PG-SGAの使い方|点数・A/B/C判定とPTでの見方

栄養・嚥下
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PG-SGAの使い方|点数とA / B / Cは分けて判断する

PG-SGA(Patient-Generated Subjective Global Assessment)では、数値スコアとA / B / Cの総合評価を同じ意味で扱わないことが重要です。数値スコアは栄養・症状介入の優先度を考えるためのトリアージ、A / B / Cは栄養状態の全体像をみる総合評価です。この記事では、がん患者に関わるPT向けに、点数の読み方、栄養影響症状(NIS)、PG-SGA SFとの違い、NSTへ共有したい情報、記録シートの使い方まで整理します。

栄養評価の全体像から確認する場合

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PG-SGAの点数とA / B / C判定の違い

PG-SGAには、数値スコアとA / B / Cの総合評価という役割の異なる2つの結果があります。高い数値スコアを、そのまま「高度の栄養障害」と読み替えることはできません。

PG-SGAの数値スコア、A/B/C判定、PTの判断の違いを3つに分けて示した図版
図:PG-SGAは「数値スコア」「A / B / C」「PTの判断」を分けて考えます。図中の数値区分は概念整理のため簡略化しており、正式な栄養トリアージ区分は下表の0–1、2–3、4–8、9以上を確認してください。
PG-SGAで分けて理解したい2つの判定軸
判定軸 意味 使い方
数値スコア 体重歴、食事摂取、症状、活動・機能、疾患・代謝ストレス、身体所見などをもとにした加算スコア 栄養教育、症状管理、栄養介入などの優先度を考える
A / B / C総合評価 体重、摂取、栄養影響症状、機能、身体所見などの全体像から栄養状態を評価する A=栄養状態良好、B=中等度の栄養障害またはその疑い、C=高度の栄養障害として全体像を整理する

たとえば数値スコアが高くても、「何点だからB」「9点以上だからC」と機械的に変換することはできません。数値スコアは介入の必要性を整理する軸、A / B / Cは患者の栄養状態を総合的に評価する軸として、分けて記録・共有します。

PG-SGA数値スコアによる栄養トリアージ
スコア 栄養トリアージの考え方
0–1 現時点では介入不要。治療中は定期的に再評価する
2–3 患者・家族への教育を行い、症状や状況に応じて必要な対応を検討する
4–8 栄養士による介入が必要で、症状に応じて看護師や医師などと連携する
9以上 症状管理や栄養介入を改善する必要性が非常に高い

PTでの重要ポイント:PG-SGAの点数は、運動中止や負荷軽減を直接決める基準ではありません。PTは摂取量、症状、活動性などの栄養情報に加え、全身状態、バイタルサイン、治療内容、疼痛、疲労などを確認して、その日のリハビリテーション内容を判断します。

PG-SGA情報を整理するPT×NST共有用PDF

PG-SGAで得られた情報をPTの観察とNST共有につなげるため、赤旗確認 → 症状整理 → PG-SGA情報 → 方針・再評価を1枚で整理できるA4記録シートを用意しています。

このPDFは公式PG-SGA票の代替ではありません。PG-SGAの実施・採点には公式票や施設で採用している正式な様式を使用し、本シートはPT×NST間の情報整理と申し送りの補助として使用してください。

PG-SGA がんリハ運用フロー記録シートを開く

スコアとA / B / Cを分けて記録し、症状、活動性、介入方針、NST・STへの共有事項まで整理できます。

PDFプレビューを開く

ブラウザで表示できない場合は、PDFを開くから確認してください。

栄養影響症状(NIS)は「食べられない理由」として確認する

PG-SGAでは、体重だけでなく栄養摂取を妨げている症状を確認することが重要です。悪心、嘔吐、便秘、下痢、口腔内の問題、味覚変化、早期満腹感、嚥下の問題、疲労、疼痛などは、摂取量低下の背景を考える手がかりになります。

PTでは症状名だけを並べるのではなく、「いつ強くなるか」「摂取や活動へどう影響しているか」まで確認して共有すると、リハ時間の調整や多職種への申し送りにつなげやすくなります。

栄養影響症状をPTの観察へつなげる例
症状 PTが確認したいこと 共有例
悪心・早期満腹感 症状が強い時間帯、摂取量、活動後の変化 「午前は悪心が強く朝食摂取が少ない」など時間軸を添える
口腔内症状・味覚変化 疼痛や不快感が摂取へ与えている影響 食べにくさと実際の摂取低下を分けて伝える
嚥下の問題 むせ、食事姿勢、食後の状態など 必要に応じて看護師・STなどへ共有する
疼痛・疲労 活動性低下との関連、症状が強い時間帯 短時間介入への反応や臥床時間の変化を共有する

