ベースアップ評価料の様式94の書き方2026|記載項目・再提出・注意点

制度・実務
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様式 94 は「4 つの記載欄」と「再提出」を先に固定すると書きやすくなります

このページは、ベースアップ評価料における様式 94(特別事情届出書)の書き方について、制度の総論ではなく記載実務に絞って整理した記事です。検索で知りたいのは「様式 94 とは何か」よりも、どの欄に何を書くか / 書く前に何をそろえるか / 再提出はいつ必要か / 計画書とどうつながるかであることが多く、そこを先に言語化すると担当者間の確認がかなり進めやすくなります。

公開済みの関連記事が「特別事情届出書が必要なケース」を扱うのに対して、本ページは様式 94 の各欄をどう埋めるかに絞った補助記事を担当します。まずは記載欄の全体像を押さえ、その後に 4 項目ごとの書き方、再提出の考え方、提出前チェックへ進む流れで読むとズレません。

関連:ベースアップ評価料の特別事情届出書2026|必要な場面・書き方・注意点

様式 94 は何を書く書類か

結論からいうと、様式 94 は、賃金水準を引き下げた上で賃金改善を行う特例時の事情を説明する書類です。通常の賃金改善計画書とは役割が異なり、「なぜ特例対応が必要なのか」を補足するための届出書と考えると整理しやすくなります。

この書類で主に見るのは、必要がある状況賃金水準の引下げの内容経営及び賃金水準の改善の見込み労使合意の 4 点です。したがって、書式を開いてから考えるよりも、先にこの 4 区分で材料をそろえる方が進めやすくなります。

書く前に確認する 4 項目

様式 94 の中心は、大きく 4 つに分けて考えると分かりやすいです。必要がある状況は「なぜ引下げが必要か」、引下げの内容は「いつ・誰に・どれだけ影響するか」、改善の見込みは「今後どう立て直すか」、労使合意は「どう合意を取ったか」を整理する欄です。

つまり、様式 94 は単に金額を書く紙ではありません。事情、内容、見通し、合意の 4 つがそろって初めて、特例対応としての説明が通りやすくなります。

様式 94 の書き方 4 項目を整理した図版
様式 94 は、必要がある状況、引下げの内容、改善の見込み、労使合意の 4 項目に分けると整理しやすくなります。

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様式 94 の 4 項目の全体像
項目 見る内容 先にそろえたいもの
必要がある状況 なぜ賃金引下げが必要か 収支状況、経営上の事情
引下げの内容 期間、対象、金額など 対象職員、引下げ幅、実施時期
改善の見込み 経営と賃金水準の改善見込み 今後の見通し、改善方針
労使合意 合意の時期と方法など 協議記録、説明資料、合意確認

「必要がある状況」の書き方

この欄では、なぜ賃金引下げが必要なのかを説明します。抽象的に「経営が厳しい」と書くよりも、患者数の減少、一定期間の赤字、資金繰りへの支障など、状況が見える形で整理する方が伝わりやすくなります。

ポイントは、現状の悪さを並べるだけで終わらせないことです。「どのような事情があり、通常運用では回しにくいのか」を短くつなげると、後ろの改善見込みともつながりやすくなります。

「賃金水準の引下げの内容」の書き方

この欄では、期間、対象、金額等 を整理します。実務では、まずいつからいつまでか誰が対象かどの程度引き下げるかの 3 つに分けると書きやすいです。

引下げ内容が曖昧だと、必要性の説明や労使合意の記載も弱くなります。最初に一覧表を作ってから転記するイメージで進めると、書式上の抜けを減らしやすくなります。

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引下げ内容で先に整理したいこと
確認項目 何を見るか 実務のポイント
期間 いつからいつまでか 年度またぎなら再提出も意識する
対象 誰が対象か 対象職員の範囲を曖昧にしない
金額等 どの程度引き下げるか 金額や率を説明できる形にする

