リハビリ算定期限をExcelで管理する方法【無料テンプレート】
リハビリテーション料の標準的算定日数を複数患者で管理していると、「誰の期限が近いのか分からない」「起算日を確認したか忘れてしまう」「Excelの計算式を毎回入力するのが面倒」といった問題が生じます。
こうした管理では、疾患別区分と起算日を入力するだけで、標準的算定日数の最終日・残日数・期限アラートを自動表示できるExcel管理表が便利です。
この記事では、疾患別リハビリテーション料5区分に対応した無料Excelテンプレートを配布します。100件分の管理欄を用意し、起算日の確認状況や入力漏れも一覧で確認できる構成です。
ただし、Excelで自動計算できるのは、入力した起算日からの暦日計算です。制度上の起算日の妥当性や、標準的算定日数を超えた後の算定可否は自動判定しません。計算結果と診療報酬上の判断を区別して使用してください。
無料Excelテンプレートをダウンロード
疾患別5区分・100件管理・残日数の自動計算・期限アラート・起算日確認・入力点検に対応しています。
形式:.xlsx/マクロなし/100件分/3シート構成。ダウンロードが始まらない場合は、リンク先からファイルを保存してください。
1人分の算定期限をその場で計算したい場合は、リハビリ算定期限の自動計算ツールも利用できます。この記事のExcel管理表は、複数患者の期限を継続して一覧管理する用途に適しています。
Excel管理表でできること
今回のExcel管理表は、複数患者の標準的算定日数を管理するためのテンプレートです。疾患別区分と起算日を入力すると、標準的算定日数の最終日に相当する日付、その翌日、残日数を自動計算します。

| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 管理件数 | 100件分の入力欄 |
| 疾患別区分 | 5区分からプルダウンで選択 |
| 標準的算定日数 | 区分に応じて自動表示 |
| 最終日 | 起算日+標準的算定日数-1日で計算 |
| その翌日 | 最終日の翌日を自動表示 |
| 残日数 | TODAY関数を使って自動計算 |
| 期限アラート | 期限経過・7日以内・14日以内・30日以内を色分け |
| 起算日確認 | 未確認・確認済み・要再確認を選択 |
| 起算日判定 | 確認状況に応じて暫定値であることを表示 |
| 入力点検 | 区分・起算日・確認状況の入力漏れを確認 |
| 管理状況の集計 | 登録件数・期限接近件数・起算日要確認件数を表示 |
入力欄と自動計算欄は色分けしています。日常業務では、入力する項目を絞り、計算結果と確認状況を一覧で把握できるようにしています。
Excelファイルの3シート構成
配布ファイルには、次の3シートを用意しています。
| シート | 役割 |
|---|---|
| 算定期限管理表 | 100件分の入力・自動計算・期限アラート・管理状況の確認 |
| 使い方・注意事項 | 入力方法、計算式、起算日確認、個人情報の取り扱いを説明 |
| 設定・区分一覧 | 疾患別5区分の標準的算定日数と確認事項を掲載 |
通常の入力作業は「算定期限管理表」シートで行います。「設定・区分一覧」は、疾患別区分と標準的算定日数を確認するためのシートです。
Excel管理表の使い方【5ステップ】
Excel管理表は、疾患別区分・起算日・確認状況を入力して使用します。計算結果を確認する前に、制度上の起算日を診療録などで確かめてください。
① Excelファイルをダウンロードする
記事内のダウンロードボタンから、Excelファイルを保存してください。
ファイル名は「rehab_billing_deadline_tracker_v2.xlsx」です。マクロは使用していません。
ファイルを開いたら、最初に「使い方・注意事項」シートを確認してください。使用するExcelの環境によっては、編集を有効にする操作が必要な場合があります。
② 疾患別区分を選択する
「算定期限管理表」シートのC列で、疾患別リハビリテーション料の区分を選択します。
選択できるのは、脳血管疾患等、運動器、廃用症候群、呼吸器、心大血管疾患の5区分です。
区分を選択すると、D列に標準的算定日数が自動表示されます。
③ 起算日を入力する
E列に、制度上の起算日を日付形式で入力します。
ここで重要なのは、入院日やリハビリ開始日を機械的に起算日として入力しないことです。
疾患別区分に応じて、発症日、手術日、急性増悪日、診断日、治療開始日など、適用される起算日の根拠を確認してください。
転院患者では、転院前の診療情報も確認する必要があります。
④ 最終日・残日数を確認する
疾患別区分と起算日が入力されると、F列に標準的算定日数の最終日に相当する日付、G列にその翌日、H列に残日数が表示されます。
| 列 | 表示内容 | 計算方法 |
|---|---|---|
| D列 | 標準的算定日数 | 疾患別区分から自動取得 |
| F列 | 最終日に相当する日付 | 起算日+日数-1日 |
| G列 | その翌日 | 最終日+1日 |
| H列 | 残日数 | 最終日-今日の日付 |
残日数はTODAY関数を使用しているため、Excelの再計算時に更新されます。Excelの計算方法が手動になっている場合は、必要に応じて再計算してください。
⑤ 起算日確認と入力点検を行う
I列では、起算日の確認状況を「未確認」「確認済み」「要再確認」から選択します。
K列には起算日の確認状況に応じた判定、L列には入力点検の結果が表示されます。
起算日が未確認でも、Excel上では日付が計算される場合があります。そのため、計算結果が表示されたことだけを理由に、起算日が確定したと判断しないでください。
