理学療法士の求人票でミスマッチを減らす 12 項目【面接で回収】

キャリア
記事内に広告が含まれています。

PT の求人票は「数字」より先に「運用」を読むとミスマッチが減ります

理学療法士の転職ミスマッチは、給与そのものよりも、単位の回し方/記録文化/教育体制/急変対応などの “運用差” で起きやすいです。求人票の情報だけで判断すると、入職後に「想像と違う」を回避しにくくなります。

本記事では、求人票で見落としやすいポイントを 12 項目に分け、OK/NG の見分け方と、見学・面接で回収できる質問テンプレまで “型” にしてまとめます。

転職の進め方が不安なら、まずは全体フローを先に固定できます

情報収集 → 応募 → 面接 → 内定後の動きまで、迷いやすい順番を 1 ページで整理しています。

PT 転職の 5 分フローを見る

現場の詰まりどころ:求人票だけだと「運用差」が読めずに詰みます

求人票は、どうしても良い面が前に出る形式です。ミスマッチを減らすコツは、求人票の情報を運用の質問に翻訳し、見学・面接で回収して “確度” を上げることです。

このあとすぐ使えるように、まずは 12 項目の早見表 を見て、次に 質問テンプレ をそのまま使ってください。給与の細かい見分けは別ページに分けたほうが混ざらずに判断できます(関連:固定残業代の見極め)。

求人票で見落とす 12 項目:OK/NG の早見表

下の表は「求人票に書いてある言葉」を、現場運用のチェックに翻訳したものです。NG が 2〜3 個あれば、見学か面接で必ず追加確認しましょう。

PT の求人票で見落とす 12 項目(OK/NG と確認ポイント)
項目 求人票の “よくある書き方” OK の目安 NG サイン 確認のしかた(見学・面接)
1. 配属と比率 回復期/急性期/外来/訪問など 配属が明確、比率の目安が言える 「状況次第」「人が足りない所へ」 1 週間の動き(病棟・外来・訪問)の割合を聞く
2. 1 日単位の目標 生産性重視、単位充足 など 目標の根拠と “例外” がある 未達が評価に直結、罰則的な運用 平均単位・未達時の扱い・記録時間の確保を聞く
3. 疾患構成 整形中心/脳血管中心 など 疾患構成が説明でき、学べる導線がある 説明が曖昧、担当が毎日変わる 担当患者の典型例(週の症例)を聞く
4. 記録文化 記録は電子/紙 など テンプレがあり、締め切りと責任が明確 個人任せ、残業前提、差し戻しが多い どの画面(様式)に何を書くかの “型” を聞く
5. 教育体制 教育充実、研修あり 担当者・期間・内容が決まっている OJT のみ、担当が固定されない 入職 1〜3 か月の “チェック項目” を聞く
6. カンファ頻度 多職種連携 週次/月次の定例があり、記録先が決まっている 随時のみ、共有が口頭中心 カンファの頻度・参加職種・決定事項の残し方を聞く
7. 急変・中止基準 安全管理徹底 判断の順番(誰に報告)が固定 個人裁量が大きい、責任が曖昧 離床中止の合図/連絡ルート/医師への繋ぎ方を聞く
8. 人員配置 PT 多数在籍 PT/OT/ST 比や経験年数が見える 常に欠員、離職が続く 新人比率・指導者の稼働・欠員時の回し方を聞く
9. 休暇の実態 週休 2 日、有休あり 有休取得率の目安、連休の取り方が説明できる 「忙しい時期は無理」だけで終わる 直近 3 か月の取得例(匿名で OK)を聞く
10. 評価・昇給の条件 昇給あり、評価制度 評価項目が言語化され、面談が定期 上司の主観、基準が不明 昇給の条件(症例・役割・研修)を聞く
11. 異動・兼務 法人内異動あり 異動のルールと希望の反映がある 突然の兼務、訪問兼務が常態 異動の頻度・条件・兼務時の単位の扱いを聞く
12. 離職理由の構造 定着率高い 退職理由を “構造” で説明できる 質問を避ける、話が噛み合わない 退職理由の多いパターンと改善策を聞く

