- LSNS-6の評価方法|採点・12点未満の見方を実務で整理
- LSNS-6はいつ使う?社会的なつながりが生活を左右する場面
- LSNS-6の構成|家族3項目・友人3項目
- LSNS-6の実施手順|短時間で行う5ステップ
- LSNS-6の採点方法|各項目0〜5点、合計0〜30点
- LSNS-6で12点未満だった場合の見方
- 家族小計と友人小計を分けて見る理由
- LSNS-6再評価・比較記録シート|Excel・PDF
- LSNS-6自動計算ツール
- LSNS-6の記録例|合計点だけで終わらせない
- LSNS-6を再評価するタイミング
- LSNS-6で起こりやすい失敗と対策
- LSNS-6・LSA・JST-IC・TMIG-ICの使い分け
- LSNS-6の結果を支援へつなげる
- LSNS-6のよくある質問
- 次の一手
- 参考文献
- 著者情報
LSNS-6の評価方法|採点・12点未満の見方を実務で整理
LSNS-6(Lubben Social Network Scale-6)は、家族や友人との社会的ネットワークを、家族3項目・友人3項目の計6項目で評価するスクリーニング尺度です。各項目を0〜5点で採点し、家族小計0〜15点、友人小計0〜15点、合計0〜30点で整理します。
合計12点未満は、社会的孤立リスクを検討する目安として用いられます。ただし、LSNS-6だけで社会的孤立を確定するものではありません。合計点だけでなく、家族側と友人側のどちらが薄いか、交流相手はいても実際に頼れる人がいるか、本人が現在の人間関係をどう感じているかまで確認する必要があります。
この記事では、LSNS-6の構成、採点方法、12点未満の見方、家族・友人小計の解釈、実施時の注意点、記録例、再評価方法、LSA・JST-IC・TMIG-ICとの使い分けを実務向けに整理します。記事内には、前回と今回を比較できる入力・編集用Excel、同じ原本から出力した印刷用PDF、自動計算ツールも掲載しています。
LSNS-6はいつ使う?社会的なつながりが生活を左右する場面
LSNS-6が役立つのは、身体機能やADLだけでは退院後の生活を予測しにくい場面です。歩行やセルフケアが自立していても、頼れる相手や相談相手が少なければ、通院、買い物、服薬管理、緊急時の対応が不安定になる可能性があります。
特に、次のようなケースでは社会的ネットワークを確認する意義があります。
- 独居または日中独居である
- 退院後の見守りや緊急連絡体制が明確でない
- 外出や他者との交流が以前より減っている
- 通所や地域活動への参加が途切れている
- 家族はいるが、実際に頼れるか分からない
- 家族の入院、死別、転居などで関係性が変化した
- フレイル、抑うつ、低栄養、服薬中断などが懸念される
LSNS-6は、単に知り合いの人数を調べる尺度ではありません。一定の交流がある相手、困ったときに頼れる相手、個人的なことを相談できる相手という異なる側面を確認し、社会的ネットワークの広さと実用性を整理します。
LSNS-6の構成|家族3項目・友人3項目
LSNS-6は、家族ネットワークと友人ネットワークを、それぞれ3つの観点から評価します。正式な設問文や回答方法は、使用する日本語版評価票や実施資料を確認してください。
| 領域 | 観点 | 確認する内容 | 臨床での見方 |
|---|---|---|---|
| 家族 | 交流 | 一定の頻度で連絡や交流がある家族 | 名目上の家族ではなく、現在の交流実態を見る |
| 支援 | 困ったときに助けを求められる家族 | 受診、買い物、緊急時などの支援可能性を見る | |
| 相談 | 個人的なことを話せる家族 | 世間話だけでなく、悩みや不安を話せるかを見る | |
| 友人 | 交流 | 一定の頻度で連絡や交流がある友人 | 対面だけでなく、現在の交流実態を確認する |
| 支援 | 困ったときに助けを求められる友人 | 実際に相談や依頼ができる関係かを見る | |
| 相談 | 個人的なことを話せる友人 | 知人や顔見知りと、親しい友人を混同しない |

家族と友人の区分は、使用する評価票の定義に従います。近隣住民、遠縁の親族、支援職などを、評価者の判断だけで一律に含めたり除外したりしないことが重要です。判断に迷った場合は、対象者がその人をどのような関係として認識しているかを確認し、補足情報として記録します。
LSNS-6の実施手順|短時間で行う5ステップ
LSNS-6は6項目と短い尺度ですが、聞き方や人数の数え方を独自に変えると、担当者間や再評価時の比較が難しくなります。実施時は、正規の評価票に記載された質問文と回答選択肢を使用してください。
- 目的を説明する:家族や友人との現在のつながりを確認する評価であることを伝えます。
- 家族3項目を確認する:交流、支援、相談に関する人数を、正式な質問票に沿って確認します。
- 友人3項目を確認する:家族とは分けて、同じ3つの観点を確認します。
