リハビリテーション医療の影響評価調査|2026 年度の提出スケジュール

制度・実務
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リハビリテーション医療の影響評価調査は「年度切替」と「提出期限」を先に押さえる

リハビリテーション医療の影響評価調査は、正式名称が長く、さらに「データ提出加算」という言葉で検索すると A245 データ提出加算と混同しやすいテーマです。ただ、現場で本当に知りたいのは制度の総論ではなく、自院が対象か、どの月をどの資料で作るか、いつまでに何を提出するかです。

2026 年度で特に重要なのは、2026 年 4・5 月分は 2025 年度調査実施説明資料で作成し、2026 年 6 月分以降は 2026 年度調査実施説明資料で作成するという年度切替です。この記事では、リハビリテーションデータ提出加算に関わる医療機関・リハ部門向けに、提出スケジュール、対象患者、A245 との違い、現場の詰まりどころを整理します。

リハビリテーション医療の影響評価調査とは

リハビリテーション医療の影響評価調査は、厚生労働省が実施する「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」の一部です。リハビリテーションデータ提出加算を届け出ている医療機関では、調査実施説明資料に沿ってデータを作成し、定められた方法・期限で提出する必要があります。

リハ部門にとっても、これは「医事課だけが対応する資料」ではありません。対象患者の抽出、リハ実施情報、算定情報、チェックエラー、疑義確認への回答などで、療法士側の確認が必要になる場面があります。制度全体の位置づけを確認したい場合は、令和 8 年改定リハ領域ハブもあわせて確認してください。

リハビリテーション医療の影響評価調査の基本整理
項目 内容 リハ部門が見るポイント
目的 外来・在宅・リハビリテーション医療の影響評価に必要なデータを収集する 診療報酬改定後の実態把握に使われる
関係する加算 リハビリテーションデータ提出加算など 施設基準・算定継続と関係する
主な作業 様式作成、チェック、提出、疑義確認 医事課・システム担当・リハ部門の連携が必要
注意点 期日・形式・提出方法の不備は遅延扱いになる可能性がある 提出直前ではなく月次で確認する

まず確認したい対象施設:自院は読むべきか

この調査を気にしたいのは、リハビリテーションデータ提出加算を届け出ている、または届け出を進める医療機関です。厚労省資料では、リハビリテーションデータ提出加算に関係する本体診療報酬として、H000 心大血管疾患リハビリテーション料、H001 脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2 廃用症候群リハビリテーション料、H002 運動器リハビリテーション料、H003 呼吸器リハビリテーション料が整理されています。

外来リハを行っている病院・有床診療所などで、これらの疾患別リハ料に関わる運用がある場合、療法部門でも無関係ではありません。特に「届出は出したが対象抽出の条件が現場で共有されていない」「提出担当は決まっているが、疑義確認の戻し先が曖昧」という状態では、後から詰まりやすくなります。

リハビリテーションデータ提出加算の本体となる主な診療報酬
区分番号 名称 今回の実務で見るポイント
H000 心大血管疾患リハビリテーション料 外来で 1 単位以上実施した患者の抽出条件を確認する
H001 脳血管疾患等リハビリテーション料 併算定不可症例の扱いも漏れなく共有する
H001-2 廃用症候群リハビリテーション料 算定可否だけでなく実施有無で確認する
H002 運動器リハビリテーション料 件数が多くなりやすいため抽出条件を固定する
H003 呼吸器リハビリテーション料 少数症例でも月ごとの拾い漏れを防ぐ

対象患者:算定患者だけで拾うと漏れやすい

今回の実務で最も大事なのは、対象患者を「算定した患者」だけで考えないことです。リハビリテーションデータ提出加算を届け出ている医療機関では、外来診療で H000 / H001 / H001-2 / H002 / H003 の行為を 1 単位以上実施した患者が対象になります。

さらに、併算定不可等で当該リハビリテーション料が算定できない場合でも、実施していれば作成対象になります。ここをレセプト上の請求だけで判断すると漏れが出ます。療法士が持つ実施情報と、医事課が持つ算定情報を、月単位でどう突き合わせるかを決めておくことが重要です。

対象患者の考え方で混同しやすいポイント
考え方 OK / NG 理由
外来で 1 単位以上実施した患者を拾う OK リハビリテーションデータ提出加算の対象定義に沿うため
レセプトで算定できた患者だけ拾う NG 併算定不可でも実施していれば対象になるため
少数症例は手作業で後回しにする NG 呼吸器など件数が少なくても対象から外れないため
療法士と医事課で抽出条件を文章化する OK 月ごとの拾い漏れと解釈のズレを減らせるため