そのまま使える:見学・面接で回収する質問テンプレ

質問は “聞き方” より、何を判定したいかを先に決めると刺さります。下のテンプレは、相手が答えやすく、かつ運用差が見える形にしてあります。

PT の見学・面接で使える質問テンプレ(期待回答と NG サイン)
判定したいこと 質問(そのまま読める) 期待回答 NG サイン 次の掘り方
単位と記録の両立 「平均で 1 日何単位くらいで、記録はどの時間帯で書く方が多いですか?」 単位の目安+記録の “確保ルール” がある 「各自で頑張る」 「残業が増える場面はどこですか?」
教育の再現性 「入職後 1〜3 か月の到達目標(できるようになること)は決まっていますか?」 担当・期間・チェック項目が具体的 「見て覚える」 「評価のタイミングとフィードバックは誰がしますか?」
急変時の安全網 「離床中に中止が必要な時、最初に誰へ連絡する運用ですか?」 順番が固定、報告先が明確 「ケースによる」だけ 「夜間・休日はどうなりますか?」
カンファの実効性 「定例のカンファは週次ですか?決定事項はどこに残しますか?」 頻度+記録先が具体的 口頭中心、残らない 「不在者への共有はどうしていますか?」
離職の理由と改善 「最近 1〜2 年で退職が多かった理由は何で、どう改善しましたか?」 理由が構造で語られ、対策がある 質問を避ける 「定着のために変えたルールはありますか?」

よくある失敗:新人〜中堅がハマる 5 パターン

求人票の “言葉” を信じすぎると、入職後にズレが出ます。次の 5 パターンは頻出なので、先に回避策まで固定しておくと安全です。

転職ミスマッチの典型 5 パターン(原因と回避策)
失敗パターン 起きる原因 入職後に出る症状 回避策(今日やること)
単位は多いのに記録時間がない 生産性と記録の “運用” を確認していない 残業が常態、差し戻し増 「記録はいつ書くか」「未達時の扱い」を必ず質問する
教育が属人的 「研修あり」を鵜呑みにした 成長のばらつき、孤立 到達目標・担当・期間の 3 点セットで回収する
症例が想定と違う 疾患構成を “週の典型例” で聞いていない やりたい領域ができない 担当患者の典型例を 2〜3 例で聞く
急変時の判断が怖い 連絡ルートが不明確 中止判断がブレる 「誰に/どの順番で」報告するかを具体化して聞く
休みが取りづらい 制度と実態を混同した 疲弊、継続困難 直近 3 か月の取得例(匿名で OK)を聞く

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

求人票だけで “やめた方がいい求人” は判断できますか?

求人票だけで断定は難しいです。代わりに、この記事の 12 項目でNG が複数出たら「見学・面接で追加回収する」に切り替えるのが安全です。質問に答えられない、または説明が噛み合わない場合は “運用が未整備” の可能性が上がります。

単位目標が高い職場は、全部ブラックですか?

単位数そのものより、記録時間の確保例外運用(急変・カンファ・家族対応など)があるかで変わります。平均単位に加えて「記録はいつ書くか」「未達の扱い」をセットで確認してください。

「教育体制がある」の見分け方は?

担当者・期間・到達目標の 3 点が言えるかで見分けやすいです。特に “入職 1〜3 か月で何ができるようになるか” が具体的だと、教育が属人化しにくい傾向があります。

見学で何を見ればいいですか?

おすすめは 3 つです。①スタッフが記録を書いている場所と時間帯(訓練と記録の両立が見える)②カンファや共有の “形”(口頭だけか、残るか)③急変時の連絡ルートの掲示や合図(安全網が見える)です。

離職理由を聞くのが気まずいです…

「最近 1〜2 年で退職が多かった理由は何で、どう改善しましたか?」のように改善までセットで聞くと、攻撃的になりにくいです。答えが “構造” で返ってくる職場は、問題の見える化が進んでいることが多いです。

次の一手:判断を固める(同ジャンル 2 本)→ 環境を整える

ここまで読んだら、次は “判断材料を増やす” か “条件を詰める” のどちらかに進むと迷いません。

環境の詰まりも点検する(無料チェックシート)

教育体制・記録文化・人員配置など “運用差” を見える化して、入職後のギャップを減らせます。

無料チェックシートを開く

あわせて、転職活動の全体像(比較・選び方)をまとめておくと、判断が速くなります。PT 転職の比較(エージェントの使い分け)


参考文献

  1. Matsumoto S, et al. Turnover tendency and related factors among rehabilitation professionals in Japan. J Occup Health. 2025. PubMed: 40395269. [oai_citation:0‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40395269/?utm_source=chatgpt.com)
  2. Campo MA, et al. Job strain in physical therapists. Phys Ther. 2009. PMC: PMC2737052. [oai_citation:1‡PMC](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2737052/?utm_source=chatgpt.com)
  3. Lee BK, et al. Impact of work environment and work-related stress on turnover intention. J Phys Ther Sci. 2016. PubMed: 27630432. [oai_citation:2‡PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27630432/?utm_source=chatgpt.com)
  4. Schwartz-Dillard J, et al. Electronic documentation burden among outpatient rehabilitation therapists. 2024. PMC: PMC11413440. [oai_citation:3‡PMC](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11413440/?utm_source=chatgpt.com)

著者情報

rehabilikun(理学療法士)のプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました