- SGAの評価方法|単一項目や合計点では判定しない
- SGAは病歴と身体所見を統合する栄養アセスメント
- SGAを使う経路とGLIM基準を使う経路は分けて運用する
- SGAの評価方法|病歴から身体所見の順に確認する
- SGAの病歴項目|5つの情報を時間軸で整理する
- SGAの身体所見|脂肪・筋量・浮腫・腹水を確認する
- SGAのA・B・C判定|複数の所見を重みづけして判断する
- 病歴と身体所見が一致しない場合は判定を保留して追加確認する
- 浮腫・廃用・サルコペニア・カヘキシアを分けて考える
- SGA評価・判定根拠 記録補助シートPDF
- SGAの記録方法|事実・期間・解釈を分ける
- SGAは栄養介入・病態・体液量が変化したときに再評価する
- SGAで起こりやすい判定ミスと修正方法
- SGAに関するよくある質問
- まとめ|病歴と身体所見の整合性からA・B・Cを判定する
- 次に確認する内容
- 参考文献
- 著者情報
SGAの評価方法|単一項目や合計点では判定しない
SGA(Subjective Global Assessment/主観的包括的栄養評価)は、体重変化、食事摂取量、消化器症状、活動性、疾患の影響と身体所見を統合し、栄養状態をA・B・Cの3段階で分類する栄養アセスメントです。
SGAには、合計点や一律のカットオフはありません。体重減少率、摂取量、筋量減少、浮腫など、1つの数値や所見だけで分類せず、変化の時間軸、現在の改善・悪化傾向、身体所見、体液量をまとめて判断します。
一般的には、Aは栄養状態良好、Bは軽度〜中等度の低栄養または低栄養疑い、Cは高度低栄養を示します。日本語表記が施設の正式様式と異なる場合は、院内で採用している表記を優先してください。
SGA評価の要点
- 病歴と身体所見を一続きで確認する
- 変化の量だけでなく、期間と改善・悪化傾向を確認する
- 体重減少や筋量減少など、単一所見で分類しない
- 浮腫・腹水・輸液・利尿による体液変動を考慮する
- 病歴と身体所見が一致しない場合は追加確認する
- A・B・Cとともに、主要根拠と不明点を記録する
SGAは病歴と身体所見を統合する栄養アセスメント
SGAは、単独の検査値や体格指標ではなく、患者の病歴と身体所見を統合して栄養状態を評価します。
評価する情報は、大きく病歴と身体所見に分かれます。
- 病歴:体重変化、食事摂取量、消化器症状、活動性、疾患による代謝需要
- 身体所見:皮下脂肪、骨格筋量、浮腫、腹水
SGAで重要なのは、それぞれの項目を独立して数えることではありません。「肺炎後に食事摂取量が低下し、その後に体重減少と活動性低下が生じた」「浮腫によって体重減少が見えにくいが、皮下脂肪と筋量の減少が進んでいる」など、変化のつながりを確認します。
筋量減少や体重減少があっても、すべてが低栄養によるとは限りません。廃用、加齢、麻痺、サルコペニア、カヘキシア、体液量の変化などを考慮し、栄養摂取不足や吸収不足が身体消耗をどの程度説明しているかを判断します。
SGAを使う経路とGLIM基準を使う経路は分けて運用する
SGAで栄養状態を評価する経路と、栄養スクリーニング後にGLIM基準で診断する経路は分けて考えます。
SGAは病歴と身体所見を統合して栄養状態をA・B・Cに分類するアセスメントです。一方、GLIM基準は、検証済みの栄養スクリーニングでリスクが認められた対象者について、表現型基準と病因基準を確認し、低栄養を診断する枠組みです。
SGAは習熟を要するアセスメントであり、GLIM基準の前段階に置く簡便な栄養スクリーニングとして使用することは推奨されません。GLIM基準を使用する運用では、MUST、NRS-2002、MNA-SFなど、施設で採用している検証済みスクリーニングツールを前段階に使用します。
