【TUGテスト測定方法】カットオフ【移動能力や転倒リスクを判定】

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身体・運動機能
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リハビリくん
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サイト管理者のリハビリくんと申します。

この記事の内容
  1. この記事は「TUG テスト測定方法」をキーワードに内容を構成しています
  2. 日常生活の基礎的動作の中でも、「歩く・立つ・座る・向きを変える」など、重心移動を伴う動作は特に頻繁に利用されます
  3. これらの動作の成就には、バランスや筋力に加え、判断能力、身体の機能的な移動能力が関与します
  4. 移動能力の低下は転倒事故に繋がるため、特に入院や入所中などには日常生活活動や生活の質(QOL)を制限することに繋がります
  5. ゆえに、疾患や年齢を問わず、身体の移動能力を客観的に評価することは医療や福祉において必要不可欠といえます
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理学療法士として以下の経験と実績を持つリハビリくんが解説します♪

リハビリくんの実績
  1. rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設
  2. 2025 年 7 月時点:180 記事公開(月間 3 万 PV)
  3. 実務経験(医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリ等)
  4. 講師活動(診療報酬制度、褥瘡等をテーマに講演)
  5. 脳卒中 認定理学療法士
  6. 褥瘡 創傷ケア 認定理学療法士
  7. 3 学会合同呼吸療法認定士
  8. 福祉住環境コーディネーター 2 級
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TUGとは

TUG とは Timed Up & Go test(タイムアップアンドゴー)の略称になります。test の部分も含めて TUGT と呼ばれることもあります。

TUG がどのようなテストなのかというと、椅子に座った状態から立ち上がって歩き出し、3 m 先の目印で折り返して再度椅子に座るまでの時間を計測するテストになり、移動能力を総合的にみることができます。

TUG は移動(歩行)に加えて、椅子からの起立・着座や方向転換を含むことから、歩行能力だけではなくバランスや筋力、判断能力などを必要とします。そのような特性もあり、ADL や易転倒性との関連が強いことが報告されています。

必要物品と測定の環境

計測に必要となる物品はストップウォッチ、椅子、目印用のコーンとなります。コーンがない場合には他のもので代用します。

椅子の前脚を 0 m 地点、コーンの中心を 3 m 地点として実施します。

測定方法

TUG の実施方法、測定方法について、わかりやすく解説します。

  1. 開始肢位は背もたれに軽くもたれかけ、両足の足底は床に接地させ、手は大腿部の上に置いておく
  2. 歩行速度は「最大の歩行速度」で行うように指示する
  3. コーンの周り方は対象者の自由とする
  4. 椅子から立ち上がり、3 m 先の目印を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定する
  5. 合計 2 回実施して速い方の秒数を測定記録とする

【補足】

  • 杖や歩行器などの歩行補助具を使用しても良い
  • その場合は使用した物品について明記する
  • TUG は基本的には接触介助は行わない
  • 実施中の転倒には十分注意する必要がある

カットオフ値

地域在住高齢者の転倒リスクにおける TUG テストのカットオフ値として、Shumway-cook らは 13.5 秒と報告している

出典:Shumway-Cook A, Brauer S, Woollacott M: Predicting the probability for falls in community-dwelling older adults using the Timed Up & Go Test. Phys Ther, 2000, 80: 896-903.

TUG の結果が 20 秒以上の場合には屋内 ADL 自立は難しいとされている

出典:Podsiadlo, D., and Richardson, S. (1991) The timed “Up and Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. Journal of the AmericanGeriatrics Society 39(2): 142-148.

運動器不安定症の診断基準の要件の 1 つが 3 m timed up-and-go(TUG)テスト 11 秒以上となっている

出典:公益社団法人日本整形外科学会.運動器不安定症の定義と診断基準.

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!この記事では「TUG(Timed Up & Go test)」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

TUG(Timed Up & Go test)は、椅子から立ち上がり 3 m 先を往復して再び座るまでの時間を測定するテストで、移動能力を総合的に評価します。歩行能力に加え、バランス・筋力・判断力が関与するため、ADLや転倒リスクの評価にも有用となります。補助具の使用も可能で、2 回実施し速い方を記録とします。カットオフ値は 13.5 秒で、20 秒以上なら屋内 ADL の自立が難しいとされ、11 秒以上は運動器不安定症の診断基準の 1 つとなります。

こちらの記事が、TUG(Timed Up & Go test)についての理解を深めることに繋がり、臨床における身体機能評価および転倒リスクの抽出に少しでもお力添えになれば幸いです。

参考文献

  1. 西守隆.バランスの評価.関西理学療法.3,p41-47,2003.
  2. 我満衛,奥本怜子,西畑満純,伊藤紀恵,帰山ゆかり,大和優子,黒田岳雄,大瀧美惠.Timed Up & Go testに影響を与える運動機能因子の検討.総合健診.41(5),p586-590,2014.
  3. Timed Up & Go test の測定について.(社)日本理学療法士協会.

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