離床なしリハ判定フロー|疑義解釈 6 事例で迷わない

制度・実務
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離床なしリハ判定フロー|疑義解釈 6 事例で迷わない実務整理

まず全体像を確認:このページは「離床を伴わないリハビリテーション」の判定実務に特化しています。制度全体は親記事で押さえると、単位・摘要・院内ルールの整理がしやすくなります。

改定リハの全体像を見る

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離床なしリハの判定は、当日にベッド上から移動していないか主目的がポジショニング又は拘縮予防等か他動的な訓練のみかの 3 点で先に線引きします。そのうえで、非該当条件、20 分以上、1 日 2 単位、診療録と摘要の記載を確認します。

この記事では、令和 8 年度診療報酬改定で整理された「離床を伴わないリハビリテーション」について、現場で迷いやすい判定・非該当・記録例に絞って解説します。制度全体や他の改定項目は深掘りせず、この記事を読めば「今日の患者をどちらで扱うか」「何を記録するか」まで決められる構成にしています。

最終更新:2026 年 5 月 19 日(厚生労働省通知・疑義解釈その 2 をもとに整理)

1 分で結論:判定は 6 ステップでそろえる

最初に確認するのは、点数ではなく「その日のリハ全体が、離床を伴わない区分に当たるか」です。ベッド上で実施しただけでは判定できないため、移動の有無、主目的、訓練様式、非該当、単位、記録の順でそろえます。

離床なしリハ判定の 6 ステップ(成人入院患者・令和 8 年度改定時点)
ステップ 確認すること 判定の要点
1 当日にベッド上から移動していないか 車椅子移乗、訓練室移動、端坐位練習などが入る場合は慎重に再確認する
2 主目的は何か ポジショニング又は拘縮予防等が主目的かを確認する
3 他動的な訓練のみか 能動運動、排痰を促す訓練、言語療法、離床を目指す訓練が混在しないかを見る
4 非該当条件に当たらないか 救急・集中治療系、早期加算算定中、小児、医師が 3 単位以上必要と認めた場合を確認する
5 20 分以上・1 日 2 単位以内か 実施時間と単位上限をオーダー時点で確認する
6 診療録と摘要で説明できるか 対象理由、目的、内容、時間を第三者が追える形で残す

5 分フロー:Yes / No で判定する

院内で判断をそろえるなら、担当者ごとの解釈ではなく、同じ質問順で確認する形にします。迷った場合は、Q1 から戻って「当日のリハ全体」で判定してください。

離床なしリハの判定 5 分フロー
図:離床なしリハの判定 5 分フロー
離床なしリハ判定フロー( Yes / No )
質問 Yes のとき No のとき
Q1. 当日にベッド上から移動していないか Q2 へ進む 離床あり側で整理し、この区分の適合性を再確認する
Q2. 主目的はポジショニング又は拘縮予防等か Q3 へ進む 離床なし区分の適合性は低い。目的を再確認する
Q3. 他動的な訓練のみか Q4 へ進む 能動運動、離床練習、言語療法などが混在しないか再分類する
Q4. 非該当条件に当たらないか Q5 へ進む この区分に当てはめない運用へ切り替える
Q5. 20 分以上の個別療法か Q6 へ進む 要件未達のため、実施計画・時間・記録を見直す
Q6. 1 日 2 単位以内で、摘要まで追えるか 算定・記録の実行へ進む オーダー、実施入力、摘要記載を再確認する

対象と非該当は先に分ける

対象判定で迷ったときは、「当てはまるか」よりも「先に除外すべき患者ではないか」を見ます。非該当条件を先に弾くと、返戻や院内修正のリスクを下げやすくなります。

対象/非該当の早見(令和 8 年度改定時点)
区分 要点 現場での見方
対象 個別療法を実施する日に、ベッド上から移動せず、ポジショニング又は拘縮予防等を主たる目的とした他動的な訓練のみを行う入院患者 「当日移動なし」+「維持・予防目的」+「他動のみ」の 3 点で説明できる
非該当 1 救命救急入院料、 ICU 、 HCU 、 SCU 、 PICU 、 NICU などの管理料対象患者、または早期リハ・初期加算・急性期リハ加算を算定している患者 救急・集中治療系や早期加算算定中は、この区分へ安易に当てはめない
非該当 2 疾患及び状態によりベッド上からの移動が困難な 15 歳未満の小児患者 小児は別扱いとして先に確認する
非該当 3 ベッド上からの移動が困難で、個別療法を 3 単位以上行うことが医学的に必要と医師が特に認めた患者 医学的理由、長時間リハの必要性、訓練内容を診療録と摘要で残す

疑義解釈その 2 の 6 事例で判断する

疑義解釈その 2 では、離床を伴わないリハビリテーションの該当性が 6 事例で整理されています。重要なのは、ベッド上で行ったかどうかだけでなく、ベッド上のみかつポジショニング又は拘縮予防等を目的とした他動的な訓練のみかどうかです。

