登録理学療法士の取り方|前期・後期・更新の全体像
この記事は、登録理学療法士を取りたい理学療法士に向けて、前期研修 → 後期研修 → 更新までの流れを 1 ページで整理した総論です。何から始めるか、どこで止まりやすいか、更新で何を見落としやすいかを先に固定できます。
一方で、D-1 / D-2 の個別判定、旧制度からの移行の個別ケース、認定・専門理学療法士の詳細要件までは本ページで深掘りしません。そこは公式資料を確認しつつ、前期・後期の各論記事へ進む前提で読んでください。
関連:後期研修の進め方 / 更新で見落としやすい点
まずは 5 分フロー(取得 → 更新)
- 前期研修の全体像を確認し、実地研修を回す枠を先に決める
- 後期研修は領域を 1 つ仮決めし、症例検討会の予定を後回しにしない
- 前期・後期の要件を満たしたら登録理学療法士へ進む
- 取得後は、更新年度の直前で慌てないように年 2 回だけ棚卸しする
進行管理シートをダウンロード
前期・後期・更新を同時に追うと、どこまで終わったかが曖昧になりやすいです。先に記録シートを 1 枚用意しておくと、履修状況の棚卸しがしやすくなります。
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公式の一次情報(最終確認はここ)
制度は見直しが続いているため、ブログは「入口」、最終確認は必ず公式ページで行うのが安全です。特に更新や見直し情報は年度で扱いが変わることがあります。
まずは次の 5 本をブックマークしておくと、迷いにくくなります。
- 生涯学習制度について( JPTA 公式)
- 前期研修について( JPTA 公式)
- 後期研修について( JPTA 公式)
- 登録理学療法士更新について( JPTA 公式)
- 生涯学習制度の見直し( JPTA 公式)
前期 → 後期 → 更新の全体像(早見)
※スマホでは表が横スクロールになる場合があります。
| 区分 | 修了の骨格 | 先に決めること | 止まりやすい点 | 最初の 1 手 |
|---|---|---|---|---|
| 前期研修 | 座学 22 コマ + 実地研修 32 コマ | 実地研修の担当者・頻度・振り返り方法 | 座学は進むが、実地の運用が曖昧で止まる | 週 1 回 20 分の振り返り枠を固定する |
| 後期研修 | 座学 51 コマ + 実地経験 3 年 + 領域別研修(事例) | どの領域で進めるか | 領域が揺れる/症例検討会を後回しにする | 症例が集まりやすい領域を 1 つ仮決めする |
| 更新 | 登録後 5 年ごとの更新制 | 棚卸しの時期と保存場所 | 最終年度に不足へ気づく | 4 月・10 月だけ履修状況を見る |
前期研修の要点|座学より先に「実地の運用」を決める
前期研修で詰まりやすいのは、座学よりも実地研修の回し方です。担当者が誰か、どの頻度で振り返るか、何を残すかが曖昧だと、受講だけ進んで臨床に結びつきにくくなります。
先に固定したいのは、週 1 回 20 分の短い振り返りです。対象 1 症例について「目的 / 所見 / 判断 / 次回」を 4 行で残すだけでも、実地が止まりにくくなります。実地研修の細則は必ず公式を確認してください。
なお、前期の D 実地研修は事前にマイページで履修区分を確認する必要があります。D-2 の場合は、他施設での見学研修、e ラーニング、症例検討会の聴講などの代替方法があるため、早めに確認しておくと終盤の取りこぼしを減らせます。
後期研修の要点|「領域を 1 つ」にして症例検討会を後回しにしない
後期研修は、座学 51 コマに加えて、実地経験 3 年と領域別研修(事例)を進めます。止まりやすいのは、領域が決まらず学習が分散することと、症例検討会を「あとでまとめて取ろう」と考えることです。
迷ったら、まずは症例が集まりやすい領域を 1 つ仮決めしてください。そのうえで、年に 1 回でもよいので症例検討会の予定を早めに押さえておくと、最後に詰まりにくくなります。後期の進め方を細かく整理したい方は 後期研修の進め方 もあわせて確認してください。
症例検討会は年度で開催方法や頻度が変わるため、必ずセミナー検索画面や士会の案内で最新日程を確認しましょう。
更新の要点|年 2 回だけ棚卸しして、最終年度の不足を防ぐ
登録理学療法士は5 年ごとの更新制です。更新で最も多い失敗は、最終年度に入ってから不足へ気づくことです。対策は、毎月追いかけることではなく、年 2 回だけ確認日を固定することです。
現在の公式案内では、登録理学療法士更新に関する見直しとして、更新時研修( e ラーニング )の受講料無償化や、活動対象期間の見直しが示されています。更新年度の扱いは毎年確認し、必要なら該当年度の案内ページを開いてチェックしてください。
※スマホでは表が横スクロールになる場合があります。
| つまずき | 起こりやすいこと | 回避策 | 最小ルーチン |
|---|---|---|---|
| 最終年度まで放置する | 日程が合わず、必要分が埋まらない | 4 月・10 月の 2 回だけ確認する | 5 分で差分をメモする |
| 見直し情報を追えていない | 条件の読み違いが起きる | 更新ページと見直しページをブックマークする | 年度が変わったら最初に確認する |
| 履修記録の置き場所が散る | 後から確認に時間がかかる | 年度ごとに保存先を 1 つにする | 確認日ごとに 1 回だけ整理する |
