A245データ提出加算の2026年度対応|対象・点数・届出期限

制度・実務
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A245データ提出加算とは?2026年度の届出・経過措置を確認

A245データ提出加算は、DPC調査に準拠した診療データを適切に作成・提出する体制を評価する入院基本料等加算です。2026年度の実務では、自院の入院料区分、A245の届出状況、経過措置の適用条件、新規届出の期限を分けて確認する必要があります。

特に、2026年5月31日までの経過措置は既に終了していますが、2028年5月31日までの経過措置や、一定の条件に該当する施設に対する別の取扱いもあります。本記事では、2026年度の制度資料をもとに、対象施設の考え方、様式40の5・40の7の手続き、試行データの提出、継続算定のための院内確認事項を整理します。

制度情報確認日:2026年10月11日。施設基準や届出の判断には、最新の厚生労働省通知および管轄地方厚生局の案内を優先してください。

最初に確認するのは自院の届出状況です

結論として、既にA245を算定している施設、新規届出が必要な施設、経過措置の対象となる施設では、次に行う確認が異なります。経過措置の期限だけを見て判断しないことが重要です。

A245データ提出加算の状況別確認ポイント
自院の状況 優先する確認 次の行動
A245を届出済み 施設基準と継続提出状況 提出遅延・変更届の要否を確認
新規届出を予定 対象入院料、届出手続き、提出期限 様式40の5からの手順を確認
経過措置の対象と考えている 基準日、病棟構成、適用条件、終了日 適用根拠を医事課と照合
届出状況が不明 正式な入院料区分と届出履歴 医事課から管轄厚生局へ確認

ここでいう経過措置は、一定の入院料の施設基準に関する特例です。経過措置の対象であることと、A245そのものを算定できることは同じではありません。

対象入院料と経過措置は2026年度の条件で判断します

経過措置の適用は、病棟名の印象ではなく、正式な届出入院料、指定された基準日時点の状況、病院全体の病棟構成で判断します。2026年度には期限の異なる取扱いがあるため、すべてを2026年5月31日までの制度として説明することはできません。

A245の届出要件に関係する主な経過措置
期間 主な対象・考え方 確認事項
2026年5月31日まで 2024年3月31日時点で所定の精神科系入院料を届け出ていた施設などに対する従前の経過措置 経過措置終了後の施設基準の充足状況
2028年5月31日まで 2026年3月31日時点で精神病棟入院基本料15対1・18対1・20対1を届け出ていた施設 経過措置終了前に必要となるA245の届出
当分の間 指定された基準日時点の病棟構成や、届出が困難である正当な理由などの条件を満たす一部の施設 病床数だけでなく、通知に定める適用条件全体

上表は主要な区分を理解するための整理です。個別の入院料における施設基準のすべてを示すものではありません。実際の適用は、厚生労働省の告示・通知と管轄地方厚生局の案内で確認してください。

回復期リハビリテーション病棟入院料5の注意点

リハ部門では、回復期リハビリテーション病棟入院料1~4と入院料5を区別して確認します。入院料5は、一定の経過措置に関係する入院料区分に含まれますが、入院料5であることだけで経過措置の適用が決まるわけではありません。

例えば、病院全体でどの入院料を届け出ているか、対象となる病棟・病室の病床数、基準日時点の構成、正当な理由の有無などを組み合わせて判断します。

200床未満でも自動的に経過措置の対象にはなりません

一部の経過措置では、対象となる病棟・病室の病床数が200床未満であることが条件に関係します。ただし、病院の規模だけで適用を決めることはできません。

「自院は200床未満だから届出不要」と解釈せず、施設基準上の対象病棟、基準日、正当な理由などを確認してください。

A245データ提出加算の点数と加算1~4

A245には、データ提出の範囲や算定時期によって加算1~4があります。入院データのみを提出する区分と、入院・外来データを提出する区分を分けて確認します。

2026年度A245データ提出加算の点数
区分 許可病床200床以上 許可病床200床未満 データ範囲・算定時期
加算1 145点 215点 入院データ・入院初日
加算2 155点 225点 入院・外来データ・入院初日
加算3 145点 215点 入院データ・対象病棟等で90日を超えるごとに1回
加算4 155点 225点 入院・外来データ・対象病棟等で90日を超えるごとに1回

加算3・4は対象となる病棟・病室に条件があります。90日を超えて入院するすべての患者に一律に算定できるわけではありません。病床数の判定や算定対象は、診療報酬点数表と関連通知で確認してください。

