2026 年版の要点(まずここだけ)
認定理学療法士の更新で先に押さえたいのは、「今の要件」と「これから変わる要件」を混ぜないことです。2026 年 3 月時点の現行ルールでは、更新は 5 年ごとで、要件① 必須の活動 1 つ、要件② 維持・研鑽の活動で 100 点、要件③ 更新時研修( e ラーニング )の 3 本柱で進みます。
一方で、2027 年 4 月 1 日以降の更新申請分からは、認定理学療法士のみ要件①が必須ではなくなり、更新時研修の内容も見直される予定です。この記事では、まず現行ルールで更新に必要なことを整理し、そのうえで 2027 年以降の変更点を迷わず確認できる形にまとめます。
最終更新:2026 年 3 月
更新要件と 100 点の集め方
現行の更新要件は 3 つです。① 必須の活動を 1 つ行う、② 維持・研鑽の活動で 100 点を取得する、③ 更新時研修を受講する、のすべてを満たして初めて更新申請に進めます。実務では、自然に積み上がる 100 点よりも、予定しないと発生しにくい要件①のほうが詰まりやすいです。
そのため、更新設計は 要件① を先に確保 → 100 点を年間で積み上げる → 更新年度に更新時研修を受ける の順で組むと安定します。なお、登録理学療法士更新のポイントとは重複使用できないため、同じ活動を両方に使う前提で進めないことが大切です。
| 区分 | 内容 | 目安 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 要件① | 士会学術雑誌への投稿(筆頭著者)/ブロック学会の一般発表(筆頭演者)/都道府県士会学会の一般発表(筆頭演者)のいずれか 1 つ | 必須 | 要件②の 100 点には使えません。認定理学療法士では 2027 年申請分から必須ではなくなる予定です。 |
| 要件② | 学会参加・研修会受講・論文業績・学会発表等・講師等の活動で 100 点を取得 | 100 点 | 学会参加・研修会受講は最小 30 分 = 0.5 点換算です。1 日 8 時間なら 8 点が目安です。 |
| 要件③ | 更新時研修( e ラーニング ) | 必須 | 現行は共通研修 4 コマ + 分野別研修 1 コマです。複数分野所持の場合は分野ごとに受講が必要です。 |
| 論文業績の例 | 指定英文誌 A /指定英文誌 B /指定和文誌 | 80 点/60 点/40 点 | 更新点数としての配点が大きく、 100 点に届きやすい項目です。 |
| 学会発表等の例 | 一般発表筆頭/学会での講演等/学術大会での座長/演題査読 | 20 点/20 点/10 点/5 点 | 2026 年 4 月以降は、認められる活動の幅が広がっています。 |
| 講師等の例 | 研修会の講師・シンポジスト等/研修会・症例検討会の座長 | 20 点/10 点 | 補助講師を含む扱いがあります。対象となる主催団体の確認が必要です。 |
更新の手順(申請までの流れ)
更新で詰まりにくい流れは、活動記録をためる前に、何を要件① に使うかを決めておくことです。 100 点は学会参加や研修会受講で積み上がりますが、要件① は年度末に不足が見つかってもすぐ補いにくい項目です。まず必須活動を先に固定し、残りを 100 点の設計に回すと安定します。
申請そのものはマイページから行います。更新年度に入ってから慌てないよう、四半期ごとに履修状況を確認し、更新年度の前半で不足項目を見つけておくと差し戻しや失効のリスクを抑えやすくなります。
- 更新期限を確認し、今回の更新年度を 1 行でメモする。
- 要件① に使う活動を先に決め、投稿または発表の予定を入れる。
- 学会参加・研修会受講・講師等の活動を、要件② の 100 点として月次または四半期で記録する。
- 更新対象年度に入ったら、更新時研修( e ラーニング )を受講し、マイページ反映を確認する。
- 例年 1 月の申請期間にマイページから更新申請し、申請料を支払って手続きを完了する。
申請時期・費用・ 2027 年以降の変更点
更新で勘違いしやすいのは、「現行のルール」と「これから適用される見直し」を同時に読んでしまうことです。認定理学療法士は、2026 年 3 月時点ではまだ要件① が必要ですが、2027 年 4 月 1 日以降の更新申請分からは必須ではなくなります。まずは今の自分に適用される年度を確認してから表を見てください。