現場の詰まりどころ|止まるのは「実地」と「症例検討会」と「更新の先送り」
制度の理解で止まるというより、止まりやすいのは運用の固定が遅いことです。特に前期は実地、後期は症例検討会、更新は先送りがボトルネックになります。
※スマホでは表が横スクロールになる場合があります。
| 場面 | 止まりやすい点 | 立て直しの 1 手 | 続けるコツ |
|---|---|---|---|
| 前期 | 実地研修の担当者・頻度が曖昧 | 週 1 回 20 分の振り返り枠を固定する | 4 行メモでよいので残す |
| 後期 | 領域が決まらず、学習が分散する | 症例が集まりやすい領域を 1 つ仮決めする | 3 か月だけ固定して回す |
| 後期 | 症例検討会を後回しにする | 年 1 回でも先に予定を入れる | 出す症例候補を先に 1 人決める |
| 更新 | 確認を最終年度まで延ばす | 4 月・10 月の確認日に固定する | 差分だけ埋める考え方にする |
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. まず何から始めればいいですか?
A. 最初に決めたいのは、前期研修の「実地をどう回すか」です。担当者、振り返り頻度、記録の残し方を固定すると、座学も臨床に結びつきやすくなります。
Q2. 前期研修で一番止まりやすいのはどこですか?
A. 実地研修の運用です。座学は進めやすい一方、実地は担当者や頻度が曖昧だと止まりやすくなります。まずは週 1 回 20 分の振り返り枠を作るのがおすすめです。
Q3. D-1 / D-2 はどこで確認しますか?
A. 前期研修の D 実地研修は、マイページの生涯学習管理から履修状況を確認します。D-2 の場合は、他施設での見学研修、e ラーニング、症例検討会の聴講などの代替方法があります。
Q4. 後期研修の領域はどう選べばいいですか?
A. 迷ったら、興味だけでなく「症例が集まりやすいか」で決めると失敗しにくいです。3 か月だけ仮決めし、学習と症例検討会が回るかで判断してください。
Q5. 更新で一番多い失敗は何ですか?
A. 最終年度に入ってから不足へ気づくことです。毎月追う必要はなく、4 月・10 月の年 2 回だけ履修状況を確認し、差分だけ埋める運用が現実的です。
次の一手
全体像をつかんだあとは、前期と後期を分けて固めると進めやすくなります。
参考文献・参考リンク
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):生涯学習制度について(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):前期研修について(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/zenki/
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):前期研修:D 実地研修(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/registered/zenki_d/
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):後期研修について(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/kouki/
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):登録理学療法士更新について(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/registered/
- 公益社団法人 日本理学療法士協会( JPTA ):生涯学習制度の見直し(公式).https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/minaoshi/
- Leahy E, Chipchase L, Blackstock F. Which learning activities enhance physiotherapy practice? A systematic review protocol of quantitative and qualitative studies. Syst Rev. 2017;6(1):83. doi: 10.1186/s13643-017-0475-x / PubMed: PMID: 28416011
- Gunn H, Goding L. Continuing Professional Development of physiotherapists based in community primary care trusts: a qualitative study investigating perceptions, experiences and outcomes. Physiotherapy. 2009;95(3):210-215. doi: 10.1016/j.physio.2007.09.003 / PubMed: PMID: 19635341
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


