- 身体的拘束最小化推進体制加算40点は「体制・病棟・実績」をそろえて届け出ます
- 身体的拘束最小化推進体制加算は1日40点です
- 対象となる病棟・入院料
- 施設基準は「病院全体の体制」「病棟の取組」「実績」に分けて確認します
- 病院長・看護部長等による方針の発信が必要です
- 院内講習は年2回以上|様式36の4には直近2回を記載します
- 身体的拘束に使用する用具は一元管理します
- 委員会は3か月に1回以上|様式36の4には直近4回を記載します
- 身体的拘束患者がいる場合は最小化チームが定期的に巡回します
- 身体的拘束を行わずにケアするための用具を提案できる仕組みも必要です
- 身体的拘束を検討する可能性があることを理由に入棟を制限しません
- 患者・家族には「拘束するリスク」と「しないリスク」の双方を説明します
- 誘因の除去・生活リズム調整など患者主体のケアを行います
- 実施率は原則3%以下|届出から1年間は5%以下です
- 院内掲示とWeb掲載も施設基準です
- 様式36の4では何を確認するのか
- 届出前は様式36の4を逆向きにチェックすると不足が見つかります
- 40点加算と20点・40点減算は別の制度です
- PT・OT・STが40点加算に関わる場面
- 届出準備で間違いやすいポイント
- 身体的拘束最小化推進体制加算でよくある質問
- まとめ|様式36の4を基準に「体制・病棟・実績」を確認します
- 参考資料
身体的拘束最小化推進体制加算40点は「体制・病棟・実績」をそろえて届け出ます
2026年度診療報酬改定で、身体的拘束最小化推進体制加算(A235、1日につき40点)が新設されました。
この加算は、身体的拘束の実施率だけを下げれば算定できるものではありません。病院長・看護部長等による方針の発信、年2回以上の院内講習、身体的拘束に使用する用具の一元管理、委員会、病棟巡回、患者・家族への説明、患者主体のケア、院内掲示・Web掲載まで含めて、身体的拘束を原則として行わない組織的な取組が求められます。
この記事では、40点加算の対象病棟、施設基準、3%・5%の実施率、様式36の4で確認される項目、届出前に院内で確認したい内容を順番に整理します。
先に結論
身体的拘束最小化推進体制加算は1日40点です。
対象入院料であることに加え、病院全体の体制・算定病棟での取組・身体的拘束実施率を満たして届け出ます。
実施率は原則3%以下、届出から1年間は5%以下です。届出書添付書類は様式36の4を使用します。
身体的拘束に関する2026年度改定全体や20点・40点減算との関係から確認したい場合は、身体拘束最小化【2026改定】の総論をご覧ください。
身体的拘束最小化推進体制加算は1日40点です
身体的拘束最小化推進体制加算は、身体的拘束の最小化に向けて、管理者等を中心に原則として身体的拘束を行わない組織風土をつくり、特に質の高い取組を行う体制を評価する加算です。
施設基準を満たして地方厚生(支)局へ届け出た場合、対象となる入院料を算定している患者について、1日につき40点を加算します。
ここで重要なのは、「身体的拘束を解除できた患者だけ」に付く加算ではないことです。個々の患者の拘束の有無だけで判断するのではなく、対象病棟における身体的拘束最小化の体制と実績を評価する仕組みです。
対象となる病棟・入院料
2026年度改定では、身体的拘束最小化推進体制加算の対象として次の入院料が示されています。
| 対象入院料 | 確認 |
|---|---|
| 療養病棟入院基本料 | 対象 |
| 障害者施設等入院基本料 | 対象 |
| 有床診療所療養病床入院基本料 | 対象 |
| 特殊疾患入院医療管理料 | 対象 |
| 地域包括ケア病棟入院料 | 対象 |
| 特殊疾患病棟入院料 | 対象 |
厚生労働省の改定資料では、同じ入院料を算定する病棟全体で届け出ることが示されています。
そのため、複数病棟がある医療機関では、身体的拘束実施率が低い病棟だけを任意に切り出して届け出るのではなく、まず各病棟がどの入院料を算定しているかを整理します。
施設基準は「病院全体の体制」「病棟の取組」「実績」に分けて確認します
様式36の4を見ると、施設基準は大きく病院全体の体制、加算を算定する病棟の取組、身体的拘束の実施率に分けて整理できます。
| 区分 | 主な確認項目 | 届出前に確認したいもの |
|---|---|---|
| 病院全体 | 病院長・看護部長等が身体的拘束最小化への取組を発信し、職員へ周知 | 方針、院内通知、周知方法 |
| 病院全体 | 身体的拘束最小化に関する講習を年2回以上実施 | 直近2回の開催日、研修内容、受講状況 |