PG-SGA SFとフルPG-SGAをどう使い分けるか

PG-SGA SFは、患者側から得られる体重歴、食事摂取、栄養影響症状、活動・機能をまとめた部分です。フルPG-SGAでは、これに専門職による疾患・栄養必要量、代謝ストレス、身体診察などの評価が加わります。

PG-SGA SFは、がん患者の栄養リスクを効率よく拾う方法として利用されています。一方、より詳細な栄養評価やA / B / Cの総合評価まで行う場合は、専門職が評価する項目を含めて全体像を確認します。

PG-SGA情報をPT・NSTで共有する流れ
段階 確認すること PTが共有しやすい情報
1. 患者側情報 体重、食事摂取、栄養影響症状、活動・機能 摂取低下の理由、活動性の変化、症状の時間帯
2. 専門職評価 疾患、代謝ストレス、身体所見など 浮腫、発熱、治療状況など解釈に必要な背景
3. 結果整理 数値スコアとA / B / Cを分ける 栄養介入の優先度と栄養状態の全体像を混同しない
4. 多職種共有 栄養・症状管理とリハ上の観察をつなぐ 症状、摂取、活動への影響、リハ中の反応を共有する
5. 経過確認 PG-SGAと臨床経過を再評価する 補液、浮腫、治療周期、症状治療など背景の変化も併記する

SGAそのもののA / B / C判定から整理したい場合は、SGAの総論とA / B / C判定を確認すると、PG-SGAとの役割を整理しやすくなります。

PG-SGAをPTのリハ判断へどうつなげるか

PTはPG-SGAの点数だけで運動負荷を決めるのではなく、点数の背景にある症状・摂取・活動性を確認します。PG-SGAは栄養状態と栄養介入の必要性を整理するツールであり、運動負荷の中止・軽減基準そのものではありません。

たとえば「PG-SGAが9点以上だから運動を軽減する」ではなく、「摂取量低下と悪心が強く、活動性も低下している。全身状態とリハ中の反応を確認し、必要な情報をNSTへ共有する」という順序で考えると、栄養評価とリハ判断の役割を混同しません。

  • 栄養:摂取量、体重変化、栄養影響症状、PG-SGAスコアを確認する
  • 活動:活動・機能や臥床時間の変化を確認する
  • リハ:バイタルサイン、症状、疲労、治療状況などから当日の実施内容を判断する
  • 共有:栄養評価の結果と、実際の活動・リハ中の反応を分けてNSTへ伝える

PG-SGAで迷いやすい4つのポイント

最も避けたいのは、数値スコアとA / B / Cを同じものとして扱うことです。そのほか、症状の羅列、体重だけの評価、PG-SGAから直接リハ負荷を決めることにも注意します。

PG-SGA運用で起きやすい混乱と整理方法
迷いやすいこと 整理方法
高得点ならそのままB・Cと考える 数値スコアとA / B / Cは別の評価軸として記録する
症状名だけを並べる 摂取や活動へ最も影響している症状と時間経過を確認する
体重だけで変化を判断する 摂取量、症状、活動・機能、浮腫なども合わせて評価する
PG-SGA点数から運動負荷を決める 点数は栄養トリアージとして扱い、リハ実施判断は全身状態などを別途評価する

よくある質問

PG-SGAとPG-SGA SFの違いは何ですか?

PG-SGA SFは、体重歴、食事摂取、栄養影響症状、活動・機能という患者側の情報を中心にした部分です。フルPG-SGAでは、疾患・栄養必要量、代謝ストレス、身体診察などの専門職による評価が加わります。

PG-SGAが9点以上なら高度の栄養障害ですか?

9点以上だけを理由にA / B / CのCと判断することはできません。9点以上は、症状管理や栄養介入を改善する必要性が非常に高いことを示す数値スコア上のトリアージです。A / B / Cは別に総合評価します。

PG-SGAが高得点ならリハ負荷を下げるべきですか?

PG-SGAの点数だけでは決めません。摂取量、症状、活動性など栄養面の情報に加え、全身状態、バイタルサイン、治療内容、疼痛、疲労などを確認してリハビリテーションの実施内容を判断します。

PTはPG-SGAのどこをNSTへ伝えるとよいですか?

スコアだけでなく、摂取低下の理由、栄養影響症状、活動性の変化、リハ中に確認した症状や活動への影響を伝えると、栄養評価と実際の生活・運動状況をつなげやすくなります。

次に確認したい栄養評価


参考文献

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著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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