令和 8 年改定の早期リハ加算は「起算日・ 14 日・休日・ 6 月 1 日またぎ」を先に整理すると読みやすくなります
結論からいうと、このテーマで先に押さえるべきは「入院日起算」「 14 日上限」「休日リハビリテーション加算」「休日定義」「 6 月 1 日またぎの経過措置」です。
対象は、令和 8 年改定の早期リハ加算をまず正確に把握したい PT / OT / ST、病棟管理者、医事担当者です。この記事で答えるのは制度の骨組みと院内ルール化の優先順位であり、3 日以内の実装手順、休日リハ加算の具体的な判断・記録・申し送り、6 月 1 日またぎの詳細判定は子記事に分けます。
最終更新:2026-04-01( 2026-03-31 の疑義解釈その 2 まで反映)
記録シート PDF
制度整理だけで終わらせず、そのまま院内共有に使えるように、早期リハ加算と休日リハ加算の確認用フロー記録シートを付けています。起算確認、加算区分、休日判定、共有事項を 1 枚で見渡したいときに使ってください。
会議や申し送りで使う前提で、書き込み欄は広めに確保しています。まずは PDF を開いて全体像を確認し、必要ならプレビューで紙面を見てからダウンロードしてください。
このページの役割(総論)
本ページは「早期リハ加算と休日リハ加算の総論」を扱う親記事です。ここでは、制度の要点、解釈が割れやすい点、院内で先に決める順番を整理します。
一方で、3 日以内に誰が何を入力するか、休日にどの患者を拾うか、どこまで記録して翌平日にどう申し送るか、6 月 1 日またぎでどこから数えるかといった実装は子記事に分けます。総論と実装を分けるほど、検索意図の重複を避けつつ、読者は迷わず次ページへ進めます。
改定の読み方:何が評価されるか
今回の見直しで大きいのは、早期リハビリテーション加算が「入院初日から 3 日目まで」と「入院 4 日目から 14 日目まで」に分かれ、休日リハビリテーション加算が新設されたことです。つまり、評価の焦点は “ 早く始めたか ” だけでなく、入院何日目か、休日に実施したか、その証跡が残っているかへ広がっています。
総論ページで先にそろえるべきなのは、点数の暗記よりも、①起算日、②期限管理、③休日定義、④記録の置き場所、⑤ 6 月 1 日またぎの扱いです。ここが揃うと、病棟間での解釈差や拾い漏れをかなり減らせます。関連:休日リハ加算の対象患者・起算日・記録の実務は、休日リハ加算の実務で整理しています。実装の流れは 急性期リハ 3 日以内の実装手順、経過措置は 早期リハ加算の 6 月 1 日またぎ に分け、本ページは制度理解と院内ルール化に集中します。
確定した要点( 1 枚 )
| 論点 | 改定後(確定) | 現場で割れやすい所 | 先に決めること |
|---|---|---|---|
| 早期リハ加算 | 入院初日〜 3 日目は 60 点 / 単位、入院 4 日目〜 14 日目は 25 点 / 単位。限度は 14 日。転院患者は転院前の入院日を起算日とする | 起算点、転院時の扱い、14 日の数え方 | 起算日・締切日・担当を台帳で固定する |
| 休日リハ加算 | 1 単位 25 点。各疾患別リハの起算日から 30 日目まで。要件を満たせば早期 / 急性期 / 初期加算と併算定できる | 対象患者の拾い漏れ、休日実施の区分漏れ | 休日区分+開始 / 終了+対象根拠を実施直後に必須入力する |
| 休日の定義 | 土曜・日曜・祝日。加えて 1 月 2 日・ 3 日、12 月 29 日・ 30 日・ 31 日も「休日」として扱う | 年末年始や土曜の扱いが部署でズレる | 休日定義を 1 枚化し、台帳・テンプレ・レセ前チェックで共通化する |
| 休日加算の起算 | 疾患別リハの区分ごとに「発症・手術・急性増悪」や「治療開始日」のいずれか早い日が起算になるものがある | 病棟ごとに起算ルールがブレる | 対象区分ごとの起算表を病棟で共有する |
| 6 月 1 日またぎ | 5 月 31 日以前に算定開始済みなら起算日は変更しない。6 月 1 日時点でまだ 14 日以内なら継続算定、15 日目以降なら 6 月 1 日以降は算定不可。6 月 1 日時点で未開始なら、改定後基準で入院日を起算日にできる | 5 月入院患者を一律に旧ルールで見てしまう | 「6 月 1 日時点で開始済みか」を最初に確認する |
