リハ総合計画評価料 1・2 は「対象」と「初回判定」を分けると迷いません
リハ総合計画評価料で迷いやすいのは、点数の暗記そのものではなく、評価料 1 / 2 の違いと初回 / 2 回目以降の判定です。令和 8 年改定では、評価料 1 は初回 300 点・ 2 回目以降 240 点、評価料 2 は初回 240 点・ 2 回目以降 196 点となりました。
転院、再発、 2026 年 6 月 1 日またぎで判断がぶれやすいため、実務では「どの患者が 1 / 2 か」と「今回は初回か 2 回目以降か」を分けて考えると整理しやすいです。関連:全体像は 令和 8 年改定|リハ書類簡素化と総合計画評価料の要点 で先に確認できます。
まず早見表:評価料 1・2 と初回 / 2 回目以降の違い
図で全体像をつかんだあとに、表で点数と判定の軸を確認すると整理しやすいです。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 区分 | 点数 | 主な対象 | 実務の見方 |
|---|---|---|---|
| 評価料 1(初回) | 300 点 | 介護リハ利用予定患者以外が中心 | まず「評価料 1 / 2 」の対象判定を行い、そのうえで自院での初回算定かを確認します。 |
| 評価料 1( 2 回目以降) | 240 点 | 上と同じ | 同じ区分で、すでに自院で算定歴があるかを確認します。 |
| 評価料 2(初回) | 240 点 | 介護リハ利用予定患者 | 要介護被保険者等で、標準的算定日数の 3 分の 1 経過後の介護リハ移行を見込む患者が軸です。 |
| 評価料 2( 2 回目以降) | 196 点 | 上と同じ | 評価料 2 の対象で、同じ区分の再算定にあたる場合です。 |
評価料 1 と 2 の違い:先に見るのは「介護リハ利用予定」かどうかです
区分の違いは、初回かどうかの前に、そもそも評価料 1 と 2 のどちらの対象かを分けることです。留意事項では、注 1・注 2 の「介護リハビリテーションの利用を予定している患者」とは、要介護被保険者等で、各疾患別リハビリテーション料の標準的算定日数の 3 分の 1 を経過した期間にリハビリテーションを実施している患者とされています。
つまり実務では、介護保険移行を見込む患者かどうかを先に見て、評価料 1 / 2 を決めます。その後に、今回が自院での初回算定なのか、同じ区分の 2 回目以降なのかを判定すると、判断が混ざりにくくなります。
初回と 2 回目以降の判定:迷いやすい 4 パターン
初回判定は、他院での算定歴ではなく、自院で同一疾患に対して初めて算定するかが基本です。ここを院内でそろえるだけでも、摘要と説明がかなり安定します。
1.他院で算定後に転院した場合
疑義解釈では、他の保険医療機関でリハビリテーション総合計画評価料を算定した後に転医した場合でも、自院で同一の疾患に対して初めて総合計画評価料を算定するなら「初回」とされています。転院してきたから自動的に 2 回目以降、とはなりません。
2.自院で同一疾患を継続して再評価する場合
同じ区分で、すでに自院で算定歴があるなら、基本は 2 回目以降で整理します。ここは「前回いつ算定したか」「今回も同じ区分か」を診療録や台帳で追えるようにしておくと、担当者が変わってもぶれにくくなります。
3.再発・急性増悪で起算日が再設定された場合
同一の疾患別リハビリテーション料であっても、新たな疾患の発症、再発、急性増悪などで起算日が再設定され、改めて総合実施計画書の作成・評価を行った場合は「初回」とされています。脳梗塞再発などは、ここで迷いやすい代表例です。
4. 2026 年 5 月 31 日以前に算定し、 6 月 1 日以降に再度算定する場合
疑義解釈では、 2026 年 5 月 31 日以前に評価料 1 または 2 を算定していた場合、同年 6 月以降に再度同じ区分の算定要件を満たしても「 2 回目以降 」と整理されています。改定をまたいだから全件リセット、ではありません。
現場の詰まりどころ:初回判定がぶれやすい理由
スマホでは表を横スクロールできます。
