褥瘡危険因子評価票の8項目|厚生労働省様式と記録PDF

臨床手技・プロトコル
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褥瘡危険因子評価票は8項目を確認して看護計画へつなげる

一般に「厚生労働省の褥瘡危険因子評価票」と呼ばれる評価は、現行の別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」に設けられた「危険因子の評価」欄です。ベッド上での自力体位変換、イス上での坐位姿勢の保持・除圧、病的骨突出、関節拘縮、栄養状態低下、皮膚湿潤、浮腫、スキン-テアの保有・既往を確認します。

8項目の合計点を算出して危険度を段階づける尺度ではありません。公式様式では、「できない」または「あり」が1項目以上ある場合、該当する危険因子に対する看護計画を立案して実施する流れになっています。

この記事では、令和8年度の現行様式に沿って、公式8項目、点数の考え方、判定時に確認したい観察事実、看護計画への落とし込み、再評価方法を解説します。観察・対策・担当・再評価を記録できるA4補助シートも掲載しています。

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褥瘡危険因子評価票の要点

  • 現行の正式名称は別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」
  • 危険因子の評価欄には8項目がある
  • ベッド上とイス上の基本的動作能力は別々に判定する
  • 危険因子8項目の合計点は算出しない
  • 「できない」または「あり」が1項目以上なら看護計画へつなげる
  • 公式の判定と、実務上の観察・記録項目を区別する

褥瘡危険因子評価票の正式名称と位置づけ

現行の公式様式は、別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」です。「褥瘡危険因子評価票」という独立した名称の用紙ではなく、診療計画書の中に「危険因子の評価」欄が設けられています。

診療計画書には、危険因子8項目だけでなく、次の情報も含まれます。

  • 現在の褥瘡の有無と発生日
  • 過去の褥瘡の有無
  • 日常生活自立度
  • 危険因子への対処
  • 褥瘡がある場合のDESIGN-R2020による状態評価

危険因子評価の役割は、患者を合計点で順位づけることではありません。患者に存在する危険因子を特定し、重点的な観察、体位変換、支持面、スキンケア、栄養管理などの対策を決める入口として使用します。

チェックした時点が評価のゴールではない

「できない」「あり」に該当した理由を具体的に記録し、対策、実施担当、再評価日、状態変化時の見直し条件まで決めます。

評価対象と実施するタイミング

評価対象や実施頻度は、現行の診療報酬上の取り扱い、施設の褥瘡対策手順、病棟機能に沿って決定します。

現行の別紙様式43では、日常生活自立度としてJ1・J2、A1・A2、B1・B2、C1・C2を記録します。過去の様式でみられた「J1〜A2では評価票の作成を要しない」という注記は、令和8年度の現行様式では確認できません。

そのため、古い様式の注記をそのまま現行運用へ適用せず、施設で採用している最新の手順と算定要件を確認してください。

危険因子評価を実施・見直す主なタイミング
タイミング 確認する理由 見直す項目
入院・転棟時 初期状態と必要な褥瘡予防対策を把握する 8項目、皮膚、褥瘡の既往、日常生活自立度
手術後・急性増悪後 活動量や体位変換能力が低下する場合がある 体位変換、座位、栄養、浮腫、皮膚湿潤
長期臥床となったとき 同一部位への圧迫時間が増える 自力体位変換、骨突出、拘縮、支持面
摂取量・体重が低下したとき 栄養状態低下と皮膚脆弱性が進む可能性がある 栄養状態、浮腫、皮膚、創傷治癒
失禁・発汗が増えたとき 皮膚湿潤や浸軟が生じる可能性がある 皮膚湿潤、交換頻度、皮膚保護
支持面・介助方法の変更時 変更した対策が適切か確認する 皮膚、姿勢、動作、介助量、除圧状況

定期評価日だけでなく、発赤、活動量低下、失禁状態の変化、栄養状態の悪化、支持面変更などを前倒し再評価の条件として記録します。

危険因子8項目の合計点は算出しない

褥瘡危険因子評価票の8項目は、Braden ScaleやOHスケールのように点数を合算してリスク区分を決める評価ではありません。

基本的動作能力は「できる/できない」、その他の項目は「なし/あり」で判定します。該当した危険因子ごとに、必要な対策を計画します。

DESIGN-R2020の点数と混同しない

同じ診療計画書には、褥瘡がある場合に使用するDESIGN-R2020の状態評価欄があります。点数を合計するのは褥瘡の状態評価であり、危険因子8項目の判定ではありません。