| 経路 | 最初に行う評価 | 次の段階 | 結果 |
|---|---|---|---|
| SGA経路 | 病歴と身体所見を確認する | 所見を統合して総合判定する | SGA A・B・C |
| GLIM経路 | 検証済み栄養スクリーニングを行う | リスクありの場合にGLIM基準を適用する | 低栄養の有無・重症度 |
SGAをGLIM前の簡便なスクリーニングとして配置しない
SGAを実施したあとに全例へGLIM基準を重ねるのではなく、施設が採用する栄養評価経路を明確にします。両者を併用する場合も、目的と結果の扱いを院内手順で定めてください。
SGAの評価方法|病歴から身体所見の順に確認する
SGAは、病歴を時系列で整理したあとに身体所見を確認し、最後にA・B・Cを総合判定します。
- 通常体重、現在体重、体重変化の期間を確認する
- 浮腫、腹水、輸液、利尿など体液変動の影響を確認する
- 食事摂取量と食べられない理由を確認する
- 消化器症状の種類、頻度、持続期間を確認する
- 活動性と疾患による代謝需要を確認する
- 皮下脂肪、骨格筋量、浮腫、腹水を観察する
- 病歴と身体所見の整合性を確認する
- A・B・Cまたは判定保留を選び、根拠を記録する
- 対応、共有先、再評価条件を決める

情報が不足している場合や、病歴と身体所見が一致しない場合は、無理に分類を確定しません。判定保留として不足情報を明記し、体重履歴、食事摂取記録、輸液・利尿薬、炎症所見、浮腫の変化などを追加確認します。
| 順番 | 確認内容 | 記録するポイント |
|---|---|---|
| 1 | 体重変化・体液量 | 通常体重、現在体重、変化した期間、輸液・利尿・浮腫の影響 |
| 2 | 食事摂取量 | 摂取割合、食形態、継続期間、食べられない理由 |
| 3 | 消化器症状 | 症状の種類、頻度、持続期間、摂取への影響 |
| 4 | 活動性・疾患の影響 | 日常活動の変化、感染・手術・炎症・発熱などの経過 |
| 5 | 身体所見 | 観察部位、脂肪・筋量の減少、浮腫・腹水 |
| 6 | 整合性・総合判定 | 一致・不一致・情報不足、A・B・C、主要根拠、不明点 |
SGAの病歴項目|5つの情報を時間軸で整理する
病歴では、現在の状態だけでなく、いつからどのように変化し、現在は改善・不変・悪化のどの段階にあるかを確認します。
| 項目 | 確認内容 | 判断時の注意点 |
|---|---|---|
| 体重変化 | 通常体重、現在体重、過去6か月と直近の変化、現在の傾向 | 浮腫、腹水、輸液、利尿、透析による体液変化を考慮する |
| 食事摂取量 | 摂取割合、食形態、回数、摂取低下の期間と変化 | 食欲だけでなく、嚥下、口腔、症状、食事介助、環境を確認する |
| 消化器症状 | 悪心、嘔吐、下痢、食欲不振などの種類・頻度・持続期間 | 一過性か持続性か、摂取量へどの程度影響しているかを確認する |
| 活動性 | 歩行、離床、家事、就労、日常活動の変化 | 低栄養だけでなく、疾患、疼痛、麻痺、廃用の影響を考慮する |
| 疾患の影響 | 感染、手術、外傷、炎症、発熱などの代謝ストレス | 代謝需要の増加と摂取低下が重なっていないか確認する |
病歴は、項目ごとの「あり・なし」で終わらせず、前後関係を文章でまとめます。
記録例:肺炎発症後から食欲が低下し、10日間ほど摂取量が5割前後で経過。離床時間も短縮し、直近の体重は通常体重より減少している。下腿浮腫を認めるため、体重変化量の解釈には注意を要する。
