FIM 7点(完全自立)と6点(修正自立)の違い

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FIM 7 点(完全自立)と 6 点(修正自立)の違い(結論)

FIM 7 点(完全自立)と 6 点(修正自立)の違い

7 点と 6 点の境界は「補助具・時間・安全配慮」の有無です。 評価で迷わない型を 5 分で整理する(PT キャリアガイド)

FIM の 7 点(完全自立)と 6 点(修正自立)は、どちらも「介助者の手を借りない」状態ですが、判定条件が異なります。現場では、補助具を使ったか、通常より時間がかかったか、安全のための配慮が必要だったかを確認すると、判定のブレを減らせます。

つまり、何も条件がつかない自立=7 点条件付きの自立=6 点です。最初にこの 2 層構造で整理すると、記録・申し送り・カンファレンスでの説明がそろいやすくなります。

7 点と 6 点の違いは「 3 軸 」で決まる

判定を安定させるコツは、毎回同じ観点で見ることです。FIM の 7 点と 6 点は、①補助具 ②所要時間 ③安全配慮 の 3 軸で切り分けると迷いにくくなります。

この 3 軸をカルテ記載のテンプレに組み込むと、評価者が変わっても再現性が上がります。関連する評価全体は 評価ハブ で一覧化しておくと運用しやすくなります。

FIM 7 点(完全自立)と 6 点(修正自立)の比較(成人・臨床運用)
比較軸 7 点(完全自立) 6 点(修正自立)
補助具 使用しない 使用する(杖、手すり、装具など)
所要時間 通常範囲で実施できる 通常より明らかに時間を要する
安全配慮 特別な配慮が不要 転倒予防などの配慮が必要
他者の関与 不要 身体介助は不要(条件付き自立)
記録の要点 「条件なしで自立」を明記 「どの条件で自立か」を明記

FIM 7 点(完全自立)の定義

7 点は、対象動作を安全かつ適切に、他者の助けや特別な条件なしで実施できる状態です。補助具不要、見守り不要、声かけ不要、時間延長も実務上問題ないレベルが目安になります。

評価時は「病棟・在宅で再現できるか」を必ず確認します。単発で偶然できた場面ではなく、日常で安定して実行できるかどうかを見て、7 点の妥当性を判断します。

FIM 6 点(修正自立)の定義

6 点は、介助者の身体介助は不要でも、実施に条件が必要な状態です。代表例は、補助具使用、通常より時間を要する実施、安全確保のための自己管理(環境調整・慎重動作)です。

重要なのは「自立だが完全自立ではない」という点です。6 点を 7 点に寄せすぎると過大評価になり、逆に 5 点へ落としすぎると実態を反映しにくくなります。まず条件の有無を確認する運用が有効です。

7 点か 6 点かを迷わない判定フロー

実務では、次の順序で判定すると安定します。

  1. 身体介助(持ち上げ・支え・誘導)が必要かを確認する
  2. 不要なら、補助具の使用有無を確認する
  3. 補助具がなければ、所要時間の延長があるか確認する
  4. 最後に、安全配慮が条件になっていないか確認する

この流れで「条件なし=7 点」「条件あり=6 点」と固定すると、採点の再現性が上がります。6 点の詳細は FIM 6 点の記事 で補足できます。

場面別:迷いやすい境界の見方

場面別の 7 点 / 6 点 判定ポイント(トイレ・更衣・移乗・歩行)
場面 7 点に寄る所見 6 点に寄る所見
トイレ動作 手すり不要で安定して実施 手すり使用で自立
更衣 補助具なしで通常時間内に実施 リーチャー等を使用して実施
移乗 環境条件に依存せず実施 ベッド高調整や手すり前提で実施
歩行 補助具なしで安全に移動 杖・装具使用で自立

よくある失敗と対策

FIM 7 点 / 6 点 判定で起きやすいミスと修正ポイント
よくある失敗 起きる理由 対策
補助具使用でも 7 点にする 「介助なし=完全自立」と誤解しやすい 補助具の有無を最初に確認する
時間延長を見落とす 達成可否だけで判定してしまう 通常時間との差を評価項目に固定する
記録が抽象的 「自立」のみで条件を書いていない 補助具・時間・安全配慮を 1 行で明記する

監査で伝わる記録テンプレ

申し送りで齟齬が出にくい記録は、「実施条件」と「安全性」をセットで残す形です。評価者間で語彙を統一すると、次回評価でも同じ基準を維持しやすくなります。

  • 7 点の記録例:更衣は補助具不要、通常時間内で安全に自立して実施。
  • 6 点の記録例:更衣はリーチャー使用で自立、所要時間延長あり、転倒なく実施。

5 点との境界まで整理したい場合は、続けて FIM 5 点の記事 を確認してください。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

7 点と 6 点は、どちらも「自立」ですか?

はい。どちらも介助者の身体介助が不要という意味で自立です。違いは、補助具・時間延長・安全配慮など「条件」の有無です。条件なしが 7 点、条件ありが 6 点です。

杖を使って歩ける場合は 7 点ですか?

補助具を使用しているため、原則は 6 点(修正自立)です。杖なしで同等の安全性と再現性があるかを別途確認してください。

時間がかかるだけでも 6 点になりますか?

通常より明らかに時間を要し、その遅延が実用上の条件になっているなら 6 点を検討します。単発ではなく、日常場面で再現するかを確認することが重要です。

見守りが必要なケースは 6 点ですか?

見守りの内容によっては 6 点以下を検討します。少なくとも 7 点ではありません。チーム内で「見守り」の定義を統一して運用してください。

次の一手

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参考文献

  1. 千野 直一(監訳). FIM:医学的リハビリテーションのための統一データセット利用の手引き. 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室.
  2. Uniform Data System for Medical Rehabilitation. The FIM Instrument: background and practical use(施設採用版マニュアルで最終定義を確認).

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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