- 小計と合計を算出する:家族小計、友人小計、合計点を記録します。
- 生活上の意味を確認する:点数が低い側と、実際に困る生活場面を一行で残します。
回答を急がせたり、「この人は数えますよね」と誘導したりせず、対象者が思い浮かべる人物と関係性を確認しながら進めます。認知機能、聴力、失語、疲労などにより回答が難しい場合は、実施条件や情報源を記録しておきます。
LSNS-6の採点方法|各項目0〜5点、合計0〜30点
LSNS-6は、各質問に対する人数の回答を0〜5点に換算します。6項目の合計は0〜30点です。家族3項目と友人3項目を分けて計算すると、家族小計と友人小計はそれぞれ0〜15点になります。
| 記録項目 | 項目数 | 点数範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 家族小計 | 3項目 | 0〜15点 | 家族ネットワークの薄さを確認する |
| 友人小計 | 3項目 | 0〜15点 | 家族以外のネットワークの薄さを確認する |
| 合計点 | 6項目 | 0〜30点 | 社会的孤立リスクをスクリーニングする |
人数と得点の対応は次のとおりです。実際の評価では、回答選択肢の表現を含め、使用する正規の日本語版評価票を確認してください。
| 人数 | 点数 |
|---|---|
| 0人 | 0点 |
| 1人 | 1点 |
| 2人 | 2点 |
| 3〜4人 | 3点 |
| 5〜8人 | 4点 |
| 9人以上 | 5点 |
LSNS-6で12点未満だった場合の見方
LSNS-6では、合計12点未満が社会的孤立リスクを検討する目安として用いられます。12点未満は、家族や友人とのネットワークが全体として限られている可能性を示します。
ただし、12点未満だから直ちに「社会的に孤立している」と断定したり、特定のサービス導入を決めたりするものではありません。反対に、12点以上でも、緊急時に頼れる人がいない、本人が強い孤独感を抱えている、特定の一人に支援が集中している場合があります。
結果は、次の順番で確認すると実務につながりやすくなります。
- 合計点:12点未満に該当するかを確認する
- 家族小計と友人小計:どちらのネットワークが相対的に薄いかを見る
- 観点別の得点:交流、支援、相談のどこが不足しているかを見る
- 生活への影響:受診、買い物、緊急時、精神的支援などに困りがあるか確認する
- 本人の希望:つながりを増やしたいか、現在の関係性をどう感じているか確認する
重要:LSNS-6が主に評価するのは社会的ネットワークです。「一人でいることをつらいと感じる」という主観的な孤独感とは同じ概念ではないため、本人の気持ちは別に確認します。
家族小計と友人小計を分けて見る理由
合計点が同じでも、家族小計と友人小計の組み合わせによって生活上の意味は異なります。合計点だけを確認すると、どのネットワークに支援が必要なのか分からなくなるため、小計と各観点の内訳を残します。
| 得点の傾向 | 考えられる状況 | 追加で確認すること | 支援の方向性 |
|---|---|---|---|
| 家族側が低い | 親族との交流や支援が限られている | 緊急連絡先、受診支援、家族関係 | サービス、地域支援、緊急時体制を検討する |
| 友人側が低い | 家族以外とのつながりが限られている | 外出先、趣味、通いの場、本人の希望 | 参加機会や地域との接点を検討する |
| 両方が低い | 支援と交流の双方が乏しい可能性がある | 生活上の危険、孤独感、支援拒否、認知機能 | 多職種で支援体制と見守り方法を調整する |
| 合計は高いが支援項目が低い | 交流相手はいるが、実際には頼りにくい | 緊急時や体調不良時に動ける人 | 具体的な支援者と役割を明確にする |
LSNS-6再評価・比較記録シート|Excel・PDF
LSNS-6を継続して使用する場合は、合計点だけでなく、家族小計、友人小計、前回との差、生活への影響、支援条件、本人の希望、次の一手を同じ場所に記録すると、変化の理由を整理しやすくなります。
入力・編集用Excelでは、家族小計と友人小計を入力すると、合計点、前回差、12点未満の目安を確認できます。施設内の運用に合わせて記録内容を編集する場合はExcel版、印刷して手書きで使用する場合は同じ原本から出力したPDF版をご利用ください。
本シートは、正式なLSNS-6質問票の代替ではありません。正規版で評価した後に、得点と生活上の意味、支援条件を比較記録する補助シートとして使用してください。
LSNS-6再評価・比較記録シート
家族小計・友人小計・合計点の前回比較、生活への影響、本人の希望、緊急時の支援体制、次回までの具体策をA4・1枚で整理できます。
印刷用PDFを記事内でプレビューする
LSNS-6自動計算ツール
6項目の採点後に、家族小計、友人小計、合計点を確認したい場合は、自動計算ツールを利用できます。未入力項目がある状態では結果を確定表示しないため、入力漏れの確認にも使えます。