2026 年度の提出スケジュール

リハ影響評価調査2026の年度切替と提出時期を整理した図版
2026 年度のリハ影響評価調査で確認したい年度切替と提出時期

2026 年度の最初の山は、2026 年 4・5 月分を 2026 年 7 月に提出するところです。その後、6〜9 月分を 2026 年 10 月、10〜12 月分を 2027 年 1 月、2027 年 1〜3 月分を 2027 年 4 月に提出する流れになります。

提出期限はオンライン提出と配送提出で異なります。オンライン提出を前提にしていても、チェックエラーや疑義確認が出る可能性を考えると、期限当日に作業するのではなく、少なくとも 1〜2 週間前に一次チェックを終える運用が安全です。

2026 年度 リハビリテーション医療の影響評価調査の提出スケジュール
提出対象 オンライン提出期限 配送提出期限 現場での目安
2026 年 4・5 月分 2026 年 7 月 30 日 12:00 2026 年 7 月 29 日 7 月中旬までに一次チェック
第 1 回疑義確認 2026 年 9 月 24 日 12:00 2026 年 9 月 18 日 事務局メールを必ず確認
2026 年 6〜9 月分 2026 年 10 月 29 日 12:00 2026 年 10 月 28 日 10 月前半までに月別確認
第 2 回疑義確認 2026 年 12 月 24 日 12:00 2026 年 12 月 23 日 年末前に回答体制を作る
2026 年 10〜12 月分 2027 年 1 月 28 日 12:00 2027 年 1 月 27 日 年末年始を避けて前倒し
第 3 回疑義確認 2027 年 3 月 25 日 12:00 2027 年 3 月 24 日 年度末業務と重なる点に注意
2027 年 1〜3 月分 2027 年 4 月 30 日 12:00 2027 年 4 月 28 日 年度替わりの担当変更に注意
第 4 回疑義確認 2027 年 6 月 24 日 12:00 2027 年 6 月 23 日 担当引き継ぎ後も確認する

2026 年度で特に注意したい年度切替

2026 年度の注意点は、すべての月を同じ資料で作成しないことです。2026 年 4 月・5 月分は 2025 年度調査実施説明資料に基づいて作成し、2026 年 6 月分以降は 2026 年度調査実施説明資料に基づいて作成します。

この切り替えを見落とすと、様式、入力項目、チェックプログラム、提出用ファイル作成の段階で混乱しやすくなります。医事課だけで管理するのではなく、リハ部門でも「4・5 月分」と「6 月以降」で作成ルールが違うことを共有しておくと安全です。

2026 年度調査データの作成ルール
対象月 使用する説明資料 提出時期 注意点
2026 年 4・5 月分 2025 年度調査実施説明資料 2026 年 7 月 旧年度資料で作成する点に注意
2026 年 6〜9 月分 2026 年度調査実施説明資料 2026 年 10 月 新年度資料に切り替える
2026 年 10〜12 月分 2026 年度調査実施説明資料 2027 年 1 月 年末年始の作業遅れに注意
2027 年 1〜3 月分 2026 年度調査実施説明資料 2027 年 4 月 年度替わりの担当変更に注意

提出までの流れ:月別ファイル作成からチェックまで

提出用ファイルは、医療機関が作成した各様式ファイルの 1 か月分をまとめ、チェックプログラムでデータ整合性を確認したうえで作成します。エラーがなければ提出用ファイルが作成され、オンライン提出を原則として事務局へ提出します。

リハ部門が直接システム操作をしない場合でも、リハ実施情報、疾患別リハの算定、患者情報、対象期間、月別データの整合性は現場確認が必要になることがあります。提出期限直前にリハ部門へ確認依頼が来ると間に合わないため、月次で確認する流れにしておくとよいです。

影響評価調査の提出までの実務フロー
手順 主な作業 リハ部門の関わり
1. 月別データ確認 対象月の診療・算定情報を確認 リハ実施日、疾患別リハ、患者情報を確認する
2. 様式ファイル作成 必要な様式データを作成 入力内容の疑義があれば現場確認する
3. チェックプログラム エラー・不整合を確認 リハ関連項目の不整合を修正する
4. 提出用ファイル作成 提出用ファイルを生成 締切前に最終確認できる体制を作る
5. 提出・疑義確認 オンライン提出、疑義確認対応 問い合わせ時に説明できる記録を残す

A245 データ提出加算との違い

検索で混ざりやすいのですが、A245 データ提出加算は入院基本料等加算であり、今回扱っている外来/在宅/リハビリテーションのデータ提出加算とは、厚生局でも別ページで案内されています。したがって、「データ提出加算」と書かれていても、同じ制度だと決めつけないことが大切です。

今回の記事は、あくまで外来/在宅/リハビリテーション データ提出加算のうち、リハビリテーションデータ提出加算の話です。A245 の届出や経過措置を確認したい場合は、A245 データ提出加算の経過措置を別で確認してください。

