認知症ケア加算の施設基準と記録のコツ【PDF付】

制度・実務
記事内に広告が含まれています。
B_InArticle_Body

認知症ケア加算の施設基準は「最小セット+記録」で回す

結論として、このページで先に決めるのは「チーム構成」「対象抽出」「ラウンド/カンファの出力」「研修記録」「届出様式」の 5 点です。認知症ケア加算は要件を暗記するより、体制・運用・研修・記録を 1 本の流れで説明できる状態にすると回りやすくなります。

2026 年 6 月 1 日適用の見直しでは、身体的拘束を実施した日は所定点数の 100 分の 20 となり、認知症ケアチームと病院管理者等の責任者が協働して最小化を進める視点がより重要になりました。本記事は施設基準を「5 分フロー+残る記録」に落とし、ラウンドメモ/カンファシート( A4 PDF )まで一緒に整理します。

同ジャンルで回遊(冒頭の三段):施設基準の全体像 → 総論の詰まり解消 → 代表の子記事

施設基準ハブで全体像を確認する

5 分フロー:対象抽出 → 評価 → カンファ → 実施 → 記録を固定する

まずは、院内でブレやすい流れを 1 本にそろえます。ここで順番を固定しておくと、次に出てくる「 2026 対応で先に直すこと」や「最小セット表」も整理して読みやすくなります。

  1. 対象抽出:不穏・転倒リスク・昼夜逆転・拒否・チューブ自己抜去など、相談トリガーを病棟で共有します。
  2. 評価:BPSD(行動・心理症状)を「症状の羅列」で終わらせず、頻度・状況・身体要因・環境要因・介入反応まで最小セットで整理します。
  3. カンファ/ラウンド:決めるのは 3 点だけ(やること/担当/期限)。次回に結果が追える形にします。
  4. 実施:非薬物介入(環境調整・活動・排泄・疼痛・睡眠)を束ね、単発対応で終わらせません。
  5. 記録:議事録・看護記録・リハ記録が散らないよう、出力を 1 枚( 1 ファイル )に寄せます。

2026 対応で先に直すこと:身体的拘束日の扱いと責任者の関与

2026 対応で先に直したいのは、制度の全文暗記ではありません。まずは「身体的拘束を実施した日の扱い」「管理者を含めた統一運用」「記録の置き場所」の 3 点をそろえると、差戻しや説明不足を減らしやすくなります。

2026 対応で先に固定したい 3 点(認知症ケア加算の実務)
変化点 / 確認点 現場で決めること 残す記録
身体的拘束を実施した日 病棟で線引きを統一し、「始めた日」「続けた日」「解除した日」の扱いを迷わないようにする 開始・継続・解除の判断、必要な状況、代替策の検討状況
管理者等との協働 認知症ケアチームだけで閉じず、責任者と一緒に最小化の取り組みを回す 会議体、責任者、共有ルート、改善の確認日
出力の一本化 議事録・看護・リハで分けず、患者ごとの要点を 1 か所に寄せる 現状→課題→提案→担当→期限→結果→次回確認
認知症ケア加算の施設基準でそろえたい最小セット(体制・運用・研修・記録)
施設基準は「体制」「運用」「研修」「記録」の 4 つをそろえると整理しやすくなります。

施設基準の押さえどころ:体制・運用・研修・記録の「最小セット」

施設基準は、項目を増やすほど運用が崩れます。まずは「監査で説明できる最小セット」に落とし、院内の保管場所( 1 か所)まで決めてしまうのが早いです。

スマホでは表を横スクロールできます。

認知症ケア加算:施設基準を回す最小セット(病棟運用の入口)
区分 固定すること 残す記録(最小) 詳しい解説
体制 相談窓口/運営担当/ラウンド同席の役割を明確化 構成員一覧(職種・役割・専任の説明) 届出様式 40 の 10/40 の 11 の書き方
運用 対象抽出 → 評価 → カンファ → 実施 → 再評価の順番を固定 ラウンド/カンファの実施ログ(頻度が追える) 提案→担当→期限→結果の 1 本化
研修 院内研修は「実施した」ではなく、テーマと反映点を一言残す 開催記録(日時・参加者・テーマ)+受講状況一覧 加算 1/2/3 の違い(比較・使い分け)
記録 議事録・看護・リハの分散をやめ、出力を 1 枚に寄せる 患者ごとの「現状→課題→提案→次回」 テンプレ運用のコツ

