休日リハビリテーション加算の対象患者は?
令和8年度診療報酬改定で新設された休日リハビリテーション加算は、対象となる患者に土曜日・日曜日・祝日等のリハビリテーションを実施した場合、1単位につき25点を加算する制度です。算定期間は、疾患別に定められた起算日から30日目までです。
ただし、すべての入院患者が対象になるわけではありません。疾患別リハビリテーション料の区分、入院・退院後の条件、慢性疾患に関する除外条件、起算日を確認する必要があります。
本記事では、2026年度の公式基準をもとに算定対象者を整理し、その中から休日に優先して介入する患者をどう選び、病棟で共有するかまで解説します。
休日リハの対象患者を決めるときの結論
- 疾患別リハビリテーション料と対象患者の条件を確認する
- 起算日から30日目までに該当するか確認する
- 算定対象者と院内で休日介入を優先する患者を分けて判断する
制度上の算定対象の判定と、臨床的な優先順位づけは別の判断です。
疾患別|対象患者・起算日・30日間を確認
休日リハビリテーション加算の対象者と起算日は、疾患別リハビリテーション料によって異なります。まずは対象となる5区分を確認し、その後に疾患別の起算日を照合します。
| 疾患別リハビリテーション料 | 対象患者 | 起算日 |
|---|---|---|
| 心大血管疾患 | 入院中の患者 | 発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い日 |
| 脳血管疾患等 | 入院中の患者、および条件を満たす退院後の脳卒中患者 | 発症・手術・急性増悪の日 |
| 廃用症候群 | 入院中の患者 | 急性疾患等の発症・手術・急性増悪、または廃用症候群の急性増悪の日 |
| 運動器 | 入院中の患者、および条件を満たす退院後の大腿骨頸部骨折患者 | 発症・手術・急性増悪の日 |
| 呼吸器 | 入院中の患者 | 発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い日 |
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要」をもとに整理。上表は対象者と起算日の基本事項を示したものであり、慢性疾患に関する除外条件も別途確認する必要があります。
退院後の患者も対象になる場合がある
休日リハビリテーション加算は入院患者が基本ですが、脳血管疾患等リハビリテーション料と運動器リハビリテーション料では、一部の退院後患者も対象となります。
| 区分 | 対象となる退院後患者 |
|---|---|
| 脳血管疾患等リハ | 脳卒中患者で、自院を退院した患者、または他院で地域連携診療計画加算を算定して退院した患者 |
| 運動器リハ | 大腿骨頸部骨折患者で、自院を退院した患者、または他院で地域連携診療計画加算を算定して退院した患者 |
したがって、外来で疾患別リハビリテーション料を算定している患者でも、すべてが休日リハビリテーション加算の対象になるわけではありません。
心大血管疾患、呼吸器、廃用症候群については、休日リハビリテーション加算の対象者は入院中の患者です。
慢性疾患では加算できない場合がある
疾患別リハビリテーション料を算定できても、休日リハビリテーション加算を算定できない場合があります。特に、慢性心大血管疾患、慢性運動器疾患、慢性呼吸器疾患では注意が必要です。
| 疾患区分 | 対象となる慢性疾患群 | 加算の扱い |
|---|---|---|
| 心大血管疾患 | 慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患など、別表第九の四第二号に掲げる患者 | 手術を実施した患者、または急性増悪した患者を除き算定不可 |
| 運動器 | 関節の変性疾患、炎症性疾患など、別表第九の六第二号に掲げる患者 | 手術を実施した患者、または急性増悪した患者を除き算定不可 |
| 呼吸器 | COPD、気管支喘息など、別表第九の七第三号に掲げる患者 | 急性増悪した患者を除き算定不可 |
例えば、安定期のCOPD患者や、手術・急性増悪のない慢性運動器疾患患者では、疾患別リハビリテーション料を算定していることだけを理由に休日リハビリテーション加算の対象とは判断できません。
上記の条件は、2026年4月2日の訂正通知を含む実施上の留意事項に基づきます。実際の判断では、該当する別表上の患者区分と、手術・急性増悪の有無を確認してください。
対象日は土曜日・日曜日・祝日と年末年始
休日リハビリテーション加算の対象となる日は、土曜日、日曜日、祝日です。さらに、1月2日・3日、12月29日・30日・31日も対象日として取り扱われます。
施設の勤務表で休みになっている日と、診療報酬上の対象日は必ずしも一致しません。実施日が制度上の対象日か確認してください。
30日間はいつから数える?