また、登録理学療法士更新で活動期間が 3 月末までに延長された情報と、認定理学療法士更新の現行運用を混同しやすい点にも注意が必要です。認定理学療法士の現行マニュアルでは、活動対象期間は取得日以降〜最終年度の 12 月末日です。
| 項目 | 2026 年 3 月時点の運用 | 2027 年以降の変更点 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 更新周期 | 5 年ごとの更新 | 変更なし | 登録理学療法士を取得していることが前提です。 |
| 申請時期 | 例年 1 月 | 現時点で大きな変更告知なし | 年度ごとに前後しうるため、公式案内を毎年確認します。 |
| 活動対象期間 | 認定理学療法士取得日以降〜最終年度の 12 月末日 | 現時点で明示的な変更告知なし | 登録理学療法士更新の 3 月末運用と混同しないことが重要です。 |
| 申請料 | 10,000 円(税別) | 現時点で変更告知なし | 申請料の入金確認まで終えて更新完了です。 |
| 要件① | 必須 | 2027 年 4 月 1 日以降の更新申請分から、認定理学療法士では必須から削除予定 | 専門理学療法士では引き続き必須です。 |
| 要件② | 100 点の取得 | 2026 年 4 月 1 日から対象活動が拡張 | ブロック発刊雑誌、士会承認研修会の講師、査読などが追加されています。 |
| 要件③ | 更新時研修(共通 4 コマ + 分野別 1 コマ) | 2027 年 4 月 1 日から分野別研修 3 コマへ見直し予定 | 複数分野所持では分野ごとに受講が必要です。 |
| 登録更新との関係 | 別途更新が必要、ポイント重複不可 | 変更なし | 同じ活動を両方の更新に使う前提で組まないほうが安全です。 |
ポイントの集め方:現実的な 3 モデル
100 点は「一気に取り切る」より、自分の働き方に合うルートを先に決めるほうが安定します。とくに臨床と並行する場合は、学会参加だけに偏ると日程の影響を受けやすく、逆に e ラーニングだけに寄せすぎると要件① やアウトプット系の経験が残りません。現実的には、年単位でバランスを取るのがおすすめです。
下の 3 モデルは、忙しさや役割に応じて組みやすい形に整理したものです。どのモデルでも、年度後半に不足を見つけると動きにくくなるため、四半期ごとの棚卸しを前提に運用してください。
| モデル | 向いている人 | 組み方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 堅実型 | まず失効を避けたい人 | 要件① を早めに確保し、学会参加と研修会受講を中心に 100 点を積む | 要件① を後回しにしないことが最優先です。 |
| アウトプット型 | 発表・論文に取り組みやすい人 | 一般発表や論文業績で大きめの点数を確保し、足りない分を研修会で補う | 対象雑誌や発表区分の確認が必須です。 |
| 繁忙対策型 | 勤務が不規則で予定を組みにくい人 | 研修会受講や e ラーニングで少しずつ積み上げ、学会参加を年 1 回以上入れる | 要件① だけは自然発生しにくいので、別枠で早めに固定します。 |
申請前チェックに使える配布物
制度の理解だけで終わらせず、「要件① があるか」「 100 点に届くか」「更新時研修が終わっているか」を確認できる形にすると、更新直前の詰まりを減らしやすくなります。今回の配布物は、申請前の見落とし防止に使える A4 チェックシートです。
記事を読んだあとに PDF を 1 回見直すだけでも、更新年度・必須活動・点数・更新時研修の抜け漏れを整理しやすくなります。
A4 申請前チェックシート( PDF )
PDF を記事内でプレビューする
※ 申請様式そのものではなく、要件確認と抜け漏れ防止のための補助シートです。
現場の詰まりどころと回避手順
先に確認したいのは よくある失敗 と 回避の手順 の 2 つです。制度の適用日や見直し内容で迷う場合は、PT 生涯学習制度 見直し 2026 の整理記事もあわせて確認すると、登録更新と認定更新を混同しにくくなります。
更新で止まりやすいのは、勉強量そのものよりも運用の設計不足です。要件① の未計画、 100 点の見込み違い、登録更新との混同、証憑の散逸が重なると、年度末にまとめて詰まります。更新制度は「知っているか」より「先に型を作っているか」で差が出ます。
よくある失敗
| 失敗 | 起きやすい理由 | 回避策 |
|---|---|---|