現場の詰まりどころ:迷子にならない「解決の三段」

まず、どこで止まっているかを先に特定します。制度理解で止まっているのか、運用で止まっているのか、記録で止まっているのかで次の一手が変わります。

よくある失敗:BPSD 評価とカンファが「曖昧なまま終わる」

BPSD の評価は「困っている」の一言で止まりやすいです。発現頻度・状況・身体要因・環境要因・介入反応まで整理できると、非薬物介入が具体化しやすくなります。

BPSD 評価/カンファでのよくある失敗と回避(成人・入院患者想定)
よくある失敗 起きる理由 回避の一歩目
「徘徊が多い」「暴れて危ない」だけで記録が止まる 時間帯・きっかけ・前後関係が残らず、対策が立たない 「いつ・どこで・何の前後で・どのくらい」を 2 行で残す
身体要因(疼痛・便秘・感染・薬剤)の確認が抜ける 急性増悪やせん妄が「認知症だから」で見逃される 疼痛( NRS )・睡眠・排泄・内服の最小セットを固定
非薬物介入を試しても、誰が何をしたか共有されない 単発対応になり、効果のあるケアが継続されない 提案→担当→期限→結果で 1 行化(次回に追う)
身体的拘束の開始・継続・解除の記録が分かれる 点数の扱いと代替策の検討経過が追えず、説明が揺れる 必要状況・代替策・解除条件を同じ出力先にまとめる

回避の手順/チェック:運用を「残る形」にする最小セット

改善は「書類を増やす」ではなく、「運用の出力を 1 枚に寄せる」ことから始まります。まずは次のチェックがそろうか確認してください。

認知症ケア加算を回すセルフチェック(最小セット)
チェック OK の基準 NG のときの修正
対象抽出のトリガー 病棟で「相談に上げる基準」が共有されている 転倒・拒否・昼夜逆転・自己抜去など、 5 個に絞って掲示
BPSD の整理 頻度・状況・身体要因・環境要因・介入反応が残る 評価を“列挙”から“条件付き”へ(前後関係を 1 行追加)
カンファの出力 提案→担当→期限→結果が 1 枚で追える 議事録をやめ、患者ごとの 1 枚テンプレに寄せる
せん妄対策 入院前〜入院後早期にリスク確認と対策が動く せん妄リスク因子の確認と対策(運用フロー)に統一
身体的拘束日の扱い 開始・継続・解除・必要状況が同じ場所で説明できる 2026 対応として、判断と代替策を 1 枚の出力先へ寄せる

配布 PDF:認知症ケアチーム ラウンドメモ/カンファシート( A4 )

院内で「出力を 1 枚に寄せる」ためのテンプレです。現状・課題・助言(提案→担当→期限→結果)・次回確認を 1 枚にまとめ、口頭助言で終わる状態を減らします。

PDF を開く(ダウンロード)

PDF をプレビュー表示する(クリックで開閉)

プレビューを表示できない場合は、上の「PDF を開く(ダウンロード)」からご利用ください。

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1.このページで先に決めることは何ですか?

先に決めるのは 5 点です。「チーム構成」「対象抽出」「ラウンド/カンファの出力」「研修記録」「届出様式」です。この 5 点が固定されると、施設基準と日々の運用がつながりやすくなります。

Q2.2026 対応で最初に見直すところはどこですか?

身体的拘束を実施した日の扱いと、管理者等を含めた統一運用です。現場では「誰が判断し、どこに残し、次回どう確認するか」まで決めておくと、制度変更の影響を受けにくくなります。

Q3.届出様式はどれを見ればよいですか?

認知症ケア加算 1 は様式 40 の 10、認知症ケア加算 2 または 3 は様式 40 の 11 が入口です。書き方の実務は 届出様式 40 の 10/40 の 11 の書き方 でまとめています。

Q4.ラウンド(カンファ)で決める内容は何ですか?

決めるのは 3 点です。「何をするか(提案)」「誰がするか(担当)」「いつまでに確認するか(期限)」です。結果は次回に “できた/できない/理由/次の手” まで追える形で記録します。

Q5.加算 1/2/3 の違いは、このページで全部覚えるべきですか?

このページでは「施設基準を回す最小セット」までにとどめ、区分の違いは別ページで確認するのがおすすめです。比較は 認知症ケア加算 1/2/3 の違い(比較・使い分け) にまとめています。

次の一手|全体像を確認する → 記録の型を固定する


参考文献

著者情報

rehabilikun(理学療法士)のアイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました