DASC-21 の評価|カットオフ 31 点と実施法

評価
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DASC-21 の評価|カットオフ 31 点と実施のコツ

結論です。DASC-21 は合計 31 点以上で「認知症リスクあり」の目安になります(確定診断ではありません)。本記事では著作権に配慮し設問本文は掲載せず、実施手順・解釈・誤判定の回避ポイントを中心にまとめます。公認最新版は公式ダウンロードをご参照ください。

評価は観察と家族・介護者への聴取を併用し、4 件法でスコア化します。IADL を丁寧に拾えるため、軽度段階の生活障害の検出に有用です。プロフィール(遠隔記憶・見当識・社会的判断・身体 ADL)も併記して重症度の目安を推定します。

臨床で迷わない評価の進め方(#flow)を見る

DASC-21とは?(何を評価する?)

DASC-21(ダスク 21)は、地域包括ケアの文脈で日常生活に表れる認知機能低下の兆候を捉えるスクリーニングツールです。本人観察と家族・介護者からの聴取を基本とし、認知機能(記憶・見当識・判断など)と生活機能(IADL/ADL)を統合して把握します。

導入 A/B は採点に含めず、1〜21 の合計点を算出します。解釈は合計点に加え、プロフィール(遠隔記憶・見当識・社会的常識/判断・身体 ADL)を組み合わせて行います。使用時は必ず公式 Q&A公認シートをご確認ください。

カットオフと重症度の目安

DASC-21 のカットオフと解釈の要点(成人・2025年版)
合計点 解釈の目安 補足
31 点未満 おおむね正常域 症状が持続/増悪する場合は経時追跡を検討
31 点以上 認知症リスクあり プロフィール(遠隔記憶・見当識・社会的判断・身体 ADL)で軽/中/重の目安を推定

詳細な解釈やプロフィール条件は、院内/学会資料等の一次情報(例:講義資料 PDF)で確認してください。参考:講義資料 PDF日本老年医学会「お役立ちツール」

実施手順(現場フロー)

初回評価は 10〜15 分が目安です。以下の流れを基本とし、情報の整合性を重視します。

  1. 事前情報整理:既往歴・服薬・生活歴・支援状況を把握。
  2. 聴取+観察:家族/介護者から日常の様子を聴取し、必要に応じて本人に直接確認。
  3. 採点と記録:4 件法で採点し、プロフィールを併記。31 点以上なら原因疾患の精査・安全配慮・支援設計へ接続。
  4. 共有:カンファレンスやサービス担当者会議で結果を共有し、具体的な介入へ。

再評価の時期やフォローは、症状の推移・家族の負担・支援体制の変化を踏まえて個別に設定します。

誤判定を避けるコツ(落とし穴と対策)

せん妄・抑うつ・睡眠不足・疼痛・薬剤などの可逆要因で高得点化することがあります。以下を徹底しましょう。

  • 再評価:時間帯や日を改めた再評価で一過性要因を除外。
  • 情報源の多角化:通所/訪問記録、ケアマネ記録など第三者情報を併用。
  • 身体機能の影響分離:ADL 低下の背景(疼痛・心不全・服薬)を別記。
  • 文化・役割差:家事や金銭管理など、従来の役割分担を前置きして判断。

研究エビデンス(最新動向の一例)

関連研究では、心不全入院高齢者において DASC-21 高得点が院内死亡・在院延長・ADL 低下と関連した報告があります。一次情報:Geriatr Gerontol Int, 2024

臨床では、DASC-21 の合計点のみで判断せず、既往・併存疾患・せん妄の有無・家族負担など総合的に評価してください。

「DASC」は一般社団法人 認知症アセスメント普及・開発センターの登録商標です。本記事では設問本文を掲載しません。評価時は必ず公認 DASC-21 シート(最新版)と公式 Q&Aをご参照ください。独自の判定システム等の二次利用は、所定の手続きをご確認ください。

当ブログの解説は、臨床活用の補助(実施手順・解釈・注意点)を目的としています。公認シート以外の様式を用いる場合は施設内の合意と責任体制のもとでご判断ください。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

DASC-21 は誰が実施できますか?

研修を受けた医療・介護専門職が推奨です。観察と聴取を併用し、プロフィールまで記録します。

評価にかかる時間は?

初回は 10〜15 分が目安。情報収集と並行すれば短縮できます。

31 点以上=即「認知症」確定ですか?

確定診断ではありません。医師の診断と原因疾患の精査が必要です。経時変化と誤判定要因も併記してください。

MMSE など他テストとの使い分けは?

MMSE は主に面接式で認知機能を測定。DASC-21 は生活機能(IADL/ADL)も統合評価し、在宅の実態把握に適します。

参考・入手先

評価設計の全体像は、「評価の進め方(#flow)」も参考にしてください。

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