図解:A245の届出状況から次の対応を判断する

まず自院の入院料とA245の届出状況を確認し、届出済みなら継続提出、新規届出が必要なら開始届出から本届出までの工程を確認します。経過措置に該当する可能性がある場合は、適用条件と終了時期を個別に確認することが重要です。

A245データ提出加算の2026年度届出判断フロー。自院の入院料と届出状況を確認し、届出済み・未届出・経過措置の対象に分けて対応を整理した図
A245データ提出加算の届出・算定判断フロー。新規届出の手順と院内共有のポイントを示します。

図版の経過措置に関する訂正・補足

図版右側の「経過措置の対象(2026年5月31日まで)」は、2026年度に存在する経過措置の一部のみを示したものです。2028年5月31日までの経過措置や、条件付きで当分の間適用される経過措置もあります。また、図中の「経過措置により当面は算定可能」は、A245そのものを算定できるという意味ではありません。経過措置の適用条件と算定可否は、必ず本文の表と公式通知で確認してください。

新規届出は様式40の5から40の7まで進めます

2026年6月1日時点でDPC対象病院・DPC準備病院ではない病院が新規にA245を届け出る場合は、様式40の5の提出、試行データ、提出実績の確認、様式40の7による本届出を順に進めます。

A245の新規届出フロー
段階 手続き 院内で確認すること
1 様式40の5を提出 提出期限、提出先、受領状況
2 試行データを作成 対象月、作成担当、データ形式
3 試行データを提出 提出期限、送信結果、不備・エラー
4 データ提出実績の事務連絡を確認 連絡の受信と内容確認
5 様式40の7で本届出 施設基準の届出・受理・算定開始時期

様式40の5を提出した時点や試行データを送信した時点で、直ちにA245を算定できるわけではありません。提出実績が認められた後、施設基準の届出を行い、算定開始時期を確認します。

既にDPC対象病院・DPC準備病院である施設では取扱いが異なるため、新規届出の手順を一律に当てはめず、該当する公式案内を確認してください。

2026年度の届出期限と試行データ対象月

2026年度の様式40の5の開始届出期限は4回設定されています。2026年10月11日時点では第1回・第2回が終了しており、次の提出期限は2026年11月20日(金)です。

2026年度A245開始届出スケジュール
回 様式40の5提出期限(必着) 試行データ作成対象月
第1回 2026年5月20日 2026年6月・7月
第2回 2026年8月20日 2026年9月・10月
第3回 2026年11月20日 2026年12月・2027年1月
第4回 2027年2月22日 2027年2月・3月

第4回の試行データは、開始届出期限の月を含む2027年2月・3月分です。試行データの提出期限は開始届出期限とは異なります。最新の提出日程は、厚生労働省の「令和8年度A245データ提出加算に係る説明資料」で確認してください。

また、経過措置の終了が迫っている施設では、次回の開始届出期限に間に合うかだけでなく、試行データ提出から本届出までの期間を逆算する必要があります。

算定開始後も継続提出と施設基準の確認が必要です

A245は、初回の届出だけで完結する制度ではありません。データの作成・検証・提出を継続できる体制を維持する必要があります。

提出遅延やデータ不備が認められた場合には、算定への影響が生じることがあります。厚生局では、データ提出の実績が認められた施設や提出遅延等が認められた施設について、事務連絡を公表しています。

継続提出に必要な運用上の確認事項
項目 確認内容
データ作成 対象病棟・患者情報を正しく抽出できるか
データ検証 形式不備・欠損・整合性エラーに対応できるか
期限管理 提出期限と送信結果を確認しているか
事務連絡 提出実績・遅延等に関する通知を確認しているか
届出変更 施設基準の変更や辞退届が必要になっていないか

届出内容を変更する場合や算定を辞退する場合は、管轄厚生局の案内を確認してください。A245の辞退では、様式40の8と施設基準に係る辞退届が必要となる場合があります。

医事課・病棟・リハ部門で確認する内容

届出や算定判断は医事課を中心に行い、病棟・情報システム部門・リハ部門が必要な情報を共有する体制が実務的です。以下は公式に定められた部署別分担ではなく、院内運用の一例です。

