ベースアップ評価料の算定見込み回数とは|入院・外来の違い

制度・実務
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算定見込み回数は「区分計算の分母」として整理します

ベースアップ評価料の算定見込み回数は、届出区分を決めるときに使う区分計算の分母です。この記事では、制度全体ではなく「何の回数を数えるのか」「入院と外来で何が違うのか」「評価料(Ⅰ)でも必要なのか」に絞って整理します。届出書類を確認する医療機関・事務担当者・リハ職が、院内で数字をそろえるための記事です。

区分計算の全体像から確認したい方へ

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算定見込み回数とは何か

算定見込み回数とは、賃金改善算定基礎額を割って届出区分を決めるための見込みの算定回数です。区分計算では、賃金改善に必要な金額だけでなく、その評価料をどのくらい算定する見込みかを分母として置く必要があります。

つまり、算定見込み回数は「参考として書く数字」ではなく、区分決定の前提になる数字です。臨床現場でも制度対応でも、ここが曖昧なままだと、担当者ごとに計算の前提がずれやすくなります。

算定見込み回数はどこで使うか

算定見込み回数は、主に評価料(Ⅱ)や入院ベースアップ評価料など、区分計算が必要な評価料で使います。評価料(Ⅰ)のみを確認している場合と、評価料(Ⅱ)の区分を届け出る場合では、見るべきポイントが変わります。

最初に確認したいのは、「自施設がどの評価料を届け出るのか」です。ここを固定してから、入院なのか、外来・在宅なのかに応じて分母を整理します。

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算定見込み回数が関わる場面
評価料 区分計算 算定見込み回数の見方
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ) 原則として区分計算なし 区分決定の分母としては通常使わない
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ) 必要 初診料・再診料等算定回数を確認する
入院ベースアップ評価料 必要 延べ入院患者数を確認する

入院と外来で見る回数は違います

入院と外来では、算定見込み回数として見る数字が違います。入院では延べ入院患者数、外来・在宅では初診料・再診料等算定回数を確認する整理になります。

ここで止まりやすいのは、「患者数」と「算定回数」を同じように扱ってしまうことです。入院は延べ患者数、外来は算定回数と分けて考えると、区分計算の分母がぶれにくくなります。

ベースアップ評価料の算定見込み回数を入院と外来在宅で比較した図版
算定見込み回数は、入院では延べ入院患者数、外来・在宅では初診料・再診料等算定回数として整理します。

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入院と外来で使う算定見込み回数の違い
区分 見る回数 実務のポイント
入院 延べ入院患者数 実患者数ではなく、延べ数として確認する
外来・在宅 初診料・再診料等算定回数 患者数ではなく、算定回数として確認する

初診料・再診料等算定回数に含めるもの

初診料・再診料等算定回数では、再診料だけを見ればよいわけではありません。届出様式や記載例では、初診料、再診料、外来診療料、外来リハビリテーション診療料、地域包括診療料など、関連する算定項目を確認する必要があります。

実務では、レセプトや医事システムからどの項目を抽出するかを先に決めておくことが大切です。「再診料等」という言葉だけで判断すると、対象を狭く取りすぎることがあります。

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初診料・再診料等算定回数で確認したい主な項目
区分 主な項目 確認ポイント
初診料側 初診料など 初診として算定された回数を確認する
再診料等側 再診料、外来診療料、外来リハビリテーション診療料など 再診料だけに限定しない
包括系・特定項目 地域包括診療料、認知症地域包括診療料など 届出様式や記載例で対象範囲を確認する

訪問診療料の扱い

外来・在宅ベースアップ評価料を確認する場合は、訪問診療料に関する算定回数も見落とさないようにします。在宅医療を行っている医療機関では、外来だけを見てしまうと分母の整理が不十分になることがあります。

特に、外来と在宅の両方を行っている施設では、医事課・診療部門・リハ部門で「どの算定回数を使っているか」を共有しておくと、後から確認しやすくなります。

算定見込み回数の決め方

算定見込み回数は、将来の算定見込みとして整理する数字です。直近の請求実績をそのまま使うだけでなく、診療体制の変化、外来数・入院数の変動、在宅診療の有無などを踏まえて、説明できる見込み値にする必要があります。

