理学療法士 の 仕事内容 を 30 秒で
仕事内容 を 俯瞰できると、評価 と 記録 が 一気に楽になります。 理学療法士 の キャリアガイド を 見る
理学療法士( PT )の仕事は、評価 → 目標設定 → 介入 → 振り返り(記録) → 連携・書類の循環で進みます。
このページでは、臨床の中心である診療業務と、詰まりやすい診療記録( SOAP )、さらに時短の鍵になる各種書類を「型」で整理し、勤務先ごとの比重と職域の広がりまで一気に概観します。
診療業務(臨床 の 中心)
まずは「何をやるか」ではなく、何を見て → どう決めて → 何を残すかで整理すると、現場で迷いにくくなります。
| 場面 | その場でやること | 記録 に 残す 1 行(例) |
|---|---|---|
| 評価 | バイタル・疼痛・既往/ ROM ・ MMT ・バランス・歩行・ ADL /リスク(転倒・誤嚥・皮膚)を短時間で要点化 | 「歩行: 10 m T 字杖 監視 → 昨日より 1 往復増。 SpO₂ 96 %( RA )」 |
| 目標設定 | ICF に整合し、誰が・どこで・どの補助で・何を(期間・達成基準)まで具体化 | 「 2 週:病棟内 50 m 監視( T 字杖 )で転倒なし」 |
| 介入 | 起居・移乗・歩行練習/筋力・持久力・協調性トレ/シーティング・補装具調整/自主練と家族教育 | 「移乗:立ち上がり時の前方荷重を反復。家族へ介助手順を 1 回実施」 |
| 安全管理 | 前中後のモニタリングと 中止基準 の共有(疼痛・ SpO₂ ・意識・血圧・疲労など) | 「負荷: Borg 13 で終了。血圧低下なし/めまいなし」 |
| 多職種連携 | 看護・栄養・ MSW ・主治医と方針をすり合わせ、退院・在宅支援の導線を設計 | 「退院:家屋動線の課題(段差)共有。福祉用具の候補を提案」 |
診療記録( SOAP の 型 を 素早く)
SOAP は「丁寧に書く」より、読み手が迷わない形に揃えるほうが強いです。特に O(客観)と A(解釈)を短くすると、残業が減りやすくなります。
| 項目 | 書く内容 | 時短 の コツ |
|---|---|---|
| S(主観) | 痛み・息切れ・疲労・やる気・生活上の困り事 | 定型句+数値( NRS ・ Borg 等)で短文化 |
| O(客観) | 数値(距離・回数・速度)+出来事(介助量・補助具) | 「単位+比較」:10 m 2 往復( T 字杖 )→ 昨日より+ 1 往復 |
| A(解釈) | 原因仮説 → 現在地 → 方針 | 1 文で「原因 → 阻害因子 → 鍵」を固定文言化 |
| P(計画) | 次回の目標・負荷・注意点・家族への依頼 | チェックリスト化(定型の項目を先に入れて、差分だけ更新) |
現場 の 詰まりどころ(よくある失敗 と 直し方)
新人〜中堅で多いのは「評価と記録が長い」ではなく、判断の軸が揃っていないことです。次の OK / NG を押さえると、同じ時間でも成果が出やすくなります。
| 場面 | NG(詰まる原因) | OK(型で解決) | 明日からの 1 手 |
|---|---|---|---|
| 評価 | 項目を増やして安心する(要点がぼやける) | 「リスク/動作/ ADL 」の 3 点だけ先に決めて、必要分だけ追加 | 最初に「転倒」「低血圧」「呼吸」のどれが主リスクか 1 行で書く |
| 目標 | 「歩けるように」など抽象的で、介助量が変わらない | 誰が・どこで・どの補助で・何を+期間+基準にする | 目標文に「補助具」「介助量」「距離」を必ず入れる |
| O(客観) | 文章で書きすぎて、比較できない | 数値+条件+差分(昨日比/先週比)で固定 | 毎回「差分を 1 行」だけ入れる(増減どちらでも OK ) |
| A(解釈) | 考察が長く、方針が読めない | 「原因 → 阻害因子 → 鍵」を 1 文に圧縮 | A は 2 行以内をルール化(超えたら削る) |
| P(計画) | 「継続」だけで、次回の狙いが曖昧 | 次回の狙い( 1 つ)+負荷(数値)+注意点( 1 つ)に絞る | P の先頭に「次回:〇〇を狙う」を固定で入れる |
各種書類 の 実例 と コツ
テンプレ化+「誰が・どこで・どの補助で・何を」の型で統一すると、品質が安定して時短にもつながります。実地では下のように使い分けます。
| 書類 | 主な内容 | 時短・品質向上 の ポイント |
|---|---|---|
| 計画書 | 評価要点/目標(期間・基準)/介入計画 | ゴール文を定型化;環境条件と補助量を必ず明記 |
| 経過記録( SOAP ) | 日々の変化とリスク管理 | 定型 → 差分だけ上書き/比較表現を毎回 1 行 |
| サマリー | 目標達成度・残課題・申し送り | 在宅 KPI(転倒・移動・トイレ等)を冒頭に短く並べる |
