委員会資料・勉強会資料を生成AIで作る方法
委員会資料や勉強会資料を生成 AI で作るときは、全文作成を丸投げするのではなく、構成づくり・短文化・見出し整理に限定して使うと安全です。この記事では、理学療法士や医療職が院内資料を作る場面を想定し、患者情報や未公開資料を入力せずに、資料作成を効率化する流れを整理します。結論は、AI は下書き補助、人が最終確認です。
このページの役割
このページは、委員会資料・勉強会資料を生成 AI で作る実務に絞った子記事です。生成 AI 全体の安全な使い方や入力してはいけない情報は、理学療法士のための生成AI活用ガイドで整理しています。
本記事では、総論ではなく「院内で配る資料」「委員会で共有する資料」「新人向け勉強会の資料」をどう作るかに焦点を当てます。
最初に守るべき注意点
生成 AI を院内資料づくりに使うときは、患者情報や未公開の院内資料を入力しないことが最優先です。
氏名、年齢、病院名、入退院日、地域名、画像、録音、珍しい経過など、個人が推定される可能性がある情報は入力しません。症例や院内データを扱う場合も、AI に渡すのは自分で抽象化した一般的なメモまでにとどめます。
また、AI が作った文章はそのまま配布せず、事実確認、表現の強さ、共有範囲、院内ルールへの適合を人が確認します。臨床では、読みやすい資料よりも誤解されない資料であることが重要です。
生成AIが役立つ場面
生成 AI が役立つのは、白紙から骨子を作る場面です。
たとえば、委員会の議題を 3 項目にまとめる、勉強会資料の章立てを作る、長い説明を短くする、配布資料の冒頭に結論を置く、といった作業は相性が良いです。
一方で、根拠の確定、数値の確認、症例情報の判断、院内ルールの確認は AI に任せない方が安全です。生成 AI は「考えた内容を整理する道具」として使うのが基本です。
用途別の使い分け
委員会資料や勉強会資料は、用途ごとにツールを分けると作りやすくなります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| ツール | 向いている場面 | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| ChatGPT | 議題整理、章立て、配布資料の骨子づくり | まず文章ベースで構成を作ります。 |
| Gemini in Google Docs | Google ドキュメント上で下書きや修正を進める場面 | 既存文書の整文や短文化に使いやすいです。 |
| Microsoft Copilot in Word | Word で文書の初稿や修正を進める場面 | 普段の Word 業務に近い形で使えます。 |
| Canva Docs / Magic Write | 見た目を含めた資料のたたき台を作る場面 | 内容確認は別で行い、デザイン補助として使います。 |
5分で始める資料作成フロー
最初から完成資料を作ろうとせず、5 分で骨子だけ作ると失敗しにくくなります。

- 1分:誰に向けた資料かを決める
- 1分:持ち帰ってほしい結論を 1 文で書く
- 1分:見出しを 3〜5 個に絞る
- 1分:各見出しに要点を 1〜2 行で置く
- 1分:AI に「補わず、短く整理」と指示する
療養病棟の委員会資料でも、最初にこの型を使うと、会議用メモと配布資料が混ざりにくくなります。
委員会資料・勉強会資料を作る4ステップ
資料づくりは、目的設定 → 骨子作成 → 短文化 → 人の最終確認の順で進めると整理しやすくなります。
1.目的と読み手を決める
最初に、「誰に、何を持ち帰ってほしいか」を決めます。委員会メンバー向けなのか、病棟スタッフ向けなのか、新人向けなのかで、資料の深さは変わります。
2.骨子を先に作る
次に、「結論 → 背景 → 現状 → 対応案 → まとめ」のように、資料の順番を決めます。AI には、いきなり本文ではなく章立てを作らせる方が安定します。
3.各項目を短く整える
骨子ができたら、各項目を 2〜4 行に絞ります。委員会資料では、長文よりも「結論」「理由」「次の行動」が見える方が読みやすくなります。
4.最後は人が確認する
最後は、作成者が内容、数値、根拠、共有範囲、守秘、院内ルールを確認します。AI が作った文章は、完成版ではなく下書きとして扱います。
生成AIに任せてよい作業・任せない作業
資料作成では、AI に任せる部分と人が確認する部分を分けることが重要です。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 作業 | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 章立て・見出し案 | 高い | 話す順番や大項目を整理しやすいためです。 |
