【NRS2002:栄養スクリーニング】評価表無料ダウンロード可能

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栄養管理
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リハビリくん
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いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!

   

この記事は「NRS2002」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。

   

リハビリテーションの実施にあたって、短時間で実施することができる栄養スクリーニングの存在は非常に重要になります。しかし、栄養スクリーニングの種類については様々なものがありますので、どの栄養スクリーニングを使用すればいいのか悩んでしまうと思います。

そんな中、この記事で紹介する栄養スクリーニングツールはNRS2002(Nutritional Risk Screening)になります。

  

NRS2002は評価項目に疾患の重症度についての項目が含まれていることが、他の栄養スクリーニングツールとの差別化になると思います。疾患の重症度という項目があることにより、急性期における栄養スクリーニングとして特に有効性が高くなると考えられます。

  

また、初期スクリーニングと最終スクリーニングの2部構成になっているところも特徴的であります。この構成により初期スクリーニングで問題がないと判定できれば、その時点で低栄養のリスクなしと栄養スクリーニングを終えることができます。

     

既にNRS2002(Nutritional Risk Screening)を臨床で活用されている方もいらっしゃると思います。しかし、世間一般的に言えばまだまだNRS2002(Nutritional Risk Screening)の知名度は不足しており、使用してみたいけど評価方法に自信がない方もいらっしゃると思います。

  

そんな人のためにこちらの記事をまとめました。この記事を読むことで明日からの臨床で、NRS2002(Nutritional Risk Screening)を活用した栄養スクリーニングを実施できるようになることを目標にします。是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
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【簡単に自己紹介】

30代の現役理学療法士になります。

理学療法士として、医療保険分野と介護保険分野の両方で経験を積んできました。

現在は医療機関で入院している患者様を中心に診療させていただいております。

臨床では、様々な悩みや課題に直面することがあります。

そんな悩みや課題をテーマとし、それらを解決するための記事を書かせて頂いております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

療法士の働き方に対する記事の 1 つが右記になりますが、"理学療法士は生活できない?PTが転職を考えるべき7つのタイミング"こちらの記事は検索ランキングでも上位を獲得することができております。興味がある方は、こちらの記事も目を通してくれると幸いです☺

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栄養スクリーニングツールとは

栄養スクリーニングは栄養評価の一側面として捉えることができ、栄養管理の端緒として、栄養不良患者または栄養不良のリスクがある患者を抽出することが目的となります。

一般的には、栄養スクリーニングを行った結果、更に詳細な栄養評価が必要となった対象者に対して、栄養アセスメントが実施される流れになります。

栄養スクリーニングでは、効率のよい評価が求められます。そのため、以下に示したような要件を満たした評価ツールが必要になります。

  1. 妥当性がある 
  2. 信頼性がある 
  3. 入手しやすい情報を利用する 
  4. 実施が容易である 
  5. 低コストである 
  6. 患者に対して非侵襲的な方法である

栄養管理を最も有効に実施するには、全ての患者様や利用者様に対して、日常的なケアの一環として栄養スクリーニングを行うことが必要になります。

栄養スクリーニングツールとしては、様々な種類のものが現在までに提唱されていますが、体重の変化と食事摂取量の2項目だけで判定することができるNRS2002(Nutritional Risk Screening)についてご紹介します。

NRS 2002 とは

NRS 2002 は、Nutritional Risk Screening 2002の略称であり、2002 年に欧州臨床栄養
代謝学会議(ESPEN)の Kondrup 氏を中心としたメンバーが開発し、公表した指標になります。

評価項目に疾患の重症度についての項目があるため、急性期における低栄養のスクリーニングとして特に有効性が高くなると報告されています。

NRS 2002 は第 1 部と第 2 部による 2 段階構成のスクリーニングになります。

第 1 部では 4 つの設問に「はい」か「いいえ」で回答します。このうち 1 項目でも「はい」があれば第 2 部に進みます。

NRS 2002 の第 2 部は「栄養障害の重症度」「疾病または外傷の重症度」の 2 項目から構成されています。2 項目ともに得点範囲は 0 点 ~ 3 点となります。

第 2 部の合計スコアの得点範囲は 0 点 ~ 6 点となります。得点が低いほど低栄養リスクが低く、得点が高いほど低栄養リスクが高いことを意味しています。

NRS 2002 評価項目

NRS 2002 は第 1 部と第 2 部による 2 段階構成のスクリーニングになります。

NRS 2002 の使い方についてわかりやすく解説していきます。

第1部(初期評価)

第 1 部では 4 つの設問に「はい」か「いいえ」で回答してもらいます。このうち 1 項目でも「はい」があれば第 2 部に進みます。

  • BMI は 20.5 未満であるか?
  • 過去 3 ヶ月以内に体重は減少しているか?
  • 過去 1 週間の食事摂取量は減少しているか?
  • 重症な疾病の有無はあるか?例えば集中治療を受けているか?

