言語聴覚士の生涯学習プログラムとは?2026 改訂の要点

制度・実務
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言語聴覚士の生涯学習プログラムとは

ST の働き方や転職の全体像もあわせて整理したい方へ

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言語聴覚士の生涯学習プログラムは、学びを続けるうえで避けて通れない制度ですが、近年は改訂が入り、「旧プログラムのままでよいのか」「認定言語聴覚士はどう目指すのか」で迷いやすくなっています。特に今は、従来の仕組みと新しい仕組みが切り替わる時期なので、まずは全体像と移行時期を押さえることが大切です。

この記事では、言語聴覚士協会の生涯学習プログラムについて、旧プログラムと 2026 年度からの新プログラムを親記事として整理します。結論だけ先に言うと、2025 年度中は従来要件での申請、2026 年度は移行期間、2027 年度から新プログラムへ完全移行という流れです。制度を一気に覚えるより、今の自分がどの時期にいるかを確認するところから始めると整理しやすくなります。

ST 生涯学習プログラムの 2025 年度から 2027 年度までの移行の流れを整理した図版
図 1.まずは自分が 2025 年度、2026 年度、2027 年度以降のどの時期にいるかを確認すると整理しやすくなります。

生涯学習プログラムの全体像

従来の生涯学習プログラムは、言語聴覚士の資質向上と学習の継続を目的として、正会員を対象に開始された制度です。構成は基礎プログラム専門プログラムの 2 本立てで、それぞれ講座の履修や研究活動・職能活動などを通して修了証を目指します。

基礎プログラムと専門プログラムは同時進行で受講できますが、専門プログラムの修了証交付申請は、基礎プログラムの交付申請前には行えません。また、専門プログラムを修了し、臨床経験 6 年目以上になると、認定言語聴覚士講習会へ参加できる流れになっています。ここが、認定 ST を目指すうえでの基本線です。

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言語聴覚士の生涯学習プログラムの全体像
区分 内容 押さえたい点
基礎プログラム 基礎講座、ポイント取得、症例検討・発表など 入会後 3 年での修了証取得が目安
専門プログラム 専門講座 4 講座、専門プログラムのポイント取得 基礎プログラムと同時進行で受講できる
認定言語聴覚士講習会 専門プログラム修了者が対象 臨床経験 6 年目以上が参加条件

2026 年度改訂で何が変わるのか

2026 年度から、新しい生涯学習プログラムが始まります。今回の改訂でまず押さえたいのは、従来の「ポイント制」から「単位制」へ変わることです。移行前に取得したポイントや受講記録は、新しい単位に読み替えて申請できます。

また、新プログラムでは講座体系も見直され、従来の「基礎講座」「専門講座」は、キャリアラダー目標に対応した初級・中級・上級講座へリニューアルされます。加えて、ハンズオンセミナーの開講、学会内講演・講座の単位認定、学生会員向け講座、「専門言語聴覚士」の新設など、学び方の選択肢が広がる方向で整理されています。

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2026 年度改訂で押さえたい主な変更点
変更点 内容 実務上の見方
ポイント → 単位 活動内容や時間数に応じて単位化 旧記録は単位へ読み替えて申請する
講座体系の変更 基礎講座・専門講座 → 初級・中級・上級講座 キャリア段階で講座を選びやすくなる
新講座の追加 ハンズオンセミナー、学会内講演の単位認定など 実践寄りの学び方が増える
新制度の追加 専門言語聴覚士の新設 認定 ST の先の制度も見据えた改訂

移行時期の考え方

今いちばん重要なのは、改訂そのものより移行時期です。2025 年度中は、従来の生涯学習プログラムの要件で修了申請します。2026 年度からは、新しい生涯学習プログラムの要件で申請受付が始まりますが、移行期間として従来のプログラムでの申請も受け付けられます。

そして、2027 年度からは新プログラムへ完全移行します。つまり、今は「旧制度のうちに終えるか」「新制度へ読み替えるか」を見極める時期です。現時点では、新しい生涯学習活動の進め方の手引きや Q&A は準備中なので、細かな運用は今後の公式更新も確認する前提で考えておくのが安全です。

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言語聴覚士の生涯学習プログラム 2025〜2027 の移行時期
時期 基本の考え方 今やること
2025 年度中 従来要件で修了申請 手元のポイント・受講記録を整理する
2026 年度 新要件の申請開始 + 旧要件の申請も可能 旧記録を単位へ読み替えるか検討する
2027 年度以降 新プログラムへ完全移行 新しい講座体系と単位管理で進める

認定言語聴覚士までの流れ

認定言語聴覚士を目指すなら、旧プログラムではまず専門プログラム修了が大きな節目です。専門プログラム修了者で、かつ臨床経験 6 年目以上になると、認定言語聴覚士講習会を受講する資格が得られます。ここは ST 制度記事でいちばん気になる部分だと思います。

一方で、新プログラムでは「認定言語聴覚士取得を目指す」が学習モデルの 1 つとして明示されています。つまり、認定 ST という目標自体は継続しながら、その手前の学習活動の整理方法が変わると理解するとつかみやすいです。今の段階では、旧制度で進んでいる人はまず現行条件を確認し、新制度に入る人は初級・中級・上級講座の流れを意識しておくと迷いにくくなります。

