理学療法士の後期研修|51コマ・症例検討会・実地経験36か月

制度・実務
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理学療法士の後期研修は51コマ+実地経験36か月

理学療法士の後期研修は、前期研修修了後に座学51コマと実地経験3年(36か月)を満たすことで修了します。3年は最短履修期間であり、「3年以内にすべて終わらなければならない」という意味ではありません。

特に迷いやすいのが、C:領域別研修(座学)の27コマ中19コマという履修方法、E:領域別研修(事例)のE-1〜E-3を各2コマという症例検討会、そして実地経験36か月の勤務先登録です。本記事では、2026年9月時点の日本理学療法士協会の情報をもとに、「何を何コマ履修し、次に何を確認すればよいか」を順番に整理します。

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2027年4月にeラーニング講義内容の見直し予定

2027年4月1日から、後期研修を含む一部eラーニングの講義内容が見直される予定です。ただし、日本理学療法士協会は履修要件・カリキュラムに変更はないと案内しています。2026年9月時点では、後期研修の修了要件は座学51コマ+実地経験36か月です。

後期研修51コマの内訳|まずA〜Fの修了要件を確認する

後期研修では、A〜Fに設定された講義のうち合計51コマを履修します。C:領域別研修(座学)が27コマ中19コマの選択制になっているため、「すべての設定講義を受ける」のではなく、区分ごとの修了要件を確認することが重要です。

理学療法士の後期研修の修了要件。座学51コマ、E領域別研修のE-1神経系・E-2運動器障害系・E-3内部障害系各2コマ、実地経験36か月の条件を整理した図版
後期研修は「座学51コマ」と「実地経験36か月」の両方を満たします。E:領域別研修(事例)の6コマは座学51コマに含まれます。図版下部の進め方は当サイトの進捗管理例であり、協会の公式修了要件ではありません。
理学療法士の後期研修|座学51コマの内訳
区分 設定コマ 修了に必要 確認ポイント
A:臨床推論 4コマ 4コマ 全コマ履修
B:臨床疫学(演習) 4コマ 4コマ 全コマ履修
C:領域別研修(座学) 27コマ 19コマ 各領域の必須項目+選択項目
D:関連領域 5コマ 5コマ 全コマ履修
E:領域別研修(事例) 6コマ 6コマ E-1〜E-3を各2コマ
E:領域別研修(育成) 5コマ 5コマ 全コマ履修
F:最新の知見 8コマ 8コマ 全コマ履修
合計 59コマ 51コマ Cが27コマ中19コマ

A・B・C・D・E(育成)・Fは、士会主催研修会またはeラーニングで履修できます。一方、E:領域別研修(事例)は症例検討会で履修する区分で、eラーニングでは履修できません。

C:領域別研修(座学)は27コマ中19コマ|1領域だけでは修了できない

C:領域別研修(座学)は、「興味のある1領域だけを19コマ受ける」という仕組みではありません。各領域の必須項目を2コマずつ履修し、さらに全領域の中から選択項目9コマを履修して、合計19コマとします。

C:領域別研修(座学)19コマの考え方
区分 領域 履修の考え方
C-1 神経系理学療法学 必須項目を履修
C-2 運動器系理学療法学 必須項目を履修
C-3 内部障害系理学療法学 必須項目を履修
C-4 病期別理学療法学 必須項目を履修
C-5 周辺領域と理学療法 必須項目を履修
選択項目 C-1〜C-5全体 全領域から9コマを選択

必須項目は5領域×2コマ=10コマです。そこへ選択9コマを加えて、合計19コマとなります。

選択9コマは、自分の勤務領域や今後深めたいテーマを考えて決められます。ただし、「主領域を1つ選べばCが修了する」という制度ではないため、まず各領域の必須項目が履修済みかを確認してください。

E:領域別研修(事例)はE-1〜E-3を各2コマ履修する

後期研修で早めに予定を確認しておきたいのが、E:領域別研修(事例)=症例検討会です。E-1・E-2・E-3の3テーマをそれぞれ2コマ履修し、合計6コマを満たします。

E:領域別研修(事例)で必要な3テーマ
テーマ 領域 必要コマ
E-1 神経系理学療法学 2コマ
E-2 運動器障害系理学療法学 2コマ
E-3 内部障害系理学療法学 2コマ
合計 3テーマ 6コマ

