【ファンクショナルバランススケール】評価方法【FBS/BBS】

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この記事の内容
  1. この記事は「ファンクショナルバランススケール」をキーワードに内容を構成しています
  2. ファンクショナルバランススケール(Functional Balance Scale:FBS)は、日常生活におけるバランス能力を評価するための有用な指標になります
  3. 特に高齢者や脳卒中患者において、転倒リスクの予測やリハビリ効果の判定に活用されています
  4. 静的および動的バランスの両面から機能的な動作を評価できるため、実用的かつ臨床現場での再現性も高く、リスク管理や介入方針の決定に役立ちます
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理学療法士として以下の経験と実績を持つリハビリくんが解説します♪

リハビリくんの実績
  1. rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設
  2. 2025 年 7 月時点:182 記事公開(月間 3 万 PV)
  3. 実務経験(医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリ等)
  4. 講師活動(脳卒中、褥瘡等をテーマに複数回講演)
  5. 脳卒中 認定理学療法士
  6. 褥瘡 創傷ケア 認定理学療法士
  7. 3 学会合同呼吸療法認定士
  8. 福祉住環境コーディネーター 2 級
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Functional Balance Scaleとは

FBS とは「Functional Balance Scale」の頭文字をとった略語になり、1989 年に Berg によって発表されたパフォーマンステストになります。日本語ではファンクショナルバランススケールと読みます。

FBS は発表者となるキャサリンバーグ(Katherine Berg)の名称から Berg Balance Scale(バーグバランススケール)とも呼ばれています。この場合、BBS と略されています。

バランス機能および転倒リスクを抽出する指標としては、Timed Up and Go test や Functional reach Test などのように信頼性や妥当性が認められた多くの指標が開発されています。

その中でも、日常生活に密接に関連した機能的な動作 14 項目から構成されている Functional Balance Scale は、バランス能力だけではなく包括的に身体機能のアセスメントが可能となります。

また、評価の対象としても特定の疾患に左右されることなく、評価の実施に複雑な機器や特定の環境を必要としないことから、簡便に測定することができるメリットがあります。

Functional Balance Scale は評価スケールとしての信頼性や妥当性も認められており、国際的にも幅広く汎用されています。

評価項目

Functional Balance Scale は以下の 14 項目から構成されています。

  1. 椅座位からの立ち上がり
  2. 立位保持
  3. 座位保持
  4. 着座
  5. 移乗
  6. 閉眼立位保持
  7. 閉脚立位保持
  8. 上肢の前方リーチ
  9. 床から物を拾う
  10. 左右の肩越しに後ろを振り向く
  11. 360 ° 回転
  12. 段差踏み替え
  13. 継ぎ足位での立位保持
  14. 片脚立位保持

評価方法

Functional Balance Scale は日常生活に密接に関連した機能的な動作 14 項目から構成されており、各項目を 0 ~ 4 点の 5 段階で評価し合計点を算出します。

合計点の得点範囲は最大 56 点、最低 0 点となり、点数が高いほど機能が高く、点数が 0 点に近いほど機能が低いことを示しています。

椅座位からの立ち上がり

テストは椅子に座った状態から始めます。被検者には「手を使わないで立ち上がってみてください。」と指示します。手を使わないで安全に立ち上がることが難しいようであれば「手を使って立ち上がってみてください。」と再度指示します。

  1. 手を使わずに立ち上がりが可能
  2. 手を使用すれば一人で立ち上がりが可能
  3. 数回の試行後、手を使用して立ち上がりが可能
  4. 立ったり平衡をとるために最小限の介助が必要
  5. 立ち上がりに中等度、ないし高度の介助が必要

立位保持

ストップウォッチを使用して立位保持時間を測定します。被検者には「掴まったり、周りの物に触れないようにして立った姿勢を保ってみてください。バランスを崩すことがなければ最大 120 秒間行います。」と指示します。

  1. 安全に 2 分間の立位保持が可能である
  2. 監視下で 2 分間の立位保持が可能である
  3. 30 秒間の立位保持が可能である
  4. 数回の試行にて 30 秒間の立位保持が可能である
  5. 介助なしには 30 秒間の立位保持が不可能である

座位保持

テストは両足を床につけ、背もたれに寄りかからないように座って行います。可能であれば手は胸の前で組んでもらいます。被検者には「手を使わず 2 分間姿勢を保ってみてください。」と指示します。

  1. 安全に 2 分間の座位保持が可能である
  2. 監視下で 2 分間の座位保持が可能である
  3. 30 秒間の座位保持が可能である
  4. 10 秒間の座位保持が可能である
  5. 介助なしには 10 秒間の座位保持が不可能である

