令和 8 年改定|リンパ浮腫複合的治療料の点数・要件まとめ

制度・実務
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令和 8 年改定|リンパ浮腫複合的治療料は「点数確認」より「時間要件と必須実施の型」をそろえると迷いにくくなります

まずは改定全体の位置づけを確認してから、このページで H007-4 の確定点だけを押さえましょう

令和 8 年改定(リハ)全体像を見る

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リンパ浮腫複合的治療料( H007-4 )は、令和 8 年改定で重症が 2 区分( 60 分以上 / 40 分以上 60 分未満 )になり、点数も 500 点 / 350 点 / 150 点へ整理されました。現場で先に押さえるべきなのは、点数表そのものより、時間要件必須実施(圧迫・スキンケア・セルフケア指導等)をどう短く残すかです。

このページで答えるのは、点数・時間・対象・重症の考え方・必須実施・記録の型です。反対に、施設基準の届出細則や弾性着衣の個別選定までは深掘りしません。制度の確定点を 1 ページで確認し、院内で今日からそろえやすい書き方まで落とし込むための記事です。

最終更新:2026-03-24(告示・留意事項ベースで整理)

リンパ浮腫治療の 2026 年診療報酬改定を示したアイキャッチ図版
図:リンパ浮腫治療の 2026 年診療報酬改定。点数、記録、確認事項の全体像を先に把握するための図版です。

結論:改定の差は「治療の名前」より「 60 / 40 / 20 分」と「必須実施の証跡」に出ます

令和 8 年改定で、リンパ浮腫複合的治療料は重症 500 点( 60 分以上 ) / 350 点( 40 分以上 60 分未満 ) 1 以外 150 点( 20 分以上 )に整理されました。重症は ISL 病期 II 期以降が対象です。

実務で最優先なのは、①開始・終了・中断の記録、②ISL 病期の根拠、③スキンケアとセルフケア指導を含む必須実施のチェック、④次回確認点を 1 つに絞ることです。長文よりも、チェック+ 1 行で残る型のほうが止まりにくくなります。

A4 記録シート PDF

記録の型を院内でそろえたい場合は、下の A4 記録シートをそのまま使えます。時間証跡、対象 / 重症判定、必須実施、共有事項まで 1 枚で確認できる構成です。

まずは 1 週間だけ回してみて、書きにくい欄だけ微調整する運用にすると定着しやすくなります。

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下の折りたたみ内でプレビューもできます。

記録シート PDF をプレビューする

確定点数・時間要件( 1 枚 )| 500 / 350 / 150 点と最低実施分

まず確認したいのは、区分の違いです。今回の改定では、重症が 1 区分ではなくなり、 60 分以上 40 分以上 60 分未満で評価が分かれました。ここを曖昧にすると、あとで説明しづらくなります。

現場では、点数だけ覚えるより、「この患者はどの区分で、何分を超える必要があるか」を先に固定すると運用が安定します。

リンパ浮腫複合的治療料( H007-4 ):点数と時間要件(確定)
区分 点数 最低実施時間 算定頻度 先にそろえること
重症:イ 500 点 60 分以上 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) 60 分到達の証跡(開始・終了・中断)
重症:ロ 350 点 40 分以上 60 分未満 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) 40 分境界の説明ができる記録
1 以外 150 点 20 分以上 6 月に 1 回 20 分の証跡+セルフケア課題 1 つ

対象と “重症” の考え方| ISL 病期 II 期以降が重症です

対象は、リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術後または原発性リンパ浮腫で、ISL 病期 I 期以降の患者です。そのうち、ISL 病期 II 期以降が「重症」に当たります。

現場で迷いやすいのは、診断名だけで “重症” を扱ってしまう点です。診療録では、病期 / 日付 / 確認者を 1 行で残すだけでも、担当交代時のズレがかなり減ります。

重症判定の 1 行テンプレ
書く内容
病期 ISL 病期( I / II / III ) ISL II(確認:〇〇医師 / 2026-03-24)
重症区分 重症:イ / 重症:ロ / 1 以外 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満 )
算定頻度 月 1 回 / 6 月に 1 回 重症:月 1 回(開始月から 2 月以内は計 11 回)

必須実施(留意事項)|スキンケア+セルフケア指導は毎回の一連の治療で必須です

複合的治療は、圧迫(弾性着衣または弾性包帯)圧迫下の運動用手的リンパドレナージ患肢のスキンケア体重管理等のセルフケア指導を適切に組み合わせる形で整理されています。

このうち、スキンケアセルフケア指導は必須です。さらに重症では、毎回の治療で圧迫を行うことが原則なので、実施できない日があれば医学的理由を短く残す運用が必要です。

必須実施チェックの最小セット
要素 チェック 記録の最小セット
圧迫(着衣 / 包帯) □ 実施 / □ 実施不可 不可なら医学的理由を 1 行
圧迫下の運動 □ 実施 運動種目 1 つ+反応 1 つ
用手的リンパドレナージ □ 実施 部位 1 つ+反応 1 つ
スキンケア □ 実施(必須) 皮膚所見 1 つ+対応 1 つ
セルフケア指導 □ 実施(必須) 課題 1 つ+次回確認 1 つ

