令和 8 年改定|リンパ浮腫複合的治療料の見直し案と準備

制度・実務
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令和 8 年改定|リンパ浮腫複合的治療料は「重症」を治療時間で 2 区分する案

令和 8 年度改定の議論では、リンパ浮腫複合的治療料( H007-4 )について、より実態に即した評価へ見直す方向が示されています。実務で先に準備すべきポイントは、治療内容そのものよりも時間区分の運用証跡の残し方です。

本記事は「案として示された差分」を前提に、現場が今日から整えられる実装に絞って整理します。制度全体の俯瞰は親ページで確認できます。

結論:変化は「治療の中身」よりも「時間の切り分け」と「証跡」に出る

現時点で示されている方向性は、リンパ浮腫複合的治療料を実施時間に応じて段階的に評価することです。とくに重症区分は、60 分以上40 分以上 60 分未満に分ける案が示されています。

一方で、最終点数や完全な運用詳細は公表確定待ちの部分があります。だからこそ、今の最優先は時間の測定ルール中断時の扱い記録テンプレの標準化です。

リンパ浮腫複合的治療料の時間区分(40分未満・40分以上・60分以上)と記録フローの図解
図:リンパ浮腫治療の時間記録フロー(開始→中断理由→実施内容→終了時刻→総実施時間確認)

何が変わる案なのか:現行と改定案の差分

公開資料ベースでは、リンパ浮腫複合的治療料の評価見直しが提示され、重症の時間区分をより実態に合わせる方向が示されています(点数の詳細は未確定)。

リンパ浮腫複合的治療料の見直し案(令和 8 年度・公表資料ベース)
区分 改定案(案) 現行 現場で増える作業
重症 60 分以上/ 40 分以上 60 分未満に区分して評価(点数詳細は公表待ち) 200 点 実施時間の確定( 40/ 60 の境界管理)
重症以外 評価見直し(詳細は公表待ち) 100 点 時間要件の運用統一と記録の標準化

なぜこうなる:制度側の狙いを実務に翻訳する

リンパ浮腫治療は、圧迫・運動・スキンケア・セルフケア支援など、複数要素を組み合わせて効果を出す領域です。そのため制度側は、介入密度を示しやすい治療時間を軸に評価の解像度を上げようとしていると解釈できます。

現場での焦点は、長い文章を書くことではありません。時間と反応(腫脹・皮膚・疼痛・機能・自己管理)を短く対応づけることが、改定後の説明力と引き継ぎ力を同時に高めます。

現場の詰まりどころ:よくある失敗と回避手順

まずは 準備チェックリスト を先に決め、次に FAQ で運用の疑問を潰す順番にすると定着しやすくなります。関連する制度全体の整理は 親ハブ にまとめています。

リンパ浮腫複合的治療料で詰まりやすいポイント(時間区分が入る前提で先回り)
失敗 何が起きる 回避策 記録の最小セット
40 分/ 60 分の根拠が曖昧 算定可否の説明が弱くなる 開始・終了・中断理由を 1 行で固定(タイマー運用) 開始時刻/終了時刻/中断有無/総実施分
実施内容が長文で散る 変化と次回方針が抜ける チェック式+自由記載 1 行に統一 実施(チェック)+反応 1 つ+次回 1 つ
セルフケア記録が弱い 継続支援の価値が見えにくい 到達目標を 1 個に絞り、次回までの課題を固定 目標/実施可否/阻害要因 1 つ
重症判断が担当者でズレる 対象選定が属人化する 院内の判断材料を 1 枚化して共有 病期・所見・機能・生活課題(各 1 行)

今からできる準備:チェックリスト( 15 分で整える)

  • 時間管理:開始・終了・中断理由の記録担当を固定する
  • 記録テンプレ:圧迫/皮膚/運動/指導をチェック式で統一する
  • 再評価軸:腫脹・皮膚・疼痛・機能・自己管理から「毎回みる 2 項目」を決める
  • 患者説明:「今日やったこと/家でやること/次回の確認点」を定型化する
  • 共有方法:カンファは変更点のみ共有し、新規メンバーはテンプレ参照で追える状態にする

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. いつから変わりますか?

A. 現時点は公表資料上「案」の段階で、最終決着の時期や詳細は今後確定します。まずは時間証跡と記録テンプレの標準化を先行させるのが実務的です。

Q2. 60 分に届かないと算定できなくなりますか?

A. 示されている方向性では、重症区分内で 60 分以上と 40 分以上 60 分未満を分ける想定です。運用上は 40 分の根拠(開始・終了・中断)を説明できる記録が重要です。

Q3. 40 分未満の扱いはどう考えればよいですか?

A. 最終通知の確定文言を待つ必要があります。現時点で断定せず、まずは実施時間を正確に把握できる運用に寄せるのが安全です。

Q4. 記録が増えそうで不安です

A. 増やすのは項目数ではなく「型」です。チェック式+自由記載 1 行(変化 1 つ/原因 1 つ/次回 1 つ)にすると、短くても監査・申し送りに強い記録になります。

次の一手(この順でやる)

  1. A:改定全体像を確認する(親ハブ)
  2. B:院内で時間記録ルールを決める(開始・終了・中断)
  3. C:テンプレ運用を 1 週間試し、変更点だけ見直す

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう

制度対応を回し続けるには、運用設計だけでなく、教育体制・共有文化・人員配置の詰まりも同時に確認しておくと安定します。

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チェック後の進め方を見る(PT キャリアガイド)


参考資料

著者情報

rehabilikun のアイコン rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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