理学療法士の副業ブログは「積み上げ型」を選べる人に向きます
理学療法士の副業としてブログが向くのは、今月の手取りをすぐ増やしたい人ではなく、時間をかけて専門性や発信実績、将来の選択肢を積み上げたい人です。反対に、短期間で確実に収入を増やすことが最優先なら、ブログは後回しにした方が目的に合います。
この記事では、ブログ副業の収入の現実、向いている人・向かない人、始める前の注意点、最初の進め方を整理します。判断・準備シートも用意しているため、読み終えた時点で「始める」「今は後回しにする」のどちらかを決められる構成です。

| 判断軸 | ブログを先に選ぶ | 今は後回しにする |
|---|---|---|
| 目的 | 専門性や発信実績を積み上げたい | 今すぐ手取りを増やしたい |
| 時間 | 週2回以上の固定枠を作れる | 継続して作業する時間を取りにくい |
| 作業 | 書く・調べる・整理する作業に抵抗が少ない | 文章化そのものが強いストレスになる |
| ルール | 勤務先ルールと守秘を確認できる | 規定や発信内容を確認できていない |
| 期待値 | 短期で結果を求めず育てられる | 早い入金や確実な時間給を優先したい |
図版の「半年〜1年」は、その期間で収益が出るという意味ではありません。短期間で成果を決めつけず、一定期間は改善を続けられるかを見るための目安です。まだブログ以外の副業も含めて比較している段階なら、先に理学療法士の副業ガイドで候補を整理すると判断しやすくなります。
ブログ副業は「始めれば稼げる」と考えない方が安全です
ブログは収益化できる可能性がありますが、「半年で○円」「1年で○円」のように開始時期だけから収入を予測することはできません。テーマの検索需要、競合、記事の質、運営期間、収益化の方法、作業時間などで結果は大きく変わります。
NPO法人アフィリエイトマーケティング協会は、国内の主要ASPに登録しているサイト運営者を対象として、2026年にも運営時間や収入金額などの調査を実施しています。ただし、対象は理学療法士やブログ初心者に限定されたものではありません。そのため、この調査結果をそのまま「PTブログなら○か月で○円」と読み替えることはできません。
判断ポイント:ブログを始めるなら、「いつ・いくら稼げるか」ではなく、収益がほとんど出ない期間があっても記事の作成と改善を続けられるかを先に考えておく方が現実的です。
また、ブログから得られるものは広告や成果報酬だけではありません。発信した記事そのものが実績として残るため、将来的にWebライティングや監修など別の活動を検討するときに、公開実績として提示できる場合があります。ただし、ブログを作れば必ず仕事につながるわけではありません。
理学療法士がブログを続ける価値は収入だけではありません
理学療法士がブログを書くメリットの一つは、学んだ内容を「他者へ説明できる形」に整理する機会が増えることです。曖昧な部分を調べ直し、根拠となる情報と自分の解釈を分けて文章にすると、知識の抜けにも気づきやすくなります。
記事が蓄積すれば、自分がどの領域を学び、どのような情報を発信してきたかも可視化できます。収入だけを目的にすると成果が出ない期間に続けにくくなるため、「専門性の整理」「発信実績づくり」も目的に含められる人の方がブログと相性があります。
一方で、医療職の発信では、患者・利用者や勤務先に関する情報の取り扱いに注意が必要です。「自分なら書けること」と「公開してよいこと」は別に考え、発信しない情報の線引きを先に決めておきましょう。
ブログ副業が向いている理学療法士・今は向きにくい理学療法士
ブログとの相性は、文章が上手かどうかだけでは決まりません。調べる、書く、公開する、修正するという作業を繰り返せるかで考えると判断しやすくなります。
| 向いている | 今は向きにくい |
|---|---|
| 調べたことを整理するのが好き | 文章を書くこと自体が強い負担になる |
| 毎週少しずつでも作業時間を作れる | 本業や生活ですでに余力がほとんどない |
| 短期収益だけを目的にしていない | すぐに安定した副収入が必要 |
| 公開した記事をあとから修正できる | 一度書いたら終わりにしたい |
| 守秘・出典・表現を確認できる | 確認作業まで含めると継続が難しい |
「書くことが好きだから向いている」とも、「文章が苦手だから無理」とも限りません。最初から長文を書く必要はなく、検索者の疑問を1つずつ整理する作業を続けられるかの方が重要です。
理学療法士がブログを始める前に確認する3つのこと
ブログを開設する前に確認したいのは、勤務先のルール、守秘・個人情報、発信するテーマです。ここが曖昧なまま記事を増やすと、あとから記事の修正や削除が必要になる可能性があります。
