PT の 1 日を「忙しさで回す」から「設計して回す」へ
このハブは、PT の「1 日の流れ」「記録の詰まり」「残業の原因」を、職場タイプ別(回復期/訪問など)と困りごと別に整理して、最短で答えにたどり着けるようにまとめたページです。
まずは“モデル日課”で全体像をつかみ、次に自分の職場・悩みに合う記事へ進むと、時間の使い方が整いやすくなります。核になる記事は PT の 1 日のスケジュール例 です。
最短 5 分:まず読む 3 本(迷ったらここ)
「結局、今日から何を変えればいい?」に直結する導線を 3 本に絞りました。最初に全体像を押さえてから、必要な深掘りに進むのが最短です。
回復期と訪問は“同じ 1 日”に見えて、時間を溶かす原因が違います。自分の現場に近いところから読むだけで OK です。
| おすすめ順 | 記事 | 得られること | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 1 | PT の 1 日のスケジュール例(回復期/訪問) | モデル日課と時間配分の考え方 | まず全体像を知りたい |
| 2 | 回復期 PT 業務 Q&A | 回復期の詰まりどころを Q&A で解決 | 回復期で忙しさが抜けない |
| 3 | 訪問リハの働き方(件数・移動・記録) | 訪問の時間が溶けるポイントを整理 | 訪問で 1 日が読めない |
職場別:回復期/訪問で「時間の溶け方」が違う
回復期は“院内の連携と予定の割り込み”、訪問は“移動と報告の連鎖”が時間を押します。どこでバッファを作るかを先に決めると、残業が減りやすいです。
下の早見で、自分の職場に近い項目を拾ってから、該当記事へ進んでください。
| 職場タイプ | 時間が崩れやすい場面 | 設計のコツ | 次に読む |
|---|---|---|---|
| 回復期 | カンファ、家族対応、急な依頼、病棟都合の変更 | 午後に“記録バッファ”を固定で確保する | 回復期 PT 業務 Q&A |
| 訪問 | 移動遅延、追加訪問、電話連絡、報告書の集中 | 1 日の最初に“移動+連絡”の余白を持つ | 訪問リハの働き方 |
困りごと別:よく詰まるのは「記録」と「忙しさ」
残業の多くは、単位そのものより「記録が後ろ倒しになる設計」で起きます。まずは“どこで詰まっているか”を 1 個に特定すると、対策が刺さりやすいです。
「忙しすぎる」は、仕事量だけでなく“割り込みが多い/見えない作業が多い”でも起こります。原因別に打ち手を切り替えましょう。
| 困りごと | 起きやすい原因 | 最初の 1 手 | 次に読む |
|---|---|---|---|
| 記録が終わらない | 書くタイミングが固定されていない/入力が分散 | “記録ブロック”を 1 日 1 回固定する | 書類業務が辛いときの整理 |
| 忙しすぎてしんどい | 割り込み過多/相談窓口が自分に集中/休憩が消える | “割り込み対応ルール”を 1 つ決める | 忙しすぎて辞めたいと感じるとき |
日課を整える 3 つのコツ(今日からできる)
日課改善は「完璧な時間割を作る」ではなく、「崩れても戻せる仕組み」を作るのが近道です。特に、記録・連絡・割り込み対応は“固定枠”があるだけで残業が減りやすいです。
コツは 3 つです。①午前は介入中心で組む、②午後に記録バッファを固定する、③割り込みの入口(誰が・いつ・どう頼むか)を明確にする。まず 1 つだけ採用で OK です。
現場の詰まりどころ(あるある → 直し方)
「やっているのに回らない」は、個人のスキル不足より“設計のねじれ”が原因になりがちです。よくある詰まりを、原因と手当てに分けて整理します。
まずは自分の現場で一番起きている行を 1 つ選び、その対策だけを 1 週間試してください。複数同時に直すと、効果が見えにくくなります。
| よくある状況 | NG(悪化しやすい) | OK(改善しやすい) | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 記録が毎日最後に残る | 空き時間で書く(結局空かない) | 午後に 30〜60 分の固定枠を作る | 「固定枠が守れた日」を数える |
| 割り込みで予定が崩れる | すべて即対応(結果、常に崩れる) | “受ける時間帯”を決めてまとめる | 割り込み件数と時間をメモ |
| 電話・連絡で時間が消える | その都度折り返す | 連絡タイムを 1〜2 回に集約 | 折り返し回数を可視化 |
| 休憩が取れない | “忙しいから仕方ない”で放置 | 昼の前後に短いバッファを置く | 休憩の有無だけでも記録 |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
まずは「いま一番困っていること」に近い質問から確認すると、実行の 1 手が決めやすいです。
Q1. 1 日のスケジュールを作っても、すぐ崩れます…
A. “崩れない計画”より、“戻れる仕組み”が大事です。最初に固定するのは「午後の記録バッファ」か「連絡タイム」のどちらか 1 つだけにして、守れた日を増やすところから始めると安定します。
Q2. 記録が遅いと言われます。どこを直せばいい?
A. スピード以前に「いつ書くか」が決まっていないことが多いです。まず 1 日 1 回の固定枠を作り、“そこだけは守る”にすると、後ろ倒しが減って総量が軽くなります。
Q3. 回復期と訪問で、忙しさの質はどう違いますか?
A. 回復期は院内の割り込みと連携が主因になりやすく、訪問は移動と報告の連鎖で遅れが累積しやすいです。自分の職場の“時間が溶ける原因”を先に特定すると、対策が選びやすくなります。
Q4. 忙しさが限界で、まず何から変えるべきですか?
A. 1 週間だけ「割り込み対応ルール」を 1 つ決めるのが最短です。たとえば“即対応は 1 日 2 回まで”など、入口を整えると予定が守れ、休憩と記録が戻りやすくなります。
おわりに
日課の改善は「安全の確保 → 予定の余白づくり → 記録ブロック固定 → 1 週間で再評価」の順に回すと、現場のリズムが整っていきます。
次に動くなら、面談準備チェックと“職場評価シート”で整理してから選択肢を広げると判断が速くなります。/mynavi-medical/#download から使えるシートを確認して、今の働き方のボトルネックを言語化してみてください。
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

