区分変更確認は「 3・6・9・12 月 」と「翌月算定」を先に固定すると迷いません
このページは、ベースアップ評価料における区分変更確認について、制度の総論ではなく届出後の運用実務に絞って整理した記事です。検索で知りたいのは「ベースアップ評価料とは何か」よりも、いつ確認するのか / どの評価料が対象か / 何を再計算するのか / 変更があるときはいつ届出するのか / 変更しないケースはあるのかであることが多く、そこを先に言語化すると担当者間の確認がかなり進めやすくなります。
公開済みの関連記事が「計画書」「中間報告書」「実績報告書」「区分計算」を扱うのに対して、本ページは届出後の区分変更確認だけに絞った補助記事を担当します。まずは対象評価料と確認月を押さえ、その後に再計算する数字、届出タイミング、変更しないケース、提出前チェックへ進む流れで読むとズレません。
関連:ベースアップ評価料(Ⅱ)の区分計算 2026|賃金改善算定基礎額・区分決定・注意点
区分変更確認とは何か
結論からいうと、区分変更確認は、一度届け出た区分を定期的に見直す運用です。入院ベースアップ評価料や外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)などは、届出して終わりではなく、一定の時期ごとに対象職員の給与総額等を新たに算出し、区分に変更があるかを確認する必要があります。
つまり、区分変更確認は「届出後の保守運用」です。初回届出時の計算だけではなく、届出後に数字が変わったかを定期的に点検し、必要なら新しい区分へ切り替えるための確認と考えると整理しやすくなります。
どの評価料で区分変更確認が必要か
区分変更確認が必要になるのは、主に入院ベースアップ評価料、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)など、区分計算を伴う評価料です。逆に、評価料(Ⅰ)のみを届け出ている場合は、同じ形で区分変更確認を行わない場面があります。
したがって、最初にやるべきことは、自施設がいまどの評価料を届け出ているかを固定することです。ここが曖昧だと、必要のない確認をしてしまったり、逆に必要な確認を飛ばしてしまったりしやすくなります。
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| 評価料 | 区分変更確認 | 実務の考え方 |
|---|---|---|
| 外来・在宅 BU 評価料(Ⅰ) | 通常は同じ形では行わない | まず(Ⅰ)か(Ⅱ)かを固定する |
| 外来・在宅 BU 評価料(Ⅱ) | 必要 | 定期的な区分見直しが必要 |
| 入院 BU 評価料 | 必要 | 3・6・9・12 月の確認が必要 |
| 訪問看護 BU 評価料(Ⅱ) | 必要 | 同様に定期確認が必要 |
いつ確認するか| 3・6・9・12 月
いちばん大事なのは、確認月を固定することです。区分変更確認は、毎年 3 月、6 月、9 月、12 月に新たに算出を行います。ここを院内でルーチン化しておくと、確認漏れをかなり減らしやすくなります。
また、確認して区分に変更がある場合は、その確認した月内に届出を行い、翌月の 4 月、7 月、10 月、1 月から変更後の区分に基づく点数を算定します。つまり、確認月と算定開始月は 1 か月ずれる、と覚えると整理しやすいです。
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| 確認月 | やること | 変更後区分の算定開始 |
|---|---|---|
| 3 月 | 新たに算出し、必要なら月内届出 | 4 月 |
| 6 月 | 新たに算出し、必要なら月内届出 | 7 月 |
| 9 月 | 新たに算出し、必要なら月内届出 | 10 月 |
| 12 月 | 新たに算出し、必要なら月内届出 | 1 月 |
何を新たに算出するか
区分変更確認では、前回届出時と同じ考え方で、対象職員の給与総額等を新たに算出します。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)では、対象期間の対象職員の給与総額、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定回数の見込みなどから 【B】 を確認します。
入院ベースアップ評価料では、対象期間の対象職員の給与総額、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)により算定される点数の見込み、延べ入院患者数などから 【C】 を確認します。つまり、区分変更確認は単に「前回より増えたか」を見るのではなく、所定の算定式を使って、もう一度区分判定をやり直す運用です。
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| 評価料 | 主に見直すもの | 実務のポイント |
|---|---|---|
| 外来・在宅 BU 評価料(Ⅱ) | 給与総額、(Ⅰ)点数見込み、(Ⅱ)算定回数見込み、【B】 | 算定回数の見込みも再確認する |
| 入院 BU 評価料 | 給与総額、(Ⅰ)点数見込み、延べ入院患者数、【C】 | 患者数ではなく延べでみる |
変更があるときはいつ届出するか
区分に変更がある場合は、算出を行った月内に届出が必要です。ここは非常に重要で、翌月まで持ち越せばよいわけではありません。確認月の中で、新しい区分かどうかを判断し、その月内に手続きを終える前提で動く方が安全です。
届出が完了すると、翌月から変更後の区分に基づく点数を算定します。したがって、実務では「確認担当」と「届出担当」を分けず、月内に一連で動けるようにしておく方が戻りにくくなります。
変更しないケース| 1 割以内の扱い
区分変更確認は、毎回必ず区分を変えるわけではありません。地方厚生局の案内では、前回届け出た時点と比較して、外来・在宅 BU 評価料(Ⅱ)では対象となる 3 か月の対象職員の給与総額、評価料(Ⅰ)の点数見込み、評価料(Ⅱ)の算定回数見込み、【B】の値のいずれの変化も 1 割以内である場合は、区分の変更を行うことができないとされています。
