令和 8 年改定|リハ書類簡素化と総合計画評価料の要点

ハブ/索引
記事内に広告が含まれています。
B_InArticle_Body

令和 8 年 改定|リハ書類簡素化とリハビリテーション総合計画評価料の要点

令和 8 年度改定では、リハビリテーションに係る書類は「様式をまとめる」「署名欄をなくす」「説明運用を広げる」方向で整理されました。さらに、リハビリテーション総合計画評価料では初回/ 2 回目以降の区分が新設され、院内で先に決めるべき論点がより明確になっています。

このページで答えるのは、何が変わったかどこで判定が割れやすいか院内で何を先に決めるべきかです。計画書そのものの詳しい書き方は別記事にゆずり、このページでは算定・説明・保存で止まらないための要点に絞って整理します。

今回の更新で反映したこと

3 月 23 日の疑義解釈その 1 に加えて、3 月 31 日の疑義解釈その 2 を反映し、情報通信機器等を用いた説明多職種評価を行った月での算定医師の指示は口頭でも文書でもよく、診療録記載は必須でない点を本文と FAQ に追記しました。あわせて、3 月 27 日時点で新様式を確認しやすくなった前提で、院内準備の見直しポイントも整理しています。

最終更新:2026-04-01(告示・通知・疑義解釈その 1 ・その 2 ・様式公開反映)

結論:先に決めるべきは「様式統合」「説明運用」「初回/ 2 回目以降の判定」です

確定点の中心は、①リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書の統合、②患者等の署名欄の廃止、③計画書の説明者の拡大、④リハビリテーション総合計画評価料の初回/ 2 回目以降の新設、⑤目標設定等支援・管理料( H003-4 )の廃止です。

実務で差が出るのは点数表の暗記ではありません。誰が説明するか説明した事実をどこへ残すか初回と 2 回目以降をどう判定するか介護連携の記録をどこへ置くかを院内でそろえるほど、算定判断と監査対応は安定します。今回の疑義解釈その 2 まで含めると、オンライン説明の扱い算定する月医師指示の残し方も先に決めるべき論点に入ります。

改定の主な変更点と院内で先に決めることを整理した図版
図:書類簡素化の主な変更点と、院内で先に決めること

3 月 27 日の様式公開で変わったこと:ルールが増えたのではなく、確認しやすくなりました

今回の様式公開で価値が大きいのは、現場が新様式を画面で見ながら院内運用を詰めやすくなったことです。つまり、「何をいつ書くか」「どの欄で説明・保存を拾うか」を事前に合わせやすくなりました。

一方で、算定ルールそのものは告示・通知・疑義解釈で決まります。Excel を見て準備しやすくなっても、根拠になるのはあくまで通知本文です。見た目の変更だけに引っ張られず、判定・説明・保存の 3 点を先に固定してください。

様式公開で「やりやすくなったこと」と「変わらないこと」
観点 やりやすくなったこと 変わらないこと 先に見る欄
様式確認 別紙様式 21 を見ながら、院内の記載例や説明手順を作りやすい 算定根拠は通知・疑義解釈で確認する必要がある 説明日、説明者、目標、再評価、退院後の注意点
役割分担 誰がどの欄を埋めるかを事前に割り振りやすい 多職種共同で評価・計画作成する前提は変わらない 共通欄、職種別に拾う観察、交付時点
監査対応 写しに残す項目と診療録補完項目を整理しやすい 写しに説明日・説明者がなければ診療録へ補う必要がある 計画書写しの保存先、診療録の追記欄

何が変わったか:確定した 5 点を先に整理

リハビリテーション総合計画評価料と関連項目の見直し(確定点)
論点 改定後(確定) 現行との違い 現場で影響が出やすい所
計画書様式 リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書を統合し、記載内容を簡素化 複数様式にまたがる重複記載を減らす方向 共通欄の設計、保存場所、更新トリガーの統一
署名欄 計画書における患者等の署名欄を廃止 署名・押印前提の運用から変更 説明実施の残し方、交付記録の置き場所
説明者 計画書の説明は、医師だけでなく看護師、 PT 、 OT 、 ST でも可能 説明担当の幅が広がる 誰が説明したかの記録、役割分担の固定
総合計画評価料 評価料 1:初回 300 点 / 2 回目以降 240 点
評価料 2:初回 240 点 / 2 回目以降 196 点
「 2 回目以降 」の点数が新設 初回判定、再評価タイミング、算定根拠の記録
関連: H003-4 目標設定等支援・管理料( H003-4 )は廃止 別建て管理料がなくなる 介護保険サービス利用が必要な患者への説明・連携