現場の詰まりどころ| 40 / 60 分境界と必須実施の “書き忘れ” が止まりやすいです

詰まりやすいのは、 40 分 / 60 分の境界と、スキンケア+セルフケア指導の書き忘れです。先に 記録テンプレ15 分チェック を見ておくと整えやすく、改定全体の実装順は 書類・運用を先に整える記事 で横断的に確認できます。

点数の丸暗記よりも、「どの項目が抜けると説明が止まるか」を先に潰すほうが、実際の院内運用では効きます。

リンパ浮腫複合的治療料:失敗パターンと最小の直し方
失敗 何が起きる 回避策 最小記録
40 分 / 60 分の根拠が曖昧 算定区分の説明が弱くなる 開始・終了・中断有無を固定欄にする 開始 / 終了 / 中断有無 / 総実施分
スキンケア・指導を書き忘れる 必須実施の証跡が残らない 必須 2 項目をチェック式で固定 皮膚所見 1 つ+課題 1 つ
重症で圧迫が抜ける 重症要件の説明が止まる 不可時の理由欄を先に作る 圧迫:実施 / 不可(理由)
重症判断が担当でズレる 区分と頻度が属人化する ISL 病期と確認者を 1 行化する ISL 病期 / 日付 / 確認者

記録テンプレ(そのまま使える)|時間証跡+必須実施+次回 1 点

おすすめは、①時間証跡②必須実施のチェック③次回確認点を 1 つだけを固定する形です。項目を増やしすぎると、結局どこかが抜けやすくなります。

「このテンプレで書けば十分」という基準を院内で共有しておくと、担当者が変わっても品質をそろえやすくなります。

テンプレ(最小セット):時間証跡 → 必須実施 → 反応 → 次回
ブロック 書く内容
時間証跡 開始・終了・中断有無 10:00–10:52(中断なし)
区分 重症:イ / ロ、または 1 以外 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満 )
必須実施 圧迫 / 運動 / MLD / スキンケア / 指導 スキン:乾燥あり → 保湿。指導:包帯の自己調整を 1 つ
反応 腫脹・疼痛・皮膚・機能から 1 つ 疼痛 NRS 3 → 2
次回 確認点を 1 つに絞る 包帯ずれの原因を確認

中断があった日の扱い|境界日は “理由+総実施分” を残すと説明しやすくなります

現場では開始・終了だけでなく、中断があった日には中断理由最終的な総実施分まで残しておくと、 40 分 / 60 分境界日の説明がしやすくなります。

ここは「決まった定型文」を探すより、境界日を短く説明できる欄を先にそろえることが重要です。

中断があった日の最小記録
残す内容 短い記載例
開始 / 終了 実施開始と終了の時刻 10:00–10:55
中断有無 中断したかどうか 中断あり
中断理由 短く 1 行 更衣対応のため 3 分中断
総実施分 最終的に算定判断へ使う時間 総実施 52 分

今からできる準備| 15 分で整えるチェック表

準備段階で決めることは多くありません。むしろ、誰が見ても同じ欄に同じ情報が入る状態を作るほうが重要です。

下の表は、導入時にまずそろえたい最小セットです。全部を一気に細かく作り込むより、まずは 1 週間回る形を優先してください。

リンパ浮腫複合的治療料:導入前の 15 分チェック
項目 やること 最小の決め方
時間管理 開始・終了・中断の記録方法を統一する タイマー運用+固定欄
重症判定 ISL 病期と確認者を 1 行で残す 病期 / 日付 / 確認者
必須実施 スキンケアと指導を必須欄にする チェック式にする
圧迫 重症で毎回確認する 実施 / 不可(理由)
共有 変更点だけカンファ共有にする 詳細はテンプレ参照

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 点数はどう変わりましたか?

A. 重症は 60 分以上 500 点、 40 分以上 60 分未満 350 点に分かれました。 1 以外は 150 点です。重症は月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回)、 1 以外は 6 月に 1 回です。

Q2. 重症の根拠は何を残せばいいですか?

A. ISL 病期 II 期以降が重症です。診療録では、ISL 病期、確認日、確認者を 1 行で固定するとズレにくくなります。

Q3. 必須でやるべき要素は何ですか?

A. 圧迫、圧迫下の運動、用手的リンパドレナージ、スキンケア、セルフケア指導等を適切に組み合わせます。特にスキンケアとセルフケア指導は必須で、重症では毎回の圧迫が原則です。

Q4. 中断があった日はどう残せばいいですか?

A. 開始・終了だけでなく、中断の有無、中断理由、最終的な総実施分まで残しておくと、 40 分 / 60 分境界日の説明がしやすくなります。

Q5. 記録シートはどう使えばいいですか?

A. まずは 1 週間だけ使ってみて、書きにくい欄だけ院内で微調整する運用がおすすめです。最初から完璧を目指すより、時間証跡と必須実施が抜けない形を優先してください。

次の一手(この順で進める)

  1. 改定全体像の中で、この項目の位置づけを確認する
  2. 院内で時間証跡と必須実施の欄を統一する
  3. 1 週間回して、境界日だけ記録を微修正する

参考資料(一次情報)

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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