退院時共同指導料2の記録例|必要文書・摘要欄も整理

制度・実務
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退院時共同指導料2は「共同説明・文書共有・記録」をそろえる点数です

退院時共同指導料2で迷いやすいのは、算定要件そのものよりも、何を診療録に残すか、どの文書を共有するか、レセプトで何を整理するかです。本記事では、病棟・退院支援・リハ職が実務で確認しやすいように、退院時共同指導料2の記録方法、必要文書、共有先、摘要欄で見落としやすい点を整理します。

退院支援項目全体の違いから確認したい方は、先に退院前訪問指導料と退院時共同指導料2の違いを読むと、この記事の位置づけがつかみやすくなります。

先に結論|最低限そろえるのは3つです

退院時共同指導料2で最低限そろえたいのは、共同説明の診療録、在宅側へ共有した文書、レセプトで必要になる情報の3つです。

実際の現場では、「説明した」だけでは後から確認しにくくなります。誰と共同したのか、患者・家族へ何を説明したのか、在宅側へ何を共有したのかまで残しておくと、病棟・リハ・事務間で確認しやすくなります。

必要書類は「説明用・共有用・保存用」に分けると整理しやすいです

退院時共同指導料2の全体像。共同説明、文書共有、記録・レセプトの流れと、誰と、何を、どこへ、いつの抜けやすい確認点を整理した図版。
図1.退院時共同指導料2の記録・文書共有・レセプト確認の全体像

退院時共同指導料2では、1枚の書類にすべてを詰め込むより、用途ごとに分けると運用しやすくなります。

スマホでは表を横スクロールできます。

退院時共同指導料2でそろえたい書類
区分 目的 最低限入れたい内容 保存・共有先の例
説明用メモ 患者・家族への説明をそろえる 退院後の注意点、服薬、介助方法、連絡先 退院支援ファイル、カンファレンス資料
共有文書 在宅側へ情報をつなぐ 病状、ADL、処置、介助量、生活上の注意点 診療情報提供書、退院支援文書、看護サマリー等
院内保存記録 算定根拠を残す 共同相手、説明日、説明内容、共有先 診療録、入退院支援記録、退院支援シート

共同指導の参加者は「入院側・在宅側・患者側」で整理します

共同指導では、入院中の医療機関側と、退院後の在宅療養を担う側が共同して説明・指導を行います。

記録では職種名だけでなく、どの機関の誰と共同したかを残すことが大切です。PT・OT・STが関与した場合も、移乗、歩行、福祉用具、嚥下など、どの内容を説明したかを簡潔に残すと後から確認しやすくなります。

共同指導で整理したい役割
立場 主な例 記録で残したいこと
入院側 医師、看護師等、薬剤師、管理栄養士、PT、OT、ST、社会福祉士 誰がどの内容を説明したか
在宅側 在宅療養担当医療機関、訪問看護ステーション、保険薬局、介護支援専門員等 どの機関の誰へ共有したか
患者側 本人、家族、退院後に看護・介護を担う者 誰へ説明したか、理解確認の要点

診療録は5項目で残すと抜けにくいです

診療録は長く書くより、必要項目が抜けない型にする方が実務では続きます。

退院時共同指導料2では、次の5項目をテンプレ化しておくと、病棟・リハ・事務で確認しやすくなります。

診療録5項目テンプレ

  1. 共同指導日
  2. 共同した相手の機関名・職種
  3. 患者・家族へ説明した要点
  4. 在宅側へ共有した文書名・共有先
  5. 退院後の対応、連絡先、注意点

診療録の記載例

在宅療養担当医療機関の医師、訪問看護師と共同で退院時共同指導を実施。患者・家族へ、内服管理、排泄介助、移乗時の介助量、夜間転倒予防について説明。退院支援文書を交付し、在宅側へADL、介助方法、緊急時連絡先を共有。退院後は訪問看護導入予定。

文書共有は「患者向け」と「在宅側向け」を分けます

共有文書で起こりやすい失敗は、患者・家族向けの説明文書と、在宅側へ引き継ぐ文書が混ざることです。

患者向けは退院後に実行する行動、在宅側向けは医療・介護として引き継ぐ情報を中心に整理すると伝わりやすくなります。

共有文書の使い分け
向き先 主役 入れたい内容 注意点
患者・家族向け 退院後に実行する行動 服薬、受診、移動、介助、注意点 専門用語を増やしすぎない
在宅側向け 引き継ぐ医療・介護情報 病状、処置、ADL、介助量、家族状況、連絡先 患者向けの短文だけで済ませない