自動計算結果だけで社会的孤立や支援の必要性を断定せず、家族・友人小計、生活への影響、孤独感、本人の希望、支援状況と合わせて解釈してください。
LSNS-6の記録例|合計点だけで終わらせない
記録では、家族小計、友人小計、合計点に加えて、生活上の意味と次の一手を残します。
記録例
LSNS-6合計10点。家族小計7点、友人小計3点。家族への相談は可能だが、友人との交流は入院前から減少している。本人は外出再開を希望。通所開始後に交流機会と友人小計を再評価する。
このように、低い側と生活場面をセットで記録すると、通所導入、家族連携、地域活動への接続、見守り体制など、具体的な支援へ変換しやすくなります。
LSNS-6を再評価するタイミング
社会的ネットワークは、身体機能より短期間で変化しない場合もあります。一方で、退院、転居、死別、家族の体調悪化、通所開始などの生活イベントによって大きく変化することがあります。
再評価は、次のような時期に検討します。
- 退院後または在宅生活への移行後
- 通所、訪問、地域活動などの支援導入後
- 転居や同居者の変更後
- 家族や友人との死別、入院、関係変化の後
- 外出、食欲、服薬、気分などに変化がみられたとき
- 施設で定めた定期評価時期
再評価時は、同じ正規版の質問票を使い、回答条件や情報源を可能な範囲でそろえます。合計点の変化だけでなく、家族側と友人側のどちらが変化したか、生活環境や支援条件に変更がなかったかを確認してください。
LSNS-6で起こりやすい失敗と対策
LSNS-6は項目数が少ないため簡単に見えますが、評価者が独自の定義や質問を追加すると、得点の比較可能性が下がります。
先に確認する場所:実施手順 / 12点未満の見方 / 生活範囲・社会参加の評価ハブ
| よくある失敗 | 起きる問題 | 対策 | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 独自の期間を設定する | 正規の評価条件と異なり、得点を比較しにくい | 使用する日本語版評価票の質問条件に従う | 使用した版と実施条件を記録する |
| 知人をすべて友人に含める | 実際のネットワークより高く評価する可能性がある | 正式な設問の意図を保ち、本人の関係認識を確認する | 判断に迷った関係をメモする |
| 同居家族を自動的に数える | 交流や支援の実態を反映しない | 各質問で問われている関係性があるか確認する | 同居状況と実際の支援内容を分けて記録する |
| 12点未満だけを見る | どのネットワークが薄いか分からない | 家族小計、友人小計、観点別得点を見る | 低い側と生活への影響を一行で残す |
| 孤立と孤独感を同一視する | 本人の主観的な苦痛を見落とす可能性がある | ネットワークと本人の感じ方を分けて確認する | 本人の希望や孤独感を別に記録する |
LSNS-6・LSA・JST-IC・TMIG-ICの使い分け
LSNS-6は、家族や友人との社会的ネットワークを評価する尺度です。外出範囲、活動頻度、高次生活機能を直接評価する尺度ではありません。
| 尺度 | 主に見るもの | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| LSNS-6 | 家族・友人との社会的ネットワーク | 孤立リスク、頼れる相手、相談相手の確認 | 孤独感や外出範囲を直接測る尺度ではない |
| LSA | 生活範囲、外出頻度、自立度 | 閉じこもりや生活圏の縮小を確認する | 人との関係性の質や量は直接評価しない |
| JST-IC | 現代的な高次生活機能 | 情報、生活管理、テクノロジー、社会参加を確認する | 社会的ネットワークの人数は直接評価しない |
| TMIG-IC | IADL、知的能動性、社会的役割 | 高次生活機能の全体像を短時間で確認する | 孤立リスクを直接評価する尺度ではない |
たとえば、LSAが低くLSNS-6も低い場合は、身体機能だけでなく、外出先や同行者の不足が関係している可能性があります。LSAは保たれているのにLSNS-6が低い場合は、一人で外出する能力はあっても、相談や支援につながる関係が少ない可能性があります。
LSNS-6の結果を支援へつなげる
LSNS-6の目的は点数を上げることではなく、対象者が必要なときに支援へつながれる生活環境を整えることです。本人が新しい人間関係を望まない場合もあるため、低得点だけを理由に交流を増やす支援を押しつけないようにします。
追加確認と支援の例は次のとおりです。
- 緊急時の支援が乏しい:緊急連絡先、見守り、訪問サービスを整理する
- 家族への負担が集中している:役割分担と代替サービスを検討する
- 友人との交流が減っている:本人が希望する活動や通いの場を確認する
- 相談相手がいない:専門職や地域相談窓口へのアクセス方法を確認する
- 孤独感が強い:気分、睡眠、食欲、自殺念慮なども含めて適切に評価する