たとえば「ベッド上で自力体位変換ができない」に該当した場合は、「危険因子1個」と数えるのではなく、次の内容を決めます。

  • 自力でできない動作と必要な介助量
  • 圧が持続する部位
  • 体位変換・ポジショニング方法
  • 使用する支持面
  • 皮膚観察の部位と頻度
  • 実施担当
  • 再評価日と前倒し条件

別紙様式43にある公式8項目

現行の別紙様式43では、褥瘡の危険因子として次の8項目を評価します。基本的動作能力は、ベッド上とイス上を別々に判定します。

褥瘡危険因子評価票の公式8項目と評価後の流れ
危険因子8項目の判定後は、観察事実、対策、担当、再評価へつなげます。
褥瘡対策に関する診療計画書の危険因子8項目
公式項目 判定 実務で確認する観察事実 対策へつなげる視点
基本的動作能力
ベッド上・自力体位変換
できる/できない 寝返り、位置修正、介助量、日中・夜間の実態 体位変換、ポジショニング、支持面、離床
基本的動作能力
イス上・坐位姿勢の保持、除圧
できる/できない 姿勢保持、座り直し、重心移動、自力除圧 座位時間、クッション、足台、介助除圧
病的骨突出 なし/あり 仙骨、尾骨、坐骨、踵、大転子などの突出 支持面、骨突出部の免荷、接触面積の拡大
関節拘縮 なし/あり 拘縮部位、固定肢位、体位変換・支持面への影響 無理のない体位、支持方法、介助方法の統一
栄養状態低下 なし/あり 摂取量、体重変化、栄養評価、治癒遅延 栄養評価、摂取支援、多職種での栄養介入
皮膚湿潤
多汗、尿失禁、便失禁
なし/あり 失禁回数、湿潤時間、浸軟、発汗、交換間隔 失禁ケア、皮膚保護、寝具・微気候の調整
皮膚の脆弱性
浮腫
なし/あり 部位、左右差、皮膚緊張、圧痕、経時変化 皮膚保護、摩擦・ずれ軽減、全身状態の共有
皮膚の脆弱性
スキン-テアの保有、既往
なし/あり 現在の損傷、既往部位、発生した動作・ケア場面 牽引・摩擦の軽減、介助方法、衣類・テープ類

表の観察項目は実務上の確認例

厚生労働省の公式様式が詳細な動作範囲、時間、回数などの一律カットオフを示しているわけではありません。観察事実を記録し、施設の手順に沿って「できる/できない」「なし/あり」を判定します。

ベッド上・自力体位変換の見方

ベッド上では、身体の一部が動くかではなく、圧を逃がすための体位変換や位置修正を実際に行えるかを確認します。

次の情報を観察すると、判定根拠を共有しやすくなります。

  • 左右への寝返りを完遂できるか
  • 仙骨部や踵部の位置を自分で変えられるか
  • 声かけ、見守り、ベッド柵、介助が必要か
  • 動作後に元の姿勢へ戻ってしまわないか
  • 疼痛、疲労、呼吸困難、麻痺の影響がないか
  • 日中だけでなく夜間も同じ能力を発揮できるか

記録例

上下肢の自発運動はあるが、骨盤・体幹を含む寝返りは完遂できない。夜間を含め自力での位置修正は困難であり、ベッド上・自力体位変換は「できない」と判定した。

「少し動いた」「リハビリ中に一度寝返りができた」という情報だけで判定せず、普段の療養環境で継続的に行えるかを確認します。

イス上・坐位姿勢の保持と除圧の見方

イス上では、座っていられることと、自力で姿勢を修正・除圧できることを分けて確認します。

背もたれやアームサポートで座位を保てても、自力で座り直しや重心移動ができなければ、坐骨部や仙尾骨部への圧が持続します。

  • 座位開始から姿勢が崩れるまでの時間
  • 骨盤後傾、前滑り、左右への傾き
  • 自力で座り直せるか
  • 左右への重心移動ができるか
  • 上肢で身体を持ち上げられるか
  • 足底、足台、座面、背支持が適切か
  • 介助除圧が必要な頻度と方法