SGAの身体所見|脂肪・筋量・浮腫・腹水を確認する
身体所見では、皮下脂肪と骨格筋量の減少を確認し、体重や身体所見を修飾する浮腫・腹水も観察します。
観察部位は、施設で使用しているSGA様式や評価手順に合わせて統一します。再評価では、同じ部位、体位、照明、観察順をそろえます。
| 確認項目 | 観察部位の例 | 記録・解釈 |
|---|---|---|
| 皮下脂肪 | 上腕三頭筋周囲、胸壁など | 脂肪の厚み、骨性輪郭、左右差を記録する。減少は低栄養を支持する所見となる |
| 骨格筋量 | 側頭部、鎖骨周囲、肩、大腿四頭筋、下腿など | 筋腹、陥凹、骨性突出を確認し、廃用・麻痺・加齢などの影響も考慮する |
| 浮腫 | 下腿、足部、仙骨部など | 部位、圧痕、左右差、経時変化を記録する。原因を栄養状態だけに限定しない |
| 腹水 | 腹部 | 有無と経過を確認し、疾患、輸液、体重変化との整合性を判断する |
浮腫や腹水を認めただけで、栄養に関連する所見と断定しません。心・腎・肝機能、炎症、静脈・リンパ還流、輸液、薬剤など、他の原因も含めて評価します。
記録例:両下腿に圧痕性浮腫を認める。浮腫の原因は栄養状態のみでは説明できず、心・腎機能、輸液量、薬剤変更を追加確認する。
SGAのA・B・C判定|複数の所見を重みづけして判断する
A・B・Cは、病歴と身体所見の全体像、変化の程度、持続期間、改善・悪化傾向を重みづけして判定します。
SGAには合計点や一律のカットオフがありません。以下の表は機械的な判定基準ではなく、総合判定を行う際にみられる典型的な所見です。
| 分類 | 病歴の傾向 | 身体所見の傾向 | 対応の考え方 |
|---|---|---|---|
| A:栄養状態良好 | 摂取量が保たれ、重大な体重減少や持続する症状がない。直近で安定または改善している | 明らかな脂肪・筋量減少を認めず、病歴と矛盾する体液所見がない | 現在の状態を維持し、病態や摂取量の変化を観察する |
| B:軽度〜中等度の低栄養または低栄養疑い | 体重減少、摂取低下、症状、活動性低下が認められるが、程度や所見の整合性に幅がある | 軽度〜中等度の脂肪・筋量減少を認める、または体液変動により判定へ不確実性がある | 原因と介入可能な要因を整理し、対応と再評価条件を決める |
| C:高度低栄養 | 持続する著しい摂取不足や明らかな体重減少があり、改善傾向に乏しい | 明らかな脂肪・筋量減少が複数部位で認められ、病歴と身体所見が整合する | 多職種で速やかに共有し、栄養管理の優先度を高める |
判定時に重みづけする情報
- 体重減少の量と速度
- 直近で体重が改善・安定・減少しているか
- 摂取量低下の程度と持続期間
- 消化器症状が食事摂取へ与えている影響
- 活動性低下の程度と原因
- 疾患や炎症による代謝需要
- 皮下脂肪・骨格筋量減少の程度と分布
- 浮腫、腹水、輸液、利尿などの体液変動
- 病歴と身体所見の整合性
病歴と身体所見が一致しない場合は判定を保留して追加確認する
病歴と身体所見が一致しない場合は、評価者の印象だけでA・B・Cを確定せず、不一致の原因を確認します。
たとえば、体重減少がないにもかかわらず脂肪・筋量減少が目立つ場合は、浮腫や腹水によって体重減少が隠れている可能性があります。一方、体重減少があっても身体所見が保たれている場合は、利尿、脱水、測定条件の違いなどを確認します。
| 状況 | 考えられる要因 | 追加確認 |
|---|---|---|
