回復期リハ実績指数 2026 改定の要点|基準値・計算式・記録シート付

制度・実務
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この記事でわかること(結論:2026 改定の確定差分と、その 2 を踏まえた最初の運用修正が決まる)

実績指数は「月末の計算」より、「入棟時から同条件で残す設計」を先に決めるほど安定します。まずは改定の全体像を押さえてから、このページで実績指数の確定差分に絞って確認してください。

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このページで答えるのは、2026 改定で回復期リハ実績指数の何が変わったかどこから運用を直すと止まりにくいかの 2 点です。基準値・重症患者割合・計算式・土曜/休日体制・強化体制加算を、実務の順番に並べ替えて確認できるようにしました。

答えないこと:監査台帳の細かな作り方、会議体の回し方、日々の PT 業務フローの詳細まではこのページで深掘りしません。ここでは「確定差分」と「最初に直す運用」に集中します。

最終更新:2026-04-01(疑義解釈その 2 反映)

回復期リハ実績指数 2026 改定でまず直す 4 点の図版
図 1.回復期リハ実績指数 2026 改定で、まず直す 4 点

A4 記録シート(PDF)

月次点検やカンファ前の確認を、1 枚で回しやすいように A4 記録シートを用意しました。実績指数そのものの計算より、重症判定・欠損確認・休日平均・改善アクションを同じ紙面で見直したいときに使いやすい形です。

まずは PDF を開いて保存し、必要に応じて病棟の運用に合わせて使ってください。プレビューも下に折りたたみで載せています。

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結論(確定)|先に固定するのは 4 点です

今回の改定は、指数の数字だけを見ると読み違えやすいテーマです。先に押さえるべきは、①基準値②重症患者の対象と割合③計算式④土曜/休日体制の 4 点です。

現場の優先順位は、重症判定根拠の 1 行化 → 評価条件の固定 → 土曜/休日 3 単位の平準化 → 公表と説明の担当決めです。計算は月末に追えますが、条件のズレは月末に戻しにくいので、入棟時から型をそろえる方が実務は安定します。

確定差分(2026 改定)|基準値・重症割合・休日体制・経過措置

スマホでは表を横スクロールできます。

回復期リハ実績指数まわりで先に見るべき確定差分(2026-04-01 確認)
論点 改定後の確定点 現場で先にそろえること
実績指数の基準値 入院料 1= 42 以上、入院料 2= 32 以上、入院料 3= 37 以上、入院料 4= 32 以上 週次ミニ集計を固定し、月末ではなく途中ズレを拾う
重症患者割合 入院料 1・2= 3 割 5 分以上、入院料 3・4= 2 割 5 分以上 判定根拠を「評価名/点数/日付/担当」で 1 行化する
重症患者の対象 日常生活機能評価 10 点以上又は FIM 21 点以上 55 点以下に見直し。加えて、高次脳機能障害には頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、急性脳症も含みます 入棟 3 日以内に重症判定欄を埋め、後追い判定をなくす
土曜/休日体制 入院料 1〜4 で、土曜日・休日を含む全ての日にリハビリテーションを提供できる体制が要件。土曜/休日の 1 日当たり提供単位数は平均 3 単位以上 休日メニュー、中止基準、引継ぎ文言を平日と同粒度で統一する
経過措置 入院料 2・4 の実績指数要件、入院料 3・4 の週 7 日体制要件は 2026-09-30 までみなし適合 9 月末から逆算し、評価日・休日体制の整備期限を決める
実績指数の除外対象 除外対象と除外割合は入棟時基準で考え、2026-05-31 までに入棟・入室した患者の入棟月は改定前基準を用いてよい 入棟日と適用基準を台帳に明記する
掲示・ウェブ掲載 リハビリテーション実績指数等について、院内掲示に加えてウェブサイト掲載が要件化 公表担当、更新頻度、元データの置き場所を固定する

ポイント:数字だけ覚えても、判定根拠と休日体制が崩れると実務は止まります。まずは「誰が、いつ、どの条件で記録するか」を先に固定してください。

計算式の見直し|歩行・車椅子/トイレ動作の加点を先に理解する

今回の実績指数で見落としやすいのは、FIM 運動項目の利得に加えて、歩行・車椅子とトイレ動作の改善を個別に加点する点です。基準値だけを見ても、実際の月次値は読み切れません。

特に重要なのは、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の両方がそろわないと加点できないわけではないことです。それぞれの項目が 入棟時又は入室時に 5 点以下、かつ、退棟時又は退室時に 6 点以上であれば、各項目につき 1 点を加えます。どちらか 1 項目だけが条件を満たす場合でも 1 点を加えます。