自分の専門領域や勤務領域だけ2コマ取得しても、E:領域別研修(事例)の修了にはなりません。神経系・運動器障害系・内部障害系の3テーマすべてで2コマずつ必要です。

発表1回=1コマ、聴講1回=1/3コマで逆算する

症例検討会では、発表と聴講で取得できるコマ数が異なります。発表者は1回の発表で1コマ、聴講者は1回の聴講で1/3コマです。3回聴講すると1コマになります。

症例検討会の発表・聴講と取得コマ
参加方法 取得コマ 1テーマ2コマを満たす例
発表 1回=1コマ 発表2回
発表+聴講 発表1コマ+聴講1回1/3コマ 発表1回+聴講3回
聴講のみ 1回=1/3コマ 聴講6回

したがって、聴講だけで1テーマ2コマを満たすには6回、E-1〜E-3の6コマすべてを聴講のみで満たす場合は合計18回が必要です。

日本理学療法士協会では、いずれかのテーマで1回発表することを努力義務としていますが、発表しなければ修了できないわけではなく、聴講のみでも修了できます。

症例検討会は3種類|参加前に履修付与対象か確認する

後期研修Eの履修付与対象となる症例検討会は、次の3種類です。

  • 日本理学療法士協会が主催する症例検討会
  • 都道府県理学療法士会が主催する症例検討会
  • 都道府県理学療法士会が承認した症例検討会

施設内で行っている症例検討会が自動的に後期研修のコマになるわけではありません。士会承認症例検討会として開催する場合は、座長が所属する都道府県理学療法士会へ開催申請を行い、承認を受ける必要があります。

症例検討会は開催時期・テーマ・取得できるコマを先に確認し、E-1・E-2・E-3のどこが不足しているかを見ながら参加すると管理しやすくなります。

実地経験36か月|勤務先未登録の期間は遡って加算できない

実地経験36か月は、単に「理学療法士として3年間働いた」ことで満たす要件ではありません。後期研修開始後に、日本理学療法士協会へ在会し、マイページへ勤務先を登録している期間が実地経験としてカウントされます。

後期研修の実地経験36か月で確認すること
確認項目 扱い 注意点
開始時点 後期研修開始後からカウント 後期研修開始前の経験年数は加算されない
在会状況 日本理学療法士協会に在会 在会状態を確認する
勤務先 マイページへ勤務先を登録 未登録だった期間は遡って加算できない
就労状況 勤務先を登録する場合は「働いている」を選択 実地経験カウント中は登録状態を確認する

特に注意:実際に働いていても勤務先未登録期間は取り戻せません

後期研修中に実際は働いていても、マイページに勤務先を登録していなかった期間について、後から勤務先登録をして過去へ遡って実地経験へ加算することはできません。異動・転職・復職時は、勤務先情報を早めに確認してください。

また、後期研修開始前に理学療法士として3年以上働いていた場合でも、その経験年数を実地経験36か月へ読み替えることはできません。実地経験は後期研修開始後からカウントされます。

後期研修は3年以上かかっても問題ない|3年は最短履修期間

後期研修の「3年」は、修了期限ではなく最短履修期間です。座学や症例検討会の履修に3年以上かかっても、後期研修を継続して修了できます。

一方で、座学51コマを早く終えても、実地経験36か月を満たすまでは後期研修を修了できません。そのため、「座学がどこまで終わったか」だけを見るのではなく、51コマ・E-1〜E-3・実地経験36か月を別々に確認することが重要です。

最短3年で進めるなら|3つの進捗を分けて確認する

後期研修を最短3年で進めたい場合は、座学51コマ、E:症例検討会、実地経験36か月を別々に管理すると現在地が分かりやすくなります。以下は協会の公式な履修順序ではなく、rehabilikunblogが提案する進捗管理例です。

後期研修を進めるときの3レーン管理例
確認項目 1年目 2年目 3年目
座学51コマ A〜Fの履修を開始し、Cの必須項目も確認する 未履修コマを減らす 51コマを満たしたか最終確認
E:症例検討会 E-1〜E-3の開催予定と現在地を確認する 発表・聴講で不足コマを減らす 3テーマ各2コマを満たしたか確認
実地経験 在会・勤務先登録を確認する 異動・転職時は登録情報を更新する 36か月のカウント状況を確認する

症例検討会は開催日程に左右されるため、座学より早い段階で予定を確認しておくと不足を把握しやすくなります。ただし、「特定の領域を1つ選ぶ」こと自体は後期研修の公式要件ではありません。E-1〜E-3をそれぞれ2コマ履修することを基準に管理してください。

進捗確認の頻度にも公式指定はありません。半年程度を目安に確認する場合は、「完了した項目」よりもあと何コマ・あと何テーマ・実地経験あと何か月かを確認すると、次の行動を決めやすくなります。