1.勤務先の副業ルールを確認する
厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」やモデル就業規則などを公表していますが、実際の届出や手続きは勤務先ごとに異なります。まずは所属先の就業規則を確認し、副業の届出・許可、競業、情報発信などに関する規定がないか確認してください。
「ブログなら勤務先とは関係ない」と自己判断せず、自分の勤務先ではどのような扱いになるのかを確認してから始める方が安全です。
2.患者・利用者や勤務先を特定できる情報を書かない
個人情報保護委員会と厚生労働省は、医療・介護関係事業者向けに個人情報の適切な取り扱いに関するガイダンスを公表しています。ブログでは患者名を書かなければよいと単純に考えず、年齢、疾患、経過、画像、勤務先など、複数の情報を組み合わせた場合の特定可能性にも注意が必要です。
症例を使わなくても説明できる内容は、ガイドライン、行政資料、論文などの公開情報を中心に構成する方法があります。勤務先独自の資料や患者・利用者の情報を使う場合は、個人の判断だけで公開しないことが重要です。
3.「誰の何を解決するブログか」を1文にする
最初から理学療法全般を扱おうとすると、記事候補が広がりすぎて「次に何を書くか」で止まりやすくなります。まずは「新人PTの評価の迷いを解決する」「訪問リハで必要な実務を整理する」など、対象読者と困りごとを1文で説明できる状態を目指します。
テーマは永久に固定する必要はありません。最初の記事を作る方向を決めるための仮説として設定し、公開後の検索や読者の反応を見ながら調整していけば十分です。
理学療法士が副業ブログを始める5ステップ
ブログを始めるときは、いきなり記事を書くより「目的→ルール→運営方法→テーマ→最初の記事」の順に決めると、途中で戻る作業を減らせます。
- 目的を1つ決める:収益、学習内容の整理、発信実績づくりなど、なぜブログを始めるのかを言葉にする。
- 勤務先ルールと守秘を確認する:副業の扱いと、ブログに書かない情報を先に決める。
- 運営方法を決める:長期運営や収益化まで考える場合は、独自ドメインで運営できるWordPressなども候補にする。
- テーマを1つに絞る:「誰の、どの困りごとに答えるか」を決め、記事候補を並べる。
- 1記事公開して改善する:最初から完成度100%を求めず、公開後に内容や読みやすさを修正する。
サイト名、ロゴ、細かなデザインを決めることに時間を使いすぎる必要はありません。最初に重要なのは、「どの読者の、どの疑問へ答える記事を作るか」です。
最初の10記事は「検索される困りごと」から考えます
最初の記事は、自分が書きたい内容だけではなく、読者が実際に検索しそうな具体的な疑問へ分解して考えます。同じ読者が抱える関連した悩みを中心に作ると、あとから記事同士もつなぎやすくなります。
| 型 | 本数の例 | 役割 |
|---|---|---|
| 基本・総論 | 2本 | テーマの全体像を整理する |
| 具体的な疑問 | 3本 | 検索者の1つの困りごとへ深く答える |
| 比較・使い分け | 2本 | 判断に迷う違いを整理する |
| 失敗・注意点 | 2本 | 実行時につまずくポイントを補う |
| まとめ | 1本 | 関連する記事の入口を作る |
ここでいう「10記事」は、10記事書けば収益が出るという基準ではありません。自分がテーマを継続して扱えそうか、記事作成の流れを続けられそうかを確認する最初の区切りとして考えてください。
ブログ副業で止まりやすい5つの失敗
ブログが続かない原因は、文章力だけではありません。始める前の期待値や運営方法が曖昧なままだと、数記事書いたあとに止まりやすくなります。
- 失敗1|収益だけを目的にする:成果が出ない期間に続ける理由がなくなる。
- 失敗2|テーマを広げすぎる:誰向けのブログなのかが曖昧になり、記事候補も散らばる。
- 失敗3|守秘と勤務先ルールの線引きをしない:公開後の修正や削除につながる可能性がある。
- 失敗4|記事数だけを増やす:古い記事の更新や内部リンク、根拠確認が追いつかなくなる。
- 失敗5|作業時間を決めない:忙しい週をきっかけに更新が止まりやすくなる。
対策は、最初に「目的」「書かないルール」「テーマ」「作業時間」を決めることです。全部を完璧に整えてから始める必要はありませんが、次に何をするか迷わない最小限の仕組みは作っておきましょう。
ブログ収入の税金は「20万円だけ」で判断しないでください
会社員の副業では「20万円」という数字だけが取り上げられやすいですが、すべての人に同じ条件で当てはまるわけではありません。