4 項目全ての回答が「いいえ」になった場合は低栄養リスクは低いという結論になります。第 2 部に進む必要はなく、この時点で終了となります。

第2部(最終評価)

NRS 2002 の第 2 部は「栄養障害の重症度」「疾病または外傷の重症度」の 2 項目から構成されています。2 項目ともに得点範囲は 0 点 ~ 3 点となります。

栄養障害の重症度

【スコア 0:栄養状態良好】

  • 栄養状態に問題がない

【スコア 1:軽度栄養不良】

  • 過去 3 ヶ月の体重減少 ≧ 5 % もしくは
  • 過去 1 週間の食事摂取量が必要量の 50 ~ 75 %

【スコア 2:中等度栄養不良】

  • 過去 2 ヶ月の体重減少 ≧ 5 % もしくは
  • 過去 1 週間の食事摂取量が必要量の 25 ~ 50 % もしくは
  • BMIが 18.5 ~ 20.5 + 全身状態が不良である

【スコア 3:高度栄養不良】

  • 過去 1 ヶ月の体重減少 ≧ 5 % もしくは
  • 過去 3 ヶ月の体重減少 ≧ 15 % もしくは
  • 過去 1 週間の食事摂取量が必要量の 0 ~ 25 % もしくは
  • BMIが 18.5 以下 + 全身状態が不良である

疾病または外傷の重症度

【スコア 0 :疾病、外傷なし】

  • 栄養状態に問題がない

【スコア 1:軽度の疾病または外傷】

  • 大腿骨頚部骨折
  • 急性合併症のある慢性疾患(肝硬変、COPD、慢性透析、糖尿病、腫瘍)

【スコア 2:中等度の疾病または外傷】

  • 腹部大手術
  • 脳卒中
  • 重症肺炎
  • 造血器腫瘍

【スコア 3:重度の疾病または外傷】

  • 頭部損傷
  • 骨髄移植
  • 集中治療患者

NRS 2002 評価方法

NRS 2002 の第 2 部は「栄養障害の重症度」「疾病または外傷の重症度」の 2 項目から構成されています。

2 項目ともに得点範囲は 0 点 ~ 3 点となります。注意点として、NRS 2002 の第 2 部では 70 歳以上の場合はスコアに 1 点を加算するとされています。

最低点は 0 点、最高点が 7 点となり、点数が高いほど低栄養のリスクが高いという指標になります。

カットオフ値としては、一般的に 3 点以上が低栄養リスクとして設定されています。GLIM 基準による「栄養障害リスクの同定」においても同様に「NRS 2002 ≧ 3 点」とされています。

GLIM 基準については、他の記事で詳しくまとめています!《【GLIM基準とは】グリム基準の使い方|栄養障害診断|重症度評価》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️

NRS 2002 評価用紙

NRS2002(Nutritional Risk Screening)の評価表をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

その他の栄養スクリーニングツール

この記事では NRS2002(Nutritional Risk Screening)について重点的に説明させて頂きましたが、 NRS2002 以外の評価尺度でも妥当性・信頼性に優れた栄養スクリーニングツールはございます。

NRS 2002 以外にどのような評価尺度があるのか、簡単にご紹介します。

MNA®-SF:簡易栄養状態評価表

65歳以上の高齢者を対象とした評価尺度で、食事歴・体重减少・BMI(Body MassIndex)・疾病の状態・精神状態などから栄養状態を評価します。

入院リハ患者において、入院時評価とリハアウトカムとの関連性が報告されています。BMIの算出が困難な症例では下腿周囲長にて代用することが可能であり、身長や体重測定が困難な場面でも使いやすいツールとなります。

入院や外来リハ患者に対するスクリーニングツールとしては良いが、変化に対する反応性がやや乏しく、短期的なモニタリングや栄養ケアの効果判定には不向きともいえます。

MNA®-SF については、他の記事で詳しくまとめています!《【MNA®-SF:簡易栄養状態評価表】高齢者の栄養スクリーニング》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️

主観的包括的栄養評価(SGA)

本邦では、栄養アセスメントツールとして、SGA(主観的包括的評価)が広く用いられています。SGA は、問診と病歴、視・触診による簡単な身体所見などに基づいて、全体的な栄養状態を主観的に評価することができます。測定装置や機器分析などが必要な計測値や検査値を使用していないため、効率よく栄養状態を評価することができます。

