い分け → ③ 交渉テンプレを 1 ページに集約し、今日からそのまま使える形に整えました。転職の全体フロー(いつ・何を・どう進めるか)は、PT / OT / ST の転職ガイドで先に俯瞰すると迷いが減ります。
現場の詰まりどころ| OT の転職が難しく感じる 3 つの理由
転職が進まないときは「情報が足りない」より、情報が多すぎて判断が止まっているケースが多いです。OT で詰まりやすいのは次の 3 つです。
| 詰まりどころ | 起きること | 最短の対策 |
|---|---|---|
| 配属の不確実性 | 「回復期希望」のはずが、入職後に通所・訪問へ | 内定通知に「配属・ローテの条件」を付記してもらう |
| 通所の兼務・送迎 | 送迎や兼務の線引きが曖昧で、勤怠と負担が読めない | 送迎の頻度・担当・勤怠カウントを数値で確認する |
| 評価環境の差 | 上肢・高次脳の評価が「観察のみ」で、介入が属人化 | 評価キット・記録様式・症例検討の有無を確認する |
最短 5 分|失敗しない 3 ステップ
- 赤旗を先に潰す:教育・業務量・残業・配属・評価環境の「 NG の目安」を確認する。
- 比較軸をそろえる:給与だけでなく「領域の確度」「評価環境」「WLB(時短・曜日固定)」まで同じ項目で比較する。
- 条件を文章で確定:口頭のニュアンスはズレます。内定前にテンプレで文面化して確定する。
転職先の「赤旗」チェックリスト|面接・見学で必ず確認
赤旗( red flag )は「危ない職場」探しではなく、条件のズレを早めに発見して撤退するための道具です。下表のどれか 1 つでも「開示できない」「曖昧に濁す」が続くなら、併願で比較しておくと安全です。
| 観点 | 見るポイント | 赤旗( NG の目安) | 質問例(短文で OK) |
|---|---|---|---|
| 教育体制 | OJT・症例検討・研修費の規定 | 規定不明/全額自己負担/症例検討が任意のみ | 「新人~ 3 年目の育成フローと研修費の扱いを教えてください」 |
| 業務量 | 1 日の単位・担当枠・記録時間 | 恒常的に過剰/休憩が取れない前提 | 「 OT の 1 日の担当枠(単位)と平均残業時間は?」 |
| 通所の兼務・送迎 | 送迎の頻度・担当・勤怠カウント | 線引き不明/残業扱いが曖昧/常態化 | 「送迎は誰が・週何回・勤務扱いはどうなりますか」 |
| 評価環境 | 上肢・高次脳の評価キット、記録様式 | 評価道具がなく観察のみ/記録が属人化 | 「上肢・高次脳の標準評価(道具・様式)はありますか」 |
| 多職種連携 | 定例カンファ、NST・口腔・看護との運用 | 「加算はある」が実カンファなし | 「定例カンファの頻度と参加職種、 OT の役割は?」 |
| 勤怠と残業 | みなし残業の内訳、36 協定、休憩の実態 | 内訳不明/サービス残業が前提 | 「みなしの有無と時間数、超過分の扱いを文面で確認できますか」 |
| 配属の確度 | 回復期/通所/訪問など、入職時の配属 | 入職後に未定/頻繁な配置転換が前提 | 「希望配属の確度と、ローテ頻度を教えてください」 |
OT 向けエージェント比較|目的別の使い分け(ランキングはしない)
転職サービスは「どれが 1 位」より、自分の目的に合う道具を 2〜 3 個そろえる方が勝ちやすいです。ここでは OT の現場で差が出やすい使い所だけを整理します。
| サービス | 強み( OT 視点) | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| マイナビコメディカル | 病院~施設~訪問までバランス。比較軸の整理が得意。 | 初転職/「条件の棚卸し」から固めたい | 希望が曖昧だと提案が散るので、優先順位を先に決める |
| レバウェルリハビリ | 都市圏のテンポと日程調整の速さ。短期決定で強い。 | 首都圏で急ぎたい/面接を詰めたい | 候補が多いほど「赤旗の開示」を先に依頼する |
| PTOT 人材バンク | 老健・通所・訪問など地場の拾いが丁寧。 | 地域密着で幅を取りたい/地方で母数を確保したい | 通勤上限・送迎可否など「数値」を先に伝える |
| PT・OT・ST WORKER | 曜日固定・時短など WLB 条件の相談がしやすい。 | 育児・介護との両立/働き方の制約が多い | 地域や成果条件に例外があるため、併用で穴埋めする |
マイナビコメディカルの使い方( OT 目線)
初回面談で「希望領域の強弱」「教育費(学会・外部研修)の扱い」「残業の生じ方」を具体化すると、提案の精度が上がります。通所が絡む場合は、送迎の勤怠カウントと兼務の線引きを先に確認すると後戻りが減ります。
レバウェルリハビリの使い方
面談の優先順位を「教育体制 → 配属の確度 → 残業実態」で伝えるとミスマッチが減ります。都市圏は候補が多い分、赤旗項目の開示(平均残業、みなし内訳、配属の確度)を「文面」で依頼しておくのが安全です。
PTOT 人材バンクの使い方