| 要件① が無い | 100 点ばかり見て、必須活動を後回しにしてしまう | 年度の早い段階で、発表か投稿のどちらを使うか先に決めます。 |
| 100 点の見込み違い | 対象外の研修や重複使用を前提に計算してしまう | 主催団体と対象区分を記録時点で確認し、四半期ごとに棚卸しします。 |
| 登録更新と混同する | 同じ活動を両方に使えると思い込む | 登録更新用と認定更新用で管理欄を分け、重複不可を見える化します。 |
| 証憑が見つからない | 参加証や受講記録を保存していない | 受講直後に PDF 保存し、日付 + 研修名で統一して保管します。 |
| 変更点を旧メモで判断する | 2026 / 2027 の適用日を年度だけで覚えてしまう | 「今のルール」と「これからのルール」を別表で管理します。 |
回避の手順
- 最初に「今回の更新年度」と「現行ルールか、 2027 年申請分か」を確定する。
- 要件① に使う活動を 1 つ決め、実施予定日を先に入れる。
- 手元の記録表に、活動ごとの主催団体・区分・点数・証憑 URL を残す。
- 四半期ごとに 100 点の見込みと未反映の活動を確認する。
- 更新対象年度に入ったら、更新時研修を早めに受講してマイページ反映まで確認する。
FAQ(よくある質問)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
2026 年 3 月時点の認定理学療法士 更新要件は何ですか?
現行ルールでは、要件① 必須の活動 1 つ、要件② 維持・研鑽の活動で 100 点、要件③ 更新時研修( e ラーニング )の 3 つをすべて満たす必要があります。加えて、登録理学療法士を取得していることが前提であり、登録更新は別途行います。
要件① が無くても更新できますか?
2026 年 3 月時点の現行ルールではできません。認定理学療法士については、2027 年 4 月 1 日以降の更新申請分から要件① が必須ではなくなる予定です。専門理学療法士では引き続き要件① が必要です。
100 点はどう集めるのが現実的ですか?
多くの方は、学会参加・研修会受講を土台にしつつ、発表・講師・論文業績がある分だけ上乗せする形が現実的です。自然に積み上がる 100 点よりも、予定しないと発生しにくい要件① のほうが詰まりやすいため、先に必須活動を固定しておくと失敗が減ります。
旧制度取得者の初回更新には緩和がありますか?
あります。旧制度取得者の初回更新では、取得年に応じて点数の緩和措置が設定されています。たとえば 2017 年取得者は 20 点、 2018 年取得者は 40 点、 2019 年取得者は 60 点、 2020 年取得者は 80 点が必要点数の目安です。自分の取得日で必ず最新版マニュアルの表を確認してください。
登録理学療法士 更新のポイントと重複できますか?
重複使用はできません。同じ活動でも、登録理学療法士更新に使うのか、認定理学療法士更新に使うのかを分けて考える必要があります。記録欄を分けておくと混同を防ぎやすくなります。
申請時期と費用の目安はどのくらいですか?
更新申請は例年 1 月が目安です。申請料は10,000 円(税別)です。実際の受付開始日・終了日は年度で前後することがあるため、毎年の公式案内を確認してください。
更新履歴
- 2026-03-07:2026 年 3 月時点の公式情報に合わせて全面更新。現行ルールと 2027 年以降の変更点を分けて整理し、点数基準・申請時期・失敗回避を追記。
- 2026-03-07:A4 申請前チェックシート PDF を追加し、本文内プレビューを実装。
次の一手
次にやることは 3 つです。① 自分の更新年度を確認する、② 要件① に使う活動を 1 つ決める、③ PDF チェックシートで抜け漏れを確認する。ここまで済むと、更新制度は「不安」ではなく「運用」に変わります。
参考文献・公式リンク
- 公益社団法人 日本理学療法士協会.認定・専門理学療法士制度について.公式ページ
- 公益社団法人 日本理学療法士協会.生涯学習制度 認定・専門理学療法士 更新申請マニュアル(最終更新 2025 年 12 月 25 日).PDF
- 公益社団法人 日本理学療法士協会.認定・専門理学療法士 更新に関わる点数基準( 2025 年 8 月更新 ).PDF
- 公益社団法人 日本理学療法士協会.生涯学習制度の見直し.公式ページ
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