着座

立位姿勢から椅子やプラットフォーム上に腰掛ける動作能力を評価します。被検者には「手を使わずにゆっくりと座ってみてください。」と指示します。手を使わないで安全に座ることが難しそうであれば「手を使ってゆっくりと座ってみてください。」と再度指示をします。

  1. ほとんど手を用いずに安全に座れる
  2. 手を用いてしゃがみこみを制御する
  3. 下腿後面を椅子に押しつけてしゃがみこみを制御する
  4. 一人で座れるが、しゃがみこみを制御できない
  5. 座るのに介助が必要である

移乗

車椅子もしくは椅子を準備し、車椅子(椅子)からベッド(プラットフォーム)への移乗動作を評価します。同様にベッド(プラットフォーム)から車椅子(椅子)への移乗動作も確認します。

行きと帰りで能力に差がある場合には能力が低い方のレベルで判定を行います。

  1. ほとんど手を用いずに安全に移乗が可能である
  2. 手を用いれば安全に移乗が可能である
  3. 言語指示、あるいは監視下にて移乗が可能である
  4. 移乗に介助者 1 名が必要である
  5. 安全確保のために 2 名の介助者が必要である

閉眼立位保持

閉眼した状態での立位保持時間を計測します。被検者には「手は使わずに、目を閉じて 10 秒間立っていてください。」と指示します。バランスを崩す可能性があるため、手すりなどの支持物の近くで実施する必要があります。

  1. 安全に 10 秒間の閉眼立位保持が可能である
  2. 監視下にて 10 秒間の閉眼立位保持が可能である
  3. 3 秒間の閉眼立位保持が可能である
  4. 3 秒間の閉眼立位保持ができないが、安定して立っていられる
  5. 転倒を防ぐための介助が必要である

閉脚立位保持

閉脚した状態での立位保持時間を計測します。被検者には「手を使わずに足を閉じて 60 秒間立っていてください。」と指示します。バランスを崩す可能性がある項目になるため、手すりなどの支持物の近くで実施する必要があります。

  1. 自分で閉脚立位ができ 、1 分間安全に立位保持が可能である
  2. 自分で閉脚立位ができ、監視下にて 1 分間の立位保持が可能である
  3. 自分で閉脚立位ができるが、30 秒間の立位保持は不可能である
  4. 閉脚立位をとるのに介助が必要だが、閉脚で 15 秒間の保持が可能である
  5. 閉脚立位をとるのに介助が必要で、閉脚で 15 秒間の保持も不可能である

上肢の前方リーチ

壁際で立位で行うテストになります。壁(定規やメジャー)に触れることなく、壁側の手を水平方向に可能な限り手を伸ばしてもらいます。

壁の反対側にある腕は大腿部前面につけて身体が開くのを防止します。バランスを保ち、足を踏み出したり踵を上げたり(支持基底面を変えない)しないように注意します。

実施前と実施後の第 3 中手骨末端が届いた位置を確認して移動距離を求めます。

  1. 25 cm 以上の前方リーチが可能である
  2. 12.5 cm 以上の前方リーチが可能である
  3. 5 cm の前方リーチが可能である
  4. 手を伸ばせるが、監視が必要である
  5. 転倒を防ぐための介助が必要である

床から物を拾う

このテストでは靴やスリッパを使用します。床に落ちてある物を拾えるかどうかを評価する項目になります。被検者に対して「目の前に置いてある靴(スリッパ)を拾ってみてください。」と指示します。

  1. 安全かつ簡単に物を拾うことが可能である
  2. 監視下にて物を拾うことが可能である
  3. 物は拾えないが、靴(スリッパ)まで 2.5 cm くらいのところまで手を伸ばすことが可能である
  4. 物を拾うことができず、監視が必要である
  5. 転倒を防ぐための介助が必要である

左右の肩ごしに後ろを振り向く

立位姿勢で重心を移動した時のバランスを評価する項目になります。被検者に対して「左の肩越しに後ろを見てください。」と指示する。その後、右側からも同様に行い、左右で能力を確認します。

  1. 両側とも後ろを振り向くことができる
  2. 片側のみ振り向くことができる
  3. 側方までしか振り向けないが安定している
  4. 振り向く時に監視が必要である
  5. 転倒を防ぐための介助が必要である

360° 回転

立位姿勢で 360° 方向転換を行い動的なバランス能力を評価する項目になります。被検者に対して「その場で 360° 一回転まわってみてください。その後、逆方向にも一回転まわってみてください。」と指示します。360° 方向転換をする時間を計測しながら行います。

  1. 左右それぞれの方向に 4 秒以内で安全に 360° の回転が可能である
  2. 一側のみ 4 秒以内で安全に 360° の回転が可能である
  3. 360° の回転が可能だが、両側とも 4 秒以上かかる
  4. 監視または言語指示が必要である
  5. 回転中、介助が必要である