30日間は、休日に初めてリハビリテーションを行った日から数えるのではなく、疾患別に定められた起算日を1日目として数えます。
| 項目 | 脳血管疾患等リハの例 |
|---|---|
| 発症日 | 2026年6月10日 |
| 起算日 | 6月10日(1日目) |
| 30日目 | 7月9日 |
| 7月10日以降 | 当該起算日に基づく休日リハ加算の対象期間外 |
この例では、6月10日を1日目として数えるため、30日目は7月9日です。ただし、7月9日までのすべての日に加算できるわけではなく、対象となる休日に実施し、その他の算定要件も満たす必要があります。
また、心大血管疾患・呼吸器リハビリテーション料では、発症・手術・急性増悪から7日目と治療開始日を比較する必要があります。休日リハ加算の起算日と、他のリハビリテーション関連加算の起算日を混同しないことが重要です。
2026年5月31日以前から入院している患者
令和8年度診療報酬改定は2026年6月1日から適用されていますが、休日リハビリテーション加算の起算日を6月1日に一律に変更するわけではありません。
疑義解釈では、2026年5月31日以前に入院し、6月1日以降も入院している患者について、起算日に相当する日が5月31日以前であっても、その日付を起算日として扱うことが示されています。
つまり、改定前からの入院患者では、本来の起算日から30日目までに該当し、6月1日以降に算定要件を満たす場合に加算を判断します。
算定対象者と休日介入の優先患者は別に考える
休日リハビリテーション加算の対象者に該当することと、院内で休日介入を優先することは別の判断です。
制度上の算定対象は、疾患別リハビリテーション料、患者条件、対象日、起算日、算定期間などで確認します。一方、実際に誰へ休日介入を行うかは、医学的必要性、患者の状態、安全性、継続的な介入の必要性、院内の提供体制を踏まえて決めます。

| 項目 | 算定対象の判定 | 休日介入の優先順位 |
|---|---|---|
| 目的 | 加算を算定できる条件を確認する | 休日に介入する必要性を判断する |
| 主な判断材料 | 疾患区分、患者条件、起算日、対象日、除外条件 | 患者の状態、ADL、介入の必要性、安全性、病棟の支援体制 |
| 判断の根拠 | 診療報酬の告示・通知・疑義解釈 | 個別の臨床評価と院内の運用基準 |
| 結果の使い方 | 算定可否の確認に使用する | 担当者配置と実施順序の調整に使用する |
なお、休日リハビリテーション加算の対象期間を過ぎた患者でも、医学的に休日のリハビリテーションが必要な場合があります。加算対象外であることを理由に、休日の介入を一律に不要と判断しないようにします。
休日リハで優先する患者の判断基準
院内の優先順位は、重症度だけでなく、休日に介入しないことでどのような不利益が生じるかを軸に考えます。
例えば、離床開始期の患者、ADLが変化している患者、退院前の重要な確認が必要な患者などは、休日介入の候補になります。ただし、これらは公式の加算要件や一律の優先順位ではなく、院内で検討するための臨床的な判断材料です。
| 患者の状況 | 休日に確認したいこと | 優先順位を判断する視点 |
|---|---|---|
| 離床開始期 | 離床時の症状、活動許容量、介助条件 | 休日中に安全な離床段階を確認する必要があるか |
| ADLが変化している | 移乗、歩行、排泄動作の介助量と再現性 | 介入の継続が生活動作の維持・改善に必要か |
| 退院準備中 | 家族指導、移動能力、介助方法、環境調整 | 休日の対応が退院準備の進行に関係するか |
| 活動時のリスクがある | 転倒リスク、症状変化、安全な介助量 | 専門職による評価や病棟との調整が必要か |
| 状態が安定している | 病棟での活動継続、介助体制、自己管理能力 | 直接介入以外の方法で安全に継続できるか |
優先順位で迷いやすい3つの場面
① 重症患者なら必ず優先する?
重症度が高いことだけで最優先になるわけではありません。呼吸・循環状態が不安定な患者では、リハビリテーションを実施する前に、医学的な安定性や安全条件を確認する必要があります。
例えば、離床時に著しい症状変化がある患者では、介入件数を優先するのではなく、医師との方針確認や病棟での観察体制の調整を先に行います。
② ADLが自立に近い患者は後回しでよい?