| 病院全体 | 身体的拘束に使用する用具を最小化チームが一元管理 | 管理場所、使用状況、解除提案の運用 |
| 病院全体 | 身体的拘束最小化委員会を3か月に1回以上開催 | 直近4回の開催日、議事録、具体的な改善策 |
| 病院全体 | 拘束患者がいる場合、最小化チームが定期的に巡回 | 巡回記録、解除・代替策の検討内容 |
| 病院全体 | 拘束せずにケアするための用具を職員が提案・導入できる仕組み | 提案方法、採用事例、検討記録 |
| 病院全体 | 方針・取組・実施率の推移を院内掲示 | 掲示場所、掲示内容、更新方法 |
| 病院全体 | 掲示事項をWebサイトへ掲載 | 公開ページ、URL、更新担当 |
| 算定病棟 | 身体的拘束を検討する可能性がある患者の入棟を制限しない | 入棟基準、病棟運用 |
| 算定病棟 | 拘束を原則しない方針、拘束する・しない双方のリスクを説明し意向を聴取 | 説明方法、記録、説明資材 |
| 算定病棟 | 患者への説明を補助する資材を準備 | 説明書、院内様式 |
| 算定病棟 | 誘因の検討・除去、生活リズム調整など患者主体のケア | ケア計画、カンファレンス、再評価記録 |
| 実績 | 身体的拘束実施率が原則3%以下 | 延べ算定日数、身体的拘束実施日数、直近3か月の実施率 |
「委員会を設置している」「研修を開催している」という形式だけではなく、解除や代替策を具体的に検討し、病棟のケアへ反映しているかまで確認できる運用が重要です。
病院長・看護部長等による方針の発信が必要です
施設基準では、病院長や看護部長等が自ら身体的拘束の最小化に取り組むことを発信し、職員へ周知していることが求められます。
身体的拘束を個々の病棟・看護師だけの問題として扱うのではなく、病院全体として原則身体的拘束を行わない方針を共有することが出発点です。
届出前には、院内通知、方針文書、研修資料などを通じて、管理者の方針が職員に伝わる仕組みになっているかを確認します。
院内講習は年2回以上|様式36の4には直近2回を記載します
身体的拘束の最小化に関する講習会は、年2回以上実施することが求められます。
様式36の4では、入職後1年が経過したすべての入院患者に関わる職員が受講していることを確認し、身体的拘束最小化に関する院内講習の直近2回の実施日を記入します。
そのため、開催日だけを管理するのではなく、対象職員の範囲、受講状況、未受講者への対応まで確認できる仕組みにしておくと実務上わかりやすくなります。
研修内容では、身体的拘束の定義・基本的な考え方だけでなく、解除に向けた評価や代替策についても院内で共有しておくことが重要です。
身体的拘束に使用する用具は一元管理します
身体的拘束最小化チームには、身体的拘束に使用する用具を一元的に管理し、その使用状況と解除に向けた検討状況を把握する役割があります。
厚生労働省の2026年度改定資料では、身体的拘束に使用する用具を病棟外の1か所で管理し、必要に応じて解除に向けた提案を行うことが示されています。
様式36の4にも、「身体的拘束に使用する用具の一元管理場所」を記入する欄があります。
各病棟に用具を常備して必要時に自由に使用するだけの運用ではなく、誰が管理し、どの患者に使用し、使用状況をどう把握し、いつ解除を検討するかまで追える仕組みにすることが重要です。
委員会は3か月に1回以上|様式36の4には直近4回を記載します
身体的拘束の最小化に向けた具体的な取組を検討する委員会は、3か月に1回以上開催します。
様式36の4では、身体的拘束最小化委員会の直近4回の開催日を記入します。
委員会では、身体的拘束件数や実施割合を報告するだけでなく、実施状況を踏まえて具体的な最小化策を検討することが重要です。
たとえば、長期化している身体的拘束の理由、解除できた事例、拘束方法ごとの傾向、病棟間の差、代替用具、研修課題などを整理すると、数字の報告だけで終わりにくくなります。
身体的拘束患者がいる場合は最小化チームが定期的に巡回します
身体的拘束が行われている患者がいる場合は、身体的拘束最小化チームが定期的に病棟を巡回し、病棟職員とともに解除に向けた具体的な検討を行います。
ここで重要なのは、「安全のため継続」と確認するだけではなく、身体的拘束が必要と判断されている理由を分解し、解除や代替方法へつなげることです。
たとえば、転倒、離床、医療機器の自己抜去、姿勢保持、認知機能、夜間不穏などの背景を整理し、環境、見守り方法、活動量、生活リズム、用具、コミュニケーション方法などを再検討します。
PT・OT・STは、座位・立位能力、移乗、歩行、車椅子設定、補助具、日中活動、コミュニケーション能力などの観点から、身体的拘束を解除できる条件づくりに関与できます。