| 体重は維持しているが身体消耗がある | 浮腫、腹水、輸液、体液貯留 | 浮腫の経過、輸液量、尿量、利尿薬、通常体重 |
| 体重減少があるが身体所見は保たれている | 脱水、利尿、測定条件差、一過性変動 | 水分状態、測定日時、測定機器、摂取量の推移 |
| 筋量減少のみが目立つ | 廃用、麻痺、加齢、神経筋疾患 | 活動量、麻痺側、筋力、摂取不足との時間的関係 |
| 摂取量低下と身体消耗が釣り合わない | 炎症、悪性疾患、カヘキシア | 疾患経過、炎症、治療、代謝ストレス |
判定を保留する場合は、「判定できない」で終わらせず、不足情報、追加確認する項目、共有先、再評価予定を記録します。
浮腫・廃用・サルコペニア・カヘキシアを分けて考える
SGAで身体消耗を認めた場合は、低栄養だけでなく、廃用、サルコペニア、カヘキシアなどの影響も考慮します。
浮腫や腹水で体重減少が隠れる
浮腫や腹水があると、脂肪や筋量が減少していても体重が維持または増加することがあります。体重だけで判断せず、食事摂取量、通常体重、身体所見、輸液・利尿の経過を確認します。
廃用による筋萎縮が重なる
長期間の安静、活動量低下、麻痺、疼痛などがある場合は、廃用による筋萎縮が生じます。筋量減少だけでSGA B・Cと判断せず、摂取不足や体重変化との時間的関係を確認します。
サルコペニアは別の評価が必要
サルコペニアは筋量、筋力、身体機能などから評価します。SGAは栄養状態を評価する方法であり、サルコペニアを単独で診断する尺度ではありません。両者は併存することがあります。
カヘキシアと低栄養は重複することがある
悪性疾患や慢性炎症性疾患では、栄養摂取不足だけでは説明できない身体消耗が生じることがあります。SGAの結果だけでカヘキシアを診断せず、疾患、炎症、治療、代謝変化を含めて評価します。
SGA評価・判定根拠 記録補助シートPDF
病歴5項目、身体所見、体液変動、所見の整合性、A・B・C判定、判定保留、対応、再評価条件を記録できるA4補助シートです。
評価前に通常体重、現在体重、食事摂取記録、輸液、利尿薬などを確認しておくと、ベッドサイドでの聞き取りと身体所見を一続きで記録できます。
A4縦・1ページ
SGA評価・判定根拠 記録補助シートv2
情報源、体重変化、食事摂取量、消化器症状、活動性、疾患の影響、身体所見、体液変動、所見の整合性、判定根拠、共有先、再評価条件を記録できます。
PDFのプレビューを表示する
本シートはSGAの非公式な記録補助資料です
施設で採用している正式様式と評価手順を優先してください。A・B・Cはチェック数や合計点ではなく、病歴と身体所見を統合して判定します。
SGAの記録方法|事実・期間・解釈を分ける
記録では、A・B・Cだけでなく、判定に使用した事実、対象期間、解釈、不明点、再評価条件を残します。
原因が確定していない場合は断定せず、「可能性がある」「要確認」「判定保留」と記載します。
| 項目 | 記録の型 | 記録例 |
|---|---|---|
| 体重変化 | 期間+変化量+変化方向+体液の影響 | 直近1か月で体重減少あり。現在も減少傾向。下腿浮腫があり変化量の解釈に注意 |
| 食事摂取量 | 摂取割合+期間+低下理由+現在の傾向 | 7日間ほど摂取量5割前後。悪心により中断あり。現時点で改善を認めない |
| 身体所見 | 部位+観察事実+程度+左右差 | 上腕三頭筋周囲の皮下脂肪減少あり。両下腿に圧痕性浮腫を認める |
| 整合性 | 一致・不一致・情報不足+理由 | 摂取低下と脂肪減少は一致。浮腫により体重変化の評価には不確実性あり |