疑義解釈その 2 の 6 事例:該当/非該当の早見
事例 判定 見るポイント
① 最初の 1 単位はベッド上、2 単位目の途中から車椅子移乗して計 6 単位 非該当 車椅子に移乗しており、「ベッド上のみ」ではない
② ベッド上で自ら膝の曲げ伸ばし等の運動や排痰を促す訓練 非該当 能動的な運動や排痰を促す訓練が含まれ、「他動的な訓練のみ」ではない
③ ベッド上でギャッジアップし、高次脳機能障害や構音障害等に係る言語療法 非該当 ポジショニング又は拘縮予防等を目的とした他動的訓練のみではない
④ 離床を目指して臥位から座位へ進めたが、結果的に端坐位に至らず終了 非該当 離床を目指した訓練であり、他動的訓練のみではない
⑤ 車椅子に移乗して訓練室へ移動し、訓練室ベッド上で他動的関節可動域訓練のみ 非該当 車椅子へ移乗しており、「ベッド上のみ」ではない
⑥ ベッド上で主に拘縮予防や褥瘡予防を目的とした他動的 ROM ・ポジショニングのみ 該当 「ベッド上のみ」かつ「他動的な訓練のみ」に当たる

現場の詰まりどころ:よくある誤判定を避ける

ここだけは固定: 回避手順(記録テンプレ)へ進むFAQ を確認する

離床判定の OK / NG 比較(現場の詰まりどころ)
場面 NG(誤判定) OK(回避手順)
判定の入口 「ベッド上でやったから離床なし」と決める 当日の移動の有無、主目的、他動的訓練のみの 3 点で判定する
単位内の一部訓練 一部に他動的訓練が入っただけで離床なし扱いにする 1 単位全体を見て、それ以外の訓練が適切に行われていれば非該当とする
非該当確認 対象条件だけを見て、非該当を後回しにする 非該当条件を先に弾いてから適合判定する
時間要件 20 分以上が読み取れない記録にする 開始/終了または合計時間を必須入力にする
摘要 診療録だけに残し、摘要が空欄になる 対象理由、目的、内容、時間を摘要に反映する

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の「型」をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

診療録+摘要の記録テンプレ

判定を正しく行っても、記録で説明できなければ運用は不安定になります。最小限そろえる要素は、分類、目的、内容、量、結果、摘要です。特に摘要は、対象理由・内容・時間が追えるように定型化します。

離床判定を支える最小記録テンプレ(分類 → 目的 → 内容 → 量 → 結果)
書く内容 記載例
分類 離床あり/なしと根拠 離床なし:当日ベッド上から移動せず、拘縮予防目的の他動的訓練のみで実施
目的 主目的を 1 行で明示 拘縮予防、ポジショニング調整、褥瘡予防、安楽肢位の調整
内容 実施内容を具体化 他動 ROM 、体位調整、ポジショニング、呼吸介助を実施
時間・回数・介助量・条件 個別 20 分、両下肢 ROM 、体位調整、ベッド上で実施
結果 所見・数値・変化 疼痛、関節可動域、筋緊張、皮膚状態、呼吸苦、バイタル変化
摘要 対象理由・目的・内容・時間 ベッド上からの移動困難。拘縮予防目的に他動 ROM ・ポジショニングを 20 分実施。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. ベッド上で実施したら必ず「離床なし」ですか?

A. いいえ。ベッド上で実施したことだけでは判定できません。当日にベッド上から移動していないか、主目的がポジショニング又は拘縮予防等か、他動的な訓練のみかを合わせて確認します。

Q2. 1 単位の一部に他動的訓練が入ると、離床なしになりますか?

A. いいえ。それ以外の訓練が適切に行われている場合は、この区分の「特定の患者」には該当しない整理です。1 単位全体で見ます。

Q3. 疑義解釈その 2 の 6 事例では、どれが該当しますか?

A. ①〜⑤は非該当、⑥のみ該当です。車椅子移乗、能動運動、言語療法、離床を目指す座位練習などが含まれる場合は、離床なし区分に安易に当てはめません。

Q4. 3 単位以上必要な患者はどう扱いますか?

A. 医師が特に必要と認めた場合は、この区分の対象から外れる整理です。ベッド上からの移動が困難な医学的理由、長時間リハの必要性、訓練内容を診療録と摘要へ残します。

Q5. 20 分以上や 1 日 2 単位の見落としを防ぐには?

A. オーダー時、実施入力時、レセ前の 3 点で同じチェック項目を回します。時間は「開始/終了」または「合計時間」のどちらかを必須にすると抜けにくくなります。

Q6. 記録で最低限そろえる要素は何ですか?

A. 分類、目的、内容、量、結果、摘要の 6 つです。特に摘要は、対象理由・目的・内容・時間が追える形にしておくと説明しやすくなります。

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参考資料

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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