認定作業療法士とは?登録作業療法士との違いを整理
OT の働き方や職場選びもあわせて整理したい方へ
OT の仕事情報を見る認定作業療法士は、作業療法士としての学びを続ける中で「次の目標」として気になりやすい資格です。ただ、実際に迷いやすいのは、登録作業療法士との違い、どちらを先に意識すればよいか、そして認定 OT の申請で何が必要かだと思います。
結論からいうと、制度の土台は登録作業療法士で、認定作業療法士はその先にあるより幅広いジェネラリスト像です。一方で、研修中 OT の段階から認定 OT を見据えて研修を進める考え方も示されています。登録 OT の全体像を先に押さえたい方は 登録作業療法士とは?前期・後期研修の流れと要件 もあわせて読むと整理しやすくなります。
認定作業療法士とは
認定作業療法士とは、作業療法の臨床実践、教育、研究及び管理運営に関する一定水準以上の能力を有する作業療法士を、日本作業療法士協会が認定した者です。登録作業療法士が「標準的な作業療法を独力で実践する力」を基盤としているのに対し、認定 OT はより幅広い知識や技能、視点を持つジェネラリストとして位置づけられています。
つまり、認定 OT は単に「上位資格」という言い方だけでは足りず、組織や地域で求められる教育・研究・運営の視点まで含めた実践力を示す資格です。比較記事では、この“幅”の違いを先に押さえると全体がつかみやすくなります。
登録作業療法士との違い
いちばん大きな違いは、制度上の位置づけと求められる広がりです。登録作業療法士は生涯学修制度の基盤であり、前期・後期計 5 年の研修を通して標準的な作業療法を実践する力を身につけます。一方、認定作業療法士は、その先でより広い知識・技能・視点を持つジェネラリストとして整理されます。
また、申請要件や更新要件も異なります。登録 OT は 5 年ごとの更新で 50 基礎研修ポイントが必要ですが、認定 OT は 5 年ごとの更新で 100 認定作業療法士更新ポイントが必要です。実務では「どちらが上か」だけでなく、何を証明する資格なのかで分けて考えると迷いが減ります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 項目 | 登録作業療法士 | 認定作業療法士 | 実務上の見方 |
|---|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 生涯学修制度の基盤 | より幅広いジェネラリスト | まず土台をどこに置くかで理解する |
| 主な到達像 | 標準的な作業療法を独力で実践する | 臨床・教育・研究・管理運営で一定水準以上 | “現場で回す力” と “広く担う力” の違い |
| 取得の考え方 | 前期・後期研修を通して目指す | 要件を満たして申請 | 認定 OT は申請審査型 |
| 更新 | 5 年で 50 基礎研修ポイント | 5 年で 100 np | 認定 OT の方が更新要件は重い |
どちらを先に目指すのか
制度の流れとしては、登録作業療法士が基盤です。新しい生涯学修制度でも、登録作業療法士制度を基盤にし、その先に認定作業療法士と専門作業療法士が位置づけられています。そのため、全体像としては「まず登録 OT を土台として理解する」考え方が自然です。
ただし、ここで大事なのは、認定 OT を見据えた準備は研修中 OT の段階から進められることです。協会の解説書では、前期研修・後期研修中から認定 OT を目指して研修を受講できると示されています。つまり、順番は「登録 OT が基盤」ですが、準備そのものは並行して考えてよい、という整理が実務的です。
認定作業療法士の初回要件
認定 OT の申請は、単に年数を満たせばよいわけではありません。規程細則では、会員歴通算 5 年以上、都道府県士会正会員、臨床実践経験通算 5 年以上に加えて、取得研修や基礎研修修了などの条件を満たす必要があります。
特に詰まりやすいのは、取得研修 4 講座、臨床実習指導者講習会、臨床能力実績、基礎研修修了が別々の要件として効いてくる点です。ここを「認定 OT の研修だけ受ければよい」と誤解しないよう、表で整理しておくとわかりやすくなります。
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| 要件 | 内容 | 押さえたい点 |
|---|---|---|
| 会員歴 | 日本作業療法士協会 正会員で通算 5 年以上 | 申請時点で満たしている必要がある |
| 士会所属 | 都道府県作業療法士会 正会員 | 協会だけでは足りない |
| 臨床実践経験 | 免許取得後 通算 5 年以上 | 養成教育に並行した臨床実践も含む |
| 取得研修 | 共通研修 2 講座、選択研修 2 講座 | 修了試験合格が必要 |
| 臨床実習指導者講習会 | 厚生労働省指定講習会の修了 | 教育法等の旧要件との読み替えあり |
| 臨床能力実績 | 事例登録や実践報告など所定の方法で満たす | 準備に時間がかかりやすい |
| 基礎研修修了 | 基礎研修修了済みで有効期限内 | 旧制度からの流れも確認する |
更新で何が違うのか
取得時だけでなく、更新要件も違います。登録 OT は 5 年ごとに 50 基礎研修ポイント以上が必要です。一方、認定 OT は 5 年ごとに 100 認定作業療法士更新ポイントが必要で、その中に基礎ポイント研修、実践報告、後輩育成経験、作業療法啓発に関する社会的貢献が組み込まれています。
この違いは、認定 OT が「取りっぱなしの称号」ではなく、継続的に臨床・教育・社会的役割を積み上げる資格だと理解するとつかみやすいです。比較記事では、初回要件と更新要件を分けて示す方が、読者の混乱を減らせます。
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| 項目 | 登録作業療法士 | 認定作業療法士 |
|---|---|---|