さらに、除外対象患者の範囲と除外できる割合も見直されました。従来のように「除外で整える」前提は弱くなり、入棟時評価の精度と条件固定がこれまで以上に重要になります。2026 年 7 月以降に実績指数を算出する場合、歩行・車椅子とトイレ動作の各 1 点加点の計算方法は、算出対象期間の全患者に適用して差し支えない点も先に押さえておくと混乱を減らせます。

実績指数の計算式見直しで先に押さえる 4 点
見直し点 何が変わるか 現場メモ
歩行・車椅子 入棟時又は入室時に 5 点以下、かつ退棟時又は退室時に 6 点以上なら 1 点加点 入棟時点数と退棟時点数を抜けなく残す
トイレ動作 入棟時又は入室時に 5 点以下、かつ退棟時又は退室時に 6 点以上なら 1 点加点 評価条件がずれると加点根拠が弱くなる
加点の考え方 2 項目の両方が必要ではなく、どちらか 1 項目だけでも各 1 点加点できる 対象項目を個別にフラグ管理する
除外対象・割合 除外できる患者の範囲と割合が見直し。5 月 31 日までの入棟患者の入棟月は改定前基準を用いてよい 除外理由は「あとで説明できる形」で台帳化しておく

新設:回復期リハビリテーション強化体制加算(80 点)

強化体制加算は、入院料 1 を届け出ている病棟が対象です。単に指数が高いだけではなく、排尿自立支援や退院前訪問指導まで含めて「運用の厚み」が見られます。

2026 年改定後は、実績指数の算出月以外であっても、届出前月までの 6 か月間を算出期間とした実績指数を算出して届出できることが明確になりました。この場合は、対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算します。したがって、指数 48 を目標にするだけでなく、どの時点で算出し、誰が確認し、退院支援の実績をどう残すかまで先に決めると止まりにくくなります。

回復期リハビリテーション強化体制加算(80 点)の必須要件と実務メモ
観点 要件 先にそろえること
対象病棟 回復期リハビリテーション病棟入院料 1 の届出 対象病棟、責任者、集計者を固定する
実績指数 届出月および各年度 4 月・7 月・10 月・1 月に算出した実績指数が 48 以上 四半期確認日を先にカレンダー化する
届出時期 実績指数の算出月以外でも、届出前月までの 6 か月実績で届出可能 届出予定日から逆算して 6 か月データを確定する
対象期間の計算 届出時は対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算 月次台帳の計算ロジック更新日を明記する
必須体制 排尿自立支援加算の届出 担当、評価票、引継ぎ先を 1 か所に集約する
退院支援 直近 6 か月間に自宅へ退院した患者のうち、1 割以上に退院前訪問指導を実施 対象抽出と訪問実施記録を分けずに管理する
望ましい事項 摂食嚥下機能回復体制加算 1 の届出 必須ではないが、体制整備の優先順位は早めに決める

退院前訪問指導割合|「算定回数」ではなく「実施した患者数」で見ます

強化体制加算の運用で実務差が出やすいのが、退院前訪問指導割合の分子・分母です。ここは「何回算定したか」ではなく、退院前訪問指導を実施した患者の実績で考えます。

1 人の患者に入院後早期と退院前の 2 回実施した場合でも、分子となる患者数は 1 人です。また、「自宅」にはサービス付き高齢者向け住宅を含みますが、一部施設や障害福祉サービスを行う施設・事業所等は含みません。さらに、同一医療機関内の他病棟で退院前訪問指導を実施した後に回復期リハ病棟へ転棟し、自宅退院した患者は、分子に含めて計算できます。

退院前訪問指導割合で先にそろえること
論点 扱い 現場で残すこと
分子の考え方 算定回数ではなく、実施した患者数で数える 患者単位の訪問指導実施欄
同一患者 2 回実施 入院後早期と退院前の 2 回でも分子は 1 人 実施日と患者 ID をひも付ける
「自宅」の範囲 サ高住は含む。一部施設や障害福祉サービス施設等は含まない 退院先区分を台帳で統一する
他病棟実施後の転棟 同一医療機関内の他病棟で実施後に回復期へ転棟し自宅退院なら分子に含める 実施病棟と退院病棟を両方残す

現場の詰まりどころ(よくある失敗)

まずは OK / NG 早見5 分チェックフロー の 2 点を回してください。証跡の置き場まで整えたい場合は、監査で見られる証跡の整え方 を兄弟記事として使うと役割が分かれます。