基礎プログラムの見方

基礎プログラムは、従来の生涯学習プログラムの土台です。対象は正会員で、期間に制限はなく、入会後 3 年で修了証取得が目安とされています。全体の流れは、基礎講座 6 講座の履修、ポイント 4 ポイント以上の取得、症例検討・発表、修了証の交付申請です。

この部分は「まず最初に整える土台」として理解するとよく、専門プログラムと並行して進められるとはいえ、修了証交付申請の順序では基礎プログラムが先行します。制度を読み違えやすい人ほど、まず基礎プログラムをどう終えるかを整理した方が全体像が見えやすくなります。

専門プログラムの見方

専門プログラムは、認定言語聴覚士を見据えるうえで重要な位置にあります。専門講座の修了証授与の条件は、専門プログラムの講座から 4 講座を履修し、専門プログラムのポイントを 8 ポイント取得することです。修了証交付申請時には、受講記録票やポイント取得の証明書などが必要になります。

また、専門プログラム修了者は、それで終わりではなく、認定言語聴覚士講習会につながります。記事としては、専門プログラムを「認定 ST の前段階」と位置づけて説明した方が、読者にとって流れがつかみやすくなります。

認定言語聴覚士の更新

認定言語聴覚士は、取得したら終わりではなく、更新が必要です。更新は 5 年を 1 クールとし、自動更新ではなく申請制です。更新しない場合は認定取消になるため、ここは見落としにくいようにしておきたいポイントです。

更新条件は、5 年の期限内に 3 つの要件のうち 2 つを満たすことです。具体的には、日本言語聴覚学会または関連学会への参加、全国規模学会での認定領域に関する発表、認定領域に関する社会的貢献活動です。認定 ST は、臨床だけでなく学会活動や社会的役割も含めて継続性を見る資格だと理解すると整理しやすくなります。

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認定言語聴覚士の更新で押さえたい点
項目 内容 実務上の見方
更新期間 5 年 1 クール 自動更新ではない
更新条件 3 要件のうち 2 つを満たす 学会参加だけでなく発表や社会的貢献も対象
申請方法 オンラインまたは郵送 詳細は会員マイページで確認する

現場で詰まりやすいところ

今の時期に詰まりやすいのは、「旧制度で進めるべきか、新制度へ乗り換えるべきか」を早く決めようとしすぎることです。実際には 2026 年度が移行期間なので、まずは手元の記録を整理してから判断する方が安全です。

もう 1 つ多いのが、認定 ST を目指す道筋を “講習会だけ” で理解してしまうことです。現行の流れでは、基礎プログラム、専門プログラム、臨床経験という積み上げがあり、その先に認定言語聴覚士講習会があります。記事では、この順番を崩さずに整理した方が読者の混乱を減らせます。

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言語聴覚士の生涯学習プログラムで起こりやすい勘違い
勘違いしやすい点 実際の整理
2026 年度から旧制度は使えない 2026 年度は移行期間で、従来プログラムでの申請も可能です
ポイントはそのまま使えなくなる 旧ポイントや受講記録は新しい単位へ読み替えできます
認定 ST は講習会だけ受ければよい 専門プログラム修了と臨床経験 6 年目以上が必要です
更新は自動で継続される 更新は申請制で、5 年ごとに条件確認が必要です

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

2026 年度から、すぐ新しい生涯学習プログラムだけになりますか?

いいえ。2026 年度は移行期間で、新しい要件での申請受付が始まりますが、従来のプログラムでの申請も受け付けられます。完全移行は 2027 年度です。

旧ポイントは無駄になりますか?

無駄にはなりません。移行前に取得したポイントや講座の受講記録は、新しい「単位」に読み替えて申請できます。

認定言語聴覚士を目指すには、何が必要ですか?

現行の流れでは、専門プログラムを修了し、臨床経験 6 年目以上になると、認定言語聴覚士講習会へ参加する資格が得られます。

基礎プログラムと専門プログラムは同時に進められますか?

同時進行で受講できます。ただし、専門プログラムの修了証交付申請は、基礎プログラムの交付申請前には行えません。

認定言語聴覚士の更新はどうなっていますか?

5 年を 1 クールとして更新が必要です。3 つの要件のうち 2 つを満たし、オンラインまたは郵送で申請します。

次の一手

このテーマは、まず移行時期を押さえてから、自分が旧プログラムで進むのか、新プログラムへ読み替えるのかを考えると整理しやすくなります。次に確認したい公式ページは次の 3 つです。


参考文献

  1. 一般社団法人 日本言語聴覚士協会. 生涯学習プログラム. https://www.japanslht.or.jp/lifelong-learning/(参照 2026-04-04)
  2. 一般社団法人 日本言語聴覚士協会. 生涯学習プログラムについて. https://www.japanslht.or.jp/certification/about.html(参照 2026-04-04)
  3. 一般社団法人 日本言語聴覚士協会. 言語聴覚士の資格をお持ちの方へ. https://www.japanslht.or.jp/certification/(参照 2026-04-04)
  4. 一般社団法人 日本言語聴覚士協会. 生涯学習プログラム 2026 の開始について. https://www.japanslht.or.jp/article/article_2781.html(参照 2026-04-04)

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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