段差踏み替え

立位姿勢で段差の踏み替え能力を評価します。この項目には 12 ~ 20 ㎝ 程度の高さがある踏み台を使用します。テストは以下の順序で行い最大で 8 回踏み替えを行います。

  • 片側下肢を踏み台に乗せる
  • 片側下肢を踏み台から降ろす
  • 反対側下肢を踏み台に乗せる
  • 反対側下肢を踏み台から降ろす

判定基準は以下の通りになります。

  1. 支持なしで安全かつ 20 秒以内に 8 回の踏み替えが可能である
  2. 支持なしで 8 回の踏み替えが可能だが、20 秒以上かかる
  3. 監視下で補助具を使用せず 4 回の踏み替えが可能である
  4. 最小限の介助で 2 回以上の踏み替えが可能である
  5. 転倒を防ぐための介助が必要、または実施困難である

継ぎ足位での立位保持

両足を前後一直線上に揃えて、両足に体重を均等に荷重して身体動揺を確認するテストになります。別名でタンデム立位とも呼びます。

検査肢位をとるために被検者には「片方の足の爪先にもう片方の足の踵をくっつけるように前後一直線の姿勢をとることはできますか?」と指示します。

言葉だと分かりにくい部分もあるため、実際に検者がテストを実行して、被検者に模倣してもらう方法でも良いと思います。

  1. 自分で継ぎ足位をとり、30 秒間の保持が可能である
  2. 自分で足を他方の足の前におくことができ、30 秒間の保持が可能である
  3. 自分で足をわずかにずらし、30 秒間の保持が可能である
  4. 足を出すのに介助を要するが、15 秒間の保持が可能である
  5. 足を出す時、または立位時にバランスを崩す

片脚立位保持

立位姿勢から左右どちらかの片足をあげて片足で立位を保持するテストになります。左右それぞれの片足立ちを評価して、短い方の記録で判定します。

被検者には「片足でバランスを崩さないようにできるだけ長く立ってみてください。両手は腰に当てて離さないようにしてください。」と指示します。

  1. 自分で片脚をあげ、10 秒以上の保持が可能である
  2. 自分で片脚をあげ、5 ~ 10 秒間の保持が可能である
  3. 自分で片脚をあげ、3 秒以上の保持が可能である
  4. 片脚をあげ、3 秒以上の保持が不可能である
  5. 検査の実施困難、または転倒を防ぐための介助が必要である

カットオフ値

FBS(Functional Balance Scale)のカットオフ値に関する研究としては以下のような報告がなされています。

回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳血管疾患後片麻痺患者に対する歩行自立を判断するための FBS の得点は 45.5 点(カットオフ値 45 点)

出典:北地雄,原辰成,佐藤優史,重國宏次,清藤恭貴,古川広明,原島宏明.回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳血管疾患後片麻痺を対象とした歩行自立判断のためのパフォーマンステストのカットオフ値.理学療法学 38 (7), p481-488,2011-12-20.

回復期脳卒中片麻痺患者に対して歩行自立群(FIM 6 点以上)に至るための判断基準の 1 つが FBS の得点は 47 点(カットオフ値 46 点)

出典:中村基彦,土居健次朗,河原常郎,大森茂樹.歩行自立に必要な歩行能力とバランス能力の関係.Vol.42,Suppl. No.2,第50回日本理学療法学術大会.

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!この記事では「ファンクショナルバランススケール」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

Functional Balance Scale(FBS)は、1989 年に Berg により開発された 14 項目から成るパフォーマンステストで、別名 Berg Balance Scale(BBS)とも呼ばれます。日常生活に即した動作を通じてバランス機能を評価し、機器や特別な環境を必要とせず簡便に実施できる点が特徴になります。

各項目は 0 ~ 4 点で評価され、最大得点は 56 点で、高得点ほど身体機能が高いとされています。信頼性と妥当性が高く、疾患に左右されず幅広い対象に使用可能で、国際的にも広く用いられています。脳卒中後の歩行自立の判断にも有効で、カットオフ値はおおよそ 45 ~ 47 点と報告されています。

こちらの記事が日常の診療に少しでもお役に立つと幸いです。

参考文献

  1. 西守隆.バランスの評価.関西理学療法.3,p41-47,2003.
  2. Berg K, Wood-DauphineeS, etal.:Measuring balance in the elderly: Preliminary development of an instrument. Physiotherapy Canada.1989; 41: p304–311.
  3. 松嶋美正,齋藤文香.高齢者における Berg Balance Scale の項目妥当性に関する検討.
    理学療法学.37(6),p403-409,2010-10-20.

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