| 詰まりどころ | なぜぶれるか | 最小修正 | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 転院患者 | 前医の算定歴をそのまま引き継ぐと思い込みやすい | 「自院で初回か」を先に確認する | 前医情報とは別に、自院初算定日を残す |
| 再発・急性増悪 | 同じ疾患名だから継続扱いにしやすい | 起算日再設定の有無を確認する | 再発日、急性増悪日、再評価実施日を残す |
| 6 月またぎ | 改定後に全件初回へ戻すと誤解しやすい | 5 月 31 日以前の算定歴を確認する | 改定前算定歴の有無を一覧で確認できるようにする |
| 評価料 1 / 2 の混同 | 初回判定と区分判定を同時に考えてしまう | 「対象判定 → 初回判定」の順に固定する | 要介護被保険者等か、介護リハ移行予定かを先に確認する |
記録で残す最小セット:摘要・診療録で何を書くか
初回判定をあとで説明できるようにするには、長文よりも判断根拠を短く固定した方が実務で回ります。最低限、今回の区分( 1 / 2 )、初回か 2 回目以降か、その判断理由、起算日再設定の有無、前回算定歴の有無は追える状態にしておくと安心です。
また、留意事項では、総合実施計画書の写しに説明日と説明者の記載がない場合は診療録へ記載すること、患者等の署名は不要とされています。さらに疑義解釈では、説明内容そのものの記載は原則不要ですが、患者の意見など特記すべき事項がある場合は診療録に記載すると整理されています。
1 行でそろえる判定メモ例
実務では、摘要や診療録に短く残せる言い回しをそろえるとぶれにくくなります。たとえば、次のような形です。
| 場面 | メモ例 |
|---|---|
| 転院後の初回 | 前医算定歴あり。ただし当院で同一疾患に対する総合計画評価料は初回のため、初回で算定。 |
| 再発後の初回 | 再発により起算日再設定。改めて総合実施計画書を作成・評価したため、初回で算定。 |
| 継続で 2 回目以降 | 同一区分で当院算定歴あり。今回も算定要件を満たすため、 2 回目以降で算定。 |
| 改定またぎ | 2026 年 5 月 31 日以前に同一区分の算定歴あり。 6 月 1 日以降は 2 回目以降で算定。 |
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1.転院したら必ず 2 回目以降ですか?
いいえ。前医での算定歴があっても、当院で同一疾患に対して初めて総合計画評価料を算定するなら初回です。判定の軸は、他院歴よりも「自院で初めてかどうか」です。
Q2.再発で起算日が変わったら初回ですか?
再発や急性増悪などで起算日が再設定され、改めて総合実施計画書を作成し、評価を行った場合は初回です。疾患名が同じでも、起算日再設定と再評価の実施がポイントになります。
Q3. 2026 年 6 月から全員が初回に戻りますか?
戻りません。 2026 年 5 月 31 日以前に同じ区分の算定歴がある場合、 6 月 1 日以降は 2 回目以降で整理します。改定をまたいだだけでは初回になりません。
Q4.説明内容も診療録に全部書く必要がありますか?
原則として不要です。説明日・説明者が計画書の写しにない場合は診療録へ補いますが、説明内容そのものの記載は原則不要です。患者の意見や特記事項があるときだけ追加で残すと整理しやすいです。
次の一手
このテーマは、単独で読むよりも「全体像 → 区分判定 → 書き方」の順に確認した方が止まりにくいです。次は次の 3 本をつなげておくと、院内共有がしやすくなります。
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定 – リハビリテーション総合計画評価料に関する改定資料.資料を見る
- 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その 1 ). 2026 年 3 月 23 日.資料を見る
- 厚生労働省保険局医療課.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発 0305 第 6 号). 2026 年 3 月 5 日.資料を見る
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

