【K式スケール】リスクアセスメント【金沢大学式褥瘡発生予測尺度】

記事内に広告が含まれています。
K 式スケールとは?在宅版との違い(まず結論)評価項目と構成の比較(K 式/在宅版 K 式) 評価→介入のワークフロー(現場 10 分版) よくある誤りと対策 他スケールとの“使い分け”と導線 評価用紙(院内配布用) 参考文献
K 式スケール(正式名:金沢大学式褥瘡発生予測スケール)は、前段階要因と引き金要因を Yes / No で判定し、短時間で褥瘡発生リスクを把握できる日本発の評価法です。在宅版 K 式は在宅療養の実情を反映し、介護力(介護知識・環境)や栄養の観点が加わるのが大きな違いです。院内スクリーニングや用具選定と組み合わせると実装効果が高まります。
理学療法士のキャリアガイドを見る(臨床と在宅の強みを伸ばす)
原票の文言は各施設の規約に従ってください。ここでは臨床での解釈の“型”を示します。
区分 | K 式(入院・施設) | 在宅版 K 式(在宅療養) | 判定の観点(例) |
---|---|---|---|
前段階要因 | 自力体位変換不可/骨突出/栄養不良 など | 上記+介護知識・介護力 | 活動性・痩せ・突出部保護・介護者の理解と手順 |
引き金要因 | 体圧/湿潤/ずれ | 体圧/湿潤/ずれ/栄養 | 寝具硬さ・蒸れ・シーツのしわ・滑走・摂取量 |
採点と解釈 | 各項目 Yes(1)/ No(0)で簡便採点(区分ごと 0–3 or 0–4) | 引き金要因が 1 つでも陽性なら注意度 ↑(介入を強化) |
誤り | なぜ問題? | 対策(実装) |
---|---|---|
「湿潤」を失禁のみで判断 | 発汗・滲出・蒸れも皮膚脆弱化の要因 | 通気性の改善、吸収材の交換タイミング最適化、背部更衣 |
在宅で介護力を聴取しない | 可能な体位変換頻度・介入が現実と乖離 | 介護者数/時間帯・用具の有無を定型聴取し“実行可能頻度”を合意 |
ずれ観察が場面限定(臥位のみ) | 背上げ・移乗・端座位で発生しやすい | 背上げは 30° 以内、滑走低減シーツ、移乗手順の統一 |
全体のスクリーニングは ブレーデン、局所の危険の即時チェックは K 式、マットレス選定や重症は OH スケール、院内横断の初期スクリーニングは 厚労省危険因子評価を併用。寝具選定は マットレス選定プロトコル とも連動させてください。
評価表のダウンロードはこちら:評価用紙をダウンロード(施設の著作権規程に従ってご利用ください)。