支援を検討する際は、本人の希望、文化的背景、対人関係の好み、認知機能、移動能力、経済状況、地域資源を含めて考えます。
LSNS-6のよくある質問
各項目名をタップすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。
Q1. LSNS-6は何を評価する尺度ですか?
A. 家族と友人との社会的ネットワークを、交流、支援、相談の観点から確認する6項目の尺度です。社会的孤立リスクをスクリーニングするために使用されます。
Q2. LSNS-6は何点満点ですか?
A. 各項目0〜5点、6項目で合計0〜30点です。家族小計と友人小計は、それぞれ0〜15点です。
Q3. 12点未満なら社会的孤立と判断できますか?
A. 12点未満は社会的孤立リスクを検討する目安ですが、確定診断ではありません。家族・友人小計、生活への影響、孤独感、本人の希望、支援状況を合わせて判断します。
Q4. 同居家族は必ず人数に含めますか?
A. 同居しているだけで、自動的にすべての項目へ含めるわけではありません。各質問で問われている交流、支援、相談の関係が実際にあるかを、正式な評価票に沿って確認します。
Q5. 電話やオンライン上の交流は含めますか?
A. 評価者が独自に一律判断せず、使用する正規版の質問内容と回答基準に従います。判断に迷う場合は、交流手段と頻度を記録し、施設内で運用を統一してください。
Q6. LSNS-6と孤独感の評価は同じですか?
A. 同じではありません。LSNS-6は主に社会的ネットワークを評価します。本人が孤独をつらいと感じているかという主観的な体験は、別に確認する必要があります。
Q7. Excel版とPDF版はどのように使い分けますか?
A. パソコン上で入力、編集、施設内の運用に合わせた調整を行う場合はExcel版を使用します。印刷して手書きする場合や、完成した様式を共有する場合はPDF版を使用します。両方とも同じLSNS-6再評価・比較記録シートです。
次の一手
LSNS-6を実施したら、合計点だけでなく、家族側と友人側のどちらが薄いか、実際に困る生活場面は何か、本人がどのような支援を希望しているかまで確認します。
参考文献
- Lubben J, Blozik E, Gillmann G, et al. Performance of an abbreviated version of the Lubben Social Network Scale among three European community-dwelling older adult populations. Gerontologist. 2006;46(4):503-513. doi:10.1093/geront/46.4.503 / PubMed
- Kurimoto A, Awata S, Ohkubo T, et al. Reliability and validity of the Japanese version of the abbreviated Lubben Social Network Scale (LSNS-6). Nihon Ronen Igakkai Zasshi. 2011;48(2):149-157. doi:10.3143/geriatrics.48.149 / PubMed
- Holt-Lunstad J, Smith TB, Layton JB. Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review. PLoS Med. 2010;7(7):e1000316. doi:10.1371/journal.pmed.1000316 / PubMed
- Valtorta NK, Kanaan M, Gilbody S, Ronzi S, Hanratty B. Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies. Heart. 2016;102(13):1009-1016. doi:10.1136/heartjnl-2015-308790 / PubMed
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- National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. Social Isolation and Loneliness in Older Adults: Opportunities for the Health Care System. Washington, DC: The National Academies Press; 2020. doi:10.17226/25663
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下