入院 BU 評価料でも、対象となる 3 か月の対象職員の給与総額、評価料(Ⅰ)の点数見込み、延べ入院患者数、【C】の値のいずれの変化も 1 割以内である場合は、同様に区分変更を行えません。つまり、「少し変わったから毎回区分変更」ではなく、一定の変動幅ルールを踏まえて判断する必要があります。
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| 評価料 | 比較する主な項目 | 実務のポイント |
|---|---|---|
| 外来・在宅 BU 評価料(Ⅱ) | 給与総額、(Ⅰ)点数見込み、(Ⅱ)算定回数見込み、【B】 | いずれも 1 割以内なら変更できない |
| 入院 BU 評価料 | 給与総額、(Ⅰ)点数見込み、延べ入院患者数、【C】 | いずれも 1 割以内なら変更できない |
計画書提出と同時になることはあるか
届出後運用では、区分変更確認と賃金改善計画書の提出時期が重なることがあります。厚労省の説明資料では、たとえば 7 月から算定区分が変更になる場合には、変更後区分でその後の月数分の計画書を作成し、区分変更届出と計画書提出を 1 つの Excel ファイルで同時に行うことも可能と案内されています。
したがって、6 月確認で区分が変わるケースでは、区分変更だけを別作業と考えず、計画書との関係まで一緒に見ておく方が実務ではスムーズです。
現場の詰まりどころ|ここで止まりやすい 4 点
現場で多いのは、 3・6・9・12 月の確認を忘れる、変更があるのに月内届出を後回しにする、 1 割以内ルールを見落とす、計画書との関係を切り離して考えるの 4 つです。制度の理解不足というより、確認月と判断ルールの整理が曖昧なことが原因になりやすいです。
区分変更確認は、届出後の「保守点検」です。一度届出したら終わりではなく、定期的に数字を見直し、必要ならその場で手続きをつなげる前提で運用した方が安定しやすくなります。
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| 詰まりどころ | なぜ危ないか | 先に決めること |
|---|---|---|
| 確認月を忘れる | 区分変更漏れにつながる | 3・6・9・12 月を院内予定に固定する |
| 月内届出を後回しにする | 翌月算定に間に合わない | 確認と届出を同月内で終える流れにする |
| 1 割以内ルールを見落とす | 不要な区分変更判断をしやすい | 比較項目を一覧で確認する |
| 計画書と切り離して考える | 同時提出の整理が遅れる | 6 月確認時は計画書も同時に意識する |
届出前チェックリスト
届出前は、細かい文章よりも順番が大事です。まずは対象評価料の確認、確認月かどうかの確認、新たな算出、 1 割以内かの比較、月内届出の要否判断の順で見ると、チェック漏れを減らしやすいです。
とくに、区分変更確認は一度出して終わりではなく、四半期ごとに繰り返す運用です。結果だけでなく、前回値との比較や出所資料まで残しておく方が安全です。
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| 順番 | 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1 | 対象評価料を確認 | (Ⅱ)や入院 BU が対象か |
| 2 | 確認月かを確認 | 3・6・9・12 月か |
| 3 | 新たに算出する | 給与総額、見込み回数、【B】または【C】を再計算したか |
| 4 | 1 割以内か比較する | 前回値との比較を確認したか |
| 5 | 月内届出の要否を決める | 変更がある場合はその月内に動けるか |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
区分変更確認はいつ行いますか?
毎年 3 月、6 月、9 月、12 月に行います。まずはこの確認月を院内で固定しておく方が安全です。
変更がある場合はいつ届け出ますか?
確認した月内に届け出ます。翌月から変更後区分に基づく点数を算定する流れです。
毎回必ず区分変更しますか?
いいえ。前回届出時と比較して、所定項目の変化がいずれも 1 割以内の場合は、区分変更を行えない扱いがあります。
評価料(Ⅰ)でも同じ確認が必要ですか?
主に区分計算を伴う評価料(Ⅱ)や入院 BU 評価料で重要になる運用です。まずは自施設の届出評価料を確認する方が安全です。
計画書提出と同時になることはありますか?
あります。たとえば 7 月から区分変更になる場合は、変更後区分での計画書を作成し、区分変更届出と同時に提出できる案内があります。
次の一手
まずは、 3・6・9・12 月を区分変更確認月として固定してください。そのうえで、給与総額、見込み回数、前回値との比較表を 1 セットで残すと、届出後運用がかなり安定します。
続けて読むなら、ベースアップ評価料(Ⅱ)の区分計算 2026|賃金改善算定基礎額・区分決定・注意点で、区分変更確認の土台になる計算式を先に確認すると整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. ベースアップ評価料届出後に行っていただきたいこと. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001467691.pdf
- 北海道厚生局. ベースアップ評価料の施設基準等の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/shinsei/shido_kansa/hoken_shitei/index_00012.html
- 東海北陸厚生局. ベースアップ評価料の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/r06baseup.html
- 関東信越厚生局. 様式 96 添付書類(新規・ 3、6、9、12 月の区分変更). https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/h30/r6-t96.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


