METsの計算方法|消費kcalの求め方・運動強度・RPEまで解説【計算ツール・PDF】

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METs計算の結論|体重と運動時間から消費kcalを求める

METs(メッツ)から消費エネルギーを求める基本式は、消費kcal=METs×体重(kg)×時間(h)です。たとえば、体重60kgの方が4 METsの活動を30分行った場合は、4×60×0.5=約120kcalとなります。

ただし、METsから求める消費エネルギーは概算値です。年齢、体格、疾患、薬剤、動作効率、気温などによって実際の負荷は変わるため、運動強度の判断ではRPE、会話のしやすさ、症状、バイタルサインも併せて確認します。

METsの計算式と計算例

消費エネルギーを求めるときは、運動時間の単位を時間にそろえます。分単位で計算するときは、最後に60で割ります。

METsから消費kcalを計算する3ステップ。METsを確認し、体重と時間を入れて計算する流れ
METs、体重、運動時間から消費kcalを求める基本手順
  • 消費kcal=METs×体重(kg)×時間(h)
  • 分で計算:消費kcal=METs×体重(kg)×運動時間(分)÷60
  • 酸素摂取量からMETs:METs=VO2(mL/kg/min)÷3.5
  • VO2からkcal:kcal/min≒VO2(mL/kg/min)×体重(kg)÷200

計算例:体重60kg・4 METs・30分

4×60×30÷60=約120kcal

この計算結果は、標準的な1 METを基準とした概算です。個人の安静時代謝量や活動効率を直接測定した値ではありません。

METs消費エネルギー自動計算ツール

METs、体重、運動時間を入力すると、消費エネルギーの概算値を自動計算できます。計算式へ数値を手入力する場合の確認や、活動量を比較するときに使用してください。

使い方:活動に対応するMETs、体重、運動時間を入力して計算します。表示される消費kcalは概算値であり、運動継続・中止や負荷量の判断にはRPE、症状、バイタルサインも併用してください。

計算ツールが表示されない場合は、METs消費エネルギー自動計算ツールを別画面で開くから利用してください。

METs記録シートをPDFで使う

再評価では、METsや消費kcalだけでなく、実施条件と身体反応を同じ形式で残すことが重要です。最新版のA4記録シートでは、METs、体重、実施時間、消費kcalに加え、RPE、症状・所見、実施条件、次回確認事項をまとめて記録できます。

METs計算・身体反応 記録シート(A4)

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記録するときにそろえる項目

  • 活動内容と設定したMETs
  • 体重と実施時間
  • 歩行速度、傾斜、休憩、介助量などの実施条件
  • 運動中または終了時のRPE
  • 呼吸困難、胸部症状、疼痛、めまい、疲労などの反応

同じMETsでも実施条件が異なると身体反応を比較できません。再評価では、可能な範囲で速度、傾斜、時間、休憩方法などをそろえます。

METs別の消費kcal早見表

体重60kgを想定した早見表です。数値はMETs×60kg×時間で算出した概算値です。スマートフォンでは横スクロールでご覧ください。

体重60kgを想定したMETs別の消費エネルギー
METs 10分 30分 60分
3 30kcal 90kcal 180kcal
4 40kcal 120kcal 240kcal
5 50kcal 150kcal 300kcal
6 60kcal 180kcal 360kcal
8 80kcal 240kcal 480kcal

体重が60kg以外の場合の換算係数

早見表の数値に、以下の係数を掛けると概算できます。体重や時間が表にない場合は、消費kcal=METs×体重(kg)×運動時間(分)÷60で計算してください。

体重別の換算係数(60kgを1.00とする)
体重 係数 体重 係数 体重 係数
45kg 0.75 60kg 1.00 75kg 1.25
50kg 0.83 65kg 1.08 80kg 1.33
55kg 0.92 70kg 1.17 90kg 1.50

例:体重70kgの場合は、60kgの早見表の数値に約1.17を掛けます。4 METsを30分行う場合は、120×1.17≒140kcalです。

代表的な活動のMETs

活動のMETsは、速度、傾斜、路面、荷物、動作効率などによって変わります。以下は活動を選ぶための代表的な目安であり、個人の運動耐容能を直接示す数値ではありません。

代表的な活動のMETs目安
活動 条件・具体例 METsの目安
普通歩行 平地を約4.8km/時で歩く 3.0〜3.5
速歩 平地を約5.6〜6.4km/時で歩く 4.3〜5.0
階段昇降 連続した階段昇りなど 6.0〜8.8
家事 掃除機、床掃きなど 3.0〜3.5
ジョギング 約8km/時 約8.0

同じ名称の活動でも、実施条件によってMETsは変わります。使用したMETs値だけでなく、速度、傾斜、休憩、介助量なども記録してください。

METs・RPE・症状・バイタルを組み合わせて運動強度を判断する

METsは活動そのものの絶対強度を示しますが、その活動が本人にとって安全で適切な負荷かどうかはMETsだけでは判断できません。RPE、症状、心拍数・血圧・呼吸数などの身体反応を組み合わせて確認します。

運動強度をMETs、RPEと症状、バイタルサインの3つの視点から総合判断する図版
METsだけでなく、RPE・症状・バイタルサインを組み合わせて運動強度を判断します。

同じ4 METsでも、運動習慣、疾患、薬剤、睡眠、脱水、疼痛、暑熱環境などによって本人にとっての負担は変化します。数値上は同じ活動でも、RPEや症状、身体反応が前回より強ければ、その日の負荷設定を見直します。