| 総合判定 | 分類+主要根拠+代替要因 | SGA B。摂取低下、体重減少、皮下脂肪減少を認める。筋量低下には廃用の影響も考慮 |
| 再評価条件 | 時期または状態変化+確認する項目 | 摂取量改善後、浮腫軽減後、栄養介入変更後に同じ部位を再評価する |
共有例:SGA B。肺炎後から摂取量が約5割へ低下し、体重減少と上腕部の皮下脂肪減少を認めます。下腿浮腫があるため体重減少量は過小評価の可能性があります。心・腎機能と輸液量を確認し、摂取量および浮腫の変化後に再評価します。
SGAは栄養介入・病態・体液量が変化したときに再評価する
SGAの再評価時期は一律ではなく、栄養状態、病態、体液量、活動性が変化したときに設定します。
- 栄養介入や食形態を変更したあと
- 摂取量が改善または低下したとき
- 体重の変化方向が変わったとき
- 感染、手術、急性増悪など病態が変化したとき
- 輸液、利尿薬、透析条件の変更で体液量が変化したとき
- 浮腫や腹水が改善・悪化したとき
- 離床や活動量が大きく変化したとき
- 前回評価で病歴と身体所見が一致しなかったとき
- 情報不足で判定を保留したとき
再評価では、前回と同じ観察部位、体位、照明、記録項目を使用します。A・B・Cの変化だけでなく、摂取量、体重、症状、活動性、身体所見、体液量のどこが変わったかを確認します。
SGAで起こりやすい判定ミスと修正方法
| よくある誤り | 問題点 | 修正方法 |
|---|---|---|
| 体重減少率だけでB・Cを決める | 体液変動や現在の改善傾向を反映できない | 期間、摂取量、身体所見、変化方向を統合する |
| 筋量減少があれば低栄養とする | 廃用、麻痺、加齢、サルコペニアを区別できない | 活動性と摂取不足との時間的関係を確認する |
| 浮腫を栄養関連と断定する | 心・腎・肝機能や輸液の影響を見落とす | 観察事実と原因の解釈を分けて記録する |
| 病歴と身体所見が不一致でも確定する | 不十分な情報で誤分類する可能性がある | 判定保留とし、不足情報と再評価条件を明記する |
| 変化の期間を記録しない | 急性変化と慢性変化を区別できない | いつから、どの程度、現在どう変化しているかを記録する |
| SGAをGLIM前の簡便なスクリーニングにする | アセスメントが重複し、運用が複雑になる | SGA経路とGLIM経路を分けて院内手順を定める |
| 判定だけを記録する | 再評価者が判定根拠を確認できない | 主要根拠、不明点、代替要因、再評価条件を残す |
SGAに関するよくある質問
各質問をタップまたはクリックすると回答が開きます。
SGAは点数を合計して判定しますか?
SGAには一律の合計点やカットオフはありません。体重変化、摂取量、症状、活動性、疾患の影響、身体所見を統合し、A・B・Cを総合判定します。
SGA Bはどのような状態ですか?
一般的には、軽度〜中等度の低栄養または低栄養疑いと表現されます。単一項目では決めず、体重、摂取量、身体所見、変化の傾向を統合します。施設の正式様式で異なる表記を採用している場合は院内表記を優先してください。
病歴と身体所見が一致しない場合はどうしますか?
無理にA・B・Cを確定せず、判定保留として不足情報を記録します。体重履歴、摂取記録、輸液、利尿薬、浮腫、炎症、活動量などを追加確認して再評価します。
SGAとMNA-SFやMUSTは何が違いますか?
MNA-SFやMUSTは主に栄養リスクを拾い上げるスクリーニングに使用します。SGAは病歴と身体所見を統合して栄養状態をA・B・Cに分類するアセスメントです。
SGAを実施したあと、全例にGLIM基準を使いますか?