「確認済み」は、診療録などで起算日の根拠を確認した後に選択します。再発・急性増悪・転院などで判断が難しい場合は、「要再確認」として扱い、医師や医事部門などと照合してください。
計算例:2026年4月1日を起算日とした場合
起算日を2026年4月1日として、標準的算定日数の最終日に相当する日付を計算してみます。
起算日を1日目として数えるため、180日目は起算日+179日、150日目は+149日になります。
| 疾患別区分 | 日数 | 最終日に相当する日付 |
|---|---|---|
| 脳血管疾患等 | 180日 | 2026年9月27日 |
| 運動器 | 150日 | 2026年8月28日 |
| 廃用症候群 | 120日 | 2026年7月29日 |
| 呼吸器 | 90日 | 2026年6月29日 |
| 心大血管疾患 | 150日 | 2026年8月28日 |
これは、すべての区分に同じ起算日を仮定した計算例です。実際には疾患別区分ごとに起算日の取り扱いが異なるため、患者ごとの確認が必要です。
「+179日」と「+180日」の違いや、1人分の計算を詳しく確認したい場合は、リハビリ算定期限の計算方法と自動計算ツールをご覧ください。
期限アラートの見方と使い分け
Excel管理表では、残日数に応じて期限接近を色分けします。複数患者を管理する場合、期限が近い患者を一覧から見つけやすくするための機能です。
| 状態 | 色の目安 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 期限経過・7日以内 | 赤系 | 超過後の算定要件や直近の対応を確認 |
| 8~14日 | オレンジ系 | 期限接近を確認し、今後の計画を整理 |
| 15~30日 | 黄系 | 期限接近を把握し、確認を開始 |
| 起算日未確認・要再確認 | 確認状況を別途表示 | 起算日の根拠を確認 |
30日・14日・7日という区切りは、管理表で採用した便宜的な確認目安です。これらの日数自体が、診療報酬上の手続き期限を示すわけではありません。
また、期限が近いことと、起算日が未確認であることは別の問題です。期限アラートと起算日確認欄の両方を確認してください。
管理状況の集計を確認する
「算定期限管理表」シートの上部には、管理状況を確認する集計欄を設けています。
区分登録件数、期限経過、7日以内、30日以内、起算日要確認の件数を表示するため、一覧全体の状況を把握できます。
なお、7日以内の件数は30日以内の件数にも含まれます。集計値を単純に合計して患者数を求めないよう注意してください。
また、区分登録件数は疾患別区分の入力を基準にしています。区分が未入力の行は集計から漏れるため、L列の入力点検も併用してください。
院内で運用するときの注意点
Excel管理表を院内で使用する場合は、計算の正確性だけでなく、起算日の確認方法、情報管理、更新担当者を決めておくことが重要です。
起算日の根拠を確認する
最も重要なのは、Excelに入力する起算日が制度上適切かどうかです。
起算日が1日ずれると、最終日に相当する日付も1日ずれます。計算式が正しくても、入力した起算日が誤っていれば、管理結果は正しくなりません。
特に、転院、再発、急性増悪、手術などがある患者では、診療録や診療情報提供書などを確認してください。
未確認の計算結果は暫定値として扱う
起算日が「未確認」「要再確認」の場合でも、Excelは入力された日付から計算を行います。
そのため、K列の起算日判定とL列の入力点検を確認し、未確認の計算結果を確定した期限として扱わないことが重要です。
計算結果をもとに実務上の判断を行う前に、起算日の根拠と最新の算定要件を確認してください。
患者情報の取り扱いに注意する
配布ファイルは、患者氏名や患者IDを入力しなくても計算できる構成です。
院内で使用する場合は、施設の情報管理規程に従い、保存場所、アクセス権限、共有方法を確認してください。
患者情報を含む管理表を、個人のクラウドストレージや許可されていない端末に保存しないよう注意が必要です。
記事からダウンロードしたテンプレートを、そのまま患者情報の管理台帳として使用してよいかどうかは、施設の運用ルールに基づいて判断してください。
数式の上書きに注意する
今回のv2では、数式セルの編集を禁止するシート保護は設定していません。
誤って計算式を削除・上書きすると、自動計算が正常に行われなくなる可能性があります。
日常的に使用する場合は、原本を保管し、作業用コピーを作成する運用がおすすめです。施設内で正式な管理表として採用する場合は、数式セルの保護やバックアップ方法も検討してください。
このExcel管理表でできないこと
本テンプレートは、標準的算定日数の暦日計算と期限管理を補助するものです。診療報酬上の算定可否を判定するシステムではありません。
| 項目 | 対応 |
|---|---|
| 標準的算定日数の自動表示 | 対応 |
| 最終日・翌日の暦日計算 | 対応 |
| 残日数・期限アラート | 対応 |
| 起算日の確認状況の記録 | 対応 |
| 起算日の制度上の妥当性 | 自動判定しない |
| 再発・急性増悪に伴う起算日の変更可否 | 自動判定しない |
| 個別の期間調整 | 自動反映しない |
| 標準的算定日数超過後の算定可否 | 自動判定しない |
標準的算定日数を超えた場合でも、所定の要件を満たすと疾患別リハビリテーション料を算定できる場合があります。
したがって、Excelで期限経過と表示されたことだけを理由に、リハビリテーションを一律に終了したり、算定不可と判断したりしないでください。
よくある質問
Q.Excel管理表は無料で使えますか?