SGA は、判定者の主観に基づく評価であることから、信頼性に対する疑問も存在するが、さまざまな患者群に対する栄養評価で妥当性が確認されております。また、消化器癌患者を対象とした研究では、SGA による栄養リスク分類が、休重減少率、BMI、上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)、血清アルプミン値、トランスサイレチン値などの栄養指標と相関していることが示されています。

SGA は、簡単なトレーニングを受ければ実施可能であり、医師だけでなく医療従事者であれば使用できる栄養評価ツールとして有用であります。

SGA による栄養状態の評価は、「栄養状態良好」「中等度の栄養不良」「高度の栄養不良」の3段階に分類されます。SGA には、スコアのような絶対的な基準は存在せず、判定者の主観に基づいて決定されます。

SGA については、他の記事で詳しくまとめています!《主観的包括的栄養評価|SGAとは?低栄養スクリーニング検査を解説》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️

ODA 栄養評価

ODA とは身体計測や血液検査などの各種の検査データを基に、栄養状態を客観的に評価するものになります。ODA で評価する代表的な客観的評価項目を以下にあげます。

身体計測

  1. 理想体重(IBW:ideal body weight):理想体重の算出方法は、身長(m)× 身長(m)×22
  2. BMI:現体重(kg) ÷ [身長(m)] 2
  3. %理想体重:現体重kg ÷ 理想体重kg × 100
  4. %通常時体重:現体重kg ÷ 通常時体重kg × 100
  5. 体重減少率:(健常時体重kg – 現体重kg)÷ 健常時体重kg × 100 ※身体計測における栄養評価については、体重減少率が最も重要な評価項目になります。

皮下脂肪厚測定

  1. 上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)
  2. 上腕筋囲(AMC):骨格筋量との相関が高く、上腕周囲長(AC)と上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)から算出します 上腕筋囲(AMC)= 上腕周囲長(AC) -π×上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)

血液・尿生化学検査

  1. 血清タンパク(総タンパク・アルブミン・R T P )
  2. 血漿アミノ酸分析(BCAA/AAA=Fischer比)
  3. 血漿脂質(総コレステロール・トリグリセライド)
  4. その他(クレアチニン身長係数・尿中3-メチルヒスチジン排泄量・尿素窒素排泄量・窒素バランス・血中微量栄養素)

免疫能

総リンパ球数 = 白血球数 × % リンパ球 ÷ 100で算出することができます。900/mm 3 以下で高度栄養不良と判定します。感染では、値が増大するため、栄養状態が反映されない場合があります。

機能性の評価

握力や呼吸筋力などが評価指標として用いられています。

CONUT(コニュート)

CONUT(コニュート)は2003年のESPEN(欧州静脈経腸栄養学会)でスペインのゴンザレスらが発表した栄養評価法になります。

一般的に測定されている検査項目であるアルブミン(ALB)、 総リンパ球数(TLC)、総コレステロール(TC)値をスコア化し、3つのスコアを積算して求めたCONUT値を栄養評価の指標として用います。

CONUT値は蛋白代謝、免疫能、脂質代謝という3つの生体指標を反映したもので、栄養レベルは正常、軽度異常、中等度異常、高度異常の4段階で評価されます。

CONUT(コニュート)は2003年のESPEN(欧州静脈経腸栄養学会)でスペインのゴンザレスらが発表した栄養評価法になります。

一般的に測定されている検査項目であるアルブミン(ALB)、 総リンパ球数(TLC)、総コレステロール(TC)値をスコア化し、3つのスコアを積算して求めたCONUT値を栄養評価の指標として用います。

CONUT値は蛋白代謝、免疫能、脂質代謝という3つの生体指標を反映したもので、栄養レベルは正常、軽度異常、中等度異常、高度異常の4段階で評価されます。

CONUT については、他の記事で詳しくまとめています!《栄養アセスメントCONUTとは?ALB|TLC|TC検査値で評価》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「NRS2002(Nutritional Risk Screening)」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事が臨床における栄養評価に少しでもお力添えになれば幸いです!

参考文献

  1. 溝上祐子,石川環.栄養スクリーニング・アセスメント・栄養管理の概要.日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌.2013年,17巻,1号,p1-10.
  2. 前田圭介.高齢入院患者に対する 栄養サポートの重要性.日本内科学会雑誌.110巻,6号,p1184-1192.
  3. 雨海照祥,久保知子,黒川典子,長谷川民子,甲斐千穗,北川萌子.MUSTとNRS2002は日本人に使えるか-栄養アセスメントツールの普遍性の検証.臨宋栄養 Vol.126,No.6,2015.5(臨時増刊号),p708-714.
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