| 文章の短文化 | 高い | 長い説明を要点に絞りやすいためです。 |
| 配布資料のたたき台 | 高い | 白紙からの初稿づくりを軽くできます。 |
| 数値・根拠の確定 | 低い | 誤記が資料の信頼性に直結するためです。 |
| 守秘と共有範囲の判断 | 低い | 院内ルールや症例情報の扱いは人が判断します。 |
| 最終表現の調整 | 中程度 | 下書きは使えますが、読み手に合わせた微調整が必要です。 |
そのまま使いやすいプロンプト例
プロンプトでは、役割・読み手・分量・禁止事項を先に伝えると安定します。
章立てを作る
「理学療法士向けの委員会資料を作ります。テーマは ○○ です。読み手は病棟スタッフです。結論、背景、現状、対応案、まとめの流れで、1〜2 ページ相当の章立て案を作ってください。資料にない内容は補わないでください。」
配布資料を短文化する
「以下の会議メモを、見出しごとに整理してください。各項目は結論を先に置き、本文は 3 行までにしてください。患者情報や未確認情報は追加しないでください。」
勉強会資料の要点を作る
「新人向け勉強会資料を作ります。テーマは ○○ です。『まず覚えること』『よくある失敗』『明日から使うポイント』の 3 区分で、配布資料のたたき台を作ってください。」
よくある失敗
よくある失敗は、AI が作った文章をそのまま配布資料にしてしまうことです。
AI の文章は一見きれいでも、結論が弱い、根拠が曖昧、読み手の行動が見えないことがあります。委員会資料や勉強会資料では、「文章として自然」よりも「何をすればよいか分かる」ことを優先します。
もう 1 つの失敗は、会議メモと配布資料を同じものとして扱うことです。会議では詳しく共有したい情報でも、配布資料では結論だけで十分な場合があります。
現場の詰まりどころ
現場で止まりやすいのは、最初に何を書くか決まらない、文章が長くなる、会議用情報と配布用情報が混ざるの 3 点です。
対策は、最初に目的を 1 文で決める、1 項目 3 行までにする、会議用メモと配布資料を分けることです。スライド作成も一緒に整理したい場合は、院内発表のスライドを生成AIで作る方法も参考になります。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
委員会資料を全部そのまま生成 AI に作らせてもよいですか?
おすすめしません。生成 AI は章立て、見出し案、短文化には向きますが、事実確認や守秘の判断までは代わってくれません。骨子と最終確認は人が行う方が安全です。
患者情報を匿名化すれば入力してもよいですか?
安易には入力しない方が安全です。氏名を消しても、年齢、経過、地域、病院名、画像などの組み合わせで個人が推定される場合があります。AI に渡す場合は、症例情報ではなく一般化したメモにとどめます。
ChatGPT は資料作成に向いていますか?
向いています。ただし、完成資料を任せるというより、章立て、話す順番、要点整理、短文化に使うと安定します。
Word と Google ドキュメントではどちらが使いやすいですか?
普段使っている環境に合わせるのがよいです。Word 中心なら Copilot、Google ドキュメント中心なら Gemini を使うと、既存業務に組み込みやすくなります。
最初に試すなら、どの使い方が安全ですか?
「テーマと読み手を決めて、章立てだけ作る」使い方が始めやすいです。事実を補わせず、整理だけに使うとリスクを抑えやすくなります。
次の一手
まずは 1 本分の資料を完成させようとせず、タイトル・目的・見出しの骨子だけを生成 AI で整えるところから始めるのがおすすめです。
生成 AI の全体像を確認したい場合は 理学療法士のための生成AI活用ガイド、発表資料まで作りたい場合は 院内発表のスライドを生成AIで作る方法 もあわせて確認すると流れがつながります。
参考文献
- 個人情報保護委員会.医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス.2026 年 6 月 19 日閲覧.
- OpenAI.ChatGPT のプロジェクト.2026 年 6 月 19 日閲覧.
- Google.Write & edit with Gemini in Docs.2026 年 6 月 19 日閲覧.
- Microsoft.Draft and add content with Copilot in Word.2026 年 6 月 19 日閲覧.
- Canva.Canva Docs.2026 年 6 月 19 日閲覧.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