はい。この記事から無料でダウンロードできます。Excel形式のファイルで、マクロは使用していません。
Q.何人分まで管理できますか?
初期設定では100件分の管理欄を用意しています。管理番号、疾患別区分、起算日、確認状況などを入力して使用できます。
Q.起算日を入力すると自動で最終日が表示されますか?
はい。疾患別区分と有効な起算日を入力すると、標準的算定日数の最終日に相当する日付と、その翌日を計算します。ただし、起算日が制度上適切かどうかは別途確認してください。
Q.残日数は毎日自動で変わりますか?
TODAY関数を使用しているため、Excelの再計算時に当日の日付を基準として更新されます。Excelの計算設定が手動の場合は、再計算が必要です。
Q.180日目は起算日+180日ではないのですか?
起算日を1日目として数える場合、180日目は起算日+179日です。起算日+180日は181日目になります。
Q.転院した患者にも使用できますか?
使用できます。ただし、転院日をそのまま新しい起算日として入力してよいとは限りません。転院前の診療情報などを確認し、制度上の起算日を入力してください。
Q.起算日が未確認でも計算できますか?
入力された日付が有効であれば計算結果は表示されます。ただし、確認状況が「未確認」「要再確認」の場合は、暫定値として扱い、正式な算定判断に使用する前に確認してください。
Q.期限アラートが赤色になったら算定できませんか?
いいえ。赤色は管理上の注意表示です。標準的算定日数を超えた場合の算定可否は、患者の状態や所定の要件によって異なります。
Q.スマートフォンでも使用できますか?
Excel形式のファイルを開けるアプリがあれば閲覧できる場合があります。ただし、入力規則、条件付き書式、表示レイアウトなどの動作はアプリによって異なる可能性があります。継続的な管理には、デスクトップ版Excelでの利用と動作確認をおすすめします。
Q.患者氏名や患者IDを入力してもよいですか?
配布テンプレートへの患者氏名・患者IDの入力は推奨しません。院内で患者情報と対応付けて使用する場合は、施設の情報管理規程に従い、匿名の管理番号などを利用してください。
次の一手
複数患者のリハビリ算定期限を管理するときは、①疾患別区分の確認 → ②起算日の確認 → ③最終日・残日数の自動計算 → ④期限接近患者の確認 → ⑤超過後の算定要件の確認という順番で整理すると、管理上の見落としを減らしやすくなります。
まずは無料Excelテンプレートをダウンロードし、架空の日付で計算結果を確認してください。その後、施設の情報管理規程や診療報酬の運用ルールに合わせて使用方法を検討しましょう。
リハビリ算定期限管理表 v2
100件分の期限管理、残日数、期限アラート、起算日確認、入力点検に対応したExcelテンプレートです。
※本テンプレートは暦日計算の補助ツールです。個別患者の算定可否を保証するものではありません。
1人分の計算方法を確認したい場合は、リハビリ算定期限の自動計算ツールをご利用ください。
参考文献
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.診療報酬の算定方法、医科診療報酬点数表および関連通知.
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号).医科診療報酬点数表,第2章第7部リハビリテーション.
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号).医科診療報酬点数表に関する事項,第2章第7部リハビリテーション.
※診療報酬の取り扱いは、改定・通知の訂正・疑義解釈などによって変更される場合があります。個別患者の算定可否は、最新の公的資料と診療録に基づいて確認してください。
著者情報
rehabilikun|理学療法士
臨床現場での経験を基に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に役立つ評価方法、疾患別リハビリテーション、診療報酬制度、臨床実務について情報を発信しています。
制度や算定要件に関する記事では、厚生労働省の告示・通知などの一次資料を優先し、臨床現場で確認すべき事項を整理しています。配布テンプレートについても、計算で確認できる事項と、制度上の判断が必要な事項を区別して解説しています。
保有資格:脳卒中認定理学療法士、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーター2級
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