解除・代替策の臨床的な整理は、身体拘束最小化の解除・代替プロトコルも参考にしてください。
身体的拘束を行わずにケアするための用具を提案できる仕組みも必要です
施設基準では、身体的拘束を行わずにケアするための用具について、職員が提案でき、その提案を積極的に導入する仕組みを有していることが求められます。
重要なのは、既存の身体的拘束用具を管理するだけではなく、身体的拘束を避けるための代替方法を現場から提案できる文化と手順を整えることです。
用具の変更だけで解決しない場合もあるため、ベッド周囲の環境、車椅子設定、離床方法、排泄動作、日中活動、スタッフ配置なども含めて検討します。
身体的拘束を検討する可能性があることを理由に入棟を制限しません
様式36の4では、認知症患者など、身体的拘束を検討する可能性がある患者について、そのことを理由に当該病棟への入棟を制限していないことを確認します。
身体的拘束の実施率を低く維持するために、身体的拘束が必要となる可能性が高い患者を病棟から除外するような運用では、加算の趣旨と合いません。
実施率の数字だけではなく、身体的拘束を必要としないケアを提供できる病棟体制そのものが評価されています。
患者・家族には「拘束するリスク」と「しないリスク」の双方を説明します
加算を算定する病棟では、身体的拘束を検討する可能性がある患者に対して、病院として身体的拘束を原則として行わない方針であることを説明します。
さらに、身体的拘束をするリスクと、身体的拘束をしないリスクの双方について十分に説明し、患者・家族の意向を聴取します。
様式36の4では、患者への説明を行いやすくするための資材を準備していることも確認項目になっています。
「転倒する可能性があるため拘束します」という一方向の説明ではなく、身体的拘束による活動制限や身体機能低下、苦痛なども踏まえ、患者・家族と代替策を検討できる運用が重要です。
誘因の除去・生活リズム調整など患者主体のケアを行います
様式36の4では、身体的拘束を原則として行わないために、誘因の検討や除去、生活リズムを整えるといった患者主体のケアを実施していることも確認します。
たとえば夜間の離床が多い場合、「離床するから拘束する」と考える前に、排泄、疼痛、睡眠、日中活動量、環境、不安、コミュニケーションなどの誘因を検討します。
身体的拘束を一つの安全対策として固定化せず、なぜその行動が生じているのかを評価し、患者側の要因と環境側の要因の双方を調整することが重要です。
実施率は原則3%以下|届出から1年間は5%以下です
身体的拘束最小化推進体制加算では、対象となる入院料の延べ算定日数に占める身体的拘束実施日数の割合が、原則3%以下であることが求められます。
ただし、届出から1年間は5%以下です。
身体的拘束実施率
= 身体的拘束を実施した日数 ÷ 当該入院料の延べ算定日数 × 100
様式36の4では、算定している入院料ごとに延べ算定日数、身体的拘束実施日数、身体的拘束を実施している割合を記入します。
3%・5%の詳しい計算方法、15%基準との違い、身体的拘束実施日数に含めないケースについては、身体的拘束の実施割合|3%・5%・15%の違いと計算方法で詳しく整理しています。
院内掲示とWeb掲載も施設基準です
見落としやすい施設基準が、院内掲示とWeb掲載です。
医療機関内の見やすい場所に、原則として身体的拘束を行わない方針、そのための取組、身体的拘束の実施率の推移を掲示します。
さらに、これらの掲示事項についてはWebサイトにも掲載します。様式36の4にはWebサイトのURLを記入する欄があり、Webサイトを有しない場合についても確認できる形式です。
届出直前に掲載ページだけを作るのではなく、実施率をどの期間で集計・更新するか、誰が数値を確認するか、誰がWebサイトを更新するかまで院内で決めておくと継続しやすくなります。
様式36の4では何を確認するのか
身体的拘束最小化推進体制加算の届出には、様式36の4「身体的拘束最小化推進体制加算の施設基準に係る届出書添付書類」を使用します。
様式36の4は、病院全体の体制と、加算を算定する病棟における体制・取組、身体的拘束実施率を確認できる構成です。
| 区分 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 医療機関全体 | 病院長・看護部長等による発信と職員への周知 |
| 医療機関全体 | 年2回以上の院内講習と直近2回の実施日 |
| 医療機関全体 | 身体的拘束に使用する用具の一元管理場所 |
| 医療機関全体 | 身体的拘束最小化委員会の直近4回の開催日 |