記録例

車いす座位は背もたれ使用で保持できるが、15分程度で骨盤後傾と前滑りを認める。自力での座り直しと左右への除圧は困難であり、「できない」と判定した。

病的骨突出と関節拘縮の見方

病的骨突出と関節拘縮は、特定部位への圧集中や、体位変換・ポジショニングを難しくする危険因子です。

病的骨突出

仙骨、尾骨、坐骨、大転子、踵などを確認します。突出の有無だけでなく、皮膚所見、姿勢、支持面との接触、圧が持続する場面を記録します。

  • 骨突出部位
  • 発赤、熱感、硬結、疼痛
  • 臥位・座位での接触状態
  • やせ、筋量低下、軟部組織の減少
  • 現在使用している支持面

関節拘縮

拘縮の有無だけでなく、どの関節が、どの肢位で、体位変換や支持面への接触に影響しているかを確認します。

  • 拘縮部位と固定肢位
  • 仰臥位・側臥位を取れるか
  • 骨突出部への圧集中
  • クッションを挿入できる空間
  • 体位変換時の疼痛と介助方法

記録例:両股・膝関節に屈曲拘縮あり。仰臥位では骨盤後傾と踵部への圧集中を認め、側臥位保持にも介助を要する。クッション配置と踵部免荷方法を統一する。

栄養状態低下と皮膚湿潤の見方

栄養状態低下と皮膚湿潤は、印象だけで判定せず、摂取量、体重変化、失禁状況、皮膚所見などの観察事実を残します。

栄養状態低下

栄養状態低下の判断では、単一の検査値だけでなく、施設で使用する栄養評価と臨床経過を確認します。

  • 食事・経管栄養の摂取状況
  • 摂取量低下が続いている期間
  • 体重と体重変化
  • 筋量・体格の変化
  • 浮腫の影響
  • 創傷治癒や皮膚状態
  • 管理栄養士による評価

「アルブミン値が低いからあり」など、単一項目のみを独自の判定基準にせず、施設の栄養評価手順に沿って判断します。

皮膚湿潤

皮膚湿潤は、観察した瞬間に皮膚が乾いているかだけで判断しません。尿・便失禁、発汗、湿潤時間、交換間隔、浸軟を確認します。

  • 尿・便失禁の回数
  • 湿潤状態が続く時間
  • おむつ・パッドの交換間隔
  • 殿部・会陰部の浸軟や発赤
  • 発汗と寝具内の蒸れ
  • 皮膚保護剤の使用状況

記録例

尿失禁後に殿部の湿潤が持続し、会陰部に浸軟を認める。皮膚湿潤「あり」と判定し、交換方法、皮膚保護、寝具環境を見直す。

浮腫とスキン-テアの見方

浮腫とスキン-テアは、現行様式では「皮膚の脆弱性」に含まれます。

皮膚の脆弱性・浮腫

浮腫がある場合は、皮膚が緊張し、摩擦やずれの影響を受けやすくなります。浮腫の有無に加え、次の情報を記録します。

  • 浮腫の部位と左右差
  • 圧痕の有無
  • 皮膚の緊張、光沢、脆弱性
  • 経時変化
  • 更衣・移乗・体位変換時の摩擦
  • 呼吸・循環状態の変化

急な浮腫増悪や呼吸・循環状態の変化がある場合は、褥瘡対策だけで完結せず、速やかに医師・看護師へ共有します。

皮膚の脆弱性・スキン-テアの保有、既往

現在のスキンテアだけでなく、過去の保有・既往も「あり」の対象です。発生した動作やケア場面まで確認し、再発予防へつなげます。

  • 現在・過去の発生部位
  • 更衣、移乗、体位変換との関係
  • ベッド柵・車いす・医療機器との接触
  • テープやドレッシング材の剥離
  • 介助者の把持部位
  • 衣類・寝具の摩擦