注意したいのは、回復期リハビリテーション病棟入院料等と特定機能病院リハビリテーション病棟入院料では、引き続き医師による説明が必要な点です。また、署名欄は不要になっても、説明日・説明者が計画書の写しにない場合は診療録へ残す運用は必要です。

疑義解釈その 2 で追加整理された 3 点

3 月 31 日の疑義解釈その 2 で、書類簡素化と総合計画評価料の運用はさらに整理されました。実務上の追加ポイントは、①説明に情報通信機器等を使えるか②いつの月に算定するか③医師の指示はどう残すかの 3 点です。

この 3 点は、点数表よりも現場フローに直結します。オンライン説明の可否、計画書作成月と評価月がずれたときの扱い、医師指示の記録方法を先に決めると、説明担当とレセプト担当の認識ズレがかなり減ります。

疑義解釈その 2 で追加整理された 3 点
論点 整理された内容 院内で先に決めること
情報通信機器等による説明 医師の指示を受けた PT ・ OT ・ ST 等が説明する場合も、情報通信機器等を用いてよい オンライン説明の対象場面、記録欄、接続方法を決める
算定する月 計画書作成月と多職種評価月が異なる場合は、多職種評価を行った月に算定する 「計画書作成日」と「評価実施日」を別欄で管理する
医師の指示 回復期リハ病棟以外で他職種が説明する場合、医師の指示は文書でも口頭でもよく、必ずしも診療録記載は要しない 院内では口頭/文書どちらで運用するか、残し方を統一する

初回/ 2 回目以降の判定で割れやすい 3 場面

今回いちばん止まりやすいのは、点数そのものより「どちらで算定するか」の判定です。疑義解釈で整理された内容まで含めて、院内ルールを短くそろえると運用が安定します。

先に結論を言うと、転院してきた患者でも自院で初めてなら初回再発や急性増悪で起算日が再設定された場合も初回2026-05-31 以前に算定済みで 2026-06-01 以降に再度要件を満たすなら 2 回目以降です。

初回/ 2 回目以降の判定早見表(疑義解釈反映)
場面 判定 実務メモ
他院で算定後に転院し、自院で同一疾患の計画書を作成する 初回 自院で同一疾患に対して初めて算定するなら、他院算定歴があっても初回でよい
新たな発症、再発、急性増悪などで起算日が再設定された 初回 改めて総合実施計画書を作成・評価した場合は初回として扱う
2026-05-31 以前に評価料 1 または 2 を算定し、2026-06-01 以降に再度要件を満たした 2 回目以降 旧制度下での算定歴がある患者は、 6 月以降は 2 回目以降として扱う

この判定は、リハ科だけで抱え込むとぶれやすいです。レセプト担当、病棟、リハスタッフで摘要に残す最小項目をそろえておくと、算定判断の差が減ります。

説明運用で先に決める 4 点

書類簡素化は、様式だけ変えても止まりません。現場で止まりやすいのは、誰が説明するか対面か情報通信機器等か医師の指示をどう扱うか説明実績をどこへ残すかの 4 点です。

特に、回復期リハ病棟以外では、医師の指示を受けた看護師、 PT 、 OT 、 ST が説明できるようになった一方、医師の指示の受け方まで現場ルールが必要です。文書でも口頭でもよいなら、むしろ院内で 1 つに統一しないとぶれやすくなります。

説明運用で先に固定したい 4 点
論点 選択肢 最小の固定案
説明担当 医師 / 看護師 / PT / OT / ST 病棟・疾患別に優先担当を決める
説明方法 対面 / 情報通信機器等 オンライン説明の適用場面と記録欄を作る
医師の指示 文書 / 口頭 院内ではどちらかを原則化し、例外だけ別記する
保存先 計画書写し / 診療録 / 共有台帳 写しに説明日・説明者がなければ診療録へ補う

「作成した月」ではなく「評価した月」で算定する

総合計画評価料で見落としやすいのは、計画書を作成しただけでは算定できないことです。多職種が共同して、計画書に基づいて行ったリハビリテーションの効果や実施方法等について評価を行った時点で算定可能になります。

