【高齢者用うつ病評価尺度とは:GDS15】抑うつ評価スケール

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評価法
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リハビリくん
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こんにちは!リハビリくんです!

   

この記事では「高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)」をキーワードに記事を書いていきます!

   

超高齢化が進む本邦において、高齢者ができる限り自立し、心身共に豊かな生活を送ることができるように支援する必要性が高まっています。そのためには、高齢者に生じやすいうつを正しく把握し、うつ状態に陥っていることにできるだけ早く気付き、適切に対処していくことが重要になります。

   

実際に医療や介護における臨床場面において、うつ病の影響により「生活に支障をきたしている」「活動性が低下している」「リハビリテーションを行う意欲がない」患者様および利用者様を目にすることがあります。

  

こんなときに、うつ病を評価する術をもっていないと何も解決することができません。うつ病の評価を適切に行い、うつ病の疑いがあるのであれば早期に治療して、うつ病を改善させる必要があります。しかし、そうはいっても、うつ病の評価は不慣れな方が多いと思います。そこでこの記事を読むことで下記の事項を理解できるようにしたいと思います!

  

  • 高齢者とうつ病の関係性について
  • 高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)の概要
  • 高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)の特徴
  • 評価項目と評価方法について

   

高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)を用いた評価を行ううえで、様々な疑問を抱えることがあると思います。そんな方のために、こちらの記事をご用意しました。是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
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理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

【リハビリテーション専門職の転職サイト】

医療従事者となる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職は超高齢社会を突き進む本邦において必要不可欠な職種になります。

実際に近年では、理学療法士は 10,000 ~ 11,000 人程度、作業療法士は 4,000 ~ 5,000 人程度、言語聴覚士は 1,600 ~ 1,800 人程度、国家試験に合格しており、順調に有資格者数が増え続けています。

このように世の中から必要とされている反面、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与は他業界と比較して恵まれてるとはいえません。「賃金構造基本統計調査」から他業界と比較してみても2022 年度のリハビリテーション専門職の初任給平均額は 239,100 円となっており、満足できるものではありません。

また、給与の問題もありながら、リハビリテーション専門職は業界特有の激しい人間関係という荒波に揉まれながら業務にあたることになります。この人間関係で辛い思いをする人はかなり多いと考えられます。

このように、給与や人間関係、また福利厚生などを含めた恵まれた労働環境で働くためには転職が必要になることもあります。1 年目、すなわち始めての職場が恵まれた環境であればいうことありませんが、必ずしもそう上手くはいきません。

最近では転職サイトにも様々な種類のものがあり、どの転職エージェントを選択するか迷うと思います。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士におすすめしたい転職サイトは、他の記事で詳しくまとめています!《【理学療法士転職サイトランキング】おすすめ5選|リハビリ職の転職》こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 

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高齢者のうつ病は身体機能やQOLを低下させる

高齢になると加齢に伴う身体機能の変化、退職や子どもの自立に伴う社会的役割の喪失、配偶者や兄弟・友人との死別など、これまでとは異なる衰退や喪失といったライフイベントが増え、うつになりやすい時期となります。

高齢者のうつは、生活の質や身体機能の低下を招く要因の1つであり、国内外の研究において抑うつが要支援・要介護認定のリスク要因となりうることが報告されています。

高齢者に起こりうる最も多い病的な心理症状は、うつ病になります。更に超高齢社会となり、高齢者の数が激増している中、高齢者に対するうつ病の評価尺度の必要性は更に高まっていると言えます。

高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)とは

GDSは、1982年にBrinkらにより開発された高齢者用うつ尺度になります。GDSの原版は 30 項目から構成されていますが、1986 年に Sheikh らによって 15 項目の短縮版(GDS15)が開発され、高齢者のうつの評価指標として推奨され、国際的にも広く用いられております。

さらに 1999 年には Hoyl らによって 5 項目版(GDS5)が開発されています。日本においてもGDS5、GDS15、共に使用されており、信頼性・妥当性が確認されています。

高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)の特徴

高齢者に対するうつ病の評価尺度には様々なものがあるが、その中でも高齢者用うつ病評価尺度(GDS)は 2つの優れた特徴があります。

ひとつは、身体症状に関する項目を含んでいないところです。年をとると身体症状を併発する可能性が高く、身体症状に由来して気分に変調を来たすことも少なくありません。そのため、高齢者に対するうつ病の評価尺度には身体症状についての質問項目を入れないほうが、うつ病を評価する上では正確な尺度になると考えられます。

もうひとつは回答の選択肢には「はい」「いいえ」を用いていることになります。そのため、高齢者にとって答えやすく時間もかからないことが優れた特徴として挙げられます。

エビデンス(推奨グレード)

日本理学療法士協会が発行している高齢者理学療法診療ガイドラインによるとGDS15、GDS5のどちらも推奨グレードAとなっており、信頼性および妥当性の高い検査です。

質問項目(GDS15)

  1. 毎日の生活に満足していますか
  2. 毎日の活動力や周囲に対する興味が低下したと思いますか
  3. 毎日が空虚だと思いますか
  4. 毎日が退屈だと思うことが多いですか
  5. 大抵は機嫌よく過ごすことが多いですか
  6. 将来の漠然とした不安に駆られることが多いですか
  7. 多くの場合は自分が幸福だと思いますか
  8. 自分が無力であると思うことが多いですか
  9. 外出したり、何か新しいことをするよりは家にいたいと思いますか
  10. なによりも物忘れが気になりますか
  11. いま生きていることが素晴らしいと思いますか
  12. 生きていても仕方がないと思う気持ちになることがありますか
  13. 自分が活気に溢れていると思いますか
  14. 希望がないと思うことがありますか
  15. 周りの人があなたより幸せそうに見えますか

評価用紙

高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)の評価表(質問紙)をダウンロードできるようにしておきました!評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

評価方法

GDSについては、自己記入式または必要に応じて口頭で回答しても良いとされています。回答者は質問に「はい」か「いいえ」で答えます。 質問者は必要なら同じ質問をくり返しても問題ありません。

カットオフ

総得点はGDS5 では 0 〜 5 点、GDS15 では 0 〜 15 点であり、得点が高いほどうつ状態であることを示します。カットオフ値はGDS5 が 2 点、GDS15 は 5 点とされています。

文献にもよりますがGDS15の場合、5点以上でうつ傾向、10点以上はうつ状態と判定するとされております。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

超高齢社会である本邦における、うつ病アセスメントの重要性はご理解して頂けたと思います。高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)は推奨グレードもAと高く信頼性・妥当性ともに認められております。

現状では、精神科病棟ではなく一般病棟である場合に、標準的にうつ病の評価を行うことは少ないと思います。しかし、近年の社会的情勢を考慮すると、うつ病の評価こそ標準的評価として必要なのではないかと考えております。

今回ご説明した高齢者用うつ病評価尺度(GDS15)と同様に、不安や抑うつを評価する質問票にHADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)がございます。このテーマについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)についての記事はこちらから

参考文献

  1. 伊藤絵梨子,田髙悦子.高齢者のうつ.日本地域看護学会誌.Vol.21,No.2,2018,p75-78.
  2. 杉下守弘,朝田隆.高齢者用うつ尺度短縮版—日本版(Geriatric Depression Scale − Short Version-Japanese, GDS-S-J)の作成について.認知神経科学.Vol.11,No.1,2009,p87-90.
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