記録例:右前腕にスキンテアの既往あり。更衣時に前腕を把持して牽引した場面で発生しており、介助方法と把持部位を多職種で統一する。

1項目以上該当したら観察・対策・担当・再評価へつなげる

「できない」または「あり」が1項目以上ある場合は、該当した危険因子への看護計画を立案して実施します。

1.観察事実を残す

できない動作、皮膚所見、介助量、頻度、発生場面を具体的に記録します。

2.対策を決める

体位変換、支持面、湿潤ケア、栄養、離床、介助方法へ変換します。

3.担当を決める

看護師、リハ、管理栄養士、医師など、実施・確認する担当を明確にします。

4.再評価条件を決める

次回評価日と、発赤・活動量低下・支持面変更などの前倒し条件を決めます。

対策は「体位変換を行う」のような抽象的な表現だけでなく、実施方法、確認部位、担当、見直し条件まで具体化します。

診療計画書・看護計画への落とし込み例

危険因子から計画へつなげる記載例
危険因子 観察・問題 具体的な対策 再評価
ベッド上・自力体位変換ができない 寝返りと位置修正が困難で、仙骨部への圧が持続する 体位変換方法、ポジショニング、支持面、踵部免荷を統一する 発赤、姿勢保持、介助量、体動変化を確認する
イス上・除圧ができない 座位で骨盤後傾が進み、自力で座り直しができない 座位時間、クッション、足台、介助除圧方法を調整する 姿勢崩れまでの時間、皮膚所見、介助量を確認する
栄養状態低下あり 摂取量低下と体重減少があり、皮膚の脆弱化が懸念される 摂取量記録、栄養評価、食形態・補助栄養を検討する 摂取量、体重、浮腫、皮膚・創傷状態を確認する
皮膚湿潤あり 尿失禁により殿部の湿潤と浸軟が持続している 交換間隔、洗浄方法、皮膚保護、寝具環境を見直す 湿潤時間、浸軟、発赤、失禁回数を確認する
スキン-テア既往あり 更衣・移乗時の牽引により再発しやすい 把持部位、介助方法、衣類、テープ類の使用を統一する 発赤、表皮剥離、発生動作、介助方法を確認する

理学療法士が確認したいポイント

理学療法士は、患者が実際の療養環境で圧を逃がせるか、姿勢と動作が皮膚へどのように影響するかを確認します。

特に、次の情報を看護師や介護職と共有します。

  • ベッド上での寝返り・位置修正能力
  • 日中と夜間の体動差
  • 車いす上の姿勢崩れと除圧能力
  • 骨盤後傾・前滑りと仙尾骨部への圧
  • 関節拘縮とクッション配置への影響
  • 支持面変更後の寝返り・起き上がり・移乗
  • 疼痛、呼吸状態、疲労による能力変動

PT記録の例:右股関節伸展制限により仰臥位で骨盤が右回旋し、仙骨右側へ圧が集中する。30度側臥位では疼痛が増強するため、支持面とクッション位置を調整し、皮膚反応を再評価する。

具体的な体位とクッション配置は、褥瘡予防ポジショニングの実践で整理しています。

褥瘡危険因子評価票の記録方法

記録は、判定だけでなく、観察事実、対策、担当、再評価を一つの流れで残します。

記録例

危険因子の評価:ベッド上・自力体位変換「できない」、イス上・坐位姿勢の保持・除圧「できない」、栄養状態低下「あり」、皮膚湿潤「あり」。

自力寝返りは困難。車いす座位では15分で骨盤後傾と前滑りを認め、自力での座り直しはできない。食事摂取量5割以下が継続し、尿失禁後に殿部の湿潤が持続している。

体位変換、支持面、車いすクッション、座位時間、皮膚保護、栄養評価を計画へ反映する。看護師、理学療法士、管理栄養士で役割を共有する。

皮膚発赤、活動量低下、摂取量低下、失禁状態変化、支持面変更時は予定日を待たずに再評価する。

短く記録する場合は、次の型を使用できます。

  • 判定:できない・ありに該当した項目
  • 根拠:動作、皮膚、介助量、頻度、発生場面
  • 対策:体位変換、支持面、栄養、湿潤管理、介助方法
  • 担当:実施・確認する職種
  • 再評価:予定日と前倒し条件

褥瘡危険因子の評価・対策 記録補助シートPDF

公式8項目の判定、観察事実、対策、重点項目、担当、再評価条件をA4縦1ページに記録できます。

A4縦・1ページ

褥瘡危険因子の評価・対策 記録補助シート v2

公式8項目と、発熱、せん妄、意識・鎮静、麻痺、医療機器などの補足危険因子を分けて記録できます。

褥瘡危険因子の記録補助シートPDFを開く

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PDFを表示できない場合は、褥瘡危険因子の記録補助シートPDFを開くから確認してください。

