膝 OA の外来評価【KOOS・WOMAC・TUG】

評価
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膝 OA の外来評価は「主観 1 つ+客観 1 つ」で組むと回しやすい

膝 OA の外来評価で迷いやすいのは、患者さんの困りごとをどの尺度で追うかと、実際の動作の変化を何で確認するかが混ざることです。結論からいうと、外来では 主観指標 1 つ+客観指標 1 つ に絞ると、初回評価から再評価まで運用しやすくなります。膝の痛み・症状・生活影響を追うなら KOOS または WOMAC 、立ち上がりや歩行を含む機能変化を足すなら TUG の組み合わせが使いやすいです。

この記事では、膝 OA の外来で KOOS ・ WOMAC ・ TUG をどう使い分け、どう組み合わせ、何を再評価で残すかを整理します。運動器 PROM 全体の選び方を先に整理したい場合は、運動器 PROM ハブをあわせて読むと位置づけがつかみやすくなります。

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膝 OA の外来評価で KOOS ・ WOMAC ・ TUG の組み方を整理した図版
外来では「 KOOS または WOMAC + TUG 」の組み合わせが回しやすいです。

KOOS ・ WOMAC ・ TUG の違いを先に整理

3 つの指標は似ているようで、みている情報が違います。 KOOS は膝の痛み・症状・ ADL ・ Sport / Rec ・ QOL を 5 つの下位尺度でみる膝特異的 PROM 、 WOMAC は OA の痛みと機能制限を標準的に追いやすい PROM 、 TUG は立ち上がり・歩行・方向転換を含むパフォーマンステストです。

つまり、 KOOS と WOMAC は「本人がどう困っているか」を数値化する軸、 TUG は「実際の動きがどう変わったか」を足す軸として考えると整理しやすくなります。図版で全体像をつかんでから本文を読むと、 3 指標の役割分担が理解しやすくなります。

スマホでは表を横スクロールできます。

膝 OA 外来で使いやすい 3 指標の違い
指標 主にみるもの 向いている場面
KOOS 痛み、症状、 ADL 、 Sport / Rec 、 QOL 膝の影響をやや広く把握したいとき
WOMAC OA の痛みと機能制限 外来でシンプルに経過を追いたいとき
TUG 立ち上がり、歩行、方向転換を含む機能 動作パフォーマンスを客観化したいとき

どんな患者にどれを選ぶか

外来では「全部取る」より「何を答えたいか」で選ぶ方が運用しやすいです。特に膝 OA では、痛みの訴え、生活の困りごと、実際の動作速度が必ずしも一致しません。そのため、主観指標と客観指標を分けて考えると、評価の役割がはっきりします。

膝 OA 外来での選び分け【実務向け】
場面 主役にしやすい指標 理由
膝の影響を広く整理したい KOOS 痛み〜 QOL まで下位尺度で見やすい
OA の痛みと ADL を簡潔に追いたい WOMAC 外来で固定運用しやすい
立ち上がりや歩行の変化を確認したい TUG 動作パフォーマンスを短時間で追いやすい
生活の困りごとと動作を両方みたい KOOS + TUG 主観と客観を分けて残せる
標準的に経過を追いたい WOMAC + TUG シンプルで再評価が回しやすい

外来での組み合わせ方【初回・再評価】

膝 OA の外来では、初回で情報を集めすぎるより、同じ組み合わせを繰り返し取れる設計にした方が比較しやすくなります。おすすめは、初回で主観指標 1 つと TUG を取り、 2〜4 週で同じ条件で再評価する流れです。

膝 OA 外来で回しやすい評価設計
タイミング 取るもの 残したいこと
初回 KOOS または WOMAC + TUG 困りごとの主訴、条件固定、初期値
2〜4 週 同じ指標を再測定 前回との差、改善しない課題、次の重点
節目再評価 同一指標を継続 介入効果、生活での変化、方針修正