| 適用時期 | 告示・留意事項は 2026-03-05 に公布され、改定は 2026-06-01 から適用 | 「いつから請求に反映されるか」が曖昧 | 周知文・勉強会資料・院内テンプレの版を 6 月適用に合わせて更新する |
疑義解釈その 2 で追加確認: 6 月 1 日またぎは「開始済みか」で先に分けます
2026 年 3 月 31 日の疑義解釈その 2 では、改定をまたぐ患者の扱いが具体化されました。現場で最初に見るべきなのは、6 月 1 日時点で早期リハ加算の算定をすでに開始しているかです。
すでに 5 月 31 日以前から算定している患者は、起算日を変更しません。そのため、6 月 1 日時点でまだ起算日から 14 日以内なら継続算定でき、すでに 15 日目以降なら 6 月 1 日以降は算定できません。一方、6 月 1 日時点でまだ早期リハ加算の算定を開始していない場合は、改定後基準により入院日を起算日として算定できます。詳細な 3 パターン整理は、早期リハ加算の 6 月 1 日またぎでまとめています。
| 6 月 1 日時点の状態 | 起算日の考え方 | 実務上の見方 |
|---|---|---|
| 5 月 31 日以前に算定開始済み、かつ 6 月 1 日時点で 14 日以内 | 改定前の起算日をそのまま使う | 残り日数の範囲で、改定後の 4 日目以降 14 日以内として継続する |
| 5 月 31 日以前に算定開始済み、かつ 6 月 1 日時点で 15 日目以降 | 改定前の起算日をそのまま使う | 6 月 1 日以降は算定できない |
| 6 月 1 日時点でまだ算定開始していない | 改定後基準で入院日を起算日にする | 開始日からではなく「入院日」で 14 日以内を判定する |
現場で解釈が割れやすい論点
| 論点 | 現場で起きやすい迷い | 総論での整理 | 実務で決めること |
|---|---|---|---|
| 早期の定義 | 発症基準で考えるのか、入院日基準で考えるのかが混ざる | 早期リハ加算は「入院日」基準で整理する | 起算日の確認者と台帳の入力ルール |
| 転院患者 | 転院先で 0 日目から数え直してしまう | 転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする | 紹介状・入院情報からの起算日確認フロー |
| 6 月 1 日またぎ | 5 月入院患者を一律に旧ルールで扱ってしまう | 「6 月 1 日時点で算定開始済みか」で先に分ける | 開始済み/未開始の確認欄を台帳に追加する |
| 休日加算の対象 | 休日に実施したが、加算対象かどうか曖昧 | 疾患別の対象患者と起算日を表で統一する | 休日対象フラグと提供区分の入力場所 |
| 多職種連携 | PT / OT / ST の重複と抜けが発生する | 共通骨格+職種差分で記録する | 申し送りテンプレの統一 |
院内ルール化で先に決める 5 項目
総論フェーズで合意しておくべきなのは、細かい技術論より「判断の枠組み」です。ここを先に固定すると、病棟ごとのぶれをかなり抑えられます。
| 項目 | 迷いやすい点 | 最低限そろえること |
|---|---|---|
| 起算日 | 入院日か、転院前入院日かで数え方がズレる | 誰が起算日を確認し、どこへ記録するかを固定する |
| 期限管理 | 3 日目 / 14 日目 / 30 日目の締切が担当者依存になる | 台帳・電子カルテ・カンファ資料のどれで管理するかを決める |
| 開始 / 保留判断 | 安全判断の順序が担当者ごとに違う | 開始可否、保留理由、再評価時点の記載順を統一する |
| 休日記録 | 休日区分や対象根拠の入力漏れが起きる | 休日区分、実施単位、対象根拠を同じ場所に残す |
| 6 月またぎ対応 | 開始済みか未開始かの確認が抜ける | 「 6 月 1 日時点で算定開始済みか」を最初に確認する欄を作る |
現場の詰まりどころ
このテーマで詰まりやすいのは、制度の要点は知っていても、どこから院内ルールに落とすかが曖昧な状態です。読後に持ち帰るべきなのは、加算名の暗記より「起算日・休日・6 月またぎ・記録」の順で整えることです。
よくある失敗(総論ページの NG → OK )
| よくある失敗( NG ) | 問題点 | 修正( OK ) |
|---|---|---|
