McMurray テスト(半月板)とは: “再現痛+クリック” を取りにいく
McMurray テストは、半月板病変を疑うときに使う代表テストです。難点は、疼痛や OA 変化でも陽性っぽく出やすいこと。だからこそ、① 疑う条件 → ② 触診 → ③ McMurray → ④ 記録の順に固定し、再現性を作ります。
このテストを使う場面: “半月板らしさ” を先に拾う
ロッキング、引っかかり、荷重時の裂隙痛、回旋での再現、腫脹の反復などが揃うと McMurray の意味が明確になります。逆に、強い OA 痛や広い圧痛だけだと陽性らしく見えやすいので、裂隙圧痛の部位(内側 / 外側)を先に確認してから行うのが安定です。
5 分フロー: “裂隙 → 回旋 → 伸展” の順番で固定
- 触診:内側 / 外側の関節裂隙圧痛の有無と部位
- 準備:膝を深く屈曲(痛みの許容範囲で)
- 回旋+外反 / 内反:疑う側に合わせて方向を作る
- 伸展:伸ばしながら “クリック / ひっかかり / 再現痛” を確認
- 記録:部位・角度・症状(痛み / クリック)をセットで残す
やり方:内側・外側で “方向” を間違えない
運用はシンプルに、疑う側を決めてから 2–3 回だけ丁寧に行います。回数を増やすほど痛みが広がって判断が曖昧になります。
| 疑う病変 | 回旋 | 外反 / 内反 | 伸展で確認 |
|---|---|---|---|
| 内側半月板 | 脛骨 外旋 | 外反 | 内側裂隙の再現痛/クリック |
| 外側半月板 | 脛骨 内旋 | 内反 | 外側裂隙の再現痛/クリック |
解釈:陽性の “言語化” は 3 点セット
「陽性っぽい」で終わらせず、①どこ(内側 / 外側) ②いつ(角度) ③何が(痛み / クリック / ひっかかり)の 3 点で残すと、次の評価と説明が安定します。
よくある失敗: OA / 広い痛みで “陽性に見える”
| 失敗 | 起きること | 回避 |
|---|---|---|
| 裂隙圧痛を取らずに実施 | 痛みの “場所” が曖昧になり判断がブレる | 先に裂隙圧痛で “疑う側” を決める |
| 何度も繰り返す | 痛みが広がり、陽性っぽく見える | 2–3 回だけ丁寧に。回数より “方向” |
| 回旋と外反 / 内反が曖昧 | クリックが出にくい(偽陰性) | 表の方向を固定して運用する |
現場の詰まりどころ: “疑う → 方向固定 → 記録” の 3 段で解決
半月板は、テスト単体より “流れ” が重要です。迷ったら次の 3 段で整えます。
- まず:よくある失敗( OA で陽性に見える)
- 次に:回避のチェック
- 同ジャンルの内部リンク:膝の経過共有は KOOS(膝 PROM ) を一緒に取ると、説明と再評価が楽になります
回避の手順チェック: 10 秒でズレを直す
- 裂隙圧痛で “内側 / 外側” を先に決めた
- 回旋と外反 / 内反の方向は表どおり
- 伸展で “角度” と “症状の種類” を言語化できる
- 回数は 2–3 回で止めた(痛みを広げない)
記録の型: “部位・角度・症状” をセットで残す
- 疑い:内側 / 外側半月板
- 所見:裂隙圧痛(部位)、 McMurray(角度/痛み/クリック)
- 補足:腫脹、ロッキング、荷重時再現
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
クリックがないと陰性?
クリックがなくても、裂隙部の “同じ場所” に再現痛が出るなら所見として意味があります。逆に、場所が曖昧な痛みだけだと解釈がブレるので、裂隙圧痛の部位と合わせて判断します。
痛みが強くて深屈曲できない…
無理に深屈曲へ持っていくと痛みが広がり、判定が曖昧になります。許容範囲の屈曲で方向を丁寧に作り、 “部位・角度・症状” を記録しておく方が実務的です。
半月板は何の指標で経過を見る?
症状(ロッキング・引っかかり)に加えて、膝のアウトカムを数値で共有できると便利です。現場では KOOS のような PROM を併用すると、説明と再評価が安定します。
次の一手:評価を “意思決定” につなげる
- 運用を整える:膝の検査を一覧で固定するなら 膝の整形外科テスト一覧(親)
- 共有の型を作る:経過とアウトカムの共通言語は KOOS(膝 PROM )
教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。
チェック後に「続ける/変える」の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。
参考文献
- Hing W, White S, Reid D, Marshall R. Validity of the McMurray’s Test and modified versions: a systematic literature review. J Man Manip Ther. 2009;17(1):22-35. DOI: 10.1179/106698109790818250 / PubMed: 20046563
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