後期研修で迷いやすい4つのポイント

後期研修では、修了要件の読み違いや登録漏れによって「進めていたつもりなのに不足していた」という状態を避けることが重要です。特に次の4点を確認してください。

後期研修で起こりやすい勘違いと確認方法
迷いやすい点 誤解しやすい考え方 正しく確認すること
講義C 好きな1領域だけ選べばよい 27コマ中19コマ。各領域の必須項目+選択9コマ
症例検討会 自分の専門領域だけでよい E-1〜E-3を各2コマ
実地経験 実際に働いていれば後から登録できる 在会・勤務先登録を確認。未登録期間は遡れない
履修期間 3年以内に終わらないと修了できない 3年は最短履修期間で、3年以上でも修了可能

後期研修 修了要件・進捗チェックシート|Excel・PDF

後期研修の51コマ、Cの19/27コマ、E-1〜E-3各2コマ、発表・聴講、実地経験36か月をA4 1枚で確認できる進捗チェックシートを作成しました。

Excel版は、取得コマや発表・聴講回数、実地経験月数を入力しながら管理したい場合に使用できます。PDF版は、印刷して手書きで現在地を確認したい場合に使用してください。

Excel版|入力しながら進捗を管理

取得コマや発表・聴講回数を入力して、残りの要件を確認したい場合に向いています。

Excelを開く・ダウンロードする

PDF版|印刷して手書きで確認

A4で印刷し、研修の現在地や次に行うことを書き込みたい場合に向いています。

PDFを開く・ダウンロードする

このチェックシートは、後期研修の進捗整理を補助するためのrehabilikunblog独自資料です。日本理学療法士協会の公式修了判定票ではありません。最終的な履修状況は、マイページと最新の公式情報で確認してください。

PDFプレビューを表示する

PDFが表示されない場合は、こちらからPDFを開いてください

理学療法士の後期研修でよくある質問

Q1. 後期研修は3年以内に終わらないといけませんか?

A. いいえ。3年は最短履修期間です。座学や症例検討会の履修に3年以上かかっても問題ありません。

Q2. C:領域別研修(座学)は好きな領域だけ受ければよいですか?

A. いいえ。Cは27コマ中19コマを履修します。各領域の必須項目を2コマずつ履修し、さらに全領域の中から選択項目9コマを履修します。

Q3. E:領域別研修(事例)は発表しないと修了できませんか?

A. 発表は努力義務ですが、聴講のみでも修了できます。発表は1回1コマ、聴講は1回1/3コマとして履修されます。

Q4. 症例検討会をすべて聴講だけで終える場合は何回必要ですか?

A. 各テーマ2コマを聴講だけで満たす場合は、1テーマにつき6回です。E-1〜E-3の3テーマすべてを聴講のみで満たす場合は、合計18回となります。

Q5. 勤務先を登録し忘れていた期間は後から実地経験に加算できますか?

A. できません。後から勤務先を登録しても、勤務先未登録だった過去の期間へ遡って実地経験を加算することはできません。異動・転職・復職時は早めに登録状況を確認してください。

Q6. 後期研修開始前の理学療法士経験を36か月に含められますか?

A. できません。実地経験は後期研修開始後からカウントされるため、後期研修開始前の経験年数を36か月へ読み替えることはできません。

次の一手

まずマイページを開き、51コマの履修状況、E-1〜E-3の取得コマ、実地経験月数、勤務先登録を確認してください。そのうえで、今回のExcelまたはPDFへ「まだ残っている要件」だけ書き出すと、次に何をすればよいか整理しやすくなります。

前段階である前期研修の修了要件やD実地研修を確認したい場合は、理学療法士の前期研修の進め方で整理しています。


参考文献・公式情報

  1. 公益社団法人日本理学療法士協会. 登録理学療法士の取得方法 [Internet]. 2026年9月4日閲覧. Available from: https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/zenki-kouki/
  2. 公益社団法人日本理学療法士協会. 後期研修について [Internet]. 2026年9月4日閲覧. Available from: https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/kouki/
  3. 公益社団法人日本理学療法士協会. 後期研修に関するFAQ [Internet]. 2026年9月4日閲覧. Available from: https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/asset/pdf/kouki_2.pdf
  4. 公益社団法人日本理学療法士協会. 生涯学習制度の見直し [Internet]. 2026年9月4日閲覧. Available from: https://www.japanpt.or.jp/pt/lifelonglearning/new/minaoshi/

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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