必ずしもそうではありません。退院日が近く、家族への介助指導や階段昇降などの確認が休日に必要な患者では、比較的自立度が高くても優先する合理性があります。
ただし、休日の実施が本当に必要か、平日や他の支援方法で代替できないかも確認します。
③ 状態が安定している患者は休日介入が不要?
状態が安定していても、病棟だけでは活動量を確保できない患者や、継続的な介入が必要な患者では休日介入を検討します。
一方、病棟で安全に活動を継続でき、平日に再評価できる患者では、直接介入以外の方法を含めて調整する選択肢があります。
休日リハの対象患者を決める運用フロー
休日リハの患者選定は、休日当日にゼロから判断するのではなく、平日のうちに候補を整理し、休日担当者が当日の状態を再確認する形が実務的です。
制度上の算定対象者を確認した後、臨床的な必要性を評価し、担当者間で共有します。院内では、次の5段階を基本にすると役割を整理しやすくなります。
| 段階 | 担当例 | 確認・共有内容 |
|---|---|---|
| 1. 候補抽出 | 平日担当者 | 休日介入の必要性、対象患者の条件、起算日を確認する |
| 2. 優先順位の調整 | 主任・リーダー | 患者の必要性、病棟間の配分、担当可能人数を調整する |
| 3. 病棟共有 | 担当者・病棟スタッフ | 介入目的、注意点、安全な介助条件、実施予定を共有する |
| 4. 休日当日の確認 | 休日担当者 | 医師の指示、患者状態、実施可否を再確認する |
| 5. 平日への申し送り | 休日担当者 | 介入結果、状態変化、次回の確認事項を残す |
このフローは院内運用の一例であり、診療報酬上の必須手順ではありません。施設の人員配置や診療体制に応じて調整してください。
休日当日の再確認を省略しない
平日に候補患者として挙がっていても、休日当日の状態によっては介入内容や実施可否を変更する必要があります。
特に、発熱、呼吸・循環状態の悪化、意識状態の変化、活動時の症状増悪、新たな安静度の指示などがある場合は、予定どおり実施してよいかを再評価します。
安全条件が整わない場合は無理に介入せず、医師・病棟スタッフと相談します。優先患者として選定されたことは、当日の実施を無条件に認めるものではありません。
主任・管理者が決めておきたい運用ルール
主任・管理者は、候補患者の優先順位だけでなく、誰が最終判断を行い、当日の変更や新規依頼をどう扱うかまで決めておく必要があります。
特に、制度上の対象判定と臨床上の優先順位調整を別々に確認できる仕組みにすると、算定確認と病棟運用を混同しにくくなります。
| 管理項目 | 事前に決めること | 確認する目的 |
|---|---|---|
| 候補抽出 | 誰が、いつまでに候補を挙げるか | 休日当日の判断負担を減らす |
| 算定対象の確認 | 疾患区分、除外条件、起算日を誰が確認するか | 対象患者の誤認を防ぐ |
| 優先順位 | 誰が病棟横断で調整するか | 担当者や病棟による偏りを減らす |
| 当日の変更 | 状態悪化、新規依頼、欠員時の対応 | 安全性と実施体制を確保する |
| 病棟共有 | 介入目的、注意点、実施予定の共有方法 | 病棟との認識のずれを防ぐ |
| 振り返り | 未実施理由、病棟間の偏り、申し送り状況 | 次の休日の運用改善につなげる |
運用を評価するときは、実施件数だけでなく、必要な患者に介入できたか、未実施の理由は何か、病棟への情報共有に問題がなかったかを確認します。
なお、休日リハビリテーション加算の対象者数と、実際に休日介入を行った患者数は別に集計すると、制度上の対象範囲と院内の提供状況を区別して振り返れます。
休日リハの記録と平日への申し送り
休日リハの記録では、実施内容だけでなく、休日に何を確認し、患者の状態がどう変化し、次の平日に何を引き継ぐかを明確にします。
対象理由、介入内容、患者の反応、次回の確認事項がそろっていると、休日の介入を単発で終わらせず、継続的なリハビリテーションへつなげやすくなります。
| 項目 | 記載例 | 目的 |
|---|---|---|
| 介入目的 | 離床段階の確認と車椅子移乗の再評価 | 休日に介入する目的を明確にする |
| 実施内容 | 端座位保持、立ち上がり、車椅子移乗を実施 | 実施した訓練内容を共有する |
| 患者の反応 | 移乗は軽介助。実施中の症状増悪なし | 安全性と動作能力の変化を把握する |
| 次回の確認事項 | 移乗介助量と病棟での動作の再現性を確認 | 平日の担当者へ次の判断を引き継ぐ |
上記は架空の症例を用いた記載例です。実際の診療記録では、患者の状態に応じたバイタルサイン、実施時間、単位数、介助条件、医師の指示など、必要な情報を省略しないでください。
算定確認の情報と臨床記録を分けて考える