| 医療機関全体 | 最小化チームの病棟巡回と解除検討 |
| 医療機関全体 | 拘束せずにケアするための用具を提案・導入できる仕組み |
| 医療機関全体 | 院内掲示、Web掲載、WebサイトURL |
| 算定病棟 | 身体的拘束を検討する可能性がある患者の入棟を制限していないこと |
| 算定病棟 | 原則拘束しない方針、拘束する・しない双方のリスクの説明、意向聴取 |
| 算定病棟 | 患者への説明を補助する資材 |
| 算定病棟 | 誘因の検討・除去、生活リズム調整など患者主体のケア |
| 実績 | 入院料ごとの延べ算定日数、身体的拘束実施日数、実施割合 |
届出時には、管轄する地方厚生(支)局の最新ページから様式を取得し、施設基準通知と合わせて確認してください。
届出前は様式36の4を逆向きにチェックすると不足が見つかります
届出準備では、通知を最初から読み込むだけでなく、様式36の4の各チェック項目を院内の現状と一つずつ突き合わせる方法が実務的です。
- 対象となる入院料と届出対象病棟を確定する
- 直近3か月の身体的拘束実施率を算出する
- 管理者による方針発信と職員周知を確認する
- 直近2回の院内講習と対象職員の受講状況を確認する
- 身体的拘束用具の一元管理場所と運用を確認する
- 委員会の直近4回の開催日と具体的な検討内容を確認する
- 拘束患者に対する巡回・解除検討の運用を確認する
- 拘束せずにケアするための代替策を提案できる仕組みを確認する
- 患者・家族への説明方法、意向聴取、説明資材を確認する
- 患者主体のケアが実際に行われているか確認する
- 院内掲示とWeb掲載を確認する
- 最新の様式36の4と届出書を用いて提出準備を行う
この順番で確認すると、「実施率は5%以下だが講習の受講対象が不足していた」「委員会は開催しているが用具を各病棟で管理していた」「院内の取組はできているがWeb掲載がなかった」といった不足を届出前に見つけやすくなります。
40点加算と20点・40点減算は別の制度です
身体的拘束最小化推進体制加算の+40点と、入院料通則の身体的拘束最小化基準における20点・40点減算は別の仕組みです。
| 制度 | 位置づけ |
|---|---|
| 身体的拘束最小化推進体制加算 | 特に質の高い取組を行う体制を評価する+40点/日 |
| 実績等に係る基準のみ未達 | 入院料通則で20点/日減算 |
| 体制に係る基準未達 | 入院料通則で40点/日減算 |
つまり、「40点減算を受けていないから40点加算を算定できる」という関係ではありません。
加算は、基本となる身体的拘束最小化基準を満たしたうえで、さらに高い水準の体制・実績を有する医療機関を評価するものとして整理します。
15%基準や20点減算との関係は、身体的拘束の実施割合|3%・5%・15%の違いと計算方法でも整理しています。
PT・OT・STが40点加算に関わる場面
身体的拘束最小化推進体制加算は病院全体の制度ですが、PT・OT・STも身体的拘束の解除や代替策を検討する場面で関わります。
特に、転倒・離床対策、車椅子上の姿勢保持、移乗、歩行、日中活動、認知機能やコミュニケーションの問題が身体的拘束の背景にある場合は、リハビリテーション専門職の評価が解除条件の整理につながります。
たとえば、車椅子ベルトを使用している患者では、座位保持能力、ずり落ちの原因、フットサポート・座面・クッションの設定、移乗能力、離床目的、本人の操作能力などを再評価します。
身体的拘束を「看護上の安全対策」として切り離さず、多職種で拘束を使用しなくても安全を確保できる条件を探すことが重要です。
届出準備で間違いやすいポイント
| 誤解しやすい考え方 | 確認したいこと |
|---|---|
| 身体拘束率が5%以下なら算定できる | 実施率以外の施設基準もすべて満たす必要がある |
| 5%以下を維持すれば継続できる | 5%基準は届出から1年間で、その後は原則3%以下 |
| 研修は年2回なら誰が受けてもよい | 様式36の4では入職後1年が経過した入院患者に関わる職員の受講を確認する |
| 委員会も年2回でよい | 委員会は3か月に1回以上。様式36の4では直近4回を記載する |
| 拘束用具は各病棟で管理すればよい | 最小化チームによる一元管理と解除提案の仕組みを確認する |
| 院内掲示だけでよい | 掲示事項はWebサイトにも掲載することを確認する |
| 実施率の低い病棟だけ届け出る | 同じ入院料を算定する病棟全体での届出を確認する |
身体的拘束最小化推進体制加算でよくある質問
療養病棟なら40点加算を算定できますか?