実績指数運用の OK / NG 早見(回復期リハ病棟・2026 改定対応)
場面 NG 例 なぜ問題か 対策 記録ポイント
入棟時評価 評価者と条件が毎回違う 経時比較の信頼性が下がる 評価手順と条件固定を標準化する 評価者名、時刻、実施条件
重症判定 点数だけ残して根拠が残らない 再現できず、監査で詰まりやすい 評価名、点数、日付、担当を 1 行で残す 判定根拠の 1 行テンプレ
加点対象 歩行・車椅子、トイレ動作の両方そろわないと加点できないと誤解する 加点対象を拾い漏らし、指数が実態より低く見える 各項目ごとに 1 点加点と週次台帳へ明記する 対象項目、入棟時点数、退棟時点数
土曜/休日提供 平日と同じ “つもり” で単位が落ちる 平均 3 単位を満たせない 休日メニューと中止基準を固定する 中止理由、代替介入、引継ぎ
月次集計 締日前日に一括処理する 漏れと誤入力が増える 週次ミニ集計を固定する 週次差分ログ
強化体制加算 退院前訪問指導を算定回数で数える 実施割合の分子が実態とずれる 患者単位で実施人数を数える 実施患者数、退院先、実施病棟

5 分で回す月次チェックフロー

  1. 入棟時評価の欠損と条件ズレを確認する
  2. 重症判定の 1 行テンプレが埋まっているか点検する
  3. 歩行・車椅子、トイレ動作の加点対象症例を確認する
  4. 土曜/休日の平均 3 単位を週次差分で確認する
  5. 退院前訪問指導の分子を「実施患者数」で確認する
  6. 翌月の改善アクションを 1 つに絞って担当者を決める
実績指数の月次点検テンプレ(担当・期限・異常時対応)
点検項目 担当 期限 異常時対応
入棟時評価の欠損確認 担当療法士 毎週金曜 当日中に追記・再確認
重症判定根拠の監査 病棟責任者 月末 3 営業日前 根拠不足は再判定
加点対象の確認 FIM 担当+病棟責任者 毎週月曜 対象漏れは元データを再確認
土曜/休日 3 単位平均の点検 シフト担当+病棟責任者 毎週月曜 不足日は原因をログ化
退院前訪問指導の分子確認 退院支援担当+病棟責任者 毎週月曜 退院先区分と実施患者数を再確認
週次/最終集計の差分確認 事務・リハ責任者 月末 2 営業日前 差分理由をログ化

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 改定後、最初に直すべき運用はどこですか?

A. 実績指数の計算式よりも先に、①重症判定の 1 行化、②評価条件の固定、③土曜/休日 3 単位の体制整備、の順でそろえると止まりにくいです。

Q2. 実績指数が急に下がったとき、最初に見るべきはどこですか?

A. 症例構成より先に、記録条件のズレを確認します。入棟時評価の条件不一致、重症判定根拠の不足、加点対象の拾い漏れ、土曜/休日の単位低下の 4 点を優先してください。

Q3. 「歩行・車椅子」と「トイレ動作」は両方そろわないと加点できませんか?

A. いいえ。各項目ごとに判定します。どちらか 1 項目だけが「入棟時又は入室時に 5 点以下、かつ、退棟時又は退室時に 6 点以上」を満たす場合でも、1 点を加えます。

Q4. 経過措置(みなし)は、現場でどう扱えばいいですか?

A. みなし期間は「猶予」ではなく「整備期間」です。2026-09-30 から逆算し、評価日固定と休日体制の平準化を先に終わらせると、移行時の手戻りが減ります。あわせて、5 月 31 日までに入棟・入室した患者の入棟月は除外対象と除外割合に改定前基準を用いてよい点も区別して管理してください。

Q5. 5 月 31 日までに入棟した患者で、FIM 運動項目 20 点以下かつ平均 6 単位超の扱いはどうなりますか?

A. 2026 年 5 月 31 日までに入棟・入室した患者については、同年 6 月 1 日以降に退棟・退室した場合であっても、その新しい取扱いを適用しなくてよいと整理されています。入棟日ベースで分けて台帳化すると混乱を減らせます。

Q6. 強化体制加算は、実績指数 48 だけ満たせばよいですか?

A. いいえ。入院料 1 の届出、排尿自立支援加算の届出、直近 6 か月の自宅退院患者に対する退院前訪問指導の実施割合など、指数以外の要件も確認が必要です。

Q7. 強化体制加算の届出は、実績指数の算出月以外でもできますか?

A. できます。届出前月までの 6 か月間を算出期間とした実績指数を算出して届出可能です。この場合は対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算します。

Q8. 退院前訪問指導は、同一患者に 2 回実施したら 2 人分ですか?

A. 違います。入院後早期と退院前の 2 回実施しても、分子は 1 人として数えます。強化体制加算では、算定回数ではなく実施した患者数で考えるのが基本です。

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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