全例でSGAのあとにGLIM基準を重ねるとは限りません。GLIM基準を使用する経路では、検証済みの栄養スクリーニングでリスクを抽出してからGLIM基準を適用します。
浮腫がある患者の体重はどう解釈しますか?
浮腫や腹水があると、脂肪や筋量が減少していても体重が維持されることがあります。食事摂取量、通常体重、身体所見、輸液、尿量、利尿薬、浮腫の経時変化を照合します。
PTがSGAの評価に関わってもよいですか?
担当職種や判定者は施設の運用によって異なります。PTは活動性、身体所見、体重変化、食事場面に関する情報を共有できます。施設の手順に沿って管理栄養士や医師と役割を確認してください。
配布PDFだけでSGAを判定できますか?
PDFは病歴、身体所見、判定根拠、対応を残す非公式な記録補助資料です。施設で採用しているSGA様式や評価手順を優先し、チェック数や合計点でA・B・Cを決めないでください。
まとめ|病歴と身体所見の整合性からA・B・Cを判定する
SGAは、体重変化、食事摂取量、消化器症状、活動性、疾患の影響と身体所見を統合し、栄養状態をA・B・Cに分類する栄養アセスメントです。
合計点や一律のカットオフはありません。体重減少率、摂取量、筋量減少、浮腫など、1つの情報だけで分類せず、変化の期間、改善・悪化傾向、身体所見、体液量を重みづけして判断します。
病歴と身体所見が一致しない場合は、無理に分類を確定しません。判定保留として不足情報を記録し、体重履歴、摂取記録、輸液、利尿薬、炎症、浮腫、活動量を追加確認します。
SGAを使用する経路と、検証済み栄養スクリーニング後にGLIM基準を適用する経路は分けて運用します。SGAをGLIM前の簡便なスクリーニングとして配置しないようにします。
評価後はA・B・Cだけでなく、主要根拠、代替要因、不明点、共有先、対応、再評価条件を記録してください。
次に確認する内容
参考文献
- Detsky AS, McLaughlin JR, Baker JP, Johnston N, Whittaker S, Mendelson RA, Jeejeebhoy KN. What is subjective global assessment of nutritional status? JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1987;11(1):8-13. DOI: 10.1177/014860718701100108. PubMed: PMID 3820522.
- Baker JP, Detsky AS, Wesson DE, Wolman SL, Stewart S, Whitewell J, Langer B, Jeejeebhoy KN. Nutritional assessment: a comparison of clinical judgement and objective measurements. N Engl J Med. 1982;306(16):969-972. DOI: 10.1056/NEJM198204223061606. PubMed: PMID 6801515.
- Makhija S, Baker J. The Subjective Global Assessment: a review of its use in clinical practice. Nutr Clin Pract. 2008;23(4):405-409. DOI: 10.1177/0884533608321214. PubMed: PMID 18682592.
- Duerksen DR, Laporte M, Jeejeebhoy K. Evaluation of nutrition status using the Subjective Global Assessment: malnutrition, cachexia, and sarcopenia. Nutr Clin Pract. 2021;36(5):942-956. DOI: 10.1002/ncp.10613. PubMed: PMID 33373482.
- Cederholm T, Jensen GL, Correia MITD, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition: a consensus report from the global clinical nutrition community. Clin Nutr. 2019;38(1):1-9. DOI: 10.1016/j.clnu.2018.08.002. PubMed: PMID 30181091.
- Jensen GL, Cederholm T, et al. GLIM consensus approach to diagnosis of malnutrition: a 5-year update. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2025;49(4):414-427. DOI: 10.1002/jpen.2756. PubMed: PMID 40223699.
- 日本栄養治療学会. GLIM基準を使用するにあたってのSGAの取り扱いについて. JSPEN公式サイト.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、評価方法、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、リハビリテーション栄養、シーティング、摂食・嚥下