ここで重要なのは、毎回尺度を変えないことです。想起期間、説明の仕方、自記か聞き取りか、 TUG の条件などを固定しておくと、前回比較がしやすくなります。

カルテ・再評価に残す記録の型

点数だけを残すと、次回に何をみるべきかが曖昧になります。膝 OA 外来では、「主観の変化」と「動作の変化」を 1 行ずつ残すと、再評価が回りやすくなります。

記録例 1
初回: WOMAC 52 / 96。階段下降と立ち上がりで疼痛訴え強い。 TUG 12.4 秒。外来で疼痛管理と立ち上がり練習を開始。

記録例 2
再評価: WOMAC 44 / 96、 TUG 10.8 秒。平地歩行の不安は軽減、階段下降は残存。次回も階段課題を重点化。

記録例 3
初回: KOOS は ADL と QOL の落ち込みが大きい。 TUG は基準内だが、主観的な不安感が強い。動作は保たれつつ生活影響が大きい症例として共有。

この形で残すと、「点数がどう変わったか」だけでなく、「何がまだ困っているか」が見えやすくなります。

現場の詰まりどころ

膝 OA の外来評価で詰まりやすいのは、指標の意味よりも、運用がぶれることです。同じ指標を選んでも、条件が毎回違うと前後比較が難しくなります。

スマホでは表を横スクロールできます。

膝 OA 外来評価で起こりやすい詰まりどころ
詰まりどころ ありがちな状態 見直しポイント
尺度が増えすぎる 毎回追加して比較できない 主観 1 つ+客観 1 つに固定する
点数だけをみて終わる 生活の困りごとが残らない 困りごとを 1 行追記する
条件が毎回違う 想起期間や TUG 条件がぶれる 説明、測定条件、記録方法を固定する
客観指標を取らない 主観改善と動作変化が分からない TUG などを 1 つ足して補完する

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

膝 OA の外来では KOOS と WOMAC のどちらを使えばよいですか?

膝の影響を広くみたいなら KOOS 、外来でシンプルに OA の痛みと機能を追いたいなら WOMAC が使いやすいです。大事なのは、どちらか 1 つに固定して前後比較できる状態を作ることです。

TUG は必ず入れた方がよいですか?

必須ではありませんが、主観指標だけでは見えにくい立ち上がりや歩行の変化を補いやすいため、外来では相性が良いです。主観 1 つ+客観 1 つの形にすると運用が安定します。

再評価はどのくらいの間隔で行えばよいですか?

外来では 2〜4 週で同じ条件で再評価すると、変化を追いやすいです。初回で条件を固定し、節目で同じ指標を取り直すと比較しやすくなります。

KOOS と WOMAC を同時に取るのはありですか?

研究や特別な目的があればありえますが、日常の外来運用では情報が重なりやすく、負担も増えます。まずはどちらか 1 つに固定した方が実務では回しやすいです。

次の一手

膝 OA の外来評価は、指標を増やすより、同じ型で再評価できる設計にした方が効果を読みやすくなります。全体像から見直したい方は運動器 PROM ハブ、 WOMAC を固定運用したい方はWOMAC の評価方法もあわせてご覧ください。


参考文献

  1. Roos EM, Lohmander LS. The Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS): from joint injury to osteoarthritis. Health Qual Life Outcomes. 2003;1:64. DOIPubMed
  2. Bellamy N, Buchanan WW, Goldsmith CH, Campbell J, Stitt LW. Validation study of WOMAC: a health status instrument for measuring clinically important patient relevant outcomes following total hip or knee arthroplasty in osteoarthritis. J Orthop Rheumatol. 1988;1:95-108. PubMed
  3. Dobson F, Hinman RS, Roos EM, Abbott JH, Stratford P, Davis AM, et al. OARSI recommended performance-based tests to assess physical function in people diagnosed with hip or knee osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 2013;21(8):1042-1052. PubMed
  4. Alghadir A, Anwer S, Brismee JM. The reliability and minimal detectable change of Timed Up and Go test in individuals with grade 1-3 knee osteoarthritis. BMC Musculoskelet Disord. 2015;16:174. DOIPubMed

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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