| 訪問 / 通所 の 計画・報告 | 目標・頻度・家族指導・連絡事項 | 家族向け「家庭内の注意点」を固定枠で運用(転倒・血圧・呼吸など) |
| 補装具 関連 | 目的・適合・訓練計画・フォロー | 写真・採寸値・変更履歴を 1 枚に集約(追跡が速い) |
業務マップ(評価/計画/介入/連携/書類)
忙しい日は、全部を完璧にするより、優先順位がぶれないことが重要です。次の 5 つに分けて考えると、抜け漏れが減ります。
- 評価:バイタル・疼痛・既往/ ROM ・ MMT ・バランス・歩行・ ADL /リスク(転倒・誤嚥・皮膚)
- 目標・計画: ICF に沿って長短期目標/介入内容・頻度・期間
- 介入(治療):起居・移乗・歩行/筋力・持久力・協調性/シーティング・補装具調整/患者・家族教育
- 連携:看護・栄養・ MSW ・主治医のカンファ/退院・在宅サービスの調整
- 書類:計画書・経過記録( SOAP )・報告書・補装具関連
勤務先別:業務 の 比重(早見表)
| 勤務先 | 評価 | 介入 | 連携 | 書類 | 退院支援 / 環境 |
|---|---|---|---|---|---|
| 急性期 | ◎(全身管理・早期離床) | ○ | ◎(主治医・看護) | ○ | ○ |
| 回復期 | ○ | ◎(高頻度の介入) | ◎(多職種カンファ) | ○ | ◎(家屋調整・訓練) |
| 生活期(外来・通所) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○(生活目標の更新) |
| 訪問リハ | ○(環境評価) | ○ | ◎(ケアマネ等) | ◎(計画・報告) | ◎(生活環境の最適化) |
| スポーツ / 産業 | ◎(パフォーマンス) | ◎(復帰支援) | ○ | △ | ○ |
「 1 日 の 流れ」は 専用ページ で 深掘り
タイムテーブルや件数の目安、回復期 / 訪問のモデル日課は別記事に集約しています。具体例は 理学療法士 の 1 日 の スケジュール をご覧ください。
理学療法士 の 職域(近年 の 拡大トレンド)
| 領域 | 代表タスク | ポイント |
|---|---|---|
| フレイル・予防 | 集団運動・転倒予防教室・地域介入 | 地域包括 や 自治体事業 と 連携 |
| 産業・職場 | 作業姿勢改善・復職支援・人間工学評価 | 安全衛生・保健師 / 産業医 と 協働 |
| スポーツ / コンディショニング | 傷害予防・復帰判定・パフォーマンス向上 | 指標化 と データ連携 が 鍵 |
| 遠隔・デジタル | オンライン指導・リモート評価 | 記録様式 と セキュリティ の 整備 |
| 自費 / 在宅 自立支援 | 個別ニーズに応じた継続支援 | 目標の合意 と 成果の見える化 |
| 教育・研究 | 院内教育・研究デザイン・学会発表 | 臨床課題 を テーマ化して 波及 |
ダウンロード( A4 ・ 印刷用)
印刷ガイド: A4 /余白 10–12 mm /ヘッダー&フッター非表示。病棟掲示・新人オリエンにそのまま利用できます。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
残業は多い?夜勤はある?
残業は職場差が大きく、書類締切や退院調整の時期に増えやすいです。夜勤は基本ありませんが、急性期などで早朝対応が発生する場合があります。
病院 と 訪問 で 仕事内容 は どう違う?
回復期=介入 と 退院支援 が 濃い一方、訪問=連携・書類・環境調整 の 比重 が 高いです。前者は集中的訓練と在宅準備、後者は生活環境に合わせた継続支援が中心になります。
SOAP が うまく書けません( O と A が 長くなる)
O は「数値+条件+差分」、 A は「原因 → 阻害因子 → 鍵」を 1 文に固定すると短くできます。迷ったら「昨日より何が増えた / 減ったか」を 1 行だけ入れると、読み手が追いやすくなります。
きつい点は?
移乗や歩行介助などの身体負担と、記録・書類の両立が難所です。安全第一(中止基準の徹底)と、テンプレ化・定型句の活用で負担を下げられます。
新人 は 何から学べばいい?
評価の基本(バイタル・ ROM ・ MMT ・歩行)の精度と、 SOAP の型づくりから始めると伸びが速いです。「 O を数値で残す」「 A を 2 行以内」など、まずはルールを 1 つ決めて継続しましょう。
おわりに
理学療法士 の 仕事内容 は「安全の確保 → 評価で要点化 → 目標を具体化 → 段階介入 → 記録で差分を残す」のリズムで回すと、忙しい日でも判断がぶれにくくなります。
面談前の準備チェックや、職場選びの評価シートもまとめて整えたい方は、無料ダウンロード(面談準備チェック/職場評価シート)もあわせてご活用ください。
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


