PTの働き方別の向き不向き【病院/施設/訪問】

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PT の働き方別「向き・不向き」早見ガイド

理学療法士の働き先は大きく「医療機関(病院)」「施設」「訪問系」に分かれ、さらに病院は急性期・回復期・慢性期、施設は老健・特養・デイ(通所)などに細分化されます。本記事では大分類→細分類の順に“役割・求められる力・働き方の違い”を整理し、最後にYES/NOの適性判定で自分に合う働き方を絞り込みます。

転職や配置換えで迷う方は、まず大分類の相性→細分類の向き不向きを確認し、仮説を持って見学/面談に臨むのが近道です。最短ルートはPT転職ガイドのフローをご覧ください(同一タブ)。

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まずは大分類の違い(病院/施設/訪問系)

大分類で仕事の重心が変わります。病院は医療安全と医学的管理のもとでの機能維持・回復、施設は生活期の維持向上と合併症予防、訪問系は「住まい」での生活再構築と家族支援が主軸です。どこで成果を出すとやりがいを感じるかを最初に見極めましょう。

同じ評価でも使いどころが変わります。病院は早期離床とリスク評価、施設は包括的アセスメントの継続、訪問は IADL・家屋評価・地域資源連携が鍵になります。

PTの働き方:大分類の比較(対象:理学療法士・2025年版)
項目 医療機関(病院) 施設 訪問系
主な対象 術後・急性増悪・回復期・慢性期 生活期の要介護高齢者 在宅の要介護者(独居/同居)
主眼 早期離床/合併症予防/機能回復 ADL/IADL維持・転倒/再発予防 生活再構築・家屋/介護支援・家族連携
評価の重心 リスク評価・機能/能力の変化検出 包括評価・継続モニタリング 家屋/IADL/介護負担・地域資源
働き方の特徴 スピード感・情報量多・多職種連携 着実に積む・チームケアの継続 自律性高い・単独判断・移動あり

病院の中の違い:急性期/回復期/慢性期

同じ病院でも“期”が変わると評価と介入の設計思想が変わります。急性期は「安全とスピード」、回復期は「アウトカム設計と反復」、慢性期は「合併症予防と生活設計」が中心です。自身の得意な思考様式と照らし合わせて選びましょう。

病院の期別比較(対象:理学療法士・2025年版)
項目 急性期 回復期 慢性期(療養等)
役割 早期離床・合併症予防・退院支援の起点作り 能力回復・ADL自立・家庭復帰の最大化 生活期移行・再発/廃用予防・QOL維持
代表業務 離床プロトコル、術前後/検査前後対応 目標設定、個別/集団訓練、家族指導 姿勢/拘縮/褥瘡/栄養連携、継続支援
チーム体制 医師/看護/検査と即日連携 多職種カンファ・SWと退院調整 介護/栄養/地域連携の比重が高い
成果指標 在院日数・合併症率・離床到達速度 FIM/Barthel・在宅復帰率・目標到達 ADL/IADL維持・合併症発生率・QOL
向きやすい人 瞬発力/意思決定が得意・変化を楽しめる 指標管理・PDCA・教育的関わりが好き 着実・粘り強い・小さな変化を積める

施設の中の違い:老健/特養/デイ(通所)

施設は“生活期を途切れなく支える”ことが主眼です。老健は在宅復帰と医療連携、特養は長期入所の生活支援、デイは在宅継続と家族負担の軽減に比重があります。医療依存度や看取りの方針も施設で大きく異なります。