A245 とリハビリテーションデータ提出加算の違い
項目 リハビリテーションデータ提出加算 A245 データ提出加算
この記事の対象 対象 対象外
位置づけ 外来/在宅/リハビリテーション データ提出加算の枠組み 入院基本料等加算
主に見ること 対象患者、年度切替、提出スケジュール、疑義確認 入院基本料等側の施設基準・届出・経過措置
混同しやすい理由 どちらも「データ提出加算」という語を使う 同上

現場の詰まりどころ:期限だけ見ていると間に合わない

影響評価調査でよくある詰まりどころは、「提出期限に間に合えばよい」と考えてしまうことです。実際には、月別データの確認、様式ファイル作成、チェックプログラム、エラー修正、提出用ファイル作成、疑義確認の流れがあるため、期限直前に始めると修正時間が足りなくなります。

特に 2026 年度は、4・5 月分と 6 月以降で作成ルールが変わります。リハ部門、医事課、システム担当の間で「どの月を、どの説明資料で、いつまでに確認するか」を共有しておくことが重要です。

影響評価調査でよくある失敗と対策
よくある失敗 起こりやすい問題 対策
締切日だけを見ている チェックエラー修正の時間が足りない 期限の 2 週間前に一次チェックを終える
年度資料の切替を忘れる 4・5 月分と 6 月以降で作成ルールが混ざる 対象月ごとに使用資料を表で管理する
医事課だけで抱える リハ関連項目の確認が遅れる リハ部門の確認担当を決める
疑義確認メールを見落とす 再提出や修正対応が遅れる 連絡担当者を複数名で共有する
年度替わりで担当が変わる 2027 年 1〜3 月分の対応が抜ける 引き継ぎ資料に提出月と期限を残す

5 分で確認するチェックリスト

リハビリテーション医療の影響評価調査は、担当者だけが把握していればよいテーマではありません。施設基準やデータ提出遅延に関わるため、リハ部門の管理者も最低限の確認項目を押さえておくと安心です。

以下のチェックに 1 つでも不安がある場合は、医事課・システム担当・リハ部門で早めに確認しておきましょう。

リハ部門向け 5 分チェック
チェック項目 確認 見落とすと起こること
2026 年 4・5 月分の提出期限を把握している 7 月提出の準備が遅れる
4・5 月分は 2025 年度資料で作成することを共有している 年度資料の使い間違いが起こる
6 月以降は 2026 年度資料に切り替える 入力項目やチェックの整合性が崩れる
リハ関連項目の確認担当が決まっている 医事課からの確認依頼が滞る
疑義確認メールを見る担当者が決まっている 再提出・修正対応が遅れる

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 2026 年 4 月・5 月分は、どの説明資料で作成しますか?

2026 年 4 月・5 月分は、2025 年度調査実施説明資料に基づいて作成します。2026 年 6 月分以降は、2026 年度調査実施説明資料に基づいて作成するため、年度資料の切り替えに注意が必要です。

Q2. 2026 年 4 月・5 月分の提出期限はいつですか?

オンライン提出は 2026 年 7 月 30 日 12 時まで、配送提出は 2026 年 7 月 29 日までです。提出直前にチェックエラーが出る可能性があるため、7 月中旬までに一次チェックを終える運用が安全です。

Q3. リハ部門は何を確認すればよいですか?

リハ実施情報、疾患別リハの算定、対象月、患者情報、医事データとの整合性などを確認します。直接提出作業を行わない場合でも、リハ関連項目の疑義確認に対応できるよう、担当者を決めておくことが重要です。

Q4. A245 データ提出加算と同じですか?

同じではありません。A245 は入院基本料等加算であり、外来/在宅/リハビリテーション データ提出加算とは別の枠組みです。入院側のデータ提出加算を確認したい場合は、A245 の施設基準・届出・経過措置を別で確認してください。

Q5. 疑義確認への対応で注意することはありますか?

疑義確認の案内は提出期限の前に事務局からメールで連絡されます。担当者変更やメール未確認で対応が遅れないよう、連絡担当者を複数名で共有し、リハ関連項目の確認先を院内で決めておきましょう。

次の一手

2026 年度の影響評価調査は、提出期限だけでなく、4・5 月分と 6 月以降の作成ルールの違いを押さえることが重要です。あわせて、令和 8 年度診療報酬改定のリハ関連差分や、A245 データ提出加算との違いも確認しておくと実務対応がしやすくなります。


参考資料

  1. 厚生労働省. 2026 年度(令和 8 年度)「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」実施説明資料. 2026 年 3 月 31 日版. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001684568.pdf
  2. 厚生労働省. 令和 8 年度外来データ提出加算等に係る説明会の開催について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72891.html
  3. 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  4. 関東信越厚生局. データ提出加算に係る取扱いについて. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/dpc.html

著者情報

rehabilikun blog 運営者アイコン

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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