「改善の見込み」の書き方

この欄では、経営及び賃金水準の改善の見込みを書きます。ここで大事なのは、「今困っていること」だけでなく、今後どう立て直していくかを示すことです。

様式上は、経営及び賃金水準の改善に係る計画等を提出して代替することもできるため、本文では「別資料で補う考え方」があることも押さえておくと実務的です。書き切れない場合は、計画資料と整合する形で簡潔にまとめると整理しやすくなります。

「労使合意」の書き方

この欄では、賃金水準を引き下げることについて、適切に労使の合意を得ていることと、合意の時期及び方法等を整理します。つまり、「合意したか」だけではなく、「いつ」「どういう形で」合意したかまで書く欄です。

実務では、合意日、説明方法、協議の経緯などを先にメモ化しておくと書きやすいです。労使合意の根拠が弱いと、様式 94 全体の説得力が落ちやすいため、ここは後回しにしない方が安全です。

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労使合意で整理したいポイント
ポイント 見る内容 実務のポイント
合意の有無 適切に合意を得ているか 説明だけでなく合意確認までそろえる
時期 いつ合意したか 日付を明確にする
方法 どのように合意したか 協議や説明の流れを簡潔に整理する

再提出が必要な場面

ここは見落としやすい論点です。地方厚生局では、年度を超えて対象職員の賃金を引き下げる場合、次年度に賃金改善計画書を提出する際に、特別事情届出書も再度提出する必要があると案内しています。

つまり、様式 94 は一度出して終わりとは限りません。期間の整理をするときに「年度またぎかどうか」を必ず確認しておくと、翌年度の提出漏れを防ぎやすくなります。

様式 94 の記載前チェックリスト

記載前は、細かい文章よりも順番が大事です。まずは必要ケースか確認4 項目の材料を整理労使合意の根拠を確認年度またぎか確認の順で見ると、書き始めてからの戻りを減らしやすくなります。

とくに、様式 94 は「必要がある状況」と「改善の見込み」がつながっている方が読みやすいです。状況だけ、合意だけ、と分断せずに、全体を 1 セットで考えるとまとまりやすくなります。

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様式 94 の記載前チェック
順番 確認項目 見るポイント
1 必要ケースか確認 特例運用に当てはまるか
2 4 項目の材料を整理 状況・内容・見込み・合意がそろっているか
3 労使合意を確認 時期と方法を説明できるか
4 年度またぎを確認 再提出が必要なケースか

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

様式 94 は何を書けばよいですか?

主に、必要がある状況、賃金水準の引下げの内容、改善の見込み、労使合意の 4 項目です。先にこの 4 つの材料をそろえると進めやすくなります。

PDF と Excel のどちらで確認できますか?

厚生局ページでは、様式 94 の PDF や関連する Excel 様式が案内されています。実際の提出や確認では、管轄厚生局の最新案内に合わせるのが安全です。

労使合意はどこまで必要ですか?

様式 94 では、適切に労使の合意を得ていることと、合意の時期・方法等の記載欄があります。合意の有無だけでなく、経緯が説明できる方が整理しやすいです。

年度をまたぐと再提出ですか?

はい。地方厚生局では、年度を超えて賃金引下げが続く場合、次年度の賃金改善計画書提出時に特別事情届出書も再提出する必要があると案内しています。

計画書だけではだめですか?

賃金引下げを伴う特例ケースに当てはまる場合は、計画書だけでなく特別事情届出書も必要です。通常運用と特例運用を分けて考えると分かりやすくなります。

次の一手

まずは、必要がある状況引下げの内容改善の見込み労使合意の 4 つを別紙やメモで先に整理してください。そのうえで様式 94 に落とし込むと、書きながら迷いにくくなります。

続けて読むなら、ベースアップ評価料の特別事情届出書2026|必要な場面・書き方・注意点で要否判断を確認してから、このページに戻ると整理しやすくなります。


参考文献

  1. 厚生労働省. ベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
  2. 近畿厚生局. 様式94(特別事情届出書). https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/r6-t94.pdf
  3. 東海北陸厚生局. ベースアップ評価料の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/shinsei/shido_kansa/shitei_kijun/r06baseup.html
  4. 北海道厚生局. ベースアップ評価料の施設基準等の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/shinsei/shido_kansa/hoken_shitei/index_00012.html

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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