そのため、計画書の作成月と多職種評価を行った月が異なる場合は、評価を行った月に算定します。院内では「作成日」と「評価日」を同じ欄で管理すると混乱しやすいため、日付欄を分けておく方が安全です。

総合計画評価料で日付を分けて管理したい項目
日付 意味 レセ実務での使い方
計画書作成日 総合実施計画書を作成した日 書類完成日の確認に使う
多職種評価日 計画書に基づく効果・実施方法等を多職種共同で評価した日 算定する月の判定に使う
説明日 患者等へ説明した日 説明実施の証跡に使う

なぜ「書類の簡素化」が論点になるのか

計画書は、患者・家族への説明、チーム共有、退院支援に直結する中核文書です。問題は「書く量」そのものより、同じ情報の重複記載更新時点のズレ説明記録の散在にあります。

今回の方向性は、単なる“省略”ではなく、目標 → 介入 → 再評価の流れをぶらさずに記録の型を一本化することです。実際の記載粒度や書き分けは、総合実施計画書の書き方とあわせて確認すると運用が安定しやすくなります。

H003-4 廃止後に現場で起きやすいこと:介護支援専門員との連携を “ 書類の外 ” にしない

H003-4 の廃止にあわせて、脳血管疾患等リハ、廃用症候群リハ、運動器リハでは、介護保険によるサービス利用が必要と思われる患者への介護支援専門員との連携が要件化されました。つまり、別建て管理料はなくなっても、連携そのものの重要性は下がっていません。

ここで止まりやすいのは、「誰が」「いつ」「どの文書または記録で」説明・紹介・見学提案を残すかが曖昧なケースです。計画書の簡素化と同時に、介護連携の記録欄をどこに置くかを先に決めてください。

H003-4 廃止後に先に決める 4 点
論点 先に決めること 最小の記録
対象 介護保険サービス利用が必要と思われる患者の判断基準 必要性の根拠 1 行
説明 誰が患者・家族へ説明するか 説明者名、説明日
連携 介護支援専門員へどう繋ぐか 紹介・見学・体験提案の有無
保存 どの文書・どの欄に残すか 保存先 1 つに固定

現場の詰まりどころ:先に失敗パターンを固定すると回りやすい

各項目の詰まりは「人の問題」より「運用ルール不足」で起きやすいです。特に、説明の残し方初回判定介護連携算定する月の見方の 4 つは、担当者ごとの差が出やすい論点です。

重要なのは、完璧なマニュアルを作ることではありません。よく止まる場面だけを先に固定し、最短の回避手順を共有することです。

詰まりどころ( NG )と最小の直し方( OK )
場面 NG(止まりやすい) OK(回りやすい) 最小で直すコツ
目的 「埋めること」が目的化する 生活目標を 1 行で固定し、介入と評価を寄せる 退院後に何ができるかを最初に 1 行で定義する
説明 説明内容と担当が人で違う 要点 3 つ+次回確認で統一する 定型文を 2〜3 本だけ作る
算定 初回/ 2 回目以降の判断が担当者ごとに違う 起点日と摘要の残し方を院内で固定する 「転院」「再発」「 6 月以降再算定」の 3 ケースを例示する
評価月 計画書を作成した月で算定してしまう 多職種評価を行った月で算定する 作成日と評価日を別欄で管理する
更新 更新日がズレる/理由が残らない 節目・状態変化・転帰変更をトリガー化する 「変化 1 つ+対応 1 つ」で記録する
重複 複数文書へ同内容をコピペする 共通欄を先に決め、他文書は参照化する 必須/任意を線引きして任意を増やさない
介護連携 必要性は共有されるが、説明と紹介の記録が残らない 説明者・説明日・紹介提案の有無を同じ欄に残す 計画書外でも保存先を 1 つに固定する

回避手順(最短フロー)

  1. 共通欄(目標・介入・再評価)を先に決める
  2. 説明担当、交付時点、保存場所を 1 つに固定する
  3. 初回/ 2 回目以降の判定ルールと摘要の残し方を明文化する
  4. 計画書作成日と多職種評価日を別欄で管理する
  5. 介護連携が必要な患者の記録欄を 1 つ追加する

