医療機関機能報告は「役割・数字・次の課題」の3点に絞ると会議で伝わりやすいです
医療機関機能報告の院内会議では、制度説明よりも自院がどの役割を担い、どの数字で示し、次に何を整えるかを共有することが重要です。本記事では、リハ部門が会議で説明しやすい1枚資料の型、KPIの選び方、よくある失敗を整理します。制度の総論ではなく、院内会議で「どう見せるか」に絞って確認したい方向けの記事です。
制度の全体像は 新たな地域医療構想2040|リハ部門が2026年に準備すること、指標そのものの整理は 医療機関機能報告【2026】リハ部門がそろえる指標を整理 に譲り、本記事では院内会議で使う説明テンプレに絞ります。

医療機関機能報告の院内会議で決めること
院内会議で最初に決めるべきことは、「自院がどの機能を担う方向で考えるか」と「その説明に使う数字」です。
医療機関機能報告は、単に病床数や実績を並べる作業ではありません。現在担っている機能、2040年に向けて担う機能、診療実績などをもとに、地域での役割分担を協議していく流れにつながります。そのため、院内会議でも制度の背景を長く説明するより、まず自院の立ち位置を短く示すことが大切です。
リハ部門では、高齢者救急、退院調整、在宅復帰支援、生活機能支援などのうち、どこに自院の強みがあるかを整理します。そのうえで、病棟別・患者群別の数字を添えると、会議での説明が具体的になります。
リハ部門の説明テンプレは1枚で十分です
院内会議で使う資料は、最初から厚い資料にする必要はありません。まずは1枚で、役割・指標・病棟差・次の課題を示せれば十分です。
資料を作るときは、制度の背景や細かな注釈を詰め込みすぎないことが重要です。会議では「何を担うのか」「その根拠は何か」「次に何を整えるのか」が見えれば、次の議論につながりやすくなります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| ブロック | 入れる内容 | 書き方のコツ |
|---|---|---|
| 役割 | 自院が担う患者像や機能 | 1〜2文で短く言い切ります |
| 指標 | 役割を示す代表KPI | 1役割に1〜2指標までに絞ります |
| 病棟差 | 病棟別・患者群別の違い | 病院全体平均だけで終わらせません |
| 次の課題 | 今後そろえる体制や数字 | 抽象語ではなく次の行動に落とします |
会議で使いやすい説明順は4ステップです
会議では、①自院の役割、②それを示す数字、③病棟別の差、④次に整える課題の順で説明すると、話が散らばりにくくなります。
制度の背景から話し始めると、説明が長くなりやすいです。院内会議では、制度解説よりも「自院の立ち位置」と「次の準備」を短時間で共有できる形を優先します。
1.自院の役割を先に言い切る
最初に、「高齢者救急後の生活機能支援を担う」「退院調整と在宅復帰支援を強みとする」など、自院の役割を短く言い切ります。ここが曖昧だと、後から数字を並べても何を示したいのか伝わりにくくなります。
2.役割を示す数字を1〜2個置く
役割の次に、その裏づけになる数字を置きます。たとえば、高齢者救急なら早期介入率、在宅復帰支援なら在宅復帰率や退院支援開始率などです。数を増やしすぎるより、説明したい役割に直結する数字だけを残した方が伝わります。
3.病棟別や患者群別の差を出す
病院全体の平均だけでは、次の打ち手につながりにくくなります。病棟別、患者群別、退院先別に分けて、「どこが強いか」「どこが弱いか」を見せると、会議で具体的な議論に入りやすくなります。
4.次に整える課題を1行で示す
最後に、「病棟別集計をそろえる」「退院先別の集計を開始する」「地域連携カンファレンス件数を拾う」など、次に整える課題を1行で示します。ここがないと、資料が振り返りだけで終わりやすくなります。
会議で先に出したいKPI
会議で出すKPIは、役割と結びつきやすいものに絞ります。
早期離床、早期介入、在宅復帰、退院調整、在宅連携、生活機能支援は、医療機関機能報告の文脈でも説明しやすい軸です。ただし、すべてを同じ重みで並べると論点がぼやけます。自院が何を強みとして示したいのかに合わせて、主役にするKPIを選びます。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 役割の軸 | 置きやすいKPI | 説明のひと言 |