以下は成人一般における大まかな対応です。METs、%HRR、RPE、会話テストが常に同じ区分になるとは限らないため、相互に確認するための目安として使用します。

運動強度を確認する指標の組み合わせ
区分 METs %HRR RPE(6〜20) 会話テスト
軽度 1.6〜2.9 20〜39% 9〜11 楽に会話できる
中等度 3.0〜5.9 40〜59% 12〜13 息は上がるが会話できる
高強度 6以上 60〜84% 14〜16 会話が途切れやすい
非常に高い 9以上 85%以上 17以上 会話が困難

β遮断薬の使用、心疾患、自律神経障害、脱水、発熱、疼痛、暑熱環境などでは、心拍数と自覚的運動強度が一致しないことがあります。数値だけで継続・増量を決めず、症状と身体反応を優先します。

METs計算でよくある間違いと対策

METsの計算では、体重、時間の単位、活動条件の3点を確認します。RPEの聞き方や記録方法をそろえたい場合は、Borgスケール実務ガイドも併せて確認してください。

METs計算で起こりやすい間違いと対策
よくある間違い 原因 対策 記録する項目
体重を掛け忘れる 計算式のkgが抜けている METs、体重、時間の3項目を順番に確認する 測定時または使用時の体重
分をそのまま掛ける 運動時間を時間へ換算していない 分で計算するときは最後に60で割る 分または時間の単位
METsと体感が合わない 体力、疾患、薬剤、環境による個人差がある RPE、症状、会話テストを確認して調整する RPE、症状、速度、傾斜、休憩
活動名だけでMETsを決める 速度や傾斜などの条件を確認していない 使用したMETs値の条件を記録する 速度、傾斜、介助量、使用機器
ウェアラブルの数値を実測値として扱う 推定方法やアルゴリズムが不明である 機器による推定値であることを明記する 機種、装着部位、装着条件

再評価では同じMETsより「同じ条件での身体反応」を比較する

METsを用いた再評価では、活動強度の数字だけでなく、同じ実施条件に対するRPE・症状・バイタルの変化を比較します。

たとえば同じ4 METsの歩行でも、歩行速度、傾斜、休憩方法、補助具、介助量が異なれば単純比較できません。可能な範囲で条件をそろえ、身体反応の変化を確認します。

  • 活動条件:速度、傾斜、時間、休憩、補助具、介助量
  • 主観的負担:RPE、息切れ、疲労、疼痛、めまい
  • 身体反応:心拍数、血圧、呼吸数、必要に応じてSpO2
  • 回復:終了後に症状やバイタルがどのように戻るか
  • 次回:同じ負荷を継続するか、時間や強度を変更するか

「4 METsを実施できた」という結果だけでなく、「同条件でRPEが13から11へ低下した」「休憩なしで完遂できた」など、本人の反応がどう変化したかを残すと介入効果を判断しやすくなります。

METs計算に関するよくある質問

各項目名をタップすると回答が開きます。

Q1.1 METは人によって違いますか?

A.実際の安静時代謝量には個人差があります。計算では便宜的に1 METを約1kcal/kg/時または酸素摂取量3.5mL/kg/分として扱いますが、算出される消費エネルギーは概算値です。

Q2.消費kcalの計算式に1.05を掛ける方法との違いは何ですか?

A.資料によっては、酸素1L当たりのエネルギー換算などを踏まえ、METs×体重×時間×1.05で概算する方法も示されています。本記事では、1 MET≒1kcal/kg/時とする簡便式で統一しています。比較や再評価では、途中で計算方法を変更しないことが重要です。

Q3.10分など短時間でも計算する意味はありますか?

A.あります。短時間の活動も同じ計算方法で数値化すると、1日や1週間の活動量を合計しやすくなります。ただし、算出した消費kcalだけを目標にせず、症状や疲労の変化も記録します。

Q4.VO2からMETsを計算できますか?

A.標準的な換算では、VO2(mL/kg/min)を3.5で割るとMETsを求められます。ただし、3.5mL/kg/分という安静時酸素摂取量にも個人差があります。

Q5.同じ4 METsでも日によってきつさが違うのはなぜですか?

A.睡眠、脱水、暑熱、感染後、疼痛、薬剤、疲労などによって、本人にとっての相対的な運動強度が変わるためです。活動条件とRPE、症状をセットで記録し、その日の状態に合わせて調整します。

計算後は身体反応を記録して次の負荷設定へつなげる

METsから消費kcalを計算したら、活動条件、RPE、症状、必要に応じてバイタルサインを同時に記録します。次回は同じ条件での身体反応を比較し、運動時間や強度を調整してください。

計算結果と身体反応を1枚で記録する

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参考文献

  1. Herrmann SD, Willis EA, Ainsworth BE, et al. 2024 Adult Compendium of Physical Activities: a third update of the energy costs of human activities. J Sport Health Sci. 2024;13(1):6-12. DOI: 10.1016/j.jshs.2023.10.010 / PubMed: 38242596
  2. 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所.改訂第2版 身体活動のメッツ(METs)表 成人版.成人版METs表
  3. Ainsworth BE, Haskell WL, Herrmann SD, et al. 2011 Compendium of Physical Activities: a second update of codes and MET values. Med Sci Sports Exerc. 2011;43(8):1575-1581. DOI: 10.1249/MSS.0b013e31821ece12 / PubMed: 21681120
  4. Garber CE, Blissmer B, Deschenes MR, et al. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise. Med Sci Sports Exerc. 2011;43(7):1334-1359. DOI: 10.1249/MSS.0b013e318213fefb / PubMed: 21694556
  5. Borg GA. Psychophysical bases of perceived exertion. Med Sci Sports Exerc. 1982;14(5):377-381. PubMed: 7154893

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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