| 実装手順を詳細に書きすぎる | 子記事と役割が重なり、カニバリ化しやすい | 総論は論点整理に留め、実装は子記事へ送る |
| 点数説明だけで終わる | 読後に院内で何を決めるかが残らない | 「先に決める 5 項目」を示して行動に接続する |
| 休日の定義が曖昧 | 年末年始や土曜の扱いが病棟で割れる | 休日定義をテンプレ・台帳・レセ前チェックで共通化する |
| 6 月 1 日またぎを親記事で触れていない | 5 月入院患者の扱いが親記事だけでは分かりにくい | 親では「開始済みか」で分ける原則だけ押さえ、詳細は専用記事へ送る |
| 休日実務まで同じページで抱え込む | 総論ページの検索意図がぼやける | 総論は「制度の骨組み」、休日実務は専用記事に分離する |
実装前チェック(院内合意)
次の 5 項目に Yes がつけば、総論から実装へ移る準備は整っています。
- このページの役割を「制度整理」に固定できている
- 起算日と期限管理のルールを病棟横断で共有できている
- 開始 / 保留判断の責任者と入力場所が決まっている
- 休日区分の入力と翌平日への引継ぎ条件が決まっている
- 6 月 1 日時点で算定開始済みかどうかを確認する流れが整理できている
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. このページと実装ページは何が違いますか?
このページは「制度の骨組み」と「院内で先に決める順番」を整理する総論です。実装ページは、誰が、いつ、どこに入力するかという運用手順を扱います。総論と実装を分けるほど、読者にも検索エンジンにも役割が伝わりやすくなります。
Q2. 早期リハ加算はどう変わりましたか?
入院初日〜 3 日目は 60 点 / 単位、入院 4 日目〜 14 日目は 25 点 / 単位となり、限度は 14 日です。転院患者では、転院前の保険医療機関に入院した日が起算日になります。
Q3. 休日リハ加算は他の加算と一緒に算定できますか?
要件を満たせば、早期リハビリテーション加算、急性期リハビリテーション加算、初期加算、休日リハビリテーション加算はそれぞれ併算定できます。ただし、対象患者や起算日の整理がずれると請求で迷いやすいため、総論段階で先に表化しておくのが安全です。
Q4. 年末年始は休日として扱いますか?
はい。土曜・日曜・祝日に加えて、1 月 2 日・ 3 日、12 月 29 日・ 30 日・ 31 日も休日として扱います。実務ではこの定義を 1 枚化し、台帳やテンプレと同じ表現で揃えると迷いにくくなります。
Q5. 6 月 1 日をまたぐ患者はどう考えますか?
最初に見るのは、6 月 1 日時点で早期リハ加算の算定をすでに開始しているかです。開始済みなら起算日は変更せず、6 月 1 日時点でまだ 14 日以内なら継続算定、15 日目以降なら 6 月 1 日以降は算定できません。まだ開始していない場合は、改定後基準で入院日を起算日として考えます。
Q6. 改定はいつから適用されますか?
告示・留意事項は 2026-03-05 に公布され、改定内容は 2026-06-01 から適用されます。院内向けの資料やテンプレも、適用時期を明記した版にそろえておくと周知がスムーズです。
次の一手
- 運用を整える:2026 改定リハ実務ハブ(全体像)
- 共有の型を作る:急性期リハ 3 日以内の実装手順(すぐ実装)
- 経過措置を確認する:早期リハ加算の 6 月 1 日またぎ
参考文献
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定の概要 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション).PDF
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(別添 1).PDF
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部を改正する件(医科点数表).PDF
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 2).PDF
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