老健・通所・訪問の地場案件を拾う用途で相性が出ます。通勤上限(例: 45 分以内)、送迎の可否、残業の上限など「数字」で共有すると提案のブレが減ります。
PT・OT・ST WORKER の使い方
時短・曜日固定など、条件に制約があるほど強みが出ます。面談前に「就業規則の抜粋(みなし残業、休日出勤、送迎の勤怠カウント)」を提示可能か依頼しておくと、条件提示後のズレが減ります。
選び方フロー|最短 3 ステップ
- 赤旗を先に潰す:教育・業務量・残業・配属・評価環境を「開示できるか」で見極める。
- 担当に「優先順位+数字」を渡す:通勤上限、送迎可否、希望領域の強弱、年収の下限を言語化する。
- 面接 → 条件提示 → 書面確定:テンプレで文面化し、内定通知や条件通知に付記してもらう。
条件交渉テンプレ(コピペ可)
交渉は「強く言う」ではなく、確認事項を文面で残すのが目的です。短く、丁寧に、ポイントだけ押さえます。
残業と勤怠(みなし・送迎)の取り扱いを確認
面接のお礼を申し上げます。みなし残業の有無と時間数、36 協定の範囲、通所送迎の勤務扱い(勤怠カウント)について、文面で共有いただくことは可能でしょうか。条件の認識違いを防ぐため、確認させてください。
教育費(学会・外部研修)の負担と出張扱い
学会・研修参加時の費用負担(参加費・交通費)と、出張扱いの可否、年間上限額・申請手順をご教示ください。制度がない場合、入職時の個別取り決めが可能かも併せて伺えますと助かります。
配属(領域)の確度を上げる
希望配属(回復期/通所/訪問 など)について、入職時の配属確度とローテーション頻度を教えてください。可能であれば、内定通知(条件通知)に付記いただけますとミスマッチ回避に繋がるためお願いできますでしょうか。
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 転職サービスは 1 社だけで十分ですか?
A. 1 社で決め切れることもありますが、ミスマッチ回避の観点では 2〜 3 社併用が堅実です。目的を分ける(例:比較軸整理 1 社+スピード 1 社+地場拾い 1 社)と、連絡が増えすぎず運用できます。
Q2. 担当者が合わないときは、どう断ればいい?
A. 「不満」ではなく「希望する進め方」を短文で伝えるのが安全です。例:「連絡はメール中心でお願いします」「提案は赤旗項目の開示があるものを優先してください」。改善しない場合は担当変更を依頼し、併用先で母数を確保します。
Q3. 通所の送迎が不安です。どこを確認すればいい?
A. 送迎の 頻度(週何回)、担当( OT が行うか)、勤怠カウント(勤務扱いか)、事故時の体制を先に確認します。「兼務の線引きが曖昧」だと、残業と負担が読みづらくなります。
Q4. 「回復期希望」なのに配属が確約されないときは?
A. 口頭の説明だけだとズレが起きます。内定前に、配属の確度・ローテ頻度・異動の条件をテンプレで文面化し、条件通知に付記してもらうのが現実的です。難しければ、併願で比較して撤退ラインを持ちます。
参考文献
- Scanlan JN, Still M. Job satisfaction, burnout and turnover intention in occupational therapists working in mental health. Australian Occupational Therapy Journal. 2013;60(5):310-318. doi: 10.1111/1440-1630.12067
- Shiota S, Goto N, Kanayama A, et al. Current Status and Challenges of Support Environments for New Graduate Occupational Therapists in Japanese Hospitals: A Mixed Method Study. Occupational Therapy International. 2022;2022:2159828. doi: 10.1155/2022/2159828
- Matsumoto S, Yamaguchi K, Akahane T, et al. Turnover Tendency and Related Factors Among Rehabilitation Professionals in Japan: A Cross-Sectional Study. Cureus. 2025;17(4):e82645. doi: 10.7759/cureus.82645
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下
おわりに
OT の転職は、赤旗の開示 → 比較軸の統一 → 文面で条件確定の順に整えると、気持ちの焦りが減って判断が速くなります。面談前の準備を固めたい場合は、面談準備チェックと職場評価シートを こちら(ダウンロード)にまとめています。
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