摘要欄・レセプトでは前回算定年月と同日算定に注意します

レセプトで見落としやすいのは、前回算定年月と、同日に関連する指導料を算定した場合の共同指導者の職種・年月日です。

請求段階で確認し直すと手間が増えるため、病棟記録の時点で「実施日」「共同した職種」「同日算定の有無」を残しておくと安全です。事務担当だけに任せるのではなく、共同指導を実施した側でも確認できる形にしておくと、レセプト整理が止まりにくくなります。

入退院支援加算を算定する患者では退院支援計画とのつながりを確認します

入退院支援加算を算定する患者では、退院支援計画の策定、患者への説明、文書提供、関係機関との共有が重要になります。

そのため、退院時共同指導料2だけを単独で見るより、退院支援計画 → 共同説明 → 文書共有 → 診療録の流れで確認すると運用しやすくなります。臨床では、共同説明の前に退院支援計画の内容と共有先を確認しておくと、説明内容の抜けを減らせます。

多機関共同指導加算では「3者以上」の構造を明確にします

多機関共同指導加算では、参加者が多いことだけでなく、誰と誰が共同して指導したかを明確に残すことが大切です。

入院側、在宅療養担当医療機関、訪問看護、薬局、介護支援専門員などが関わる場合は、記録上も機関名・職種・説明した内容を整理します。2回算定できるケースでも、回数だけでなく、どの回で誰が共同指導を行ったかを分けて残すと確認しやすくなります。

現場の詰まりどころは「書類不足」より「用途の混在」です

退院時共同指導料2が回りにくい理由は、書類がないことより、患者向け説明、在宅側への共有、院内保存の用途が混ざることです。

まずは、患者向け1枚、在宅側向け1枚、診療録1本の3本立てで考えると整理しやすくなります。退院支援項目の使い分けまで確認したい場合は、退院前訪問指導料と退院時リハ指導料の違いもあわせて確認すると、主語の違いが見えやすくなります。

よくある失敗と対策

退院時共同指導料2では、説明内容よりも「残し方」でつまずくことがあります。

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退院時共同指導料2で起こりやすい失敗と対策
失敗 なぜ困るか 対策
診療録に「説明した」だけを書く 共同相手や説明内容が確認できない 共同相手、説明要点、共有先を残す
患者向け文書をそのまま在宅側へ渡す 医療・介護の引き継ぎ情報が不足しやすい 患者向けと在宅側向けで文書を分ける
共有文書名を残していない 何を渡したか後から確認できない 文書名と共有先をテンプレに入れる
同日算定の職種・年月日を控えていない レセプト確認で止まりやすい 実施日、職種、同日算定の有無を残す
退院支援計画と共同指導が分断される 退院支援全体の流れが見えにくい 退院支援計画から共同説明へつなげて確認する

よくある質問

各項目名をタップすると回答が開きます。もう一度タップすると閉じます。

退院時共同指導料2は家族への説明でも算定できますか?

患者本人だけでなく、退院後に看護や介護を担う家族等へ説明した場合も対象になります。ただし、誰に何を説明したかを診療録に残しておくことが大切です。

診療録には最低限何を書けばよいですか?

共同指導日、共同した相手、説明内容、共有文書、退院後の対応の5項目を残すと実務で確認しやすくなります。

患者向け文書と在宅側向け文書は分けた方がよいですか?

分けた方が運用しやすいです。患者向けは退院後に実行すること、在宅側向けは医療・介護として引き継ぐ情報を中心に整理します。

2回算定できるケースでは何に注意しますか?

回数だけでなく、各回で誰が共同指導に入ったかを残すことが重要です。1回目と2回目の目的、参加者、説明内容を分けて記録すると確認しやすくなります。

退院時リハビリテーション指導料などと同日に算定した場合は何を残しますか?

共同指導を行った者の職種と年月日を確認できるようにしておきます。病棟記録の時点で職種、実施日、同日算定の有無を残すと請求時に止まりにくくなります。

次の一手

退院時共同指導料2は、周辺の退院支援項目と並べて確認すると理解しやすくなります。次に読むなら、以下の記事がつながりやすいです。


参考文献

  • 厚生労働省. 別表第一 医科診療報酬点数表. B005 退院時共同指導料2. 公式PDF
  • 厚生労働省. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について. 公式PDF
  • 厚生労働省. 疑義解釈資料の送付について その1. 公式PDF
  • 厚生労働省. 診療報酬請求書等の記載要領等について. 公式PDF

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・制度・実務記事を発信しています。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食嚥下、退院支援

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