国税庁では、給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収の対象となるなど一定の条件を満たす給与所得者について、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合などに確定申告が必要としています。給与を2か所以上から受けている場合などは条件が異なります。
また、ブログで入金された金額そのものだけを見るのではなく、売上や必要経費を記録し、自分の所得状況を確認できるようにしておくことが大切です。税務上の扱いは勤務形態や他の所得によって変わるため、この記事だけで申告の要否を判断せず、国税庁の最新情報や必要に応じて専門家へ確認してください。
迷ったら「判断・準備シート」で始めるか整理できます
ここまで読んで「自分は始める側か、後回しにする側か」を整理したい方に向けて、判断・準備シートを用意しています。目的、時間、勤務先ルールの確認、初期設計を1枚で見直せる構成です。
すべてを一度に決める必要はありません。まずシートを埋め、決められなかった項目だけ本文へ戻って確認すると、次にやることを整理しやすくなります。
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理学療法士のブログ副業でよくある質問
ブログ副業は勤務先にバレますか?
「バレるかどうか」を基準にするのではなく、勤務先の就業規則、副業の届出・許可、競業や情報発信に関するルールを先に確認してください。勤務先によって取り扱いが異なるため、隠して続けることを前提にブログを始めるのはおすすめできません。
理学療法士のブログでは最初に何を書けばいいですか?
自分の専門分野を広く解説するより、「誰が、どの場面で、何に迷っているのか」を1つに絞った記事から始める方が整理しやすくなります。基本・総論、具体的な疑問、比較・使い分け、失敗・注意点などを同じテーマ内で組み合わせると、記事同士もつなげやすくなります。
医療系ブログは難しくても始める意味がありますか?
収益だけを目的にすると、調査、根拠確認、更新などの負担に対して割に合わないと感じる可能性があります。一方、学習内容の整理や発信実績の蓄積も目的にできるなら、収益以外の価値を持たせられます。まずは、自分がブログから何を得たいのかを決めて判断してください。
副業所得が20万円以下なら確定申告は不要ですか?
一律には判断できません。給与の受け取り方や他の所得などによって条件が異なります。「20万円以下だから必ず確定申告が不要」と決めず、自分の条件を国税庁の最新案内で確認してください。
次の一手|始めるなら今週やることを1つ決めます
判断フローと準備シートを使って「ブログを始める」と決めたら、次は今週やることを1つだけ決めます。勤務先ルールを確認する、ブログの目的を1文にする、テーマを決める、記事候補を10個書き出すなど、小さな作業から始めてください。
反対に、今すぐの収入が必要、作業時間を確保できない、勤務先ルールを確認できていないという場合は、無理にブログを始める必要はありません。今は後回しにすることも、副業選びとして一つの判断です。
参考文献
- 厚生労働省. 副業・兼業 [Internet]. 東京: 厚生労働省; [cited 2026 Aug 20]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
- 国税庁. No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 [Internet]. 東京: 国税庁; [cited 2026 Aug 20]. Available from: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
- 個人情報保護委員会, 厚生労働省. 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス [Internet]. 令和8年4月一部改正 [cited 2026 Aug 20]. Available from: https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/iryoukaigo_guidance/
- 特定非営利活動法人アフィリエイトマーケティング協会. アフィリエイトプログラムに関する意識調査<2026年> [Internet]. 2026 [cited 2026 Aug 20]. Available from: https://affiliate-marketing.jp/invest/
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