現場では、計算結果だけを残すよりも、根拠資料を一緒に残す方が安全です。たとえば「どの月の実績を使ったか」「どの算定項目を含めたか」「入院と外来をどう分けたか」をメモしておくと、届出後の見直しで戻りにくくなります。

評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)で混同しない

評価料(Ⅰ)と評価料(Ⅱ)では、算定見込み回数の重要度が違います。評価料(Ⅰ)は区分計算を伴わないため、算定見込み回数を区分決定の分母として使う場面は通常ありません。一方で、評価料(Ⅱ)では区分を決めるために分母の整理が必要です。

そのため、算定見込み回数を確認するときは、最初に「評価料(Ⅰ)の話なのか」「評価料(Ⅱ)の区分計算の話なのか」を分けて考えることが大切です。

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評価料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い
項目 評価料(Ⅰ) 評価料(Ⅱ)
区分計算 原則不要 必要
算定見込み回数 区分決定の分母としては通常使わない 区分決定の分母として使う
確認の優先度 対象評価料の確認 分母と対象項目の確認

現場で止まりやすい4つのポイント

現場で多い詰まりどころは、患者数と算定回数の混同、入院と外来の分母の混同、再診料等の対象項目の見落とし、根拠資料の不足です。制度が難しいというより、数字の出どころが曖昧なことで止まりやすくなります。

療養病棟や外来リハを含む施設では、リハ職が直接届出を作らなくても、医事課から「この回数でよいか」と確認されることがあります。そのときに、入院は延べ入院患者数、外来は算定回数という整理を共有できると、院内確認が進めやすくなります。

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算定見込み回数でよくある失敗と対策
よくある失敗 なぜ危ないか 対策
患者数と算定回数を混同する 分母が実態とずれる 入院と外来で見る数字を分ける
入院と外来で同じ数字を見る 区分計算の前提がぶれる 評価料の種類を先に確認する
再診料等を狭く見る 算定見込み回数が小さくなる可能性がある 届出様式・記載例で対象項目を確認する
根拠資料を残さない 後から説明できない 使用した実績月、抽出条件、対象項目を残す

届出前チェックリスト

届出前は、細かい計算に入る前に確認順序を固定します。対象評価料、入院・外来の区分、対象項目、見込み回数、根拠資料の順で確認すると、算定見込み回数の抜けやズレを減らしやすくなります。

特に、区分変更や再届出の時期には、過去の様式をそのまま使わず、最新の様式・記載例を確認することが重要です。

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算定見込み回数の最終チェック
順番 確認項目 見るポイント
1 対象評価料を確認 評価料(Ⅰ)か、評価料(Ⅱ)か、入院評価料か
2 入院・外来を分ける 入院は延べ入院患者数、外来は算定回数で見る
3 対象項目を確認 初診料・再診料等に含める項目を確認する
4 見込み回数を整理 請求実績や診療体制を踏まえた数字か
5 根拠資料を保存 抽出条件、使用月、計算過程を残す

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

算定見込み回数とは何ですか?

ベースアップ評価料の区分計算で、賃金改善算定基礎額を割るために使う分母です。評価料をどのくらい算定する見込みかを示す数字と考えると整理しやすいです。

入院では何の回数を見ますか?

入院では延べ入院患者数を確認する整理になります。実患者数ではなく、延べ数として見る点が重要です。

外来では何の回数を見ますか?

外来では初診料・再診料等算定回数を確認します。患者数ではなく、算定回数として整理する方がズレにくくなります。

再診料等には何が含まれますか?

再診料だけでなく、外来診療料、外来リハビリテーション診療料、地域包括診療料など、届出様式や記載例で示される対象項目を確認します。

評価料(Ⅰ)でも算定見込み回数は必要ですか?

区分決定の分母としては、主に評価料(Ⅱ)や入院ベースアップ評価料で重要になる考え方です。まずは自施設がどの評価料を届け出るかを確認してください。

次の一手

まずは、自施設の評価料が(Ⅰ)なのか(Ⅱ)なのかを確認し、次に入院は延べ入院患者数、外来は初診料・再診料等算定回数として分けて整理してください。区分計算の全体像や月額賃金総額もあわせて確認すると、届出前の見落としを減らせます。


参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
  2. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001669200.pdf
  3. 東海北陸厚生局. ベースアップ評価料等の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/r06baseup.html

著者情報

rehabilikun のプロフィール画像

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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