施設種別の比較(対象:理学療法士・2025年版)
項目 老健(介護老人保健施設) 特養(介護老人福祉施設) デイ(通所介護/通所リハ)
主眼 在宅復帰・医療と生活の橋渡し 生活の場の支援・重度化予防 在宅継続・活動性維持・家族支援
PTの主業務 個別/集団訓練・退所支援・家族指導 ポジショニング・移乗/歩行・嚥下/予防 個別/集団・運動処方・家屋/介護助言
評価 ADL/IADL・転倒/再入所・在宅率 ADL維持・褥瘡/拘縮・行動症状 活動量・運動耐容能・実行率
働き方 比較的安定、行事/退所前で繁忙あり 安定、医療依存度次第で負荷差 曜日変動、送迎/連絡で時間管理重要
向きやすい人 包括視点・家族/地域の橋渡しが得意 丁寧に積み上げる・予防思考が得意 コミュ力高く楽しく巻き込むのが得意

訪問系の中の選択肢

訪問系にもバリエーションがあります。訪問リハ(事業所所属)、訪問看護ステーション所属のPT、通所リハ(デイケア)などです。いずれも“生活の場”で成果を出す点は共通ですが、同行/教育体制、ケースミックス、移動距離、記録の運用が異なります。見学では「初期同行の有無」「家族支援の方針」「担当者会議の頻度」「家屋改修/福祉用具の連携」「移動負荷と1日の件数」を確認しましょう。

簡易・適性セルフチェック(YES/NO判定)

各質問に「はい/いいえ」で答え、最も「はい」が多い列があなたの適性に近い働き方です。迷う場合は、直近1年の業務で「最も充実していた瞬間/最もストレスを感じた場面」を思い出してください。

適性セルフチェック(対象:理学療法士・2025年版)
質問 急性期 回復期 慢性期 老健 特養 デイ 訪問系
急変対応やスピード感の中で力を発揮できる はいいいえいいえいいえいいえいいえいいえ
数値での目標管理や再評価の運用が得意 いいえはいいいえいいえいいえいいえいいえ
家屋・制度・家族支援に強い関心がある いいえいいえいいえはいはいはいはい
小さな変化を丁寧に積み上げて成果につなげる いいえはいはいはいはいはいはい
単独判断や移動が多くても苦にならない いいえいいえいいえいいえいいえいいえはい
教育的関わり(説明/コーチング)が好き いいえはいいいえいいえいいえはいはい
多職種会議で論点整理と調整役を担える はいはいいいえはいはいいいえはい

判定ガイド:
急性期型=瞬発力・リスク管理・即時連携が得意。
回復期型=アウトカム設計とPDCA運用が得意。
慢性期型=合併症予防/生活設計を粘り強く継続。
老健/特養/デイ型=生活期支援・予防・家族/地域連携が強み。
訪問系型=傾聴・自律性・家屋/介護支援で成果。
複数列が拮抗したら、ストレスが最も少ない働き方を優先し、見学で確証を取りましょう。

キャリア設計と次の一歩

大分類→細分類で適性を絞ったら、求人票だけで判断せず「見学/面談の質問リスト」を用意します。期別/種別に合わせて、業務内容・教育/同行・多職種連携・評価指標・残業/オンコールを確認し、条件と働き方の相性を両輪で見極めてください。強みを言語化(例:急性期=“迅速な合併症予防と離床設計”)し、職務経歴に翻訳すると選考で伝わります。次の一歩は記事冒頭のボタンから。

FAQ

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

年収はどこが高い?

地域/法人規模/役割で変動します。基本給だけでなく固定残業や各種手当、賞与算定条件、オンコールの有無などを合算し、労働時間あたりで比較しましょう。

スキルの伸ばしやすさは?

急性期は重症管理、回復期はアウトカム設計、慢性期は合併症予防、施設は包括ケア、訪問系は生活再建と家族支援の力が伸びやすい傾向です。

未経験で訪問や施設に行くのは不利?

未経験でも可能です。初期は同行/教育が手厚い職場を選び、担当者会議や家屋評価のサポート体制を確認すると安心です。

まとめ

病院・施設・訪問という大分類に加え、病院の期別(急性/回復/慢性)や施設種別(老健/特養/デイ)で働き方は大きく変わります。本記事の比較と判定をもとに仮説を立て、見学/面談で確証を取りながら、自分に合う現場を選びましょう。

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