今からできる準備チェックリスト

点数確定後も、運用準備は先行できます。改定後の混乱を減らすには、棚卸し標準化を同時に進めるのが有効です。

改定前にそろえたい準備チェックリスト
確認項目 見ておくポイント 最低限そろえたいこと
様式 計画書・サマリ・退院指導の重複項目が多くないか 必須/任意を線引きする
説明 説明・交付の担当、時点、記録場所がばらついていないか 担当と保存先を 1 つに固定する
説明方法 対面と情報通信機器等の使い分けが曖昧でないか オンライン説明の対象場面と記録欄を決める
病棟要件 回復期リハ病棟等で医師説明が必要な対象を整理しているか 病棟別ルールを明記する
算定 初回/ 2 回目以降の判定基準と、算定する月の考え方が共有されているか 転院・再発・ 6 月移行例と、評価月算定の扱いを共有する
介護連携 介護支援専門員との連携記録をどこへ残すか決まっているか 記録欄と担当者を固定する

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. いつから変わりますか?

A. 今回の見直しは令和 8 年度改定として整理され、2026-06-01 からの適用を前提に確認が進んでいます。現時点では、署名欄廃止、説明者拡大、初回/ 2 回目以降の判定ルールづくりに加え、オンライン説明と算定月のルールを先に進めるのが実務的です。

Q2. リハビリテーション総合計画評価料は何が変わりましたか?

A. 評価料 1 は初回 300 点、 2 回目以降 240 点、評価料 2 は初回 240 点、 2 回目以降 196 点になりました。つまり「 2 回目以降 」をどう判定し、どの場面を初回とみなすかが、院内で先にそろえるべき論点です。

Q3. 他院で算定していた患者が転院してきた場合、自院では 2 回目以降ですか?

A. いいえ。自院で同一疾患に対して初めてリハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、他院での算定歴があっても「初回」で算定します。

Q4. 脳梗塞の再発や急性増悪で起算日が再設定された場合はどうなりますか?

A. 新たな発症や再発・急性増悪などでリハビリテーション起算日が再設定され、改めて総合実施計画書を作成・評価した場合は、「初回」で算定します。

Q5. 計画書の説明は誰でもできますか?

A. 一般病棟等では、医師だけでなく看護師、 PT 、 OT 、 ST でも可能です。ただし、回復期リハビリテーション病棟入院料等と特定機能病院リハビリテーション病棟入院料では、引き続き医師による説明が必要です。

Q6. 情報通信機器等を用いて説明してもよいですか?

A. はい。医師の指示を受けた理学療法士等が説明する場合にも、情報通信機器等を用いてよいと整理されています。院内では、どの場面でオンライン説明を使うか、説明日・説明者・方法をどこへ残すかを先に固定すると運用が安定します。

Q7. 署名欄がなくなったら、何を残せばいいですか?

A. 署名は不要ですが、説明した事実を残す必要は残ります。説明日、説明者、交付した計画書の写しの保存先を固定し、写しに記載がない場合は診療録へ補います。なお、説明内容まで毎回詳記する必要はありませんが、患者の意見など特記すべき事項がある場合は診療録に残します。

Q8. リハビリテーション総合計画評価料は、計画書を作成した月に算定しますか?

A. いいえ。計画書の作成月と、多職種による評価を行った月が異なる場合は、評価を行った月に算定します。院内では、作成日と評価日を別欄で残す運用が安全です。

Q9. 医師の指示は、文書でないとだめですか?診療録記載は必須ですか?

A. 回復期リハ病棟以外で、医師の指示を受けた看護師、 PT 、 OT 、 ST が説明する場合、医師の指示は文書でも口頭でもかまいません。また、その指示について必ずしも診療録への記載は要しません。ただし、院内ではどちらで運用するかを統一しておく方がぶれにくくなります。

Q10. 2026-05-31 以前に算定していた患者は、 6 月以降どう扱いますか?

A. 令和 8 年 5 月 31 日以前にリハビリテーション総合計画評価料 1 または 2 を算定していた場合は、同年 6 月以降に再度要件を満たしたときは「 2 回目以降 」として算定します。

次の一手(やる順番)


参考資料(一次情報)

  • 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定について.掲載ページ
  • 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定 – 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション).PDF
  • 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和 8 年 3 月 5 日 保医発 0305 第 6 号)別添 1 医科診療報酬点数表に関する事項.PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 1 )(令和 8 年 3 月 23 日 事務連絡).PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 2 )(令和 8 年 3 月 31 日 事務連絡).PDF
  • 厚生労働省.様式(医科).PDF

著者情報

rehabilikun(理学療法士)のアイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました