【K式スケール】リスクアセスメント【金沢大学式褥瘡発生予測尺度】

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褥瘡対策
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リハビリくん
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こんにちは!リハビリくんです!

   

今回は褥瘡リスクアセスメントスケールであるK式スケールについてまとめていきたいと思います!

   

褥瘡は発生してしまってから治すより、未然に発生を予防できればそれに越したことはありません。発生を防ぐためにはどうすればいいのか?そこで効果を発揮するのがリスクアセスメントスケールになります。

   

  • K式スケールとは?
  • 在宅版K式スケールとは?
  • 評価方法が知りたい
  • 他のリスクアセスメントスケールと何が違うの?
  • 評価用紙が欲しい    

K式スケールについて様々な疑問を抱えることがあると思います!そんな方のために、こちらの記事を読むことで上記の疑問が解決できるようにしたいと思います!是非、最後までご覧になってください!

リハビリくん
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理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

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褥瘡 リスクアセスメントスケール

褥瘡とは、身体いずれかの部位の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができた状態のことを指します。日本褥瘡学会は褥瘡について以下のように定義しています。

「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる」

褥瘡ができてしまうと、患者に苦痛が生じるだけではなく、もとの原因疾患に対する治療が遅延したり、金銭的な負担の発生に繋がったり、転院先の選択肢が狭まったり、あらゆる弊害が生じます。

このような褥瘡を予防するためには、褥瘡のリスクアセスメントが必要になります。褥瘡のリスクアセスメントを適切に行うことで、褥瘡のリスクを評価し、予防策を講じることができます。

K式スケール(褥瘡発生予測尺度)とは

K 式スケールは、正式名称を「金沢大学式褥瘡発生予測尺度」といい、金沢大学医学部保健学科の真田弘美教授らにより、高齢者における褥瘡発生リスクを評価する目的で開発されました。主に病院や高齢者施設で使用され、褥瘡予防計画の立案に役立ちます。

日本で最初に導入された褥瘡リスクアセスメントツールはブレーデンスケールですが、採点者間で評価がばらつきやすいことや、日本人高齢者で重要な「骨突出」の項目が含まれていないなどの課題がありました。これらを補う形で、骨突出の評価を組み込み、採点者間の信頼性と予測妥当性を高めたのが K 式スケールです。

また、在宅療養者向けに開発された「在宅版 K 式スケール(在宅版褥瘡発生リスクアセスメント・スケール)」では、前段階要因に「介護知識がない」、引き金要因に「栄養」などの項目が追加され、在宅特有の環境や介護状況を反映できるようになっています。

K 式スケールおよび在宅版 K 式スケールは、日本褥瘡学会の「褥瘡予防・管理ガイドライン」において、高齢者の褥瘡リスクアセスメントツールとして推奨度 C1(十分な科学的根拠はないが、行うことを考慮してよい)に位置づけられています。臨床現場では、他の評価方法や観察所見と組み合わせて用いることが推奨されます。

評価方法

K 式スケールの評価タイミングは、ADL が低下し床上生活(寝たきり)が中心となった時が基本ですが、完全な寝たきりでなくても「食事量の低下や体重減少」などの兆候があれば早期に評価を行うことが望ましいです。

本スケールは「前段階要因」と「引き金要因」の 2 段階で構成されます。

前段階要因(身体的・基礎的リスク)

患者が日常的に持っている褥瘡発生の素因を評価します。以下の 3 項目をYes(1 点)/No(0 点)で判定します。

  • 「自力体位変換不可」
  • 「骨突出」
  • 「栄養状態が悪い」

引き金要因(ケアや環境によるリスク)

ケア方法や環境要因によって褥瘡が発生する直接的な契機となる要因を評価します。以下の 3 項目を判定します。

  • 「体圧」
  • 「湿潤」
  • 「ずれ」

要因の各項目をYes(1点)またはNo(0点)で答えます。合計は「前段階要因」「引き金要因」ともに0~3点になりますが、引き金要因が1つでも加わると発生リスクが高くなります。

在宅版K式スケールの評価方法も、K式スケールと基本的には同じになります。在宅版K式スケールの方が評価項目が多く、前段階要因で「介護知識がない」引き金要因で「栄養」という項目が増え、4項目ずつになっています。

在宅版K式スケールとK式スケールの違いを一言で説明するのであれば、在宅版K式スケールには『介護力を評価する項目』が加わっております。

K式スケール 評価用紙

K式スケールおよび在宅版K式スケールをダウンロードできるようにしておきました!

評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

K式スケール カットオフ値

カットオフ値はありませんが、前段階要因も引き金要因も点数が高いほど褥瘡発生リスクが高いという解釈になります。

褥瘡のリスクアセスメントスケール一覧

褥瘡の発生要因には、「応力(圧縮応力・引張応力・剪断応力)×時間×頻度」、基本的動作能力、病的骨突出、関節拘縮、栄養状態、皮膚湿潤、皮膚の脆弱性などの危険要因、「環境とケアの要因」とさまざまな要素が複雑に関与しています。

このような理由から褥瘡発生に関係する、さまざまな側面を総合的に捉えて、褥瘡リスクを判定する必要があります。今回紹介したリスクアセスメントスケールの K式スケール以外にも効果が認められているリスクアセスメントスケールが開発されており、それが以下の 3 つになります。

  • ブレーデンスケール
  • 厚生労働省危険因子評価票
  • OH スケール

これらのリスクアセスメントスケールについては別の記事“【褥瘡のリスクアセスメント】OHスケールやK式スケール4種を解説”でまとめているため、こちらもご覧になっていただけると幸いです。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「K式スケール」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事がK式スケールについての理解を深めることに繋がり、臨床における質の高い褥瘡対策に少しでもお力添えになれば幸いです。


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参考文献

  1. 岡田克之.褥瘡のリスクアセスメントと予防対策.日本老年医学会雑誌,50巻,5号,2013:9,p583-591.
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