公式様式の代替ではありません

PDFは、公式8項目を具体的な対策と再評価へつなげるための非公式な記録補助資料です。院内で使用する際は、施設の正式な診療計画書と運用手順に沿ってください。

危険因子評価票で起こりやすい間違い

褥瘡危険因子評価票の間違いと修正方法
間違い 問題 修正方法
8項目の合計点を計算する 項目別の危険因子と対策が曖昧になる 点数化せず、該当項目ごとに計画を立てる
DESIGN-Rの点数と混同する 危険因子評価と褥瘡状態評価の役割が混在する 8項目と褥瘡状態評価を別々に記録する
ベッド上とイス上を一括する 座位でのみ生じる保持・除圧困難を見落とす 2項目を別々に判定する
判定根拠を書かない 評価者が変わると判断を再現できない 観察事実、介助量、頻度、皮膚所見を残す
チェック後に計画を立てない 評価が褥瘡予防行動へつながらない 対策、担当、再評価条件まで決定する
古いJ1〜A2除外注記を使用する 現行様式と異なる運用になる可能性がある 令和8年度の様式と施設の最新手順を確認する
再評価日だけを設定する 次回評価前の状態悪化を見逃す場合がある 発赤、活動量低下、支持面変更などの条件も決める

Braden Scale・OHスケールとの違い

褥瘡危険因子評価票、Braden Scale、OHスケールは、判定形式と役割が異なります。

褥瘡リスク評価方法の違い
評価方法 判定形式 主な役割 運用のポイント
褥瘡危険因子評価票 できる/できない、なし/あり 危険因子を拾い、看護計画へつなげる 合計点を算出せず、該当項目ごとに対策する
Braden Scale 6項目の点数と合計点 褥瘡リスクを多面的に評価する 合計点と低得点項目の両方を確認する
OHスケール 4項目の点数と合計点 体位変換、骨突出、浮腫、拘縮を評価する 点数の内訳を支持面・体位管理へつなげる

他の尺度を追加するかは、施設の運用と評価目的に応じて判断します。各評価の詳しい違いは、褥瘡リスク評価スケールの使い分けで確認できます。

褥瘡危険因子評価票のよくある質問

各質問をタップすると回答が開きます。

褥瘡危険因子評価票は合計点で判定しますか?

危険因子8項目の合計点は算出しません。基本的動作能力を「できる/できない」、その他を「なし/あり」で確認し、該当項目ごとに対策を立てます。

正式な様式名は何ですか?

令和8年度の現行様式では、別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」です。その中に危険因子の評価欄があります。

8項目のうち1項目だけ該当した場合も計画が必要ですか?

公式様式では、「できない」または「あり」が1項目以上ある場合に看護計画を立案して実施すると示されています。該当した危険因子に対応する具体的な対策を決めます。

ベッド上とイス上の基本的動作能力は別々に評価しますか?

別々に評価します。ベッド上で寝返りができても、イス上で姿勢保持や自力除圧ができない場合があるためです。

J1〜A2では評価票を作成しなくてよいですか?

過去の様式にはJ1〜A2で作成不要とする注記がありましたが、令和8年度の現行様式では確認できません。対象は施設の最新手順と診療報酬上の取り扱いに沿って判断してください。

DESIGN-R2020の点数とは何が違いますか?

危険因子8項目は褥瘡発生につながる要因を確認する評価で、合計点を算出しません。DESIGN-R2020は、すでに存在する褥瘡の状態を評価する別の欄です。

その他の危険因子は8項目に含まれますか?

発熱、せん妄、鎮静、麻痺、医療機器などは重要ですが、公式8項目には含まれません。診療計画書や看護計画の補足情報として、公式項目と分けて記録します。

記事のPDFは厚生労働省の公式様式ですか?

公式様式ではありません。公式8項目の判定理由、対策、担当、再評価条件を整理するための非公式な記録補助シートです。

まとめ|危険因子をチェックして看護計画へつなげる

一般に褥瘡危険因子評価票と呼ばれる評価は、別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」の危険因子評価欄です。

公式8項目は、ベッド上・自力体位変換、イス上・坐位姿勢の保持と除圧、病的骨突出、関節拘縮、栄養状態低下、皮膚湿潤、浮腫、スキン-テアの保有・既往です。

8項目の合計点は算出しません。「できない」または「あり」が1項目以上ある場合は、該当する危険因子への看護計画を立案し、実施します。

判定だけで終わらず、観察事実、具体的な対策、実施担当、再評価日、前倒し再評価条件まで記録することが重要です。

厚生労働省の現行様式

令和8年度診療報酬改定の公式資料

別紙様式43「褥瘡対策に関する診療計画書」は、医科様式PDF内に掲載されています。

参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 2026.
  2. 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について:様式(医科). 別紙様式43 褥瘡対策に関する診療計画書. 2026.
  3. 日本褥瘡学会. 褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版. 東京: 照林社; 2022.
  4. 日本皮膚科学会. 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―2 褥瘡診療ガイドライン(第3版). 日皮会誌. 2023;133(12):2735-2797.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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