休日リハビリテーション加算の算定確認では、疾患別リハビリテーション料の区分、対象条件、起算根拠、具体的な年月日、休日の実施日などが重要です。
一方、臨床記録は、介入前後の患者状態や実施結果を次回の診療判断に活用するためのものです。
両者を混同せず、必要な情報を診療録と医事部門で確認できる状態にしておくことが、算定の適正化と病棟運用の両面で役立ちます。
休日リハの対象選定でよくある失敗
休日リハの運用で避けたいのは、制度上の対象判定を省略したまま算定を判断することと、臨床的な優先順位を決めずに依頼順だけで介入することです。
| 間違えやすい判断 | 確認し直すポイント |
|---|---|
| 入院患者なら全員が加算対象 | 疾患別リハの対象条件と慢性疾患の除外条件を確認する |
| 入院日から30日間と数える | 休日リハ加算の疾患別の起算日を確認する |
| 加算対象なら必ず休日に介入する | 算定対象と臨床的な必要性を分けて判断する |
| 重症度が高い患者から順に実施する | 安全性、実施可能性、休日に介入する必要性を確認する |
| 依頼が来た順に対応する | 院内で共有した優先順位と新規依頼の緊急性を照合する |
| 実施記録だけ残せばよい | 状態変化と平日への申し送り事項も記録する |
制度上の条件は公式資料で確認し、臨床上の判断は患者の状態と院内の診療体制に基づいて行います。この2つを分けることが、休日リハの対象選定を安定させる基本です。
よくある質問
休日リハビリテーション加算の対象期間が終わった患者には、休日リハを実施できませんか?
いいえ。休日リハビリテーション加算の対象期間と、休日にリハビリテーションを実施する必要性は別です。30日目を過ぎても、医学的な必要性がある場合は、疾患別リハビリテーション料の算定条件や院内の提供体制を確認したうえで実施を検討します。
休日リハの対象患者は重症度が高い順に選べばよいですか?
重症度だけで決めるのは適切ではありません。患者の医学的な安定性、休日介入の必要性、翌平日まで待つ場合の不利益、実施上の安全性を踏まえて判断します。
算定対象者であれば全員に休日リハを提供する必要がありますか?
算定対象であることだけを理由に、全員へ一律に実施するという意味ではありません。実際の介入は個別の診療計画と必要性に基づき判断します。ただし、病棟種別などに休日のリハビリテーション提供体制に関する別の基準がある場合は、その要件も確認してください。
2026年5月31日以前が起算日でも休日リハ加算は算定できますか?
算定できる場合があります。疑義解釈では、起算日に相当する日付が5月31日以前であっても、その日を起算日として考え、6月1日以降に算定要件を満たす場合は算定可能とされています。
次の一手
休日リハの対象患者を整理するときは、まず算定対象者を公式基準で確認し、そのうえで休日介入の臨床的な必要性を判断しましょう。
院内では、算定対象を確認する担当者と、休日介入の優先順位を調整する担当者を明確にし、休日当日の状態確認と平日への申し送りまでを一続きで運用することが重要です。
休日リハビリテーション加算の算定条件をさらに詳しく確認したい場合は、休日リハビリテーション加算2026|25点・対象患者・起算日をご覧ください。算定対象日、慢性疾患の除外条件、他の加算との関係などを詳しく整理しています。
また、令和8年度診療報酬改定全体の変更点を確認したい場合は、2026年度診療報酬改定リハビリテーションハブから関連項目を確認できます。
参考文献
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要13. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)[Internet]. 2026. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666318.pdf
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について:告示・通知・訂正事務連絡等 [Internet]. 2026. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 令和8年3月5日 保医発0305第6号[令和8年4月2日訂正等を含む]. 厚生労働省改定資料掲載ページ
- 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について(その1). 令和8年3月23日. 別添1 問39. 厚生労働省改定資料掲載ページ
- 公益社団法人日本理学療法士協会. 令和8年度診療報酬改定情報 [Internet]. 2026. https://www.japanpt.or.jp/pt/function/insurance/medical_2026/