| 更新期間 | 5 年ごと | 5 年ごと |
| 必要ポイント | 50 基礎研修ポイント以上 | 100 認定作業療法士更新ポイント以上 |
| 主な中身 | 基礎ポイント中心 | 基礎ポイント、実践報告、後輩育成、社会的貢献 |
| 実務上の特徴 | 制度の土台を維持する更新 | 幅広い活動を継続して示す更新 |
どんな人が認定 OT を意識するとよいか
認定 OT は、臨床の質を高めたい人だけでなく、後輩指導、院内研修、研究活動、地域での啓発など、役割が広がってきた人と相性がよい資格です。逆に、今は新卒〜若手で制度の全体像がまだ曖昧なら、まず登録 OT の基盤を押さえた方が進めやすいです。
迷ったときは、「今の自分は何を証明したいのか」で考えると整理しやすくなります。標準的な作業療法を独力で実践する土台を固めたい段階なら登録 OT、より幅広い実践・教育・研究・管理運営まで含めて示したい段階なら認定 OT、という見方が実務的です。
現場の詰まりどころ
このテーマで詰まりやすいのは、「認定 OT の方が上だから、先に認定 OT を考えた方がいい」と単純化してしまうことです。制度上は登録 OT が基盤なので、全体像を外すと何を先に整えるべきかが見えにくくなります。
もう 1 つ多いのが、認定 OT の申請要件を研修受講だけだと思ってしまうことです。実際には、会員歴、士会所属、臨床経験、基礎研修修了、臨床能力実績まで含めて整える必要があります。ここを早めに把握しておくと、後から慌てにくくなります。
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| 勘違いしやすい点 | 実際の整理 |
|---|---|
| 認定 OT の方が上だから先に目指すべき | 制度の基盤は登録 OT です |
| 認定 OT は研修 4 講座だけで取れる | 会員歴、士会所属、臨床経験、基礎研修修了、臨床能力実績も必要です |
| 新制度で認定制度はなくなる | 認定作業療法士制度は引き続き運用されます |
| 更新は登録 OT と同じくらい | 認定 OT は 100 np が必要で更新要件が重いです |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
認定作業療法士と登録作業療法士は、どちらが上ですか?
制度上は登録作業療法士が生涯学修制度の基盤です。認定作業療法士は、そこからより幅広い知識や技能、視点を持つジェネラリストとして位置づけられます。
まず目指すのは登録 OT ですか、それとも認定 OT ですか?
制度の土台としては登録 OT を押さえる考え方が基本です。ただし、研修中 OT の段階から認定 OT を見据えて取得研修を受講していく考え方も示されています。
認定作業療法士になるには何年くらい必要ですか?
申請時点で、協会会員歴通算 5 年以上、作業療法士免許取得後の臨床実践経験通算 5 年以上が必要です。加えて、取得研修や基礎研修修了などの要件も満たす必要があります。
認定作業療法士は更新が必要ですか?
必要です。5 年ごとに 100 認定作業療法士更新ポイント以上が必要で、基礎ポイント研修、実践報告、後輩育成経験、社会的貢献などが更新要件に含まれます。
新制度になったら認定作業療法士制度はなくなりますか?
なくなりません。新しい生涯学修制度の導入後も、認定作業療法士制度と専門作業療法士制度は引き続き運用されます。
次の一手
認定 OT と登録 OT の違いは、順番と役割を分けて整理すると迷いにくくなります。次は、全体像 → 土台 → 比較の順で読むと理解しやすいです。
参考文献
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 生涯教育. https://www.jaot.or.jp/continuing_education/(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 新生涯学修制度について. https://www.jaot.or.jp/continuing_education/shinsyogaigakusyu2025/(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 登録作業療法士を目指す 解説書. https://www.jaot.or.jp/files/page/kyouikubu/shinsyogai/tourokuotkaisetsusyo.pdf(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 認定作業療法士制度規程. https://www.jaot.or.jp/files/page/kyouikubu/nintei/nintei_kiteisaisoku.pdf(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 認定作業療法士の申請および更新に関する手続き等 解説書. https://www.jaot.or.jp/files/page/kyouikubu/ninteiot-tebiki-202507.pdf(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 生涯教育制度は 2025 年に制度が終了するのでしょうか。 https://www.jaot.or.jp/about/faq/detail/1186/8803-g/(参照 2026-04-03)
- 一般社団法人 日本作業療法士協会. 「認定作業療法士」や「専門作業療法士」のメリットは何でしょうか。 https://www.jaot.or.jp/about/faq/detail/126/8803-g(参照 2026-04-03)
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