療養病棟入院基本料は対象ですが、対象入院料を算定しているだけでは算定できません。身体的拘束実施率、講習、委員会、用具管理、巡回、患者・家族への説明、患者主体のケア、院内掲示・Web掲載などの施設基準を満たして届け出る必要があります。
身体的拘束をしている患者には40点を算定できませんか?
この加算は、患者個人が身体的拘束を受けているかどうかだけで算定可否を決めるものではありません。施設基準を満たして届け出た対象病棟で、加算を算定できる入院料を現に算定している患者について算定する仕組みです。
院内講習は年何回必要ですか?
年2回以上です。様式36の4には直近2回の実施日を記入します。また、入職後1年が経過したすべての入院患者に関わる職員が受講していることを確認します。
身体的拘束最小化委員会は年2回でよいですか?
いいえ。委員会は3か月に1回以上開催します。様式36の4には直近4回の開催日を記入します。
身体拘束率が5%以下ならずっと40点加算を維持できますか?
5%以下が認められるのは届出から1年間です。その後の実施率基準は原則3%以下です。
身体的拘束の実施率はどう計算しますか?
対象となる入院料の延べ算定日数に対して、身体的拘束を実施した日数が占める割合を算出します。詳しい計算方法や、3%・5%・15%の違いは、身体的拘束の実施割合|3%・5%・15%の違いと計算方法をご覧ください。
Webサイトへの掲載も必要ですか?
様式36の4では、院内に掲示している「原則として身体的拘束を行わない方針」「そのための取組」「実施率の推移」について、Webサイトに掲載していること、またはWebサイトを有しないことを確認します。Webサイトを有する医療機関では、届出前に公開ページとURLを確認しておきます。
身体的拘束用具を病棟に置いたままでは算定できませんか?
施設基準では、身体的拘束最小化チームによる用具の一元管理と、使用状況に基づく解除提案等が求められています。厚生労働省の改定資料では病棟外の1か所での管理が示されているため、現在の保管・貸出・返却・使用状況把握の方法を確認する必要があります。
まとめ|様式36の4を基準に「体制・病棟・実績」を確認します
身体的拘束最小化推進体制加算は、2026年度に新設された1日40点の加算です。
算定に向けては、対象入院料を確認したうえで、病院全体の体制、算定病棟での具体的な取組、身体的拘束実施率をそろえる必要があります。
- 対象は療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括ケア病棟入院料など
- 同じ入院料を算定する病棟全体で届け出る
- 病院長・看護部長等が身体的拘束最小化の方針を発信・周知する
- 身体的拘束最小化に関する講習を年2回以上実施する
- 身体的拘束に使用する用具を一元管理する
- 委員会を3か月に1回以上開催する
- 拘束患者がいる場合は最小化チームが定期的に巡回し、解除を具体的に検討する
- 患者・家族へ拘束する・しない双方のリスクを説明し意向を聴取する
- 誘因の除去や生活リズム調整など患者主体のケアを行う
- 方針・取組・実施率の推移を院内掲示し、Webサイトにも掲載する
- 実施率は原則3%以下、届出から1年間は5%以下
- 届出書添付書類は様式36の4を使用する
40点加算は、身体的拘束率だけを下げることを目的とした制度ではありません。管理者、最小化チーム、病棟、多職種が一体となり、身体的拘束を原則として行わないケアを継続できる仕組みを整えることが重要です。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 身体的拘束最小化に係る特に高い取組の評価」
- 厚生労働省「様式36の4 身体的拘束最小化推進体制加算の施設基準に係る届出書添付書類」
- 関東信越厚生局「基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定)」
※診療報酬・施設基準は、通知、疑義解釈、事務連絡等により取扱いが追加・修正される場合があります。実際の届出・算定では、厚生労働省および管轄する地方厚生(支)局の最新資料をご確認ください。