A245に関係する院内の役割分担例
部署 主な確認事項
医事課 入院料区分、施設基準、経過措置、届出、算定開始時期
病棟・看護部門 対象病棟、入退院・入退棟情報の整合性
情報システム担当・ベンダー データ抽出、作成、検証、提出、エラー対応
リハ部門 病棟区分の変更、関連する診療情報、院内共有
管理部門 提出体制、担当者配置、進捗管理

リハ部門が単独でA245の届出可否を判断する必要はありません。ただし、回復期リハビリテーション病棟入院料5の有無や、病棟区分変更に伴う運用上の影響は、医事課と共有しておくことが重要です。

届出で間違えやすい判断

制度対応では、経過措置と算定要件の混同、開始届出と本届出の混同に注意が必要です。

  • 経過措置の対象ならA245を算定できる?:経過措置は入院料の施設基準に関する取扱いであり、A245自体の算定資格とは別です。
  • 200床未満なら届出不要?:病床数だけで経過措置の適用は判断できません。
  • 様式40の5を提出すれば算定できる?:試行データの提出、実績確認、様式40の7による本届出などが必要です。
  • 回復期リハ5なら必ず経過措置がある?:病院全体の病棟構成など、通知に定める条件を確認する必要があります。
  • 届出後はデータ提出の確認が不要?:継続提出、期限管理、エラー対応が必要です。

院内で確認したい最小項目

実務では、次の情報を既存の届出管理表や院内会議記録に整理すると、部署間で認識をそろえやすくなります。新しい記録用紙を作成する必要はありません。

A245データ提出加算の院内確認項目
確認項目 確認内容 確認先
対象入院料 病棟ごとの正式な届出区分 医事課
病床数・病棟構成 許可病床数、基準日時点の構成 医事課・管理部門
経過措置 対象条件、根拠通知、終了日 医事課・厚生局
A245届出 算定中、未届出、変更予定の別 医事課
様式40の5 提出日、受領状況、試行データ対象月 医事課
試行データ 作成・提出状況、エラーの有無 情報システム担当
様式40の7 提出実績の連絡、本届出の状況 医事課
継続提出 担当者、提出期限、送信結果 医事課・情報システム担当

判断に迷う場合は、院内の推測だけで算定を進めず、根拠となる通知と自院の届出状況を整理したうえで管轄地方厚生局に確認してください。

よくある質問

A245は外来・在宅・リハビリテーションのデータ提出加算と同じですか?

同じではありません。A245は入院基本料等加算です。A245の加算2・4で外来データを提出することと、外来・在宅・リハビリテーション側の別のデータ提出制度を算定することも区別してください。

2026年11月20日の届出期限を過ぎた場合は?

2026年度の第4回開始届出期限は2027年2月22日です。ただし、経過措置の終了や施設基準の充足に影響する場合は、次回期限まで待てるとは限りません。医事課を通じて管轄厚生局へ確認してください。

試行データを提出したら、すぐに算定できますか?

いいえ。提出実績が認められた旨の事務連絡を確認し、様式40の7による施設基準の届出などを行ったうえで、算定開始時期を確認します。

次の一手

まずは、①自院の正式な入院料区分、②経過措置の適用条件、③A245の届出状況、④試行データと本届出の進捗を医事課と確認してください。

制度対応全体を整理する場合は制度・実務ハブ、外来・在宅・リハビリテーション側の提出制度を調べる場合はリハビリテーション医療の影響評価調査の記事も参考にしてください。

参考文献・公式資料

  1. 厚生労働省保険局医療課.令和8年度A245データ提出加算に係る説明資料.2026年5月14日.公式PDF.
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.公式ページ.
  3. 関東信越厚生局.データ提出加算に係る取扱いについて.公式ページ.
  4. 近畿厚生局.データ提出加算(A245)に係る取扱いについて.公式ページ.
  5. 東北厚生局.令和8年度データ提出加算に係る取扱いについて.公式ページ.
  6. 厚生労働省保険局医療課.データ提出加算(A245)に係る経過措置及び届出状況について.2025年10月30日.公式通知.
  7. 厚生労働省.令和7年度における「データ提出加算(A245)」の取扱いについて.2025年.公式PDF.
  8. 厚生労働省.令和7年度A245データ提出加算に係る説明資料.2025年.公式PDF.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

2022年4月にrehabilikun blogを開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの経験をもとに、理学療法士をはじめとする医療従事者へ、臨床に役立つ評価・実践方法・制度情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に、評価・安全管理・多職種連携に関する情報を整理しています。本記事では、公式資料と院内での実務上の確認事項を区別して解説しています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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