|---|---|---|
| 高齢者救急 | 入院後48時間以内介入率、離床開始までの日数 | 早く動ける体制を示しやすいです |
| 退院調整 | 退院支援開始率、家族指導件数 | 退院後を見据えた支援を示せます |
| 在宅復帰 | 在宅復帰率、自宅退院割合 | 転帰の強みを説明しやすいです |
| 在宅連携 | 訪問系サービス連携件数、地域連携カンファレンス件数 | 地域につなぐ力を示せます |
| 生活機能支援 | ADL改善率、退院時FIM変化 | 「治し支える」役割を示しやすいです |
よくある失敗は数字を増やしすぎることです
会議資料でよくある失敗は、数字を増やしすぎて論点がぼやけることです。
数字が多いほど説得力が出るように見えますが、会議では逆に「結局、何を言いたいのか」が見えにくくなることがあります。特に、病院全体の平均だけを並べると、病棟や患者群ごとの課題が見えず、次の改善につながりにくくなります。
もう1つの失敗は、最後の課題が抽象的になることです。「連携を強化する」「体制を整える」だけでは行動に移しにくいため、「退院先別の集計を追加する」「病棟別に早期介入率を確認する」など、次にやることまで落とし込みます。
現場ではKPIと自院の役割がつながらないところで詰まりやすいです
実際の現場では、KPIはあるのに会議資料へ落とし込めない場面があります。
たとえば、早期介入率や在宅復帰率を持っていても、それが自院のどの役割を示す数字なのかが曖昧だと、資料上は「数字の羅列」になりやすいです。療養病棟や地域包括ケア病棟では、急性期病院と同じ見せ方ではなく、生活機能支援、退院調整、在宅連携などの文脈に数字をつなげる方が説明しやすくなります。
会議資料を作る前に、「この数字は何の役割を示すのか」を1行で書いてみると、資料の通りがよくなります。KPI自体の整理は、医療機関機能報告【2026】リハ部門がそろえる指標を整理で確認できます。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
会議では何を1枚にまとめればよいですか?
役割、指標、病棟ごとの差、次に整える課題の4つをまとめると使いやすいです。制度の背景より、自院の立ち位置と次の準備が分かる形を優先します。
高齢者救急の数字は何を出すとよいですか?
入院後48時間以内介入率、離床開始までの日数、退院支援開始率などが出しやすいです。件数だけでなく、どれだけ早く介入できているかを示す数字があると説明しやすくなります。
在宅医療等連携の数字は何を出すとよいですか?
在宅復帰率、訪問系サービス連携件数、地域連携カンファレンス件数などが使いやすいです。退院後までつながる数字を置くと、地域との接続を説明しやすくなります。
病院全体の平均だけでもよいですか?
最初の整理としては使えますが、会議資料では病棟別・患者群別・退院先別に分けた方が次の課題を出しやすくなります。全体平均だけだと、どこを改善するべきかが見えにくくなります。
2026年は何を準備しておけばよいですか?
病棟別や患者群別で数字を切り出せるようにしておくこと、退院先や連携件数を追えるようにしておくことが大切です。現状把握と課題設定の材料をそろえる時期と考えると整理しやすくなります。
次の一手
まず制度の全体像から整理したい場合は、新たな地域医療構想2040|リハ部門が2026年に準備すること に戻ると流れをつかみやすいです。
次に、会議へ出す前のKPI自体を整理したい場合は、医療機関機能報告【2026】リハ部門がそろえる指標を整理 をあわせて読むと、会議資料へ落とし込みやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省. 新たな地域医療構想に関するとりまとめ. PDF
- 厚生労働省. 新たな地域医療構想策定ガイドラインについて. PDF
- 厚生労働省. 新たな地域医療構想に関するとりまとめの概要. PDF
- rehabilikun blog. 新たな地域医療構想2040|リハ部門が2026年に準備すること
- rehabilikun blog. 医療機関機能報告【2026】リハ部門がそろえる指標を整理
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下

